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第三十章 ある一つの結末
言葉を失うのは……
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ウードは震え立つような憎しみに魅かれ、ゆらりと後ろを振り返った。
そこいたのは、共にアクタの道を歩んできた伴侶。
彼女は薄く笑う。
「フフ、これは驚いた。まさか、生きて再び現れるなんて。それも、笠鷺の姿で……」
視線をキタフに向ける。
「彼の力を借りたのかしら?」
キタフは答えない。
無言の彼を置き去りし、もう一人の男を見つめる。
「あなたは誰かしら? 見覚えはあるわね……何か特別な力を持っているようには見えないけど。まさか、笠鷺を無から救ったのはあなた?」
「何を言っているのかわかんねぇが、俺の名はバーグ。キシトルのもんだ」
「ふ~ん、国を滅ぼされた復讐ということ。でも、占領後のキシトルの民の待遇は良いはずよ。今は……」
ウードは瞳に淫猥と闇を混ぜ込み、バーグへ微笑んだ。
その微笑みに、バーグの心は熱を失う。
「へ、へへ、今はときたか。見た目に騙されそうだけど、なるほど、ヤバい女だ」
ウードは再び笠鷺へ視線を戻す。
「それで、私に何用かしら?」
「決まっている。お前を殺すために戻ってきたのさ」
笠鷺は腰のホルスターから銃を取り出し、間髪入れずウードに目掛けて発砲した。
――パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!
放たれた弾は全弾ウードの急所を射抜いた。
だが、その弾は彼女の身体に突き刺さることはない。
彼女の前に展開された魔法壁が鉛の銃弾を完全に遮断していた。
魔法壁に突き刺さる銃弾を見つめ、ウードはため息をつく。
「ふぅ、そんなおもちゃで私を殺せるわけないでしょ。なんのつもり?」
「ただの挨拶だよ。ま、不意を突いて、運良くてめぇの脳みそを吹っ飛ばせれば御の字かなぁくらいは思ったけどな」
そう言って、無造作に銃を草むらに投げ捨てた。
ウードはそれを目で追ったが、すぐに笠鷺へと戻す。
「次は何を見せてくれるのかしら?」
「決まってるだろ。お前を相手にするなら、この力を使うしかない」
全身を黄金の魔力で包む。
その力は黒騎士を遥かに超える力。
しかし、ウードは少しも取り乱す様子はない。
「ふ~ん、二度目の驚きね。まさか、それだけの力を宿しているなんて」
「随分と余裕だな」
「ふふ、今の私とっては、その程度敵じゃないからね。それに、本当にあなたに私を殺せるの?」
ウードは自身の柔らかな右胸に指先を埋めた。
その先にあるのは、ヤツハ……。
笠鷺は小さなヤツハの存在をはっきりと感じ取る。
だが、彼は瞳と心を凍りつかせて、彼女へ言葉を返す。
「ヤツハごと、お前を消す。そしてそれが、ヤツハの望みのはずだ!」
「ふん、なるほど。何があったかわからないけど、以前のような甘い僕ちゃんとは違うようね」
ウードは一歩前に出た。
笠鷺はバーグとキタフに声を飛ばす。
「おっさんは下がってろ」
「わかったよ、俺だと足手纏いだからな。だけどな、結果がどうあれ、あんちゃんの戦いを最後までこの両目に焼きつけるぜ」
「キタフ、援護を期待する」
「了解だ。だが、援護に留まらず、隙あらば私があの女を殺す。よいな?」
「ああ、いいぜ」
笠鷺は魔力を高め、キタフは左右に機械仕掛けのボールを浮かべる。
――ウードに対峙するは、黒騎士を越えた存在とサシオンに匹敵する存在。
そうだというのに、彼女は顔から艶笑を消さない。
「二対一……なんて、ずるい人たち。乙女をいじめて楽しいのかしら?」
「その減らず口。二度と叩けないようにしてやる」
「フフ、フフフ、あはははは、ひひひ、けけけけ、ひゃはははは」
ウードは突然、狂ったように笑い声を上げ始めた。
そして、口角を醜く捻じ曲げる。
「馬鹿な子。減らず口を叩けなくなるのはあなたの方よ。笠鷺燎!」
ウードは笠鷺の背後に視線を飛ばした。
それとほぼ同じくして、笠鷺は狂気じみた大声を上げた。
「そんなっ、まさかっ!?」
広範囲に広がる空気の層が揺らぐ。
揺らぎは影を産み、人の形を成した。
そこに現れた者たちは……。
「ご無事ですか、ヤツハ様!」
フォレを筆頭に、アプフェル、パティ、アマン。
クラプフェン、ノアゼット、背後に六龍たち。
ケイン、セムラ、パラティーゾ侯爵、ポヴィドル子爵。
エクレル、クレマ、アレッテ。
そして、ティラ。
他にも大勢の名のある将たちが連なる。
笠鷺はヤツハの友であり仲間であり、親しき人々であった者たちを目にして、キタフに声をぶつけた。
「キタフっ?」
「わからぬ。転送先の特定ができぬよう、幾重にもポイントを分岐していたはずだが?」
「ええ、苦労しました。おかげさまで、ちょっと手間取っちゃったわね。さすがはマヨマヨの技術」
エクレルが杖に紫の輝きを宿し、くるくると回しながらため息をつく。
彼女の姿に、笠鷺は唇を強く噛んだっ。
「そうか、先生か……くそっ」
エクレルの転送の才はキタフの妨害技術を上回っていたようだ。
悔しさに反吐を飛ばす笠鷺の後ろから、ウードはヤツハとしての言葉をみんなに送る。
「もう、おまえら、おせぇよ。こいつらに殺されるところだったんだからなぁ。特に先生っ」
「もう~、そんなに怒らないでよ。これでも大急ぎで頑張ったんだから」
「あはは、わかってます。助けに来てくれて嬉しいです。みんなもね」
アプフェルとパティとアマンが声を生む。
「うん、無事みたいね……」
「大事はないようで安心しましたわ」
「急にいなくなったときは驚きのあまり、しっぽがカギの字になってしまいましたよ」
ティラ、クレマ、ケイン、アレッテの声が続く。
「まぁ、殺されても死なんような奴だから、心配はしておらんかったがな」
「おう、姉御がそう簡単にやられるわけがねぇ」
「そうですとも。ヤツハ様の磨き上げた筋肉が、必ずやあなた自身を守ってくれるはずですからな」
「ふふふ~、ご無事で何よりです~」
そして、フォレが暖かさの籠る声でウードを包む。
「ヤツハ様、本当にご無事で良かった」
友、仲間。
その声と思いは笠鷺をすり抜けて、ウードへと届く。
笠鷺は涙を一筋だけ流した……。
だが、すぐにそれを拭い捨て、キタフへ指示を飛ばす。
「キタフ、ここから逃げるぞっ!」
「すでにやろうとしているが、空にいる連中が邪魔をしてどうにもできんっ!」
「空? ……なっ!?」
笠鷺は空を見上げる。
そこには数えきれないマヨマヨたちが漂っていた。
「そんな……」
仰ぎ見た姿勢はバランスを崩し、後ろへ一歩足を下げさせる。
彼は両目を強く瞑り、バーグとキタフへ謝罪を口にした。
「すまん」
バーグは軽く肩を竦める。
「あんちゃんが悪いわけじゃねぇ。相手を甘く見過ぎた俺たちが全員が悪いってこった」
キタフは首を横に振る。
「よもや、私の転送技術を上回る魔導士が存在しようとは……計算外だった。責があるというのならば、それは私だろう」
笠鷺たち三人は互いに諦めの籠る言葉を交わし合う。
彼らを取り囲むのは、ジョウハク最強たち。
大勢のマヨマヨ。
絶大な力を持つウード。
この状況下では諦めるしかなかった。
しかし、笠鷺は諦めの中に小さな可能性を二人に託す。
「ウードは俺を一番の標的にしているはず。だから俺が派手に暴れて、みんなを引き付ける。その隙に何とか二人は逃げてくれ」
「あんちゃんっ!?」
「反論は無しだっ。キタフ、あんたにこんなこと頼みたくないが、逃げ延びて、必ずウードを殺してくれっ! 頼むっ!!」
笠鷺は友の命を奪った者へ頭を下げる。
その思い受けて、キタフは一言だけ言葉を返した。
「了解だ」
「おい、キタフの旦那までっ!?」
「残念だが、今後あの女に対抗する力を持っているのは私とザルツブルガーぐらいだ。ここで私が死ねば、勝利を得る可能性はより小さくなる」
「そうだけどよぅ……」
バーグは腰に差してある剣に手を置こうとした。
だが……。
「俺がいても足手纏いか……すまねぇ、あんちゃん」
「その気持ちだけで十分だ。ありがとう」
笠鷺はバーグとキタフをチラリと見つめ、すぐにウードへ視線を移した。
その先に在るのは、笠鷺燎の全てを蹂躙し尽くした、おぞましき勝者の姿。
彼女は息を漏らすように言葉を吐く。
「さ~って、相談は済んだのか? 言っとくけど、俺の仲間たちは強いぞ」
俺の仲間たち……ウードは手足を振るうことなく、言葉だけで笠鷺を傷つける。
しかし、笠鷺は悲痛に顔を歪めることなく、大きく空を仰ぎ見て、派手な笑い声を響かせた。
「は、はは、はははは、あ~はっはっは、絶望! ……いいね。ここまで追いつめられたら、逆に開き直れるわっ!!」
彼は全身に魔力を走らせる。
そこいたのは、共にアクタの道を歩んできた伴侶。
彼女は薄く笑う。
「フフ、これは驚いた。まさか、生きて再び現れるなんて。それも、笠鷺の姿で……」
視線をキタフに向ける。
「彼の力を借りたのかしら?」
キタフは答えない。
無言の彼を置き去りし、もう一人の男を見つめる。
「あなたは誰かしら? 見覚えはあるわね……何か特別な力を持っているようには見えないけど。まさか、笠鷺を無から救ったのはあなた?」
「何を言っているのかわかんねぇが、俺の名はバーグ。キシトルのもんだ」
「ふ~ん、国を滅ぼされた復讐ということ。でも、占領後のキシトルの民の待遇は良いはずよ。今は……」
ウードは瞳に淫猥と闇を混ぜ込み、バーグへ微笑んだ。
その微笑みに、バーグの心は熱を失う。
「へ、へへ、今はときたか。見た目に騙されそうだけど、なるほど、ヤバい女だ」
ウードは再び笠鷺へ視線を戻す。
「それで、私に何用かしら?」
「決まっている。お前を殺すために戻ってきたのさ」
笠鷺は腰のホルスターから銃を取り出し、間髪入れずウードに目掛けて発砲した。
――パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!
放たれた弾は全弾ウードの急所を射抜いた。
だが、その弾は彼女の身体に突き刺さることはない。
彼女の前に展開された魔法壁が鉛の銃弾を完全に遮断していた。
魔法壁に突き刺さる銃弾を見つめ、ウードはため息をつく。
「ふぅ、そんなおもちゃで私を殺せるわけないでしょ。なんのつもり?」
「ただの挨拶だよ。ま、不意を突いて、運良くてめぇの脳みそを吹っ飛ばせれば御の字かなぁくらいは思ったけどな」
そう言って、無造作に銃を草むらに投げ捨てた。
ウードはそれを目で追ったが、すぐに笠鷺へと戻す。
「次は何を見せてくれるのかしら?」
「決まってるだろ。お前を相手にするなら、この力を使うしかない」
全身を黄金の魔力で包む。
その力は黒騎士を遥かに超える力。
しかし、ウードは少しも取り乱す様子はない。
「ふ~ん、二度目の驚きね。まさか、それだけの力を宿しているなんて」
「随分と余裕だな」
「ふふ、今の私とっては、その程度敵じゃないからね。それに、本当にあなたに私を殺せるの?」
ウードは自身の柔らかな右胸に指先を埋めた。
その先にあるのは、ヤツハ……。
笠鷺は小さなヤツハの存在をはっきりと感じ取る。
だが、彼は瞳と心を凍りつかせて、彼女へ言葉を返す。
「ヤツハごと、お前を消す。そしてそれが、ヤツハの望みのはずだ!」
「ふん、なるほど。何があったかわからないけど、以前のような甘い僕ちゃんとは違うようね」
ウードは一歩前に出た。
笠鷺はバーグとキタフに声を飛ばす。
「おっさんは下がってろ」
「わかったよ、俺だと足手纏いだからな。だけどな、結果がどうあれ、あんちゃんの戦いを最後までこの両目に焼きつけるぜ」
「キタフ、援護を期待する」
「了解だ。だが、援護に留まらず、隙あらば私があの女を殺す。よいな?」
「ああ、いいぜ」
笠鷺は魔力を高め、キタフは左右に機械仕掛けのボールを浮かべる。
――ウードに対峙するは、黒騎士を越えた存在とサシオンに匹敵する存在。
そうだというのに、彼女は顔から艶笑を消さない。
「二対一……なんて、ずるい人たち。乙女をいじめて楽しいのかしら?」
「その減らず口。二度と叩けないようにしてやる」
「フフ、フフフ、あはははは、ひひひ、けけけけ、ひゃはははは」
ウードは突然、狂ったように笑い声を上げ始めた。
そして、口角を醜く捻じ曲げる。
「馬鹿な子。減らず口を叩けなくなるのはあなたの方よ。笠鷺燎!」
ウードは笠鷺の背後に視線を飛ばした。
それとほぼ同じくして、笠鷺は狂気じみた大声を上げた。
「そんなっ、まさかっ!?」
広範囲に広がる空気の層が揺らぐ。
揺らぎは影を産み、人の形を成した。
そこに現れた者たちは……。
「ご無事ですか、ヤツハ様!」
フォレを筆頭に、アプフェル、パティ、アマン。
クラプフェン、ノアゼット、背後に六龍たち。
ケイン、セムラ、パラティーゾ侯爵、ポヴィドル子爵。
エクレル、クレマ、アレッテ。
そして、ティラ。
他にも大勢の名のある将たちが連なる。
笠鷺はヤツハの友であり仲間であり、親しき人々であった者たちを目にして、キタフに声をぶつけた。
「キタフっ?」
「わからぬ。転送先の特定ができぬよう、幾重にもポイントを分岐していたはずだが?」
「ええ、苦労しました。おかげさまで、ちょっと手間取っちゃったわね。さすがはマヨマヨの技術」
エクレルが杖に紫の輝きを宿し、くるくると回しながらため息をつく。
彼女の姿に、笠鷺は唇を強く噛んだっ。
「そうか、先生か……くそっ」
エクレルの転送の才はキタフの妨害技術を上回っていたようだ。
悔しさに反吐を飛ばす笠鷺の後ろから、ウードはヤツハとしての言葉をみんなに送る。
「もう、おまえら、おせぇよ。こいつらに殺されるところだったんだからなぁ。特に先生っ」
「もう~、そんなに怒らないでよ。これでも大急ぎで頑張ったんだから」
「あはは、わかってます。助けに来てくれて嬉しいです。みんなもね」
アプフェルとパティとアマンが声を生む。
「うん、無事みたいね……」
「大事はないようで安心しましたわ」
「急にいなくなったときは驚きのあまり、しっぽがカギの字になってしまいましたよ」
ティラ、クレマ、ケイン、アレッテの声が続く。
「まぁ、殺されても死なんような奴だから、心配はしておらんかったがな」
「おう、姉御がそう簡単にやられるわけがねぇ」
「そうですとも。ヤツハ様の磨き上げた筋肉が、必ずやあなた自身を守ってくれるはずですからな」
「ふふふ~、ご無事で何よりです~」
そして、フォレが暖かさの籠る声でウードを包む。
「ヤツハ様、本当にご無事で良かった」
友、仲間。
その声と思いは笠鷺をすり抜けて、ウードへと届く。
笠鷺は涙を一筋だけ流した……。
だが、すぐにそれを拭い捨て、キタフへ指示を飛ばす。
「キタフ、ここから逃げるぞっ!」
「すでにやろうとしているが、空にいる連中が邪魔をしてどうにもできんっ!」
「空? ……なっ!?」
笠鷺は空を見上げる。
そこには数えきれないマヨマヨたちが漂っていた。
「そんな……」
仰ぎ見た姿勢はバランスを崩し、後ろへ一歩足を下げさせる。
彼は両目を強く瞑り、バーグとキタフへ謝罪を口にした。
「すまん」
バーグは軽く肩を竦める。
「あんちゃんが悪いわけじゃねぇ。相手を甘く見過ぎた俺たちが全員が悪いってこった」
キタフは首を横に振る。
「よもや、私の転送技術を上回る魔導士が存在しようとは……計算外だった。責があるというのならば、それは私だろう」
笠鷺たち三人は互いに諦めの籠る言葉を交わし合う。
彼らを取り囲むのは、ジョウハク最強たち。
大勢のマヨマヨ。
絶大な力を持つウード。
この状況下では諦めるしかなかった。
しかし、笠鷺は諦めの中に小さな可能性を二人に託す。
「ウードは俺を一番の標的にしているはず。だから俺が派手に暴れて、みんなを引き付ける。その隙に何とか二人は逃げてくれ」
「あんちゃんっ!?」
「反論は無しだっ。キタフ、あんたにこんなこと頼みたくないが、逃げ延びて、必ずウードを殺してくれっ! 頼むっ!!」
笠鷺は友の命を奪った者へ頭を下げる。
その思い受けて、キタフは一言だけ言葉を返した。
「了解だ」
「おい、キタフの旦那までっ!?」
「残念だが、今後あの女に対抗する力を持っているのは私とザルツブルガーぐらいだ。ここで私が死ねば、勝利を得る可能性はより小さくなる」
「そうだけどよぅ……」
バーグは腰に差してある剣に手を置こうとした。
だが……。
「俺がいても足手纏いか……すまねぇ、あんちゃん」
「その気持ちだけで十分だ。ありがとう」
笠鷺はバーグとキタフをチラリと見つめ、すぐにウードへ視線を移した。
その先に在るのは、笠鷺燎の全てを蹂躙し尽くした、おぞましき勝者の姿。
彼女は息を漏らすように言葉を吐く。
「さ~って、相談は済んだのか? 言っとくけど、俺の仲間たちは強いぞ」
俺の仲間たち……ウードは手足を振るうことなく、言葉だけで笠鷺を傷つける。
しかし、笠鷺は悲痛に顔を歪めることなく、大きく空を仰ぎ見て、派手な笑い声を響かせた。
「は、はは、はははは、あ~はっはっは、絶望! ……いいね。ここまで追いつめられたら、逆に開き直れるわっ!!」
彼は全身に魔力を走らせる。
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