62 / 146
◇本編
62.
しおりを挟む
テオルドは侯爵の館の客室の一室に眠るリリアを運び込む。コートを被せてはいるが中は全裸だ。クローゼットを漁り閨着を見つける。膝までの寸で前開きのボタンが付いた物だ。左右にスリットが入っている。
「..................何か短いけど、透けてはいないから取り敢えずこれ着せておくか。流石に下着は分からん。ここの女共も信用出来んしな.........。ドレスくらいは持って来させようか.........」
ブツブツ言いながらもニヤけている。
「.................テオルド様」
「なんだ?」
「侍女を.........」
「ダメだ。信用出来ん。今回男ばかり連れて来たんだから、俺がやる」
「.........はあ.........」
「ほら、お前ら下がれ。トーザ。衝立を立てろ。.........シューマ見るなよ?」
「.........はい。あの.........本当に.........御使い様ですか?」
「ああ。そうだ」
「どうして分かるんですか?」
「知っているからだ」
「何時から?どうして?」
「12歳。ある事をすると人間の姿に変わるんだ」
「ある事?何ですか?それ。」
「ある事はある事だ。どちらにせよ俺にしか見えんのだろう。お前もした事あるが何も言わなかったし」
「.................は?私も?」
「正確には触れば鳥だが見た目が女に変わる。女神が俺にリリアに興味を持たせる為にした悪戯かも知れんがな」
「.........だからリリア様だと断言されるんですね?」
「10年見て来てるんだ。リリアだよ」
「.........」
「..........................」
「.................ズルイ」
「.................ズルく無い」
「黙ってたなんて。酷く無いですか?」
「言う必要なんて無かっただろ?俺にしか見えないんだから」
「成る程。今までの執着振りはそう言う事だったんですね?ちゃんと女性として見ていたんだ。テオルド様はもしかしたらあっち系かと心配していたんですよ」
「お前.........主人をなんだと思ってるんだ。判るだろ、違う事くらい」
「だって潔癖症でも無いし女性に触れる事は平気なのに言い寄る方々を尽く袖にされるので.........あっち側かなっと。でも聞いたら迫られるかと思って黙ってました。それか獣姦目的で育つのを待って........ 」
「.........お前ちょっと本気で蹴り上げるぞ」
「私だって本気で心配してたんですよ?流石に鳥相手は.........無理かなって......... 」
「当たり前だ!やめんか馬鹿たれ!」
「まあ、良かったです。真面で」
「.................シューマ。この屋敷の周り駆け足5周して来い」
「ええーーーーー!」
「..................何か短いけど、透けてはいないから取り敢えずこれ着せておくか。流石に下着は分からん。ここの女共も信用出来んしな.........。ドレスくらいは持って来させようか.........」
ブツブツ言いながらもニヤけている。
「.................テオルド様」
「なんだ?」
「侍女を.........」
「ダメだ。信用出来ん。今回男ばかり連れて来たんだから、俺がやる」
「.........はあ.........」
「ほら、お前ら下がれ。トーザ。衝立を立てろ。.........シューマ見るなよ?」
「.........はい。あの.........本当に.........御使い様ですか?」
「ああ。そうだ」
「どうして分かるんですか?」
「知っているからだ」
「何時から?どうして?」
「12歳。ある事をすると人間の姿に変わるんだ」
「ある事?何ですか?それ。」
「ある事はある事だ。どちらにせよ俺にしか見えんのだろう。お前もした事あるが何も言わなかったし」
「.................は?私も?」
「正確には触れば鳥だが見た目が女に変わる。女神が俺にリリアに興味を持たせる為にした悪戯かも知れんがな」
「.........だからリリア様だと断言されるんですね?」
「10年見て来てるんだ。リリアだよ」
「.........」
「..........................」
「.................ズルイ」
「.................ズルく無い」
「黙ってたなんて。酷く無いですか?」
「言う必要なんて無かっただろ?俺にしか見えないんだから」
「成る程。今までの執着振りはそう言う事だったんですね?ちゃんと女性として見ていたんだ。テオルド様はもしかしたらあっち系かと心配していたんですよ」
「お前.........主人をなんだと思ってるんだ。判るだろ、違う事くらい」
「だって潔癖症でも無いし女性に触れる事は平気なのに言い寄る方々を尽く袖にされるので.........あっち側かなっと。でも聞いたら迫られるかと思って黙ってました。それか獣姦目的で育つのを待って........ 」
「.........お前ちょっと本気で蹴り上げるぞ」
「私だって本気で心配してたんですよ?流石に鳥相手は.........無理かなって......... 」
「当たり前だ!やめんか馬鹿たれ!」
「まあ、良かったです。真面で」
「.................シューマ。この屋敷の周り駆け足5周して来い」
「ええーーーーー!」
0
あなたにおすすめの小説
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
孤独な公女~私は死んだことにしてください
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【私のことは、もう忘れて下さい】
メイドから生まれた公女、サフィニア・エストマン。
冷遇され続けた彼女に、突然婚約の命が下る。
相手は伯爵家の三男――それは、家から追い出すための婚約だった。
それでも彼に恋をした。
侍女であり幼馴染のヘスティアを連れて交流を重ねるうち、サフィニアは気づいてしまう。
婚約者の瞳が向いていたのは、自分では無かった。
自分さえ、いなくなれば2人は結ばれる。
だから彼女は、消えることを選んだ。
偽装死を遂げ、名も身分も捨てて旅に出た。
そしてサフィニアの新しい人生が幕を開ける――
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる