Fatal scent

__運命なんて信じない、信じたくない。

男女とは別の性別、第2性が存在するようになってから、幾分かの時が過ぎた。

もはやオメガは子供を産み育てるだけの役割だとするには前時代的で、全ての性は平等になりつつある。

当たり前のようにアルファはオメガを求め、オメガもまたアルファの唯一を願った。それも続きはしない。どれだけ愛し合おうと"運命"には敵わない。

鼻腔をくすぐる柔らかい匂いが、ぼくを邪魔する。もう傷つきたくない、唯一なんていらない。

「ぼくに構わないでくれ、うんざりだ」

アルファに捨てられたオメガ、清水 璃暖(しみず りのん)

「うん、その顔も可愛い」

オメガを甘やかす人たらしアルファ、東雲 暖(しののめ だん)
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