【完結】突然変異の訳アリ子持ちベータは、竜人の血を継ぐ執着系最強アルファ王太子に溺愛される

.mizutama.

文字の大きさ
6 / 110

5.発情

しおりを挟む
「んっ、はっ、ああっ……」
 
 一度触れ合ってしまえば、もう止めることなどできなかった。

 長く美しい白銀の髪、そして高貴なアメジストの瞳。
 よく響く低い美声。
 その甘い吐息、温かい腕、滑らかな肌……。
 すべてが俺を魅了し、溺れさせる。

「もっと、もっと……」

 俺はヴェリオスの後ろ首に両手を回し、口づけをねだる。

「いけない、歯止めがきかなくなる」

 俺が誘うようにヴェリオスの下唇をなめたとき、まだ理性が残っていたヴェリオスは俺から身体を離そうとした。

「駄目っ……、嫌だっ、離れないで」

 俺はさせまいとさらにきつくヴェリオスにしがみつき、そのままその美しい唇に舌を差し入れた。

「んっ……」

「あっ、もっと……、ねえ……、もっと……」


 ――それまで性経験はおろか、恋愛経験さえなかった俺。

 それなのに、いったい何をどうすればいいのか、その時の俺にはすでに分かっていた。

 ――そうだ。ベータだったはずの俺は、その時間違いなく「発情」していた。


 夢中でヴェリオスの舌に吸い付き、唾液を絡めあう。
 互いの粘膜が触れ合うと、頭が甘く痺れるような感覚に陥った。

「駄目だ、抑えきれないっ。このままではあなたを傷つけてしまう。どうか、お願いだから――」

 何かに抗うように眉根を寄せるヴェリオスに、俺は微笑みかけた。
 そしてヴェリオスの手を取ると、その熱い掌をはだけさせた自分の胸元に置いた。

「――来て。もうこんなに熱くなってる。あなたが欲しくて待ちきれないんだ。いまから俺を、あなたでいっぱいにして?」

 その時、ヴェリオスの紫の瞳の中心部にある金の虹彩が一層強く光った。

「私の番! ああ、私の番だっ!!」

 ヴェリオスは叫ぶと、そのまま俺をノクティルカの花畑に押し倒した。





*****




「あっ、ああああっ、ああああああっ!!」


 「月夜見庭園」の純白の魔花に囲まれて、
 ――俺と、ヴェリオスは番っていた。


「ああっ、くっ、駄目だっ……、止まらない……」

「ああっ、すごいっ、感じるっ、もっと、もっと……」

 ヴェリオスのそそり立った剛直が、俺の中を行き交う。

 俺の中はすでに湿っていて、初めてだというのに、ずっと待ちかねていたかのように熱くヴェリオスを迎え入れていた。
 ずっと体中が甘く痙攣していて、もうなんど果ててしまったかわからない。

 すでに互いに理性は振り切れ、獣のように交わり続けている。
 与えられる刺激すべてが狂おしく、ヴェリオスに激しく腰を打ち付けられるたびに、俺は歓喜の声を上げ続けていた。

「くっ、ああっ、ああ、私の番……、まさか、こんな日が来るなんて……」

 ヴェリオスが苦し気な吐息を漏らし、俺の体内に熱い飛沫を散らす。
 熱い、すごく、熱い……。熱くて、熱くて……、

「ああっ、気持ちいいっ、もっと、もっと、奥に……っ」

 胎内で受け止めたばかりだというのに、俺はまた「次」をねだる。

「ああ……、もう、駄目だ……っ、我慢など、できないっ、私の、番……、私の、運命……」

 荒い息を吐きながら、ヴェリオスは俺の首筋を舐め始める。

「んっ、もっと……」

 俺は覆いかぶさってくるその美しい白銀の髪を、甘い仕草でかき回す。
 ふと見上げると、夜空には青白い満月が浮かんでいた。

 ――月。

 月だ。



 そうだ、俺は――、
 俺は……、


 その時頭から冷水を浴びせられたかのような衝撃が、俺の全身を貫いた。

 はっと、俺が我に返ったとき……、


「私の運命、私の、私だけの、ものに……」

 ヴェリオスが大きく口を開けた。見ると、その犬歯は、俺のうなじに突き立てようとすでに鋭くとがっていた。


「駄目だ――っ!!」



しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

私を婚約破棄した国王が処刑されたら、新しい国王の妃になれですって? 喜んで…と言うとでも?

あんど もあ
ファンタジー
幼い頃から王子の婚約者だったアイリスは、他の女性を好きになった王子によって冤罪をかけられて、田舎で平民として生きる事に。 面倒な貴族社会から解放されて、田舎暮らしを満喫しているアイリス。 一方、貴族たちの信頼を失った王子は、国王に即位すると隣国に戦争を仕掛けて敗北。処刑される。 隣国は、アイリスを新しい国王の妃にと言い出すが、それには思惑があって…。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」

星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。 ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。 番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。 あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、 平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。 そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。 ――何でいまさら。オメガだった、なんて。 オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。 2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。 どうして、いまさら。 すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。 ハピエン確定です。(全10話) 2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。

生贄傷物令息は竜人の寵愛で甘く蕩ける

てんつぶ
BL
「僕を食べてもらっても構わない。だからどうか――」 庶子として育ったカラヒは母の死後、引き取られた伯爵家でメイドにすら嗤われる下働き以下の生活を強いられていた。その上義兄からは火傷を負わされるほどの異常な執着を示される。 そんなある日、義母である伯爵夫人はカラヒを神竜の生贄に捧げると言いだして――? 「カラヒ。おれの番いは嫌か」 助けてくれた神竜・エヴィルはカラヒを愛を囁くものの、カラヒは彼の秘密を知ってしまった。 どうして初対面のカラヒを愛する「フリ」をするのか。 どうして竜が言葉を話せるのか。 所詮偽りの番いだとカラヒは分かってしまった。それでも――。

処理中です...