R18「僕の手から逃げる事は許さない!」狂愛夫に、塔の上に囚われているが意外と純愛心を持っている【短編集/読み切り】

K.A.

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「僕は、それでも、君を愛したいんだ! これ以上、子が望めなかったとしても――」

[夫の選択]妊娠したら、私の命が失われるかもしれない――それでも、あなたは次子を望む?

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「ふふ、よく来てくれた。
 天王寺先輩。
 手錠をかけられている君の姿、久々に見せてもらったが、そのさま、本当に見目麗みめうるわしいよ。
 さあ、自分の足で、もっと近くにおいで。
 寝所ねどこへ、僕と共に」

「……御役御免おやくごめんではなかったのか。
 エリオット。
 私は、もう、お前の子を産めないんだ。
 捕らえた反乱分子の一人として、ただの虜囚りょしゅうの立場に落としたらどうだ――」

「まさか。
 そんな事はしないさ。
 天王寺先輩からは、妻になってくれる承諾をもらってはいないが、君は、僕の愛する息子の母だ。
 だが、勘違いはしないでほしいという意味で、今宵は、呼びつけさせてもらったまで。
 そうだな。
 今の君は――天王寺アリスという人間は、世界の支配者たるエリオット・ジールゲンにそむく、逆賊である事にかわりがない」

「協力関係を結ぶ提案をさせてもらったが、それは、ルイーナの為。
 エリオット。
 お前とは、あくまで、我が子を通して繋がっている関係であって、『敵対』は継続させてもらう」

「そうか。
 そうしてもらった方が、僕も、やりやすいさ。
 天王寺先輩。
 では、今日からも、妻になると言うまで、ベッドの上でさいなまれてもらおう。
 僕の部屋に連れて来られて、逃げられはしないんだ。
 大人しく、こっちへ来い!
 ベッドにあがれ」

「……エリオット、枕もとに、そんなものを置いているのか――」

「反抗を続ける捕虜の君が、僕から直々じきじきに処されている間、逃げ出さないように、手を固定する為の鎖は、前から置いてあるはずだが」

「違う……。
 今日は、中で出さないつもりなのか……いや、出さないつもりなの?
 ただの捕虜の私が、命を失ってしまおうが、気にしないかと思っていたのに――」

「……天王寺アリスという人間は、これからも、僕に貫かれて生きていけばいい。
 手錠を外させてもらうが、手向かうなどとは考えるな!
 抵抗せずに、衣服をすべてがれ、僕のベッドに繋がれろ。
 今宵も、与えられる快楽を、身を揺らす事で表現するんだっ!
 手枷から繋がる鎖を激しく動かし、なまめかしいさまを見せ、金属のぶつかり合う、重みを感じる音を鳴らしてもらおうかっ」

「物好きな男というのが、見たくなってきたわ。
 繋囚けいしゅう軍卒ぐんそつとしての私ではなく、女としての天王寺アリスは、エリオットが、何をしたいのか……見せてもらおうかしら。
 あなたも、服を脱いだら?
 ――今夜は、ただの『男』として、見てあげる」

「……なら君も、軍人喋りをやめている、ただの『女』でいてくれ。
 動きを追う事を、僕が、悩ましいと感じるぐらいに、白い足を揺らせっ。
 こちらが案じて制止してしまうほどに、狂ったように腰を動かせ!
 身体といううつわに、心が閉じ込められている事が、不幸であると思いながら、熱く激しい息を伴って、大きな声をあげ、悦びを表現しろっ。
 いいなっ。
 これは、命令だ!」

「命令ね……あ……あうん……はう……」

「そうだ!
 僕の指で、陰部をでられながら、身を震わせろ!
 陰核いんかくを執拗に責めてやる。
 頬を赤らめてくるようなら、次は、胸の先も責められると思え!
 慶賀けいがえないだろ。
 世界でただ一人、君だけが、このエリオット・ジールゲンの夜伽よとぎに臨めるのだから」

「う……はん……ああ……あう……は……ああんっ」

「ふん。
 いきなり抱きつかれ、首筋に、舌をあてられるとは思っていなかったのか?
 ずいぶんと、嬉しそうな顔をしているじゃないか!
 しばらく前までは――考え事ばかりしていて、僕との行為を楽しんでいなかったという事かっ」

「……あ……はん……わ、私は……母親だから……うあっ。
 子供の事だけを……考えて……。
 ああん……それは、今でも……はぁ……エ、エリオットとは……結婚しな……い……はううううっ!」

「胸の先端を、ゆっくりとでられながら、陰部にも刺激を与えられるのは、気持ちがいいか?
 歪んだ表情をしている癖に、手首から伸びる鎖を、露骨にガチャガチャ言わせながら、足を震わせたりして。
 もう少し、声をあげてくれないか!
 いいか。
 天王寺アリスという女性は、これからもエリオット・ジールゲンの伽相手とぎあいてだ!
 縁者えんじゃとして、ルイーナと二人、座敷牢で飼い殺されるだけという、慎ましい向後きょうごを与えてやるつもりはない。
 僕の軍事政権を繁栄させる為に、力を貸すという約束だったな!
 もちろん、政権支持率を大幅に上昇させるという、君の提案には、期待させてもらうが――僕の配下に加わるつもりだと言うのなら、上官に対し、慇懃恭敬いんぎんきょうけいを尽くしてもらおうか。
 舌で、君の陰部をめ回してやる!」

「あ……は……ううう……はぁんっ!
 うあああああっ!
 あんっ。
 はぁああああああんっ」

「はあ……い、いい声が出せるようになってきたじゃないか……そ、そうだ……天王寺アリスという女は……これからも、このエリオット・ジールゲンの為だけに、つやのある声をあげろ……男の情欲じょうよくをかき立てるように、しなやかでありながら、あらい動きで身体の膨らみのすべてをさらせ……僕に、すべてを献じて生きていくんだ!
 ……いれさせてくれ」

「う……あう……エリオット……枕もとのものを使うの……?」

「――ああ。
 思い違いをしないでくれ。
 これからも、天王寺アリスの身体を、この僕の心を満たす為に使うつもりなんだ……君の為ではないさ」
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