【完結】究極のざまぁのために、俺を捨てた男の息子を育てています!

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第112話 偽りの愛

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「あのっ、俺の話がなにか……っ」

「ジュール様、私がここに来た目的を、お話してもいいですか?」

 ぞっとするほど静かな口調だった。

「はい……」

「ジュール様と同じです。私にも、心の底から愛する人がいます」

 その告白は、うめき声にも似ていた。

「愛する、人……」

「私は、少年だったころからずっとその方の側にいて、ずっとその方をお慕いしていました。
その方は本当に優しくて、もしかしたら愛されているのでは、と思い上がっていたこともありました。でも、ようやく分かったんです。
その方は、私を通じて、ずっと別の人間を見ていたのだと」

「別の人間……?」

「その方は、私によく似たその男の面影を、ずっと私に探していたのでしょう。
私は単に、その男の身代わりでしかなかった……。その方は、目の前から突然姿をくらましたあの男を、今でも変わらず思い続けている…‥」

「そんなことが……」

 男の告白に、俺は同情を禁じえなかった。

「ジュール様。ジュール様は、私のお慕いする方にとても良く似ているんです。ですから、私はこの仕事を引き受けました。
ジュール様は嫌悪されるでしょうか? こんなよこしまな理由から、貴方をこの腕に抱こうとするこの私を……」

 俺はかぶりを振った。

「いえ、俺の方こそ、そんな事情があったのに……、すみません。
俺でよければ、その人の代わりにっ……」

 最後まで言わせずに、男は俺の首筋に吸い付いてきた。

「ジュール様っ、もしよろしければっ、私を、貴方が愛するその男の名で呼んでいただいて構いませんっ」

 男は性急に、俺のシャツを脱がせていく。

「あっ……、でも……!」

「私も心の中で、愛する方の名前を呼ばせていただきます。どうか……」

 俺は鎖骨に舌を這わせる男の頭を抱き寄せていた。

「……あなたの、名前を……、教えてください」

 男の動きがぴたりと止まった。

「私の……?」

 俺が――、男が愛する人にそっくりだという俺が、その男の名を呼ぶことで、少しでもその男の慰めになればいい……、そんなたわいない考えから出た言葉だった。

 だが……、

「ジュール様、……私ではその男の代わりにすらならないということですか?」
 
 ほの暗い男の瞳に、俺の背筋がゾクリと冷えた。

「いえ、そういう、意味ではないんです。ただ、俺は……」

 ――この男を、テオドールの代わりには、したくなかった。


「ナイム、と申します」

 なにか、言ったそばから、そのことを後悔するような口ぶりで男は言った。

「ナイム……、……っ!」

 名を呼んだ俺の唇を、ナイムが塞ぐ。


「はっ、うっ、あ……」

 ナイムの口づけは荒々しく、俺はあっという間に咥内のすべてを舐めつくされていた。

 唇を離すと、ナイムは俺を情欲に濡れた瞳で見下ろした。


「ジュール様、もう後戻りは、できませんよ。
私は、今日ここで、あなたのすべてを奪います!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ふぅっ、あ、あ、はぁっ、う、あ……!」

 明かりを落とした部屋には、俺の喘ぎ声だけが響いていた。

 シャツを脱ぎ捨てたナイムは、息を飲むほど美しい肉体だったが、そのところどころに、魔獣に負わされたと思われる傷があった。
 特に背中に手を回したときに俺の手のひらに触れた古傷はかなり深いもので、右肩から左の腰のあたりまで斜めに大きく鋭い爪痕が残されていた。

「うっ、あ……、ナイムっ、ああっ、もうっ……」

 俺は、ナイムの肩口に額を押し付ける。

 ナイムは俺の服を脱がせると、俺の全身にくまなく舌を這わせていた。その愛撫はとても執拗で、俺にひっきりないに嬌声を上げさせられた。

 一方で、ナイム自身はほとんど何も話さず、ひたすら俺への愛撫を続け、俺の抗議の声に耳を傾ける様子もない。

「ナイムっ……、お願い、もう、いいからっ……、早く……、んあっ!」

 俺はナイムの下腹部に手を伸ばす。
 もうすでにそこは、これ以上なく熱くたぎっている。
 それなのに、ナイムは俺の手をやんわりとどけて、俺の両脚を広げさせた。

「あっ、もうっ、ダメっ、そんなことしたら……っ!!」

 ためらいもせずに、すでに達しそうになっている俺の中心部をぱくりと咥えこむ。

「あっ、あ……、ああ、もう、出るっ、やだっ、やだっ、ナイム、離してっ!」

 俺はじたばたと足をもがくが、ナイムにがっちりと押さえつけられているため、身動きが取れない。

「はあっ、あ、ヤダっ、先にイキたくないっ、ナイムっ、お願い、中に、中に欲しいっ!」

 俺がナイムの髪を引っ張ると、ナイムは俺自身の先端をちゅうっと吸い込んだ。

「うあ、あ、あああああああああああああっ!」

 ひとたまりもなく、俺はナイムの口の中に、射精してしまった。


「あ、あ……、あ……」

 生理的な涙が、頬を伝った。

 ナイムはごくりと俺の精を飲み干すと、今度は愛し気に俺のペニスをぺろぺろと舐め始める。

「や、あっ、もうっ、だめ! 出たからっ! 舐めないでっ、ナイムっ……」

 俺がナイムの髪をつかむ。しならくして、ようやくナイムは口を離した。

「あっ、はあっ、はあっ……」

 だがその唇は、そのまま俺への後ろへと降りていった。

「ひゃあっ、あ、あっ、そこ、やだっ! ひゃ、あ、んんっ!!」

 ナイムのとがらせた舌が、俺の後孔に差し込まれる。

「そんなことっ、ああああっ、しなくて、いいっ、からっ、あっ、ああ!」

 早くナイムが欲しいのに、ナイムは嫌になるほどじっくりと時間をかけて俺の身体を開いていった。

 ナイムの舌で溶かされるようにぐじゅぐじゅになった俺の全身は、ふわふわとしてもうすでに現実味がなくなっていた。

「あ、あ、あ……!」

 ナイムの熱くて湿った舌が、俺の中の浅いところをいじめてくる。

「ナイムっ、あ、ああっ、や、やあっ!」

 緩急をつけて出し入れされると、まるで舌に犯されているようだった。

「あっ、んあ、あっ、ひっ、ああ!」


 じゅるじゅると強く吸われたり、中に深く差し込まれて動かされると、得体のしれない軟体の生物に脳内まで蹂躙されているような気分になる。

「ナイムっ、意地悪しないでっ、もうっ、欲しいっ、ナイムのが欲しいよっ!早く入れて!」


 きっと俺の淫紋はいま、いやらしく光り輝いている。

 ――男が欲しいと、男の精が欲しいと、訴えている。


 ようやく俺の懇願が通じたのか、ナイムは身体を離すと、開かせた俺の太ももを撫でた。

「ナイム……、ああ、早く来て」

 俺はまるでナイムに見せつけるように自分で両足を抱えて、その部分を晒した。
 そこは男を待ちわびるかのように、ひくひくと拍動を繰り返していた。

「……くっ!」

 ナイムが顔を歪ませる。

 俺の乱れきった姿を見て軽蔑したに違いない。でも、それでもかまわなかった。

 ――俺は、今、目の前の男が欲しい!


「もう、待ちきれないんだ。すぐに入れて! そしてナイムのでいっぱいかき回して!」

 俺がぺろりと唇を舐めると、ナイムが獲物を前にした獣のようにとびかかってきた。


「ジュール様っ、あなたをっ、食らいつくしてやる!!」





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