【完結】溺愛喪失シリーズ

Ringo

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溺愛夢中

子の気持ち

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アヴェーヌ侯爵邸の前に豪奢な馬車が止まり、開いた扉からカロリーナが降り立つ。


「カロリーナ」
「お母様!」


思わず駆け出しそうになったところを侍女に止められ、逸る気持ちを抑えて母親の元へ向かう。

カロリーナ懐妊の報せを受けた日、母親は体調を崩して寝込んでしまっていた為に公爵邸に赴けなかった。

回復したと聞いたカロリーナは、エドワードの心配する気持ちすら説き伏せてやって来たのだ。

そんなエドワードは父親に付いて視察中。
もちろん、カロリーナが心配で気もそぞろ。

そんな事になっていると分かりながらも、どうしても会いたかった母親とティータイムのカロリーナ。


「もうお体は大丈夫ですの?」
「大丈夫よ、カロリーナ。心配をかけてしまってごめんなさいね。まだ不安な時期なのに馬車に乗せてしまって…っ」
「泣かないで、お母様。この子は強い子だから大丈夫です。エドワード様のお子ですし」


思わず涙を流した母親は、強く成長した娘の姿に優しく目を細める。

誰にも会いたくないと言って、幼い頃から部屋に閉じ籠っていたカロリーナ。

それが今では腹に子を宿すまでになった。


「あまり遅くならないように帰りなさいね」
「帰りはエディが迎えに来てくれるの」


にこっと笑うカロリーナ。
安定期前の身重で帰省する条件として、エドワードが迎えに行くまで大人しくしているようにと言いつけられている。

幸せそうな顔に母親も微笑んだ。


「そう、それなら安心だわ」


いくつになっても可愛い娘だが、もうすでに愛する人を見つけて添い遂げる覚悟さえ持っている。

その意思の強さは不思議に思うところもあるが、幸せならそれで構わない。

そう思いながら、娘とのひとときをお喋りや刺繍を刺してのんびりと過ごす母親であった。






「カロリーナ」
「ウィル…久しぶりね」


まだそのままだと聞いて、久しぶりに自分の部屋を見に行こうと廊下を歩いていると、ひとりの男性に声をかけられた。

バベル伯爵家三男ウィリアム。
カロリーナの従兄弟であり、義兄の弟でもある。

アヴェーヌ侯爵家はバベル伯爵家次男を婿に取り、三男のウィリアムは兄の手伝いで屋敷によく出入りしていた。


「夫人のお見舞いかい?」
「えぇ、よくなられたみたいで安心したわ」
「そうだね」


チラッと視線が腹部に移ったことに気が付き、思わず手で庇うようにしてしまう。


「あぁ、ごめん…カロリーナも母親かと思うと、感慨深いものがあってね」
「そうね…」


居心地が悪くなってきて、その場を立ち去りたい気持ちが強くなってくる。


「母親か…まだ安定期ではないんだろう?」
「えぇ…もう少し先よ…」


思わず後退るカロリーナ。
実家だからと侍女も付けずに歩いていた。
お腹を庇う手に汗が滲む。


「あんなに幼かったカロリーナが、もうすっかり大人の女性らしくなったんだね」


舐めるように全身を見られ、じりっと近づいてくる。

「ぃゃ…」と小さく呟くカロリーナの脳裏には、前世の記憶が浮かび上がろうとしていた。

膨らんだ腹を撫でながら、時には殴りながら凌辱されたあの日を思い出しそうになる。

何度も犯され、何人もの白濁を流し込まれた。

エドワードの愛情で流れきったと思われていた記憶が、沸々と沸いてくる。


「カロリーナ…とても綺麗だ…」


その目に欲情を浮かべ手を伸ばし、カロリーナの腕を掴もうとしたその時、突然疾風が起きた。


「うわっ…っ!!なんだ!?何をした!!」


吹き飛ばされたウィリアム。

一瞬の出来事だが、カロリーナにはその風を起こした人物が誰なのか分かっていた。


「守ってくれたの?」


優しくお腹を擦ると温もりを感じる。
エドワードの魔力と愛情を多分に受け継ぐ子。

子にも、前世で母親を救えなかった後悔がある。

母親を傷つけようとする奴は許さないとばかりに、まだ生まれる前からその力を発揮した。


「くそっ…っ、、カロリーナ!」


女らしくなったカロリーナを自分の手籠めにしようと思っていたのに、その腹には既に子が宿っていると聞いて愕然としたウィリアム。

だがそれも一興かと寝室に連れ込もうとしたのだ。

そして吹き飛ばされた。
怒りに狂うウィリアムは、何がなんでもカロリーナを凌辱しようと襲い掛かる。


「カロリーナに近付くな!」


またも吹き飛ばされ、ウィリアムは意識を失った。


「エディ!」
「おいで、カロリーナ」


愛しい男の顔を見て安心し涙が溢れ、広げられた腕の中へ飛び込む。


「守ってくれたの…っ、」
「あぁ、優しい子だ」


念のためにと身に付けさせたネックレスの魔石から、一連の流れは映像として送られてきていた。

そしてその映像は、今しがた侯爵にも届けたところ。


「帰ろう、カロリーナ」
「帰る…っ、エディと帰る…っ…」


騒ぎを聞き付けてやって来た母親と使用人に事情を話し、カロリーナはエドワードと共に公爵邸へと帰っていった。




 ◆  ◆  ◆




「んっ…エディ…」
「なんだい?カロリーナ」


まだ安定期前なので挿入はしないが、どうしても触れ合いたいとカロリーナからの希望で、ゆっくりと秘部に肉棒を擦り付けている。


「気持ちいい…」
「あぁ、俺も気持ちいいよ」


ゆっくりと腰を前後させながら、カロリーナの腹を撫でる。

胎内から母親を守るほどの魔力持ち。
もしかしたら自分を超える魔力量かもしれない。

期待に胸を弾ませ、撫でながら尚も腰を振る。

ふとカロリーナの胸を見ると、そこはまだ母親にはなっていない様相。

もう少ししたら、もっと大きくなって乳が出る。

前世でも飲んだが、今世でも飲むつもりだ。


「カロリーナ…マッサージをしておこう」
「え…っ、あっ、、」


前回と同じ言い訳で、張りが強くなった乳房を揉む。
揉みながら「ここから乳が…」と想像して、乳首を執拗に攻めてしまう。


「子が生まれてもカロリーナは俺のものだ」
「あっ、、エディ…っ」


乳首を口に含み吸い付く。
まだ乳は出ないのに、執拗に。

その様子を見たカロリーナは、生まれたらお乳の取り合いになりそう…と思い、優しくエドワードの頭を撫でる。






私はあなたのものよ、エドワード。


だけど少しだけ子に貸してあげてね。











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