Fatal scent

みるく汰 にい

文字の大きさ
31 / 38

♡30話

しおりを挟む
 もはや息をすることすら忘れそうになる久しぶりの快感に、たった一突きだけで果ててしまう。
 目の前にチカチカと光が飛んだのは綺麗な顔からは想像もつかないほど大きなそれを勢いに任せて沈ませたせいだった。


 「ん…痛くない?璃暖」


 ギラギラとした瞳で優しさを忘れない東雲に泣きそうになる。見た事のない、我慢している顔の東雲。

 そうか、ぼくにこんなに必死になってくれるのか…、なのにこの優しさは、東雲の愛だ


 「だいじょうぶだから、好きにしてほし…っ」


 その言葉にギラついた目が光る。「そんなこと言って…」と息を荒らげた東雲に見下ろされ、きゅんきゅんと自分でもわかるほど締め付ける。それさえも快感に変わって出したいわけじゃない声が漏れていく。


 「可愛いよ璃暖、すき。好きだよ」


 真っ直ぐ向けられた言葉がすとんと心に落ちてきてはじわじわと熱を持つ。ずっと東雲は伝えてくれていた。馬鹿みたいに疑って拒絶したのはぼくなのに


 「んっ、ぅ、しののめ」


 両手をシーツに縫い付けるかのように押さえつけられ、身動きが取れない状態で容赦なく最奥へと突かれていく。抜かれるのも挿れられるのも清水にとっては全てが甘い快楽となり、ごりごりと肉壁を擦り上げられると声にならない声で喘いでしまう。


 「かわいい璃暖…ここ真っ赤にするまで誰のこと考えながらしてたの?」

 もう空っぽでなにも出ないであろう清水のものを指先で触れながら問いかけてくる。
 そんなの東雲に決まってるのに。もうずっと前から東雲しか頭にないのにずくんと疼く腹に喘ぐ声で言葉が紡げない。


 「言えない?それとも言いたくない?」


 余裕そうな笑み。少し意地悪な言葉すら嬉しいと、こんなにぐちゃぐちゃでも新しい東雲の一面に舞い上がってしまう。


 「言いたくないの?」


 にんまりと艶やかに笑った東雲のものがくちゅくちゅと音を立てて引き抜かれる。ひくつく入口に宛てがわれるだけで入ってこないそれを挿れて欲しいと腰を揺らしても微動だしない東雲に、快楽とともに涙がぽろぽろと零れ落ちていく。


 「ぅう、ずっと東雲しか考えてないのに…っ」

 「そうなの?」

 「うんっ、うん、しののめしかいらないから」


 清水の言葉にうっとりとした表情を浮かべた東雲が清水の吐息ごと飲むようにキスをする。受け止めるだけのキスになんとか応えようと東雲の首に手を回し、懸命に舌を絡めてもただ口内を蹂躙されて脳を痺れさせていく。


 「っっあ…ふっ…ん」


 先程まで焦らすように浅い部分を擦っていた東雲が最奥にある特に弱い部分を貫いた。それと同時に今までの何倍も強烈な快感が腹を伝って襲いかかり、それを逃がそうにも塞がれた唇からは吐息しか漏れでない。
 口端から混ざりあった唾液が垂れ、縺れあった舌は名残惜しそうに離れていく。


 「触らなくてもイけたね、いい子…俺ももう我慢できない」
 「ぅん、いいよ…、奥にちょうだい、東雲の、ほしい…」


 苦しげに顔を歪ませる東雲は持ち上げた清水の足に痕を残していく。自分が気持ちよくなるために動き出した東雲はそれでも清水への快感を忘れず善がるところを突きながら動きを早めていく。


 「ぁっ、あっ、またいくっ、いっちゃう…」
 「ん…一緒に気持ちよくなろうね」


 一秒たりとも逃してくれない東雲は視線を絡ませ、善がる場所を知っているとでも言いたげに弱い部分を小突いていく。もう既に何度も絶頂を味わった体では抵抗すら出来ずに呆気なく果てきり、どくどくと波打つ東雲のものを受け入れてしまう。


 あぁ、まただ…まだなにも伝えられていないのに、快楽に疲れきった体は眠りへと誘っていく。


 「どこにもいかないで…」


 落ちる前の最後の意識で東雲に言い残し、がくんと清水は意識を手放した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

試情のΩは番えない

metta
BL
発情時の匂いが強すぎる体質のフィアルカは、オメガであるにもかかわらず、アルファに拒絶され続け「政略婚に使えないオメガはいらない」と家から放逐されることになった。寄る辺のなかったフィアルカは、幼い頃から主治医だった医師に誘われ、その強い匂いを利用して他のアルファとオメガが番になる手助けをしながら暮らしていた。 しかし医師が金を貰って、オメガ達を望まない番にしていたいう罪で捕まり、フィアルカは自分の匂いで望まない番となってしまった者がいるということを知る。 その事実に打ちひしがれるフィアルカに命じられた罰は、病にかかったアルファの青年の世話、そして青年との間に子を設けることだった。 フィアルカは青年に「罪びとのオメガ」だと罵られ拒絶されてしまうが、青年の拒絶は病をフィアルカに移さないためのものだと気づいたフィアルカは献身的に青年に仕え、やがて心を通わせていくがー一 病の青年‪α‬×発情の強すぎるΩ 紆余曲折ありますがハピエンです。 imooo(@imodayosagyo )さんの「再会年下攻め創作BL」の1次創作タグ企画に参加させていただいたツイノベをお話にしたものになります。素敵な表紙絵もimoooさんに描いていただいております。

運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー

白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿) 金持ち‪社長・溺愛&執着 α‬ × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω 幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。 ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。 発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう 離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。 すれ違っていく2人は結ばれることができるのか…… 思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいα‬の溺愛、身分差ストーリー ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。 2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました 2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。 様々な形での応援ありがとうございます!

αが離してくれない

雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。 Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。 でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。 これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。

処理中です...