R18「僕の手から逃げる事は許さない!」狂愛夫に、塔の上に囚われているが意外と純愛心を持っている【短編集/読み切り】

K.A.

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「僕は、それでも、君を愛したいんだ! これ以上、子が望めなかったとしても――」

[夫の選択]子ができない私。それでも、あなたは、抱いてくれるの?

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「……そんなに、物好きだとは思わなかった。
 エリオット。
 鎖で、ベッドに繋がれた私には、断る権利がないのでしょ?
 そして、命令だから、逆らう事は許されない」

「そうだ。
 これは、命令だ。
 世界の支配者であるこの僕から、夜伽よとぎめいじられたにもかかわらず、中で出されないという不名誉を……味わってもらおう。
 ――これからもな」

「私から、『中で出す』最初を奪ったのもエリオットだったけど、『中で出さない』最初を奪うのも、やはり、あなたなのね」

「……入れさせてもらう。
 身も、心も、僕に差し出せ――」

「ものず……き……あっ!
 ……ああっ……」

「僕の身体に、足を絡めてこい……腰をおおきく……はあ……い、陰部を、しっかりと濡らしてやったんだ……こぼれていく音も、色情しきじょうを感じさせるほどに……ならせ……はあ」

「あああっ……はう……こ、これからも、エリオットは……敵だか……ら……ルイーナは……渡さない……あうっ!
 悪政の為の道具として……あの子を使わせたり……しない……。
 あああああんっ」

「と、取り違えないでくれと……言っているだろ……君の事は、妻に迎えるつもりだが……すべては、この僕が決める……君の生き方も……ルイーナの行く末も……二人とも、僕に支配されて……はあ……生きていくんだ……」

「私は……わたしなの……そして、あの子も……あのこ……だから、エリオットとは……ずっと、敵同士……ああっ。
 あうん!
 はぁああんっ」

「ぼ、ぼくに……貫かれて……逃げられもしないのに、このおよんで……はあ……は、反逆のひょうする……つもりか……罰を与えられる……かくごがあるんだろうな……激しく……うごく……」

「はあ……ああああっ!
 あっ! あっ! ああっ!」

「なか……僕のものに……じかに触れられない事、口惜しいだろ……へだたりがあり……ありのままの僕のものを入れられていない事……不本意であると思うのならば……ぼ、ぼくが出す時に……大きな声で……応じろ……は、果てるから……いいな……う……ああああっ」

「あああああああああっ!
 ……あ……ああ……はあ……出したのね……エリオット。
 でもね、そこは、結局……私の中よ……はあ……はあ」

「……そうだな」

「エリオット。
 あなたがいたから生まれる事になった命――ルイーナは、私が、必ず護る。
 恐怖政治の独裁者であるエリオット・ジールゲンの手には、絶対に渡さない」

「人の命を奪う事など、なんとも思わぬ、このエリオット・ジールゲンの前で、鎖で繋がれているというのに……ふふ。
 分かった。
 これからも、僕の妻となり、共に圧政支配者の道を歩むと言うまで、夜ごとに貫いてやる。
 覚悟はあるのだろうな?」

「天王寺アリスは、『敵対』者であるエリオット・ジールゲンの脅しにくっするつもりはない。
 お前の協力者を名乗り出てやったのは、あくまで、この私にとって都合がよいからだ。
 ――と、言っておくわ」

「君の案で、僕の軍事政権の支持率を上げる事ができなかったら、約束通り、妻になってもらう。
 そして、母として、ルイーナを一人前の軍人に仕立てあげる件も、忘れてはいまいな?」

「私の案の方が優れていたら、罪もない人々に対する『残忍な見せしめ』行為をやめるという約束、忘れないでね」

「いいだろう。
 改めて約束してやる。
 ――なあ。
 どうせ、僕の軍事政権を、内部から転覆させるつもりなんだろ。
 この場で、天王寺アリスの企てのすべてを、白状してもらえないか?
 今なら、罪を軽くしてやるぞ」

「抜いたあとに、優しく抱きしめてくれたとしても、教えてあげる気はないわ」

「天王寺先輩。
 君は、軍の本拠地でもあるタワー『スカイ・オブ・パーツ』の上層、僕の私邸内に幽閉されているだ。
 ここに、君を、助けに来れる者などいない。
 生殺与奪せいさつよだつの権利を、この僕に握られている立場だ。
 ……ふん。
 苛立いらだたしい。
 鎖で縛りあげられたり、道具で責められたり、薬を使われたり……僕の正妻になるまでは、これからも、そういう夜が続くと、心に刻んでおいてくれ」

「いいわ。
 もとより、腹をくくってる。
 私は、エリオットとは『敵対』しているから――」

「素直に、僕の胸の中に飛び込んでくる事が、なぜできないっ!
 ……覚悟しろ。
 まずは、今から、その艶美えんびな君の白い素肌を、僕の身体でつつみ込んでやる。
 手枷を外してやろう。
 ああ。
 勘違いしないでくれ。
 僕が、好きなように君を扱いたいからそうするんだ。
 ――だが、自由に動けるようにしてやる意味を理解し、行動してくれないか?」

「ふーん。
 『敵対』相手のエリオットの考えなんて、理解できないわ。
 だから――今夜は、私の方からも抱きしめてしまおうかしら」

「……面白い申し入れじゃないか。
 君の上官として、受諾じゅだくしておこう。
 取り下げは認めない。
 必ず、げろ!
 いいなっ。
 これは、命令だ!」
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