193 / 359
第十七章 頂へ続く階段の一歩
霞みに隠される作意
しおりを挟む
終わりの見えない長い廊下を進んでいく。
私はフィコンに尋ねる。
「いったいどこへ向かっているのですか?」
「この先に、街の中央広場を見渡せるバルコニーがあり、今日はそこで民衆に声を掛けねばならぬ」
「え、まさか、私をそのバルコニーに出すつもりでは?」
「そのようなことはしない。貴様を出す意味がないからな」
「はぁ?」
「ただ、後ろで民衆を見ていろ」
「それが、用件で?」
「話はすでに済んでいる。正直、取るに足らぬ存在なら適当な理由をつけて命を奪うつもりだったが、やめた」
「えっ!?」
「フフ、冗談だ」
フィコンは冷め切った笑い声を漏らす。
明らかに冗談ではない冗談……。
彼女が何を考えているのかさっぱりだが、何にせよ命拾いをしたみたいだ。
廊下の先に光が見えてきた。
どうやら、バルコニーに着いたようだ。
フィコンは隠れて様子を見るようにと、手の仕草だけで表す。
そして、バルコニーへ向かうのだが、途中で足を止めて私に一声かけた。
「私はサノアの力を宿し、外の者として貴様たちを見守る存在。故に、人としての立場でしか関わりを持たぬように努めている。だが時に、『スース』のように余計な口出しをしてしまう。許せ」
「スース?」
「伝えておらぬのか、消したのか。まぁいい、戯言として忘れよ」
フィコンはまさに戯言としか思えぬ意味を纏わない言葉を置いて、バルコニーへ向かった。
――バルコニー
バルコニーはとても高い位置にあった。
遥か下の大地には民衆が集まり、フィコンを見上げ、両手を天へ伸ばし、フィコンの名を縋るように叫び続けている。
民衆の姿はあたかもサレート=ケイキが描いた、あの巨大な絵画のようであった。
多くの人々が恋焦がれ、たった一つの希望に縋ろうとする姿……。
私は民衆から姿が見えない位置でそれらを観察する。
フィコンはルヒネ派の経典を読み上げつつ、己の言葉を時折混ぜている。
民衆はそれに酔いしれて、歓声を上げ続けているが……。
(本気でフィコンの名を叫んでいる者もいるが、サクラも混じっているな)
彼女の演説を盛り上げるためだろう。
民衆に混じり、彼らを猛り煽るように声を上げている者たちが民衆のあちこちに混じっている様子。
フィコンは自分に降り注ぐ民衆たちの声に笑みを浮かべて応えている。
はたして、彼女は偽りと真実を見抜いているのだろうか?
演説は二十分ほどで終わり、フィコンが戻ってきた。
彼女は短く私に問う。
「どうだ?」
「え……それは……」
私はちらりと民衆へ視線を振った。そこにあるのは真の興奮と偽りの興奮。
民衆はフィコンが消えたバルコニーに残影を浮かべ、いまもなお、熱き歓声を上げている。
「フッ、答えは無用か」
フィコンは私の視線の動きのみから、心の中身を覗いたかのような態度をとる。
彼女はそれらしき態度を見せているだけなのか、そうではないのか……。
「では、戻ろう。広間ではサレートに熱が入り、エムトがむくれているだろうからな」
そう言って、私を背後に置き、前を歩き始めるのだが……途中で足を止めて周囲を見回し、一言――とても重い一言を漏らす。
「ふむ、調べ車の塔はどうも息苦しくてかなわん。もう少し、風通しを良くしたいところだ」
フィコンは私を置いて、前を歩き始めた。
私はというと、足を動かせず、ただ、冷や汗に全身を溺れさせていた。
(まさか、彼女は……だが、なぜ、私にそのようなことを!?)
――貴様の前には過酷な選択が現れ続ける。その選択は常に、生と死のみ。誤れば、死ぬ――
不意に、フィコンの神託が頭をよぎった。
(まさか、近いうちに恐ろしげなことが起こり、私は選択を迫られるのか? それも、フィコンが望むことにつながる選択肢――フィコンと相対する二十二議会の力を削ぐような出来事がっ……まさか、そんなことなど!?)
私は廊下の闇に消えようとしている、フィコンの小さくも恐ろしげな背中を見つめ、恐怖を唾と共にごくりと飲み込む。
そして、意思を足に伝播して、一歩前へと進み始めた。
――
真四角の広間に戻り、無言でエクアを回収。
なぜ無言かというと、下手につつけば、エクアとサレートの芸術談議の波に飲み込まれ兼ねなかったからだ。
二人は何百年か前の芸術家・コックリンとギャパロンとやらの話で盛り上がっていた。
それをエムトは無言で見守っていたのだが……私は彼に頭を下げて、エクアに声を掛ける。
すると二人して、私に芸術性の違いと見解を問うてきた。
だけど――そんなもんわかるわけがない!
これ以上ここに留まれば、二人のマニアックな話に付き合わされかねない。
そういうわけで、フィコンとエムトに謝罪のような別れの挨拶だけをして、さっさと調べ車の塔を後にした。
塔を出るとすぐに、金髪短髪の青白い四角顔の嫌味笑いエメルが現れ、フィコンとの会談の内容をそれとなく聞かれたので、大部分が絵画の話だった答えを返した。
それには大層不満気な態度を見せたが、エメルは持ち前の不気味な笑いを見せて感情を収めると、明日、化粧品に関する話をしたいと。
彼の話によると、私たちが製造するトーワの化粧品はアグリスの貴族や富豪に珍重されているらしい。
しかし、キャビットを介しての取引では満足いく量が出回っていない、と。
キサならここで流通量を制御して品薄商法でもしそうだが、私は商売人ではない。
そう、政治家だ。
彼らとの今後を考えて、出来る限りの量が回せるように努めるつもりだ。
おそらく話の内容はキャビットを介さない直接取引の内容と、その量の話になるだろう。
中身からいって商売というより、政治的な駆け引きの度合いが強くなりそうだ。
明日の会談は私と冷静なカイン辺りを伴っていく方が良いと考える。
引き続き、フィナと親父には遠くで会談を見守ってもらうとしよう。
私はフィコンに尋ねる。
「いったいどこへ向かっているのですか?」
「この先に、街の中央広場を見渡せるバルコニーがあり、今日はそこで民衆に声を掛けねばならぬ」
「え、まさか、私をそのバルコニーに出すつもりでは?」
「そのようなことはしない。貴様を出す意味がないからな」
「はぁ?」
「ただ、後ろで民衆を見ていろ」
「それが、用件で?」
「話はすでに済んでいる。正直、取るに足らぬ存在なら適当な理由をつけて命を奪うつもりだったが、やめた」
「えっ!?」
「フフ、冗談だ」
フィコンは冷め切った笑い声を漏らす。
明らかに冗談ではない冗談……。
彼女が何を考えているのかさっぱりだが、何にせよ命拾いをしたみたいだ。
廊下の先に光が見えてきた。
どうやら、バルコニーに着いたようだ。
フィコンは隠れて様子を見るようにと、手の仕草だけで表す。
そして、バルコニーへ向かうのだが、途中で足を止めて私に一声かけた。
「私はサノアの力を宿し、外の者として貴様たちを見守る存在。故に、人としての立場でしか関わりを持たぬように努めている。だが時に、『スース』のように余計な口出しをしてしまう。許せ」
「スース?」
「伝えておらぬのか、消したのか。まぁいい、戯言として忘れよ」
フィコンはまさに戯言としか思えぬ意味を纏わない言葉を置いて、バルコニーへ向かった。
――バルコニー
バルコニーはとても高い位置にあった。
遥か下の大地には民衆が集まり、フィコンを見上げ、両手を天へ伸ばし、フィコンの名を縋るように叫び続けている。
民衆の姿はあたかもサレート=ケイキが描いた、あの巨大な絵画のようであった。
多くの人々が恋焦がれ、たった一つの希望に縋ろうとする姿……。
私は民衆から姿が見えない位置でそれらを観察する。
フィコンはルヒネ派の経典を読み上げつつ、己の言葉を時折混ぜている。
民衆はそれに酔いしれて、歓声を上げ続けているが……。
(本気でフィコンの名を叫んでいる者もいるが、サクラも混じっているな)
彼女の演説を盛り上げるためだろう。
民衆に混じり、彼らを猛り煽るように声を上げている者たちが民衆のあちこちに混じっている様子。
フィコンは自分に降り注ぐ民衆たちの声に笑みを浮かべて応えている。
はたして、彼女は偽りと真実を見抜いているのだろうか?
演説は二十分ほどで終わり、フィコンが戻ってきた。
彼女は短く私に問う。
「どうだ?」
「え……それは……」
私はちらりと民衆へ視線を振った。そこにあるのは真の興奮と偽りの興奮。
民衆はフィコンが消えたバルコニーに残影を浮かべ、いまもなお、熱き歓声を上げている。
「フッ、答えは無用か」
フィコンは私の視線の動きのみから、心の中身を覗いたかのような態度をとる。
彼女はそれらしき態度を見せているだけなのか、そうではないのか……。
「では、戻ろう。広間ではサレートに熱が入り、エムトがむくれているだろうからな」
そう言って、私を背後に置き、前を歩き始めるのだが……途中で足を止めて周囲を見回し、一言――とても重い一言を漏らす。
「ふむ、調べ車の塔はどうも息苦しくてかなわん。もう少し、風通しを良くしたいところだ」
フィコンは私を置いて、前を歩き始めた。
私はというと、足を動かせず、ただ、冷や汗に全身を溺れさせていた。
(まさか、彼女は……だが、なぜ、私にそのようなことを!?)
――貴様の前には過酷な選択が現れ続ける。その選択は常に、生と死のみ。誤れば、死ぬ――
不意に、フィコンの神託が頭をよぎった。
(まさか、近いうちに恐ろしげなことが起こり、私は選択を迫られるのか? それも、フィコンが望むことにつながる選択肢――フィコンと相対する二十二議会の力を削ぐような出来事がっ……まさか、そんなことなど!?)
私は廊下の闇に消えようとしている、フィコンの小さくも恐ろしげな背中を見つめ、恐怖を唾と共にごくりと飲み込む。
そして、意思を足に伝播して、一歩前へと進み始めた。
――
真四角の広間に戻り、無言でエクアを回収。
なぜ無言かというと、下手につつけば、エクアとサレートの芸術談議の波に飲み込まれ兼ねなかったからだ。
二人は何百年か前の芸術家・コックリンとギャパロンとやらの話で盛り上がっていた。
それをエムトは無言で見守っていたのだが……私は彼に頭を下げて、エクアに声を掛ける。
すると二人して、私に芸術性の違いと見解を問うてきた。
だけど――そんなもんわかるわけがない!
これ以上ここに留まれば、二人のマニアックな話に付き合わされかねない。
そういうわけで、フィコンとエムトに謝罪のような別れの挨拶だけをして、さっさと調べ車の塔を後にした。
塔を出るとすぐに、金髪短髪の青白い四角顔の嫌味笑いエメルが現れ、フィコンとの会談の内容をそれとなく聞かれたので、大部分が絵画の話だった答えを返した。
それには大層不満気な態度を見せたが、エメルは持ち前の不気味な笑いを見せて感情を収めると、明日、化粧品に関する話をしたいと。
彼の話によると、私たちが製造するトーワの化粧品はアグリスの貴族や富豪に珍重されているらしい。
しかし、キャビットを介しての取引では満足いく量が出回っていない、と。
キサならここで流通量を制御して品薄商法でもしそうだが、私は商売人ではない。
そう、政治家だ。
彼らとの今後を考えて、出来る限りの量が回せるように努めるつもりだ。
おそらく話の内容はキャビットを介さない直接取引の内容と、その量の話になるだろう。
中身からいって商売というより、政治的な駆け引きの度合いが強くなりそうだ。
明日の会談は私と冷静なカイン辺りを伴っていく方が良いと考える。
引き続き、フィナと親父には遠くで会談を見守ってもらうとしよう。
0
あなたにおすすめの小説
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
転生したら実は神の息子だった俺、無自覚のまま世界を救ってハーレム王になっていた件
fuwamofu
ファンタジー
ブラック企業で過労死した平凡サラリーマン・榊悠斗は、気づけば剣と魔法の異世界へ転生していた。
チート能力もない地味な村人として静かに暮らすはずだった……が、なぜか魔物が逃げ出し、勇者が跪き、王女がプロポーズ!?
実は神の息子で、世界最強の存在だったが、その力に本人だけが気づいていない。
「無自覚最強」な悠斗が巻き起こす勘違い系異世界英雄譚、ここに開幕!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる