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第8話 淫紋
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俺の誕生日を祝ってくれる予定だったマリユスに、急用ができたことを知った俺は、マリユスにわめきたてた。
「ごめんね。ジュール。どうしても仕事の都合で……」
おそらくそのころマリユスは、束縛の激しい俺に嫌気がさし、他の女性のところに行こうとしていたのだと思う。
「絶対に許さない! この前だって、約束をすっぽかしただろ!
俺のことなんて、もうどうでもいいんだろ? もう嫌だ! 別れるっ!」
「そんなこと言わないで、今まで俺たちはすごくうまくやってきたじゃないか」
頬を撫でようとするマリユスの手を、俺は払いのけた。
「なにが、うまくやってきた、だよ! アンタだけが、いい思いをしてきただけだろ!?
俺が、いったいどんな気持ちで、毎日お姉さまと並ぶアンタを眺めているか、わかってるのか!?
毎日毎日、べたべたしやがって! 偽装の夫婦なんて、絶対嘘だ! 俺は騙されないからなっ!」
「ジュール、いったいどうしたんだよ。最近、おかしいよ。前はもっと……」
「うるさいっ、うるさいっ! 俺はもうアンタとは別れるって言ったんだ!
金輪際……っ、んっ!」
うるさい口を、キスで封じられる。舌が絡み合うと、俺はもうあっという間にマリユスとの激しいキスに夢中になってしまう。
「ジュール、可愛いジュール。俺は君をこんなに愛しているのに、なぜ君はそんなに怒るんだい?」
「嘘っ、つき……っ、だって、だって……、ああ……」
シャツのボタンを外され、乳首をつままれると、甘い吐息が漏れた。
「別れるなんて、お願いだから言わないで。君を失ったら、俺はどうやって生きていけばいいの?
ねえ、ジュール、恥ずかしいからずっと言わなかったけど、シャンタルと結婚したのだって、君に近づけるからだったんだよ……、俺はどうしても君が欲しかったんだ、だから……」
ベッドに押し倒され、手際よく服を脱がされていく。
今日は、マリユスの屋敷に来ているので、いつものように声を我慢しなくてもいい……。
「そんなの、信じないから……っ、あ、ああ……」
「じゃあ、君が俺をどれだけ愛しているか、わからせてあげようか?」
マリユスの瞳が、不穏な光を宿していることに、その時の俺は気づいていなかった。
「そんなの、わかりっこ、ない……」
全裸にされた俺は、マリユスのなすがままだった。
「信じさせてあげるよ。ジュール、今からここに、俺が淫紋を刻むよ……」
マリユスは手のひらで俺の下腹部を撫でた。
「あっ……」
「淫紋は、愛の印なんだ。
お互いが深く愛し合っているから、できることなんだよ。
淫紋を刻まれた君は、もう二度と俺から離れることは、できないよ?
ジュール、それでもいい? 君は、本当に俺を愛してくれている?」
ゆるゆると陰茎を捌かれ、俺は腰を浮かせる。
「あんっ、好き、だよっ! 愛してるに決まってる!!」
「じゃあ、いいよね……」
後からわかったことだが、数多いた愛人の中で、マリユスに淫紋を刻まれたのは俺一人。
――俺がマリユスにとって、どれだけちょろいヤツだったかということがよくわかる。
マリユスは魔法の使い手としてはなかなかの存在で、その能力を買われて月に何度か王宮に出向いて、魔法研究室の仕事を手伝っているほどだった。
だから、そんなマリユスにとって、俺に生涯消えない淫紋を刻むことなど、たやすいことだった。
マリユスが、俺の下腹部に手をかざす。
「あっ、ああっ、はああんっ!!」
下腹部がどんどん熱くなってくるのがわかる。
まるで交合しているときのような快感に俺は身をくねらせた。
「ジュール、淫紋を刻めば、もっとこの身体は淫らに、感じやすくなるよ。
もう俺のコレがなくては、生きていけないくらいにね……」
含み笑い。
「ああんっ、マリユスっ、なんか、変っ、気持ち、気持ちいいよっ……」
「ジュールは俺の魔力とも相性がいいみたいだ。すごいね。
これからどんないやらしい子になってしまうか、すごく楽しみだよ……」
「ごめんね。ジュール。どうしても仕事の都合で……」
おそらくそのころマリユスは、束縛の激しい俺に嫌気がさし、他の女性のところに行こうとしていたのだと思う。
「絶対に許さない! この前だって、約束をすっぽかしただろ!
俺のことなんて、もうどうでもいいんだろ? もう嫌だ! 別れるっ!」
「そんなこと言わないで、今まで俺たちはすごくうまくやってきたじゃないか」
頬を撫でようとするマリユスの手を、俺は払いのけた。
「なにが、うまくやってきた、だよ! アンタだけが、いい思いをしてきただけだろ!?
俺が、いったいどんな気持ちで、毎日お姉さまと並ぶアンタを眺めているか、わかってるのか!?
毎日毎日、べたべたしやがって! 偽装の夫婦なんて、絶対嘘だ! 俺は騙されないからなっ!」
「ジュール、いったいどうしたんだよ。最近、おかしいよ。前はもっと……」
「うるさいっ、うるさいっ! 俺はもうアンタとは別れるって言ったんだ!
金輪際……っ、んっ!」
うるさい口を、キスで封じられる。舌が絡み合うと、俺はもうあっという間にマリユスとの激しいキスに夢中になってしまう。
「ジュール、可愛いジュール。俺は君をこんなに愛しているのに、なぜ君はそんなに怒るんだい?」
「嘘っ、つき……っ、だって、だって……、ああ……」
シャツのボタンを外され、乳首をつままれると、甘い吐息が漏れた。
「別れるなんて、お願いだから言わないで。君を失ったら、俺はどうやって生きていけばいいの?
ねえ、ジュール、恥ずかしいからずっと言わなかったけど、シャンタルと結婚したのだって、君に近づけるからだったんだよ……、俺はどうしても君が欲しかったんだ、だから……」
ベッドに押し倒され、手際よく服を脱がされていく。
今日は、マリユスの屋敷に来ているので、いつものように声を我慢しなくてもいい……。
「そんなの、信じないから……っ、あ、ああ……」
「じゃあ、君が俺をどれだけ愛しているか、わからせてあげようか?」
マリユスの瞳が、不穏な光を宿していることに、その時の俺は気づいていなかった。
「そんなの、わかりっこ、ない……」
全裸にされた俺は、マリユスのなすがままだった。
「信じさせてあげるよ。ジュール、今からここに、俺が淫紋を刻むよ……」
マリユスは手のひらで俺の下腹部を撫でた。
「あっ……」
「淫紋は、愛の印なんだ。
お互いが深く愛し合っているから、できることなんだよ。
淫紋を刻まれた君は、もう二度と俺から離れることは、できないよ?
ジュール、それでもいい? 君は、本当に俺を愛してくれている?」
ゆるゆると陰茎を捌かれ、俺は腰を浮かせる。
「あんっ、好き、だよっ! 愛してるに決まってる!!」
「じゃあ、いいよね……」
後からわかったことだが、数多いた愛人の中で、マリユスに淫紋を刻まれたのは俺一人。
――俺がマリユスにとって、どれだけちょろいヤツだったかということがよくわかる。
マリユスは魔法の使い手としてはなかなかの存在で、その能力を買われて月に何度か王宮に出向いて、魔法研究室の仕事を手伝っているほどだった。
だから、そんなマリユスにとって、俺に生涯消えない淫紋を刻むことなど、たやすいことだった。
マリユスが、俺の下腹部に手をかざす。
「あっ、ああっ、はああんっ!!」
下腹部がどんどん熱くなってくるのがわかる。
まるで交合しているときのような快感に俺は身をくねらせた。
「ジュール、淫紋を刻めば、もっとこの身体は淫らに、感じやすくなるよ。
もう俺のコレがなくては、生きていけないくらいにね……」
含み笑い。
「ああんっ、マリユスっ、なんか、変っ、気持ち、気持ちいいよっ……」
「ジュールは俺の魔力とも相性がいいみたいだ。すごいね。
これからどんないやらしい子になってしまうか、すごく楽しみだよ……」
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