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◇式前30日の記録
31.悩める男達
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夕食後、久々にシューマからhow-to女体の神秘を座学で享受され、再び机に突っ伏すテオルド。
相変わらず頭から湯気を出していた。
「では、本日はこの辺りにしましょうか」
「.........う、む.........」
「次回は恋愛上手な講師を招きましょう。誰にしましょうかね~。アウィン?ダヤン?レジン?ネリオス?リオやカプなんてのも。まあ、どいつも一癖ありますけど。他はどうだろ?ダリスアンにディランに....うーん、ジンラードは追いかけ回してるし、オーランドは拒否されてるし.........尚之は相手男だし....リグマイアスなんかペットだからな~」
「おい........それ全員殲滅部隊の奴らじゃ無いだろ。作品の次元を超えるな。そう言えば、あいつどうしてる?南ドロールで見つけて来たオレンジ頭の。あいつも大概綺麗な顔して女にモテてたろ?」
「ああ、ライオットの事ですね?ふぅん。良いですね。奴はかなりフェミニストらしいので、聞いといて損は無いかも。じゃあ、シフト調整して良い時に呼びます」
「.........正直かなり恥ずかしいんだが.........」
「じゃあ、やっぱりその筋の女性に手ほどきしてもらいます?たった一度で全て解ると思いますけど」
「それはもう選択肢には無い。その為の座学だろ?いや、もう結構大丈夫な気がして来た」
グッと拳に力を入れ握り込むテオルド。
「.........テオルド様って.........ワンパターンそうですね。飽きられそう....」
ガーーーーーン!!
「お.........お前.........なんて事.........!」
「まあ、良いじゃありませんか。こんな機会早々ありませんから。この際徹底的に知識を詰め込みましょう。.........リリア様の為に、ね?」
「ーーーーっ。」
リリアと言う免罪符を叩きつけられ、怒りもシナシナになるテオルド。ちょっと悪乗りし始めているシューマに、今度はテオルドから反撃の言葉が返される。
「で?お前スパラッシュどうするつもりなんだ?どう考えてもお前に好意があるのは明白だろ?まさか有耶無耶にするつもりじゃあるまい?下界に降りた理由がお前なら.........向き合わなければならないな?」
「.................」
「天界の、それも高位な存在らしいじゃ無いか。女神様が許された程、強く想われていると考えるべきだな。.........一体何したんだよお前」
「.........一度だけ、お助けした事はありましたが.........大した事ではありません。きっと彼女はそんな経験が無かったのでしょう。.........その驚きを恋だと思い込んでしまっているのです。暫くしたら目が醒めるでしょう」
「ふーん。お前なりに分析してるんだ。まあ、あり得るな。でも、きっかけは些細な事だろうが、想いまで勘違いだと決めつけるのは尚早じゃ無いのか?『実直に向き合う』って、そう言う事だろ?」
「..........恋愛経験無いのによく分かりますね?」
「お前も無いだろ.........」
「有りますよ.........適当に」
「なんだ適当って。俺がどれだけ人のなりを見て来てると思ってるんだ。他人の事なら割と解るぞ。そして俺はちゃんと自覚してる」
「.........そうでした。貴方は特別です。でも、私は凡人だ。天界の方を受け止める度量は有りませんよ」
「.................成る程、そこなんだな。じゃあ、それを上回るきっかけが要るって事だ」
「有りませんよ、そんな事件。今は唯、時間が流れる事だけ願います。いつか薄れていくでしょうから」
「.........それは実直とは違う。逃げてるだけだぞ?まあ、お前の気持ちも解るけど。彼女と日々を過ごすのも1つの方法だ。焦らずしっかり考えてやれ。そして答えを渡してやるんだ。ちゃんと先に進める様に」
「テオルド様.........」
「もう天界には帰れないんだ。もし、お前と一緒になれなくても、彼女は此処で暮らさなければならない。お前以外の男と番う事になろうとも、な」
「.................」
「まあ、男なんて部隊には溢れる程居る訳だし、騎士にも未婚は多い。ダメならトーザでも当てがっておこうか.........スパラッシュが天界の者だったって知ってるだろ。俺の騎士だし身体はデカイが女にはまめらしいし、彼女と顔を合わせる機会も多い。あいつもそろそろ結婚して落ち着かせた方が.........(俺の為に)」
「それは絶対嫌です」
「ん?」
「嫌.........かな?」
「嫌なんだ。なんで?」
「.........なんででしょう?」
「俺に聞くなよ」
こうして悩める男達の夜は過ぎて行く。
相変わらず頭から湯気を出していた。
「では、本日はこの辺りにしましょうか」
「.........う、む.........」
「次回は恋愛上手な講師を招きましょう。誰にしましょうかね~。アウィン?ダヤン?レジン?ネリオス?リオやカプなんてのも。まあ、どいつも一癖ありますけど。他はどうだろ?ダリスアンにディランに....うーん、ジンラードは追いかけ回してるし、オーランドは拒否されてるし.........尚之は相手男だし....リグマイアスなんかペットだからな~」
「おい........それ全員殲滅部隊の奴らじゃ無いだろ。作品の次元を超えるな。そう言えば、あいつどうしてる?南ドロールで見つけて来たオレンジ頭の。あいつも大概綺麗な顔して女にモテてたろ?」
「ああ、ライオットの事ですね?ふぅん。良いですね。奴はかなりフェミニストらしいので、聞いといて損は無いかも。じゃあ、シフト調整して良い時に呼びます」
「.........正直かなり恥ずかしいんだが.........」
「じゃあ、やっぱりその筋の女性に手ほどきしてもらいます?たった一度で全て解ると思いますけど」
「それはもう選択肢には無い。その為の座学だろ?いや、もう結構大丈夫な気がして来た」
グッと拳に力を入れ握り込むテオルド。
「.........テオルド様って.........ワンパターンそうですね。飽きられそう....」
ガーーーーーン!!
「お.........お前.........なんて事.........!」
「まあ、良いじゃありませんか。こんな機会早々ありませんから。この際徹底的に知識を詰め込みましょう。.........リリア様の為に、ね?」
「ーーーーっ。」
リリアと言う免罪符を叩きつけられ、怒りもシナシナになるテオルド。ちょっと悪乗りし始めているシューマに、今度はテオルドから反撃の言葉が返される。
「で?お前スパラッシュどうするつもりなんだ?どう考えてもお前に好意があるのは明白だろ?まさか有耶無耶にするつもりじゃあるまい?下界に降りた理由がお前なら.........向き合わなければならないな?」
「.................」
「天界の、それも高位な存在らしいじゃ無いか。女神様が許された程、強く想われていると考えるべきだな。.........一体何したんだよお前」
「.........一度だけ、お助けした事はありましたが.........大した事ではありません。きっと彼女はそんな経験が無かったのでしょう。.........その驚きを恋だと思い込んでしまっているのです。暫くしたら目が醒めるでしょう」
「ふーん。お前なりに分析してるんだ。まあ、あり得るな。でも、きっかけは些細な事だろうが、想いまで勘違いだと決めつけるのは尚早じゃ無いのか?『実直に向き合う』って、そう言う事だろ?」
「..........恋愛経験無いのによく分かりますね?」
「お前も無いだろ.........」
「有りますよ.........適当に」
「なんだ適当って。俺がどれだけ人のなりを見て来てると思ってるんだ。他人の事なら割と解るぞ。そして俺はちゃんと自覚してる」
「.........そうでした。貴方は特別です。でも、私は凡人だ。天界の方を受け止める度量は有りませんよ」
「.................成る程、そこなんだな。じゃあ、それを上回るきっかけが要るって事だ」
「有りませんよ、そんな事件。今は唯、時間が流れる事だけ願います。いつか薄れていくでしょうから」
「.........それは実直とは違う。逃げてるだけだぞ?まあ、お前の気持ちも解るけど。彼女と日々を過ごすのも1つの方法だ。焦らずしっかり考えてやれ。そして答えを渡してやるんだ。ちゃんと先に進める様に」
「テオルド様.........」
「もう天界には帰れないんだ。もし、お前と一緒になれなくても、彼女は此処で暮らさなければならない。お前以外の男と番う事になろうとも、な」
「.................」
「まあ、男なんて部隊には溢れる程居る訳だし、騎士にも未婚は多い。ダメならトーザでも当てがっておこうか.........スパラッシュが天界の者だったって知ってるだろ。俺の騎士だし身体はデカイが女にはまめらしいし、彼女と顔を合わせる機会も多い。あいつもそろそろ結婚して落ち着かせた方が.........(俺の為に)」
「それは絶対嫌です」
「ん?」
「嫌.........かな?」
「嫌なんだ。なんで?」
「.........なんででしょう?」
「俺に聞くなよ」
こうして悩める男達の夜は過ぎて行く。
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