【完結】溺愛喪失シリーズ

Ringo

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溺愛夢中

取り戻した命

「エドワード様……はぁぁぁぁ…」


呆れて何も言えない老侍女マーサは今、目の前の少年…いや、もう立派な男性の背を見ながら、深い溜め息を吐かずにはいられなかった。


「戻ってきた…」


ボソリと呟いた声がマーサの耳に届く。
「あぁ…なるほど」と内心で納得して、眠っている愛しい女性の手を握る男性に声をかける。


「お目覚めになった時の為に果物をお持ち致します」


それだけを告げ、若き夫婦(仮)の寝室を出た。


「カロリーナ…ありがとう」


可愛らしい寝息をたてる唇に自分のそれを重ねて、啄むような口付けを何度も贈る。


先刻、具合が悪いと言って倒れそうになったカロリーナを医師に診せると、子を宿していることが分かった。

薄々と感じていた自分と同じ魔力。
そこには懐かしさもあった。
だが確実なものになるまでは…とカロリーナにさえ言えないでいたのだ。

月のものが来ないことで、カロリーナも感じてはいながらも少し不安そうに過ごしていた。


「ずっと待っていてくれたのか?」


まだ膨らんではいない腹を撫で、その手に感じる温もりに思わず笑みが溢れる。

一度は失い、こうしてまた戻ってきてくれた。

腹の子まで転生できるとは限らなかった為に、子の転生は一か八かの賭けのようなものだった。


「んっ…っ、エディ…?」
「カロリーナ」


うっすらと目を開けたカロリーナ。
お腹を撫でられていることで、医師の診断を察した。


「戻って…きた?」
「あぁ…賢い子だ」


転生の瞬間に別の場所へ飛ばされる事が多々ある。
エドワードがいい例だ。
色んな国、色んな環境へ転生を繰り返した。

術者であるエドワードの転生が落ち着かないことには、カロリーナの転生も叶わないでいた。

そしてふたりの転生が叶い愛し合ったことで、あの時失われたもうひとつの命が呼ばれたのだ。


「真っ直ぐに来てくれた…」


腹を撫でる手にカロリーナも重ねる。


「マーサは?何か言っていたんじゃない?」
「呆れてたよ」


けれど分かってくれている…様々なことを。
マーサには頭が上がらないと思うエドワード。


「侯爵家にも使いを出したから、今夜のうちには両家が集まることになると思う」
「…少し恥ずかしい」


毎晩のように激しく愛し合っていたことは、すでに両家の知るところである。

正式な婚約をしてから、そう遠くない未来に孫の顔を拝む事になると大人たちは考えていた。


「俺たちの愛の証だ。堂々としていればいいよ」
「…はい」


そしてまた、ふたり手を重ねて腹を撫でる。





 ◆  ◆  ◆



「いま…なんて仰いまして?」
「ですから、エドワード様とカロリーナ様に御子が出来たですって。きっと天使みたいな子がお生まれになるんでしょうねっ」


カロリーナ懐妊の噂はすぐに広まり、令嬢達のお茶会はこの噂でもちきりとなっている。

楽しそうに頬を染めて話す令嬢の向かいで、顔を赤くさせたり青くさせたり忙しい令嬢アンジェリカ。


「なんてことっ…っ、、」


父親から公爵家の人間への接触を禁じられ、破れば修道院行きだと言われている。
なぜ!?と憤りながらも、エドワードに会えなくなるのは耐えられないからという一心で我慢を続けていた。


「私に会えなくてお寂しいからって…っ、、」


またもトンデモな勘違いを起こしているアンジェリカを無視して、令嬢達の会話は進む。


「本当に仲がよろしいんですわね…羨ましいわ」
「結婚式には御子様も参列されるのでしょう?」
「あぁ、何を着ていこうかしら!!」


ふたりと交流のある家督へは、結婚式の招待状がだいぶ前に届けられている。
もちろん…ドルー侯爵家には届いていない。


「でも…早すぎるんじゃないかしらね」


ぶつぶつ言い続けているアンジェリカ…ではない。


「リーリア様…何か仰いました?」


リーリアと呼ばれた令嬢は、「いいえ、なにも」と笑顔で返して紅茶を口に含んだ。

この公爵令嬢リーリア・エティエンヌも、幼き頃からエドワードに恋い焦がれてきたひとり。

父親同士が仲良く、小さい頃はよく互いの家の庭で走り回って遊んでいたのだ……兄が。

その様子を眺めながら、ひたすらに募らせた恋心。

エドワードが言う「リーナ」を両親が探し始めた頃、その矛先はまずリーリアに向かっていた。

「リーリア」…「リーア」…「リーナ」?と思った大人たちにより、第一候補として名前が挙がったが、すぐにエドワードにより一蹴されて終わった。

一度でも婚約者になれるかもしれないと思ったリーリアは、その時の高揚が忘れられないでいる。

とは言え、すでに正式に婚約もして子まで儲けた。
さすがに自分がその座を奪おうとは思わない…今は。

まだ15歳で父親になるエドワードは、これからカロリーナの出産までその旺盛な性欲を持て余すことになるはず。

男が好みそうな膨らむ胸と丸いお尻。
腰の細さはカロリーナ程ではないがくびれている。

出産まで時間はある。
それまでに虜にさせて、ゆくゆく自分がボアルネ公爵夫人となればいい…まぁ、子供は引き取っても構わないけれど。

噂では毎晩のように激しく交わるほどに性欲が強いらしいエドワード…その時を迎えたときの事を考えて、優雅に紅茶を飲みながらリーリアは下半身を疼かせていた。





 ◆  ◆  ◆




「カロリーナ…っ、、」


ベッドに仰向けになり、下半身に与えられる刺激に耐えながら快感に身を震わせているエドワード。


「んっ…っ、気持ちいい?」
「カロリーナ…愛してるっ、、あっ、、」


愛しているから気持ちいい…その意味を正しく理解して、カロリーナは満足げに肉棒を咥え直した。

まだ安定期になっていないので激しく交わることは禁じられているが、だからと言ってスキンシップをしないふたりではない。

カロリーナの手練手官により、じゅぽっじゅぽっと音を響かせながら舐めては吸ってを繰り返されて、我慢も限界に近づく。


「あっ、カロリーナ…っ、、イきそうっ、、」


それに応えるカロリーナは、口淫の激しさを増して吐精を導いていく。


「あっ、あっ、、イくっ…っ、イっく…っ、あっ、、カロリーナ…っ、、リーナ…っ、イくっ、、」


腰を震わせてカロリーナの喉に突き立て、その奥にびゅるる…びゅるっと精を流し込んで嚥下させる。


「うっ、、んっ…っ、、」


嘔吐きそうになりながらも、愛しい男が吐き出す白濁を懸命に嚥下し飲み込んでいく。


「リーナ…っ、まだっ、、吸って…っっ…」


ちゅうう…っと希望通りに吸うと、まだ出しきれていなかった精がぴゅるっと出てきた。
腰をシーツにおろしたエドワードは、荒い息づかいのままカロリーナを呼び寄せる。


「まって……はい、お待たせエディ」
「別にいいのに」


エドワードのものを飲み込んだあと、カロリーナは必ず果実水を飲んでからキスをする。

以前は構わずに口付けていたが、多くの女性から「そのまま口付けるなんて男性がいやがる」のだと聞いて必ず口を清めるようになったのだ。


「だって普通は嫌なものだって聞いたんだもの」
「ほかの男の意見なんて聞かなくていい」


その言葉に嘘はなく、一度カロリーナが含んだものなら飲むことだって出来る。

まだ余韻に浸りながら、自分の隣にカロリーナを横たわらせて抱き締めた。


「気持ちよかった?」
「気持ちよかった…愛してる」
「ふふっ、私も愛してる」


そして始まる優しくて長い口付け。
前世でも、カロリーナが安定期を過ぎるまでは夜毎こうして過ごしていた。

安定期になれば、少しずつまた愛し合える。

決して激しくはない、労るような優しい性交。
それが待ち遠しくもあるふたりは、その代わりに長い口付けで欲情を昇華させていく。


「んっ…っ、、リーナ…ぁ…っ…」
「愛してる…エディ…」


まだ硬く反り返ったままの肉棒を握ったカロリーナは、優しく上下に扱きエドワードを慰め始めた。


「リーナっ…っ、、もっと…っ、、あっ、、」


そして今夜も、ふたりの絆は深まるのである。





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