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【番外編】婿の仕合わせ last
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「おめでただって?」
出仕して一番に会ったクリスが、ニヤニヤしながら聞いてきた。暇なのか?
「お陰さまで」
「女の子かなぁ…男の子かなぁ……」
「嫌ですよ」
「……何も言ってないだろ」
「うちの娘はやりません」
「まだどちらか分からないじゃないか」
「たとえそうだとしても…です」
ぶぅ…と不貞腐れるクリスを放置して回廊を歩いていると、前から来た令嬢がふらりとよろけた。
が、よろけただけで倒れはしない。驚く顔をしているけれど、目論見くらいお見通しだ。相手にするのも馬鹿らしく、視線を向けることなく通りすぎようとしたら……
「マクローラン様っ」
どんっ…と後ろから抱き着かれた。咄嗟に引き剥がしたけれど、あまりの暴挙に怒りが沸く。まだ朝とはいえそれなりに人もいる。そんな中で接触を持つなど…要らぬ噂をされるだけだ。
「なにをするっ!離れろ!」
バッと引き剥がして距離を取れば、目を潤ませて更なる接触を図ろうとしてくる。
通常なら女性に厳しい態度も口調も取らないものだろうが、エマ以外に優しさも愛情も向けるつもりはない。
「……マクローラン様…わたくし…貴方をお慕いしているんです」
「だからなんだと言うんだ?こんな場所でこんな事を仕出かして…愚かしいにも程がある」
「そんなっ…わたくしはただ……」
やたらと胸を寄せる動作をするが、エマとは比べ物にならない。たとえエマより立派だとしても、エマでなければ意味がない。
「そんなに男が漁りたければ相応の場所へ行け」
「……っ、ひどい!」
「酷いのはあなたよ」
凛とした聞き覚えのある声に振り向けば、大きなお腹を擦りながら厳しい目をするプレルがいた。
勿論、大勢の護衛付きで。
「あなた…ここを何処だと心得ているの?男性に色目を使って誘う場所ではなくてよ」
「そんなことっ…わたくしはただ……」
チラチラと俺に視線を向けてくるが、助けてくれるとでも思っているのか?バカなのか?
「朝から不埒な行動をするような人は、ここに出入りするべきではないわ。あなた、モントレイル伯爵家のご令嬢よね?パウル、すぐに伝えて」
「畏まりました」
プレルの指示で護衛のひとりが動き、多くの執務室が並ぶ方へと走り去っていった。
「わ…わたくしはただ……」
「既婚者のマクローランに何を求めていたの?あなたの噂は聞き及んでいるわよ?お相手のいる男性ばかりに声をかけ、あろうことか行儀見習いであがっているはずの王宮内で、しょっちゅう事に及んでいるんですって?笑えないわね」
あまりの愚かさに呆れる。エマやプレルより少し年上に思うが、察するに股の緩さが原因で嫁ぎ遅れたといったところだろう。
「それらの行為が結婚相手を探している為だとでも?モントレイル伯爵から、どうにか娘の矯正をと頼まれていたけれど…もう無理ね」
令嬢がビクッと肩を震わせた。異性関係がだらしなく節操がない令嬢…そんな曰く付きの令嬢が行き着く先はそう数多くない。
「……来たわね」
チラリと動かされた視線の先に、慌てて走るモントレイル伯爵の姿。その表情は厳しい。
「忙しいところごめんなさいね、伯爵」
「とんでもないことでございます、妃殿下」
深々と臣下の礼をとり、次いで娘へと鋭い視線を向けた。かなりのご立腹だ。
「お前は…っ、一体何がしたい!」
「わたくしはっ…ただマクローラン様と──」
「マクローラン殿は仲睦まじい奥方がいる!お前も存じているだろう!?何をほざいている!」
伯爵の怒りように、この娘は本当に節操がない女なのだなと分かる。まだいないが、自分の娘がと思うとゾッとしてしまう。
「伯爵、もう無理ですわ。矯正を兼ねた行儀見習いだと言うのに本人からその気を感じられないばかりか、日々殿方を探して彷徨く有り様。ここは王宮ですのよ?そうした行為に耽りたいのなら、相応しい場所へ身を置くべきではなくて?」
つまりは娼婦にでもなれ…と。普通なら修道院での矯正だが、プレルの言葉の意味を察した伯爵は顔色を悪くした。
「ご令嬢の扱いに関しては私が一任されております。ですから敢えて申し上げますわ…本日を以て行儀見習いを終了とします。すぐに荷物を纏めて出てお行きなさい」
貴族令嬢の王宮行儀見習いには二通りの意味がある。ひとつは通いによる習い事のようなもので、十八歳までの少女が対象。もうひとつが矯正を目的としたもので、こちらは年齢を問わず、何かしら問題を抱えている女性が対象だ。
生活態度などの矯正も徹底的に施される為、数名の相部屋を与えられて王宮で暮らしている。
無事に満了となれば、縁談がなくとも就職の斡旋を受けることも可能となるが…
「そんなっ!ひどい…」
「ひどいのはあなたでしょう?与えられる課題も仕事も投げ出し、一体何人の男性と関係を持ったのかしら。多情にもほどがあってよ?」
「……っ、マクローラン様!」
サッと伸ばされた手を払うと、なぜ!と叫びながら睨んできた。睨みたいのはこちらだ。
「本当に節操がないわね。この状況でマクローランがあなたを助けると本気で思っているの?もしそうなのだとしたら医者に診てもらうべきよ」
王族から「娘は頭がおかしい人」認定をされた事で、伯爵の顔は真っ白だ。そんな娘を抱えているなど、仕事の上でも枷でしかない。貴族は僅かな隙も命取りとなるのだから。
「す…すぐに。御前、失礼致します」
「いやよっ!離して!マクローラン様、助けてください!わたくしはあなたと結婚します!いや!マクローラン様!」
父親に腕を掴まれ引き摺られるように去っていく姿に、娘が出来たら教育をしっかりしようと心に決めた。
* * * * * *
「凄いわね…その人」
午後の休憩、出産前にお茶をしたいからとプレルに呼ばれたエマがやってきて、庭園に用意されたテーブルを四人で囲むことになった。
仕事の合間にエマを愛でられるなど、俺にとっては思わぬご褒美。嬉しくて頭を撫でたり髪を梳いたりしていたが、堪らず額や頬…首筋にも口付けてしまい、擽ったいと叱られた。仕方なく腰を抱き寄せるに留めている。
「伯爵は娘の除籍申請を出されたわ。これで貴族令嬢が入る修道院は無理。入れるのは、厳しい規律のある平民向けの矯正施設…か、娼館ね」
「いいんじゃない?男を漁れて給金も出る。好みでなくとも抱かれなくてはならないけどね」
「あら、クリス。あなた詳しいの?」
「やめてよ、僕は君だけ」
大きなお腹を撫でながら、なんとも幸せそうなふたり。過去にあった出来事も無事乗り越えているし、譲位後の治世も安泰だな。
「それにしても、だいぶ大きいのね」
エマが言うとおり、プレルのお腹は通常の妊婦よりもだいぶ大きいように思える。
「もしかしたら双子かも…って言われたわ」
「双子!?すごい!!」
「陛下も双子だし、その影響かしらね。そのぶん出産も大変らしいけど…もし本当に双子だとしたら、男女がいいなって話してるの」
クリスがまたニヤニヤしてこちらを診ている。
「……やらんと言ったはずだ」
「なぁに?なんの話?」
「なんでもないよ、エマ」
プレルは察しているのか微笑んでおり、仲間外れにされたと思ったエマは頬を膨らませた。可愛いだけなの、分かってないのかな。
「うちとマクローランの子供を結婚させたいなって話だよ、エマ」
「だからやらん。勝手に決めるな」
「え!何それ、素敵!!そうしたら、私とプレルは家族になるんでしょう?」
女子ふたりはきゃっきゃとはしゃぎ、そこにクリスまで混ざって盛り上がっている。
「マクロはどうして嫌なの?クリスとプレルの子なら、絶対に幸せにしてくれると思うわよ?」
「……誰が相手でも嫌だ。娘はやらない」
いっそ嫁がずに家に残ればいい。一人娘なら跡継ぎとして残ることも可能だが、子供はたくさん欲しいからそれも難しいし。
「…私より娘がいいの?」
「まさか!エマより大切なものはないよ!」
まだ見ぬ娘に嫉妬するエマを抱き締めていたら、クリスとプレルがこそこそと話すのが聞こえた。
「生まれたばかりはダメよね」
「でも通いならいいんじゃない?」
「早く慣れるのもいいしね」
「とりあえず部屋を準備しておこう」
やらん!!娘も息子もやらん!!!
その後、医師の予見通り双子を生んだプレル。
それに続いてエマも無事に男の子を生み、それからさらに四人の子に恵まれ二男三女となった。
「マクローラン!婚約を結ぶぞ!!」
女の子が生まれるたびに押し掛けてくるクリスを追い返していたが、それから数年後、まさか娘の方から押し掛けることになるとは思わず。
「マクローラン様」
久し振りにそう呼んだ妻の笑顔には、いくつも深く刻まれた皺があり、それすらも愛しい。
「約束…守ってくれてありがとう」
「当たり前だ。君をひとりにはしない」
「すぐに来てくれる?」
「あぁ、すぐに追いかける」
クリスもプレルもこの世を去り、俺は歴代最長の年齢を迎えた。ここまで生きてこられたのも、エマへの愛があったからこそ。
「…マクロ……愛してる……」
「俺も愛してるよ…ゆっくりお休み」
柔らかく微笑んでから目を瞑るエマニエル。
俺を幸せにしてくれてありがとう。
君と出会い、君に愛されて幸せだった。
「そう待たせずに行くよ……」
それまで、プレルとお茶でもして待っていて。
出仕して一番に会ったクリスが、ニヤニヤしながら聞いてきた。暇なのか?
「お陰さまで」
「女の子かなぁ…男の子かなぁ……」
「嫌ですよ」
「……何も言ってないだろ」
「うちの娘はやりません」
「まだどちらか分からないじゃないか」
「たとえそうだとしても…です」
ぶぅ…と不貞腐れるクリスを放置して回廊を歩いていると、前から来た令嬢がふらりとよろけた。
が、よろけただけで倒れはしない。驚く顔をしているけれど、目論見くらいお見通しだ。相手にするのも馬鹿らしく、視線を向けることなく通りすぎようとしたら……
「マクローラン様っ」
どんっ…と後ろから抱き着かれた。咄嗟に引き剥がしたけれど、あまりの暴挙に怒りが沸く。まだ朝とはいえそれなりに人もいる。そんな中で接触を持つなど…要らぬ噂をされるだけだ。
「なにをするっ!離れろ!」
バッと引き剥がして距離を取れば、目を潤ませて更なる接触を図ろうとしてくる。
通常なら女性に厳しい態度も口調も取らないものだろうが、エマ以外に優しさも愛情も向けるつもりはない。
「……マクローラン様…わたくし…貴方をお慕いしているんです」
「だからなんだと言うんだ?こんな場所でこんな事を仕出かして…愚かしいにも程がある」
「そんなっ…わたくしはただ……」
やたらと胸を寄せる動作をするが、エマとは比べ物にならない。たとえエマより立派だとしても、エマでなければ意味がない。
「そんなに男が漁りたければ相応の場所へ行け」
「……っ、ひどい!」
「酷いのはあなたよ」
凛とした聞き覚えのある声に振り向けば、大きなお腹を擦りながら厳しい目をするプレルがいた。
勿論、大勢の護衛付きで。
「あなた…ここを何処だと心得ているの?男性に色目を使って誘う場所ではなくてよ」
「そんなことっ…わたくしはただ……」
チラチラと俺に視線を向けてくるが、助けてくれるとでも思っているのか?バカなのか?
「朝から不埒な行動をするような人は、ここに出入りするべきではないわ。あなた、モントレイル伯爵家のご令嬢よね?パウル、すぐに伝えて」
「畏まりました」
プレルの指示で護衛のひとりが動き、多くの執務室が並ぶ方へと走り去っていった。
「わ…わたくしはただ……」
「既婚者のマクローランに何を求めていたの?あなたの噂は聞き及んでいるわよ?お相手のいる男性ばかりに声をかけ、あろうことか行儀見習いであがっているはずの王宮内で、しょっちゅう事に及んでいるんですって?笑えないわね」
あまりの愚かさに呆れる。エマやプレルより少し年上に思うが、察するに股の緩さが原因で嫁ぎ遅れたといったところだろう。
「それらの行為が結婚相手を探している為だとでも?モントレイル伯爵から、どうにか娘の矯正をと頼まれていたけれど…もう無理ね」
令嬢がビクッと肩を震わせた。異性関係がだらしなく節操がない令嬢…そんな曰く付きの令嬢が行き着く先はそう数多くない。
「……来たわね」
チラリと動かされた視線の先に、慌てて走るモントレイル伯爵の姿。その表情は厳しい。
「忙しいところごめんなさいね、伯爵」
「とんでもないことでございます、妃殿下」
深々と臣下の礼をとり、次いで娘へと鋭い視線を向けた。かなりのご立腹だ。
「お前は…っ、一体何がしたい!」
「わたくしはっ…ただマクローラン様と──」
「マクローラン殿は仲睦まじい奥方がいる!お前も存じているだろう!?何をほざいている!」
伯爵の怒りように、この娘は本当に節操がない女なのだなと分かる。まだいないが、自分の娘がと思うとゾッとしてしまう。
「伯爵、もう無理ですわ。矯正を兼ねた行儀見習いだと言うのに本人からその気を感じられないばかりか、日々殿方を探して彷徨く有り様。ここは王宮ですのよ?そうした行為に耽りたいのなら、相応しい場所へ身を置くべきではなくて?」
つまりは娼婦にでもなれ…と。普通なら修道院での矯正だが、プレルの言葉の意味を察した伯爵は顔色を悪くした。
「ご令嬢の扱いに関しては私が一任されております。ですから敢えて申し上げますわ…本日を以て行儀見習いを終了とします。すぐに荷物を纏めて出てお行きなさい」
貴族令嬢の王宮行儀見習いには二通りの意味がある。ひとつは通いによる習い事のようなもので、十八歳までの少女が対象。もうひとつが矯正を目的としたもので、こちらは年齢を問わず、何かしら問題を抱えている女性が対象だ。
生活態度などの矯正も徹底的に施される為、数名の相部屋を与えられて王宮で暮らしている。
無事に満了となれば、縁談がなくとも就職の斡旋を受けることも可能となるが…
「そんなっ!ひどい…」
「ひどいのはあなたでしょう?与えられる課題も仕事も投げ出し、一体何人の男性と関係を持ったのかしら。多情にもほどがあってよ?」
「……っ、マクローラン様!」
サッと伸ばされた手を払うと、なぜ!と叫びながら睨んできた。睨みたいのはこちらだ。
「本当に節操がないわね。この状況でマクローランがあなたを助けると本気で思っているの?もしそうなのだとしたら医者に診てもらうべきよ」
王族から「娘は頭がおかしい人」認定をされた事で、伯爵の顔は真っ白だ。そんな娘を抱えているなど、仕事の上でも枷でしかない。貴族は僅かな隙も命取りとなるのだから。
「す…すぐに。御前、失礼致します」
「いやよっ!離して!マクローラン様、助けてください!わたくしはあなたと結婚します!いや!マクローラン様!」
父親に腕を掴まれ引き摺られるように去っていく姿に、娘が出来たら教育をしっかりしようと心に決めた。
* * * * * *
「凄いわね…その人」
午後の休憩、出産前にお茶をしたいからとプレルに呼ばれたエマがやってきて、庭園に用意されたテーブルを四人で囲むことになった。
仕事の合間にエマを愛でられるなど、俺にとっては思わぬご褒美。嬉しくて頭を撫でたり髪を梳いたりしていたが、堪らず額や頬…首筋にも口付けてしまい、擽ったいと叱られた。仕方なく腰を抱き寄せるに留めている。
「伯爵は娘の除籍申請を出されたわ。これで貴族令嬢が入る修道院は無理。入れるのは、厳しい規律のある平民向けの矯正施設…か、娼館ね」
「いいんじゃない?男を漁れて給金も出る。好みでなくとも抱かれなくてはならないけどね」
「あら、クリス。あなた詳しいの?」
「やめてよ、僕は君だけ」
大きなお腹を撫でながら、なんとも幸せそうなふたり。過去にあった出来事も無事乗り越えているし、譲位後の治世も安泰だな。
「それにしても、だいぶ大きいのね」
エマが言うとおり、プレルのお腹は通常の妊婦よりもだいぶ大きいように思える。
「もしかしたら双子かも…って言われたわ」
「双子!?すごい!!」
「陛下も双子だし、その影響かしらね。そのぶん出産も大変らしいけど…もし本当に双子だとしたら、男女がいいなって話してるの」
クリスがまたニヤニヤしてこちらを診ている。
「……やらんと言ったはずだ」
「なぁに?なんの話?」
「なんでもないよ、エマ」
プレルは察しているのか微笑んでおり、仲間外れにされたと思ったエマは頬を膨らませた。可愛いだけなの、分かってないのかな。
「うちとマクローランの子供を結婚させたいなって話だよ、エマ」
「だからやらん。勝手に決めるな」
「え!何それ、素敵!!そうしたら、私とプレルは家族になるんでしょう?」
女子ふたりはきゃっきゃとはしゃぎ、そこにクリスまで混ざって盛り上がっている。
「マクロはどうして嫌なの?クリスとプレルの子なら、絶対に幸せにしてくれると思うわよ?」
「……誰が相手でも嫌だ。娘はやらない」
いっそ嫁がずに家に残ればいい。一人娘なら跡継ぎとして残ることも可能だが、子供はたくさん欲しいからそれも難しいし。
「…私より娘がいいの?」
「まさか!エマより大切なものはないよ!」
まだ見ぬ娘に嫉妬するエマを抱き締めていたら、クリスとプレルがこそこそと話すのが聞こえた。
「生まれたばかりはダメよね」
「でも通いならいいんじゃない?」
「早く慣れるのもいいしね」
「とりあえず部屋を準備しておこう」
やらん!!娘も息子もやらん!!!
その後、医師の予見通り双子を生んだプレル。
それに続いてエマも無事に男の子を生み、それからさらに四人の子に恵まれ二男三女となった。
「マクローラン!婚約を結ぶぞ!!」
女の子が生まれるたびに押し掛けてくるクリスを追い返していたが、それから数年後、まさか娘の方から押し掛けることになるとは思わず。
「マクローラン様」
久し振りにそう呼んだ妻の笑顔には、いくつも深く刻まれた皺があり、それすらも愛しい。
「約束…守ってくれてありがとう」
「当たり前だ。君をひとりにはしない」
「すぐに来てくれる?」
「あぁ、すぐに追いかける」
クリスもプレルもこの世を去り、俺は歴代最長の年齢を迎えた。ここまで生きてこられたのも、エマへの愛があったからこそ。
「…マクロ……愛してる……」
「俺も愛してるよ…ゆっくりお休み」
柔らかく微笑んでから目を瞑るエマニエル。
俺を幸せにしてくれてありがとう。
君と出会い、君に愛されて幸せだった。
「そう待たせずに行くよ……」
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