【完結】初恋は淡雪に溶ける

Ringo

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♡afterstory♡一線を超える不安

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初めて“大人の口付け”をしてからというもの、ちょこちょことメリルが姿を消すようになり、その隙をついてエメットは深い口付けをするようになった。

呼吸の仕方にもなんとか慣れ、最近では舌を吸われ唾液まで飲まれることも許容している。


「ん……あ、そういえば、」


ふと思い出したことを言おうとしたエメットの口はアンジェリカによって塞がれ、その先を続けることが出来ない。

だが不満など一切なく、縋るように甘えてくる婚約者の体を優しく抱き締めた。

エメットの膝の上に横抱きされているアンジェリカは、離れるものかと言わんばかりに首に腕を回している。


「ねぇアンジェ…ん…相談があるんだけど」


どうやら箍が外れたのはアンジェリカの方で、紙一枚分だけ開けられた部屋の中で過ごしている時は、密着する事を好み離れようとしない。

それでも一歩外に出れば背筋を伸ばし凛としてみせるものだから、その切り替えの良さと速さにエメットは感心していた。


「なぁに…?」


夢中で口付けを交わすアンジェリカを宥めつつ、赤く染まった耳元へと唇を寄せる。

珍しくもない体の一部でさえ愛おしく、ついつい悪戯したくなって舌先を這わせてしまった。


「やんっ……」


最近ではこうした触れ合いも増え、僅かに抵抗するものの結局は受け入れてしまうアンジェリカ。

この日エメットは、少し先に進みたいと思う気持ちを正直に告げようとしていた…のだが、羞恥と刺激に身を捩る姿に煩悩が勝り、何も言わずに耳元に寄せた唇をそのまま首筋へと移した。


「あっ……エメット……っ…」


痕が付かない程度に啄み、小刻みに場所を変えて口付けを落とし…徐々にその位置を下げていく。

チラリと様子を窺えばカチリと目が合い…綺麗な瞳が戸惑いと期待で揺れているのを確認すると、口付けながら細い太腿をさわっと撫でた。


「……っ……」


薄い部屋着では剣ダコさえも捉えてしまい、アンジェリカはもぞりと太腿を擦り合わせる。

この状況に興奮しているのはエメットも同じで、アンジェリカの臀部が乗る太腿の付け根では、窮屈なトラウザーズの中で象徴が屹立していた。


「アンジェ……愛してる…」


だが、厚い革に覆われたそれにアンジェリカが気付くはずもなく、一方的に高まる火照りをどうにか逃がそうとして無意識に仰け反った。

それを好機と捉えたエメットは更に口付けの場所を下に移し、ふんわりと膨らむ柔肌を啄む。

柔らかいシフォンで可憐な装いの部屋着だが、その胸元は不自然に大きく開けられている。

まるで初夜に纏う夜着のように。


『新しい部屋着をご用意致しました』


そう言っていたメリルを思い出して、エメットは心中で親指を立てて誉めそやす。

仰け反ったことで乱れ、今にも全てを晒け出しそうになっているアンジェリカの頂き近い胸元に、ドレスなら隠れるだろうと赤い花を散らした。


「んっ……!!」


必死で声を抑えている様子に頬は緩み、啄む口元は弧を描いてしまう。

小さく震える体を背中に回した手で支えながら、もう片方の手で防波堤となっている“突起”に引っかかる布地をずらしてを外気に晒した。


「や、ダメっ……!!」


制止しようとするアンジェリカを無視して固くなっている突起を口に含み、しっかりと咥えて舌先で転がしたり舐めたりを繰り返す。

それだけでも羞恥に弱いアンジェリカは呆気なく達してしまい、「いや…っ…ダメ…」と言いながらも引き剥がそうとはせず、いつの間にか割り入っている太腿を這う手にも気が回らない。

ここまでは、幾度となく繰り返した行為。

エメットはこの先にある、アンジェリカの蜜壷に如何にして直接触れるか思考を巡らせた。






*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜






いつもより執拗に頂きを刺激され、達しすぎて脱力していく体をエメットに預けていると、太腿に這わされていた手が奥へと伸びた。

弛緩しかけているが故に油断していたところを狙われ、その手は難なく目的地へと辿り着く。


「っ、ダメよ、エメット…んっ…」


抗議する声は塞がれた口に飲み込まれ、絡まる舌に応えているとビクリと体が跳ねた。

下着越しにあらぬ所へ触れられたのだ。

流石に抵抗しようと藻掻くが敵うわけもなく、ならばと太腿を閉じればまるで手を逃さないとしているようで、一体どうしたらいいのかと混乱する頭で必死に考える。

そうこうしている間もエメットの大きな手は撫でるように這い、太い指を食い込ませるように一本の筋をなぞっている。


『嫌だと思ったら引っぱたいていいから』


初めて“大人の口付け”をした時のように、エメットは何かにつけてそう言っていた。

引っぱたいてやめさせる?

そう考えて決して嫌なわけではないと思い直す。

では何故抵抗してしまうのか…それは一重に貞操観念の強さゆえ。

ここまでしておいて今さら…と言われればそれまでだが、アンジェリカにとって“最後の一線”は秘めた場所への直接的な接触。

たとえ相手が愛する婚約者であろうと、そこに触れた瞬間に高潔さが失われるようで怖い。

流れに身を任せた結果、ふしだらな女だとエメットに嫌われるのではないかと想像して…


「アンジェリカ……」


熱い吐息と共に名前が零されたと同時に、アンジェリカは眦から一筋の涙を流した。






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