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第44話 透明で、七色で、消えてしまいそうで、
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その数秒後、札幌の夜空に、一輪の大花が咲き乱れた。間を置いて、破裂音が響く。
青黒い一枚のキャンパスに、続々と多種多様な花火が打ちあがっていく。
「わぁ……」
隣から、そんな声が聞こえてくる。
「……綺麗、だね……陽平君」
歓声やスマホのシャッター音に紛れて、彼女の小さな声が耳に届く。
見上げる視線の先に降るは、無数の光の雨。散っては咲き、散っては咲きを繰り返していく。一瞬たりとも、空から花を消すまいと言わんばかりに。
「うん、そうだね」
「……ねえ、覚えている? 陽平君。いつかさ、こうやって……二人で花火大会見に行こうねって約束したこと」
僕は、その問いに小さく頷く。
思い出している。普通なら忘れたりなんかしない、大事な約束。
このときの僕は、彼女のこの問いは、ただの台詞に過ぎないと思っていた。しかし。
「……別に花火に限った話ではないんだけどね。……桜だって、花火だって、紅葉だって、雪だって。どうして、こうも季節の風物詩って思い出に残るんだろうね?」
彼女の台詞の続きは、妙に神妙さというか、重さがあるように、思えたんだ。
問いかけられた二度目の問い。
頬を照らす明かりは次々に色を移ろわせていく。赤、青、黄色、緑色……挙げていけばきりがないくらい、多くの色が僕等を照らす。
「ね、どうしてだと思う? 陽平君」
よく耳にするのは「桜は散るから美しい」という常套句。
よく目にするのは「花火散った後」の余韻。
よく感じるのは「紅葉落ちた後」の哀愁。
よく描かれるのは「粉雪手に当てて、溶けていく姿」。
どれも「消える」ことに繋がる……?
「お、及川さん……?」
そこに思考が至ったとき、僕は初めて違和感に気づいた。
彼女は幽霊。幽霊は、夏の風物詩。
「……嘘、だよ……ね?」
ひとつの可能性に思い当たり、僕は否定の言葉を求めるため、彼女に尋ねる。なのに。
「ね、答えて?」
花火を見上げたまま、彼女は僕に答えを促すんだ。
「……消えて、また、次に見られるから、じゃないかな……」
震える声で、僕は答えを言う。
「ははは。やっぱり陽平君は優しいね……そう言うと思ったよ」
彼女は、目を細めて続きを言った。
「私はね、単純。……約束が残っていたから」
「約束」という単語を聞いた途端、僕は嫌な予感に襲われた。
「私の人生に映画のような場面なんてなかった。最期を除いてね。ただただ普通の人生を歩んでいた私がね、幽霊になってでも叶えたかった願いが、これだったの。陽平君と本の感想を言いあって、あの四葉公園のベンチやブランコに座って色々なこと話して、映画やゲームセンターで遊んだあの日々がね、楽しかったの。だから、願いはそれだったの。もう、それが今叶っちゃったから……もう、ね。私……時間切れみたいなんだ……陽平君」
彼女の告白の終わりと、打ち上げ花火の破裂音が重なる。
「お、及川さん、何言ってるの……そ、そんなの……嘘、嘘だよね……? だ、だって。まだ……ちゃんと関われるようになってから少ししか経ってないのに……それなのに……」
認めたくなかった。彼女の言葉の意味を。真意を。だから、駄々っ子のように言い訳を重ねる。
僕は、不意に視線を及川さんに向ける。
「っ──」
彼女の泣きそうな表情の奥に、花火の灯りが映った。
つまり、それは。
「……嘘だよ。そんなの……嘘だって言ってよ、及川さん……」
彼女の体は、もう消えかけているってことで。
「私だって嘘だよって言ってあげたいよ。陽平君。……もっと、陽平君と色々な、いや、違う。別に普通な日々でもいい。とにかく陽平君と共通の時間をもっと、もっと、もっと過ごしたかった。私だってそう思ってる。でも。……無理なんだよ……もう……」
零れ落ちる彼女の涙に、色がついている。それは七色に彩られた、虹にも見えて。
「……ごめんね、陽平君」
最後に、力なく添えられたお詫びの言葉は。どうしようもなく僕に現実を突きつける。
「僕は……まだ、及川さんと一緒にいたい……折角……折角……気持ちが繋がったのに」
「……ふふっ」
突然ふいに、涙を浮かべる及川さんがおかしそうに笑う。
「な、何がおかしいの」
「……だ、だってね。……陽平君がそこまで取り乱してくれるほど、私は想われているんだなあって思うと……嬉しくてね」
とうとう、僕の瞼にも熱いものがこみ上げてきた。景色が、花火が、歪んで見え始める。
「あのね、私……陽平君に出会うことができて」
「言わないで」
「本当に幸せだった。もし、出会ってなかったら、今、他の誰かの隣で花火を見ていたかもしれない。幽霊なんかじゃなく、生きた私で花火を見られたかもしれない。でも」
「言わないでよっ。及川さんっ」
僕はすぐ隣にある及川さんの手を取り、彼女の言葉を遮ろうとする。でも、彼女の指先はもう冷たくて、そして、あるはずの手が、もう消えかけていた。
「もしもう一度過去をやり直せるとしても、私は陽平君と出会うことを選ぶ」
「ぁぁ……だから、もう……やめてって……言ってるじゃないか……」
「ねえ、陽平君。陽平君は、私に出会えて、よかった?」
……そんなの、決まっている。
及川さんのおかげで、僕は人と関わることを覚えた。及川さんのおかげで、僕は終わらない片想いに終止符を打つことができた。
及川さんのせいで、僕はこんなにも人を好きになることを覚えてしまった。
「……幸せ、だったよ」
「そっか……」
再び小さく涙混じりに微笑む及川さん。
「そろそろ、花火もおしまいかな……。陽平君。最後に、二つ、いいかな」
「最後なんて言わないでよ……」
「……私のこと、忘れないでね。それで……いつか、また好きな人ができたら、その人のこと、私以上に大切にしてあげて。きっと、その人は、私以上に……陽平君のこと想ってくれる人だから」
もう、返事なんてできなかった。
「あと、ね。陽平君」
今まで一番大きな打ち上げ音が鳴り響き始める。
「……私のこと、遥香って、名前で呼んで。さん付けも無し、呼び捨てで」
今まで一番、大きな涙が零れそうになる。それを、必死にこらえて。僕は。
「──好きだよ、遥香」
夜空のなか、一番大きな、大きな光の環が花開く。
「──ありがとう。陽平君」
最後の花火が散った瞬間、僕の隣にいた彼女は、綿毛が飛んでいくようにその姿が溶けていき、やがて。
消えてしまった。
君は、本当にすぐにいなくなってしまう。
君は、勝手だ。
青黒い一枚のキャンパスに、続々と多種多様な花火が打ちあがっていく。
「わぁ……」
隣から、そんな声が聞こえてくる。
「……綺麗、だね……陽平君」
歓声やスマホのシャッター音に紛れて、彼女の小さな声が耳に届く。
見上げる視線の先に降るは、無数の光の雨。散っては咲き、散っては咲きを繰り返していく。一瞬たりとも、空から花を消すまいと言わんばかりに。
「うん、そうだね」
「……ねえ、覚えている? 陽平君。いつかさ、こうやって……二人で花火大会見に行こうねって約束したこと」
僕は、その問いに小さく頷く。
思い出している。普通なら忘れたりなんかしない、大事な約束。
このときの僕は、彼女のこの問いは、ただの台詞に過ぎないと思っていた。しかし。
「……別に花火に限った話ではないんだけどね。……桜だって、花火だって、紅葉だって、雪だって。どうして、こうも季節の風物詩って思い出に残るんだろうね?」
彼女の台詞の続きは、妙に神妙さというか、重さがあるように、思えたんだ。
問いかけられた二度目の問い。
頬を照らす明かりは次々に色を移ろわせていく。赤、青、黄色、緑色……挙げていけばきりがないくらい、多くの色が僕等を照らす。
「ね、どうしてだと思う? 陽平君」
よく耳にするのは「桜は散るから美しい」という常套句。
よく目にするのは「花火散った後」の余韻。
よく感じるのは「紅葉落ちた後」の哀愁。
よく描かれるのは「粉雪手に当てて、溶けていく姿」。
どれも「消える」ことに繋がる……?
「お、及川さん……?」
そこに思考が至ったとき、僕は初めて違和感に気づいた。
彼女は幽霊。幽霊は、夏の風物詩。
「……嘘、だよ……ね?」
ひとつの可能性に思い当たり、僕は否定の言葉を求めるため、彼女に尋ねる。なのに。
「ね、答えて?」
花火を見上げたまま、彼女は僕に答えを促すんだ。
「……消えて、また、次に見られるから、じゃないかな……」
震える声で、僕は答えを言う。
「ははは。やっぱり陽平君は優しいね……そう言うと思ったよ」
彼女は、目を細めて続きを言った。
「私はね、単純。……約束が残っていたから」
「約束」という単語を聞いた途端、僕は嫌な予感に襲われた。
「私の人生に映画のような場面なんてなかった。最期を除いてね。ただただ普通の人生を歩んでいた私がね、幽霊になってでも叶えたかった願いが、これだったの。陽平君と本の感想を言いあって、あの四葉公園のベンチやブランコに座って色々なこと話して、映画やゲームセンターで遊んだあの日々がね、楽しかったの。だから、願いはそれだったの。もう、それが今叶っちゃったから……もう、ね。私……時間切れみたいなんだ……陽平君」
彼女の告白の終わりと、打ち上げ花火の破裂音が重なる。
「お、及川さん、何言ってるの……そ、そんなの……嘘、嘘だよね……? だ、だって。まだ……ちゃんと関われるようになってから少ししか経ってないのに……それなのに……」
認めたくなかった。彼女の言葉の意味を。真意を。だから、駄々っ子のように言い訳を重ねる。
僕は、不意に視線を及川さんに向ける。
「っ──」
彼女の泣きそうな表情の奥に、花火の灯りが映った。
つまり、それは。
「……嘘だよ。そんなの……嘘だって言ってよ、及川さん……」
彼女の体は、もう消えかけているってことで。
「私だって嘘だよって言ってあげたいよ。陽平君。……もっと、陽平君と色々な、いや、違う。別に普通な日々でもいい。とにかく陽平君と共通の時間をもっと、もっと、もっと過ごしたかった。私だってそう思ってる。でも。……無理なんだよ……もう……」
零れ落ちる彼女の涙に、色がついている。それは七色に彩られた、虹にも見えて。
「……ごめんね、陽平君」
最後に、力なく添えられたお詫びの言葉は。どうしようもなく僕に現実を突きつける。
「僕は……まだ、及川さんと一緒にいたい……折角……折角……気持ちが繋がったのに」
「……ふふっ」
突然ふいに、涙を浮かべる及川さんがおかしそうに笑う。
「な、何がおかしいの」
「……だ、だってね。……陽平君がそこまで取り乱してくれるほど、私は想われているんだなあって思うと……嬉しくてね」
とうとう、僕の瞼にも熱いものがこみ上げてきた。景色が、花火が、歪んで見え始める。
「あのね、私……陽平君に出会うことができて」
「言わないで」
「本当に幸せだった。もし、出会ってなかったら、今、他の誰かの隣で花火を見ていたかもしれない。幽霊なんかじゃなく、生きた私で花火を見られたかもしれない。でも」
「言わないでよっ。及川さんっ」
僕はすぐ隣にある及川さんの手を取り、彼女の言葉を遮ろうとする。でも、彼女の指先はもう冷たくて、そして、あるはずの手が、もう消えかけていた。
「もしもう一度過去をやり直せるとしても、私は陽平君と出会うことを選ぶ」
「ぁぁ……だから、もう……やめてって……言ってるじゃないか……」
「ねえ、陽平君。陽平君は、私に出会えて、よかった?」
……そんなの、決まっている。
及川さんのおかげで、僕は人と関わることを覚えた。及川さんのおかげで、僕は終わらない片想いに終止符を打つことができた。
及川さんのせいで、僕はこんなにも人を好きになることを覚えてしまった。
「……幸せ、だったよ」
「そっか……」
再び小さく涙混じりに微笑む及川さん。
「そろそろ、花火もおしまいかな……。陽平君。最後に、二つ、いいかな」
「最後なんて言わないでよ……」
「……私のこと、忘れないでね。それで……いつか、また好きな人ができたら、その人のこと、私以上に大切にしてあげて。きっと、その人は、私以上に……陽平君のこと想ってくれる人だから」
もう、返事なんてできなかった。
「あと、ね。陽平君」
今まで一番大きな打ち上げ音が鳴り響き始める。
「……私のこと、遥香って、名前で呼んで。さん付けも無し、呼び捨てで」
今まで一番、大きな涙が零れそうになる。それを、必死にこらえて。僕は。
「──好きだよ、遥香」
夜空のなか、一番大きな、大きな光の環が花開く。
「──ありがとう。陽平君」
最後の花火が散った瞬間、僕の隣にいた彼女は、綿毛が飛んでいくようにその姿が溶けていき、やがて。
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君は、勝手だ。
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