3 / 9
1・記憶のない婚約者
しおりを挟む
「アドリアーナ」
名を呼ばれて、大きな湖にかかる虹を眺めていた少女は振り向いた。
腰まであるふわふわと波打つハニーブロンドはおろされていて、振り向いた反動でふわりと揺れたためにキラキラと日の光を反射している。
繊細なレースがふんだんにあしらわれた純白のワンピースドレスを着ていることと、背後の虹に透き通るように滑らかで白い肌であることも相まって、まるで女神か天使が舞い降りたかのような神々しさを放つ。
その眩しい煌めきに、声をかけた男は愛しげに目を細める。
「はい、王太子殿下」
水色の大きな瞳を持つ少女が向けてくれる笑みは慈愛に満ちたもので、自国のみならず多くの男性がその笑顔を己のものにしたいと望む。
王太子殿下と呼ばれた男…銀髪に紫水晶の瞳を持つジョシュアもそのひとり。
いつ自分の手をすり抜けてしまうか分からない…そんな危うさを孕む愛しい婚約者を、どうにかして繋ぎ止めようと必死で愛を伝えてきた。
好きな色、好きな花、好きなお菓子、好きな小説など、アドリアーナの気を引けるものを常に与えて己の存在を示し続けてきた。
『ありがとうございます、王太子殿下』
ふわりと笑うその微笑みが見られるならば、どんなに仕事が忙しかろうと自ら足を運び、手に入れた贈り物を抱えてアドリアーナの元へ足繁く通ってきた。
そんな日々を送るようになってかれこれ二年。
この日、虹の湖に行きたいと強請られ赴いたが、強い緊張感を抱えているせいかポケットに忍ばせている小箱に何度も触れて確認してしまう。
「……アドリアーナ」
「はい」
二度も名前を呼ばれ、アドリアーナはきょとんと首を傾げるが、突然ジョシュアが片膝をついたことに驚いて目を見張った。
男性が女性の前で片膝をつく……それが何を意味しているのか、この国で知らない者はいない。しかし政略的な婚姻が主である貴族の間では殆ど行われず、実際には平民の間で多く見受けられる。
それでも多くの貴族女性は、小説や舞台でしか見ることのないその光景に憧れを抱いていた。
アドリアーナもそのひとり。
しかしすでに王太子の婚約者である自分が、なぜ改めてそのようなものを受けるのか困惑し…けれど憧れでもある求婚の姿勢に胸をときめかせ、同時に何故かつきりと痛むのを感じる。
「アドリアーナ…俺と結婚して欲しい」
ポケットから取り出された小箱の中には、大粒のダイヤモンドが輝く指輪。心なしか、それを持つジョシュアの手が小さく震えていることに気付いて、アドリアーナは思わず困ったように笑みを浮かべた。
嬉しい…そう思うのに、じくじくと痛む胸がそれを拒否しようとしているようで、それが何故か分からずに動けない。
「アドリアーナ…君を生涯愛し続けると誓う。君以外に妃を迎えるつもりもない」
自分以外の妃…その言葉に、これまで以上の痛みがアドリアーナを襲う。
ジョシュアは国王にとってたったひとりの子供。
もしもジョシュアとの間に子が出来なければ側室を迎えなければならないことは、妃教育で学んできた。子を儲けられない自分に愛想を尽かして、他に愛妾を迎えることも有り得るのだとも。
しかしジョシュアはそうしないと言う。
ならばその場合はどうするのか…そう思考を巡らせたことを悟ったのか、ジョシュアは綺麗な形をした眉を下げて言葉を紡ぐ。
「もしも俺達の間に子が出来なければ、その時は王位継承権を持つ他の者に王位を譲る……俺はアドリアーナと共に生きられればそれでいい」
「…………それならば…どうして…」
思わず口をついて出た言葉はジョシュアの顔を苦痛に歪ませたが、発したアドリアーナ自身にはその言葉が何を意味するのか分からない。けれど、不意に溢れ…次いで涙がこぼれ落ちた。
澄んだ空のように美しい水色の瞳から幾筋も涙が流れ落ち、その様子にジョシュアは慌てて立ち上がってアドリアーナを抱き締める。
ここ最近、寂しそうにどこか遠くを見ることの多かったアドリアーナ。
その視線が何を探しているのか…誰を求めているのかジョシュアは知っている。知っていて、その手を放すことが出来ない。
「アドリアーナ…君を愛してるんだ」
心を込めて告げた言葉にも、アドリアーナは何も返さずただ静かに泣き続けている。
いつか、自分の想いや言葉がアドリアーナの心に届く日は来るのだろうか…そんな事を思い浮かべるが、そんな日は二度と来ないかもしれないとも思い唇を噛んだ。
失った信頼と愛情のふたつを…かつて向けられていた愛に溢れた笑顔を向けられることを、いつか取り戻したいと願わずにはいられない。
「君と共にありたいんだ」
もう二度と間違わない…そう告げたい思いをぐっと堪え、ジョシュアは婚約者を優しく包み込むように抱き締め続けた。
**********
「それで?あの湖でのプロポーズは受けてもらえましたか?」
泣き疲れて眠そうにしていたアドリアーナを公爵邸に送り届けて王宮へと戻れば、腹心でもある側近が執務室で仕事に追われていた。
本来なら急を要する執務があったが、アドリアーナが珍しく日付まで指定してきたことで無理を通して出掛けていたのだが、その皺寄せは腹心のハロルドに降りかかった。
だからこそ、肩を落として戻った主に嫌味のひとつでも言ってやろうと思っても仕方ない。
「………………」
「おや、駄目でしたか」
小さく睨みをきかせてきただけでソファーに崩れ落ちる様子に、そりゃそうだと言わんばかりに溜め息を吐いて手際よくお茶の用意をしていく。
ジョシュアの為に用意されている茶葉は、かつてアドリアーナが探し出してきたもの。
『この茶葉は目や体の疲れを癒してくれる作用があるそうなの。こちらの茶葉は心を落ち着かせてくれるもので、こちらは胃腸の不調に───』
と、外交を取り仕切る父公爵に伴った先々で見つけてきた茶葉は、気付けば五十種類。そのどれもがジョシュアの為に存在している。
王太子御用達の品として、公爵家が持つこの国最大手の商会でも人気があるらしい。
「どうぞ」
ソファーに深く座り込み、両腕で目を覆っていたジョシュアの鼻先に、ふわりと香りが届く。
「…………懐かしい…」
その香りと共に脳裏に浮かんだのは、かつて自分に向けられていたはちきれんばかりの笑顔。
『ジョシュア!』
大好きと言いながら勢いよく胸に飛び込んできては、常に満面の笑みで名前を呼んでくれていたかつての婚約者。
もう呼ばれることもなくなって三年…呼んで欲しいと強請ったこともあるが、困ったように眉を下げられてしまい、結局アドリアーナの口からその名が紡がれることはない。
自分のせいだということは分かっている。
それでも、もう一度呼ばれたい。
「…………アドリアーナ…」
小さく呟き、目を覆う腕の隙間から流れ落ちる涙を見て、ハロルドは静かに机に戻り残る書類に目を通し始めた。
今更だ…そう思うも、やりきれない感情はハロルドの心にもあり、鈍い痛みが拭い去れない。
しかしどんな思いがあろうと三ヶ月後にはふたりの結婚式が執り行われ、ふたりは夫婦となる。
けれど…と思う。
表向きは幸せそうにジョシュアの隣にいるアドリアーナだが、不意に見せる寂しそうな表情や遠くを見つめる瞳は、本当の意味でジョシュアとの結婚を受け入れていないのではないだろうか。
ボロボロに打ち砕かれた心は、二度と元には戻らない…そう思うと、何故もっと諌められなかったのだろうと後悔の念が押し寄せてくる。
腹心と呼ばれる男は、その役目を全う出来なかった事に懺悔する日々を送っていた。
名を呼ばれて、大きな湖にかかる虹を眺めていた少女は振り向いた。
腰まであるふわふわと波打つハニーブロンドはおろされていて、振り向いた反動でふわりと揺れたためにキラキラと日の光を反射している。
繊細なレースがふんだんにあしらわれた純白のワンピースドレスを着ていることと、背後の虹に透き通るように滑らかで白い肌であることも相まって、まるで女神か天使が舞い降りたかのような神々しさを放つ。
その眩しい煌めきに、声をかけた男は愛しげに目を細める。
「はい、王太子殿下」
水色の大きな瞳を持つ少女が向けてくれる笑みは慈愛に満ちたもので、自国のみならず多くの男性がその笑顔を己のものにしたいと望む。
王太子殿下と呼ばれた男…銀髪に紫水晶の瞳を持つジョシュアもそのひとり。
いつ自分の手をすり抜けてしまうか分からない…そんな危うさを孕む愛しい婚約者を、どうにかして繋ぎ止めようと必死で愛を伝えてきた。
好きな色、好きな花、好きなお菓子、好きな小説など、アドリアーナの気を引けるものを常に与えて己の存在を示し続けてきた。
『ありがとうございます、王太子殿下』
ふわりと笑うその微笑みが見られるならば、どんなに仕事が忙しかろうと自ら足を運び、手に入れた贈り物を抱えてアドリアーナの元へ足繁く通ってきた。
そんな日々を送るようになってかれこれ二年。
この日、虹の湖に行きたいと強請られ赴いたが、強い緊張感を抱えているせいかポケットに忍ばせている小箱に何度も触れて確認してしまう。
「……アドリアーナ」
「はい」
二度も名前を呼ばれ、アドリアーナはきょとんと首を傾げるが、突然ジョシュアが片膝をついたことに驚いて目を見張った。
男性が女性の前で片膝をつく……それが何を意味しているのか、この国で知らない者はいない。しかし政略的な婚姻が主である貴族の間では殆ど行われず、実際には平民の間で多く見受けられる。
それでも多くの貴族女性は、小説や舞台でしか見ることのないその光景に憧れを抱いていた。
アドリアーナもそのひとり。
しかしすでに王太子の婚約者である自分が、なぜ改めてそのようなものを受けるのか困惑し…けれど憧れでもある求婚の姿勢に胸をときめかせ、同時に何故かつきりと痛むのを感じる。
「アドリアーナ…俺と結婚して欲しい」
ポケットから取り出された小箱の中には、大粒のダイヤモンドが輝く指輪。心なしか、それを持つジョシュアの手が小さく震えていることに気付いて、アドリアーナは思わず困ったように笑みを浮かべた。
嬉しい…そう思うのに、じくじくと痛む胸がそれを拒否しようとしているようで、それが何故か分からずに動けない。
「アドリアーナ…君を生涯愛し続けると誓う。君以外に妃を迎えるつもりもない」
自分以外の妃…その言葉に、これまで以上の痛みがアドリアーナを襲う。
ジョシュアは国王にとってたったひとりの子供。
もしもジョシュアとの間に子が出来なければ側室を迎えなければならないことは、妃教育で学んできた。子を儲けられない自分に愛想を尽かして、他に愛妾を迎えることも有り得るのだとも。
しかしジョシュアはそうしないと言う。
ならばその場合はどうするのか…そう思考を巡らせたことを悟ったのか、ジョシュアは綺麗な形をした眉を下げて言葉を紡ぐ。
「もしも俺達の間に子が出来なければ、その時は王位継承権を持つ他の者に王位を譲る……俺はアドリアーナと共に生きられればそれでいい」
「…………それならば…どうして…」
思わず口をついて出た言葉はジョシュアの顔を苦痛に歪ませたが、発したアドリアーナ自身にはその言葉が何を意味するのか分からない。けれど、不意に溢れ…次いで涙がこぼれ落ちた。
澄んだ空のように美しい水色の瞳から幾筋も涙が流れ落ち、その様子にジョシュアは慌てて立ち上がってアドリアーナを抱き締める。
ここ最近、寂しそうにどこか遠くを見ることの多かったアドリアーナ。
その視線が何を探しているのか…誰を求めているのかジョシュアは知っている。知っていて、その手を放すことが出来ない。
「アドリアーナ…君を愛してるんだ」
心を込めて告げた言葉にも、アドリアーナは何も返さずただ静かに泣き続けている。
いつか、自分の想いや言葉がアドリアーナの心に届く日は来るのだろうか…そんな事を思い浮かべるが、そんな日は二度と来ないかもしれないとも思い唇を噛んだ。
失った信頼と愛情のふたつを…かつて向けられていた愛に溢れた笑顔を向けられることを、いつか取り戻したいと願わずにはいられない。
「君と共にありたいんだ」
もう二度と間違わない…そう告げたい思いをぐっと堪え、ジョシュアは婚約者を優しく包み込むように抱き締め続けた。
**********
「それで?あの湖でのプロポーズは受けてもらえましたか?」
泣き疲れて眠そうにしていたアドリアーナを公爵邸に送り届けて王宮へと戻れば、腹心でもある側近が執務室で仕事に追われていた。
本来なら急を要する執務があったが、アドリアーナが珍しく日付まで指定してきたことで無理を通して出掛けていたのだが、その皺寄せは腹心のハロルドに降りかかった。
だからこそ、肩を落として戻った主に嫌味のひとつでも言ってやろうと思っても仕方ない。
「………………」
「おや、駄目でしたか」
小さく睨みをきかせてきただけでソファーに崩れ落ちる様子に、そりゃそうだと言わんばかりに溜め息を吐いて手際よくお茶の用意をしていく。
ジョシュアの為に用意されている茶葉は、かつてアドリアーナが探し出してきたもの。
『この茶葉は目や体の疲れを癒してくれる作用があるそうなの。こちらの茶葉は心を落ち着かせてくれるもので、こちらは胃腸の不調に───』
と、外交を取り仕切る父公爵に伴った先々で見つけてきた茶葉は、気付けば五十種類。そのどれもがジョシュアの為に存在している。
王太子御用達の品として、公爵家が持つこの国最大手の商会でも人気があるらしい。
「どうぞ」
ソファーに深く座り込み、両腕で目を覆っていたジョシュアの鼻先に、ふわりと香りが届く。
「…………懐かしい…」
その香りと共に脳裏に浮かんだのは、かつて自分に向けられていたはちきれんばかりの笑顔。
『ジョシュア!』
大好きと言いながら勢いよく胸に飛び込んできては、常に満面の笑みで名前を呼んでくれていたかつての婚約者。
もう呼ばれることもなくなって三年…呼んで欲しいと強請ったこともあるが、困ったように眉を下げられてしまい、結局アドリアーナの口からその名が紡がれることはない。
自分のせいだということは分かっている。
それでも、もう一度呼ばれたい。
「…………アドリアーナ…」
小さく呟き、目を覆う腕の隙間から流れ落ちる涙を見て、ハロルドは静かに机に戻り残る書類に目を通し始めた。
今更だ…そう思うも、やりきれない感情はハロルドの心にもあり、鈍い痛みが拭い去れない。
しかしどんな思いがあろうと三ヶ月後にはふたりの結婚式が執り行われ、ふたりは夫婦となる。
けれど…と思う。
表向きは幸せそうにジョシュアの隣にいるアドリアーナだが、不意に見せる寂しそうな表情や遠くを見つめる瞳は、本当の意味でジョシュアとの結婚を受け入れていないのではないだろうか。
ボロボロに打ち砕かれた心は、二度と元には戻らない…そう思うと、何故もっと諌められなかったのだろうと後悔の念が押し寄せてくる。
腹心と呼ばれる男は、その役目を全う出来なかった事に懺悔する日々を送っていた。
30
あなたにおすすめの小説
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
【完結】夢見たものは…
伽羅
恋愛
公爵令嬢であるリリアーナは王太子アロイスが好きだったが、彼は恋愛関係にあった伯爵令嬢ルイーズを選んだ。
アロイスを諦めきれないまま、家の為に何処かに嫁がされるのを覚悟していたが、何故か父親はそれをしなかった。
そんな父親を訝しく思っていたが、アロイスの結婚から三年後、父親がある行動に出た。
「みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る」で出てきたガヴェニャック王国の国王の側妃リリアーナの話を掘り下げてみました。
ハッピーエンドではありません。
束縛婚
水無瀬雨音
恋愛
幼なじみの優しい伯爵子息、ウィルフレッドと婚約している男爵令嬢ベルティーユは、結婚を控え幸せだった。ところが社交界デビューの日、ウィルフレッドをライバル視している辺境伯のオースティンに出会う。翌日ベルティーユの屋敷を訪れたオースティンは、彼女を手に入れようと画策し……。
清白妙様、砂月美乃様の「最愛アンソロ」に参加しています。
夫の不倫劇・危ぶまれる正妻の地位
岡暁舟
恋愛
とある公爵家の嫡男チャールズと正妻アンナの物語。チャールズの愛を受けながらも、夜の営みが段々減っていくアンナは悶々としていた。そんなアンナの前に名も知らぬ女が現れて…?
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜
涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください
「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」
呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。
その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。
希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。
アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。
自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。
そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。
アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が……
切ない→ハッピーエンドです
※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています
後日談追加しました
【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く
紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる