愛した人は青空の瞳〜御使いシラサギと3つの選択〜

平川

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◇本編

62.

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 テオルドは侯爵の館の客室の一室に眠るリリアを運び込む。コートを被せてはいるが中は全裸だ。クローゼットを漁り閨着を見つける。膝までの寸で前開きのボタンが付いた物だ。左右にスリットが入っている。

「..................何か短いけど、透けてはいないから取り敢えずこれ着せておくか。流石に下着は分からん。ここの女共も信用出来んしな.........。ドレスくらいは持って来させようか.........」
ブツブツ言いながらもニヤけている。

「.................テオルド様」
「なんだ?」
「侍女を.........」
「ダメだ。信用出来ん。今回男ばかり連れて来たんだから、俺がやる」
「.........はあ.........」
「ほら、お前ら下がれ。トーザ。衝立を立てろ。.........シューマ見るなよ?」
「.........はい。あの.........本当に.........御使い様ですか?」
「ああ。そうだ」
「どうして分かるんですか?」
「知っているからだ」
「何時から?どうして?」
「12歳。ある事をすると人間の姿に変わるんだ」
「ある事?何ですか?それ。」
「ある事はある事だ。どちらにせよ俺にしか見えんのだろう。お前もした事あるが何も言わなかったし」
「.................は?私も?」
「正確には触れば鳥だが見た目が女に変わる。女神が俺にリリアに興味を持たせる為にした悪戯かも知れんがな」
「.........だからリリア様だと断言されるんですね?」
「10年見て来てるんだ。リリアだよ」

「.........」
「..........................」
「.................ズルイ」
「.................ズルく無い」
「黙ってたなんて。酷く無いですか?」
「言う必要なんて無かっただろ?俺にしか見えないんだから」
「成る程。今までの執着振りはそう言う事だったんですね?ちゃんと女性として見ていたんだ。テオルド様はもしかしたらあっち系かと心配していたんですよ」
「お前.........主人をなんだと思ってるんだ。判るだろ、違う事くらい」
「だって潔癖症でも無いし女性に触れる事は平気なのに言い寄る方々を尽く袖にされるので.........あっち側かなっと。でも聞いたら迫られるかと思って黙ってました。それか獣姦目的で育つのを待って........ 」
「.........お前ちょっと本気で蹴り上げるぞ」
「私だって本気で心配してたんですよ?流石に鳥相手は.........無理かなって......... 」
「当たり前だ!やめんか馬鹿たれ!」
「まあ、良かったです。真面まともで」

「.................シューマ。この屋敷の周り駆け足5周して来い」

「ええーーーーー!」
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