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26話
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体が熱くてたまらない。ふつふつと血が湧き上がるような感覚もアルファと繋がれば治まるのに今の清水にはそんな相手はいない。そのうえどれだけ自慰で果てようと体が求めるのはアルファの体で気休め程度にもならなかった。
ただ1人で耐え忍ぶヒートはまさに地獄のようで、体力がなくなり気を失っても淫夢にうなされ、起きても恥を捨てるほどの痴態をさらけ出してアルファの体を探し続ける。いっそのことテキトーなアルファに抱いてもらおうかとも考えるが自分でもわかるほどのフェロモンの匂いにかろうじて自制心を保つ。
このまま外に出ようものならフェロモンに当てられたアルファの格好の餌食だ、誰のともわからない精子を注ぎ込まれ誰かのかもわからない子を腹に宿す。そんなのただのレイプと変わらないじゃないか
「うぅ、うぅーー…っ」
ただ一人の部屋の中で唸っては身悶え苦しんで自慰を繰り返す。結局アルファが居なければ淫乱に支配された体などまともに生きていけはしない。ヒートが来るたびに自分の性を恨みながら絶頂を求めて快楽に身を落とす。
もう何度目かの絶頂かわからない、辺りにはティッシュがちらばりシーツもぐちゃぐちゃで喉が渇こうにも飲み物を飲む体力すら残っていなかった。1人のヒートは何度も経験しているのに死んでしまいたいと思うほどの重さは初めてだった。
ようやく少し収まったところでヒートが始まってから夜が明けていることに気付く。この苦しさがあと1週間も続くのかと考えると清水はもう絶望するしかなく、ほとほと自身の性に呆れていく。
せめて飲み物を、とふらふら立ち上がった時にチャイムが鳴ってドキリとした。部屋から漏れ出たフェロモンに当てられたアルファがやって来たのかとギリギリ意識を保っている頭で考えながらインターフォンを見ると、西村の姿がそこにある。
よろよろと歩き始めたばかりの赤子のような足取りで扉を開けると、ストローが刺されて飲みやすそうなスポーツドリンクに、手軽に食べれそうな軽食の袋を下げた西村がいて、「無理せんといて!」とだけ残すと有無を言わさずに袋を押し付けて帰っていく。
心臓が血液を押し出す度にじわっと熱が巡る体に冷えたスポーツドリンクは丁度良かった。西村の気遣いのおかげで力の入らない今の状況でも飲み物は飲めたし、3口ほどでも食事にありつけた。
そうしてるうちにまた日が落ちていく。おそらく仕事終わりだろう西村がまたやってきて、今度はお見舞いの袋とともに誰かの洋服が入った紙袋も渡される。フェロモンの充満する寝室でその袋を開けた途端、あまりにも蠱惑的で優しい香りが鼻腔を突き抜けた。
「東雲の匂い…っ」
ぎゅうっと洋服を抱きしめた途端脳から足先に快楽が走って東雲の洋服を白濁が汚す。どれだけ自分でたしなめても満足のしなかった体が瞬く間に楽になって、つかの間の安堵に快楽がすうっと引いていく。
西村が朝と仕事終わりに清水へ飲み物や食べ物と東雲の服を持ってきては「ほな!」と元気に去っていくのが2日ほど続いた。東雲の匂いを嗅ぐと体は充分と喜ぶのに服を汚す度に心は虚脱していく。こんなことをしても東雲はぼくのじゃない、居て欲しい人は居ないとわかっていても東雲の服に手を伸ばすのはやめられない。
まるでドラッグのような東雲の匂いに少しでも触れたいとまだ綺麗な服に袖を通し全身で東雲の匂いに包まれる。そろそろ西村が来てくれる時間だと朦朧とする中で玄関の鍵を開けに行くが、数日続いたヒートに体力を持っていかれてまた意識を手放しそうになる。なんとか鍵をあけたものの、ガチャ、と開いた扉の音を最後にぷつんと意識が遠のいた。
ただ1人で耐え忍ぶヒートはまさに地獄のようで、体力がなくなり気を失っても淫夢にうなされ、起きても恥を捨てるほどの痴態をさらけ出してアルファの体を探し続ける。いっそのことテキトーなアルファに抱いてもらおうかとも考えるが自分でもわかるほどのフェロモンの匂いにかろうじて自制心を保つ。
このまま外に出ようものならフェロモンに当てられたアルファの格好の餌食だ、誰のともわからない精子を注ぎ込まれ誰かのかもわからない子を腹に宿す。そんなのただのレイプと変わらないじゃないか
「うぅ、うぅーー…っ」
ただ一人の部屋の中で唸っては身悶え苦しんで自慰を繰り返す。結局アルファが居なければ淫乱に支配された体などまともに生きていけはしない。ヒートが来るたびに自分の性を恨みながら絶頂を求めて快楽に身を落とす。
もう何度目かの絶頂かわからない、辺りにはティッシュがちらばりシーツもぐちゃぐちゃで喉が渇こうにも飲み物を飲む体力すら残っていなかった。1人のヒートは何度も経験しているのに死んでしまいたいと思うほどの重さは初めてだった。
ようやく少し収まったところでヒートが始まってから夜が明けていることに気付く。この苦しさがあと1週間も続くのかと考えると清水はもう絶望するしかなく、ほとほと自身の性に呆れていく。
せめて飲み物を、とふらふら立ち上がった時にチャイムが鳴ってドキリとした。部屋から漏れ出たフェロモンに当てられたアルファがやって来たのかとギリギリ意識を保っている頭で考えながらインターフォンを見ると、西村の姿がそこにある。
よろよろと歩き始めたばかりの赤子のような足取りで扉を開けると、ストローが刺されて飲みやすそうなスポーツドリンクに、手軽に食べれそうな軽食の袋を下げた西村がいて、「無理せんといて!」とだけ残すと有無を言わさずに袋を押し付けて帰っていく。
心臓が血液を押し出す度にじわっと熱が巡る体に冷えたスポーツドリンクは丁度良かった。西村の気遣いのおかげで力の入らない今の状況でも飲み物は飲めたし、3口ほどでも食事にありつけた。
そうしてるうちにまた日が落ちていく。おそらく仕事終わりだろう西村がまたやってきて、今度はお見舞いの袋とともに誰かの洋服が入った紙袋も渡される。フェロモンの充満する寝室でその袋を開けた途端、あまりにも蠱惑的で優しい香りが鼻腔を突き抜けた。
「東雲の匂い…っ」
ぎゅうっと洋服を抱きしめた途端脳から足先に快楽が走って東雲の洋服を白濁が汚す。どれだけ自分でたしなめても満足のしなかった体が瞬く間に楽になって、つかの間の安堵に快楽がすうっと引いていく。
西村が朝と仕事終わりに清水へ飲み物や食べ物と東雲の服を持ってきては「ほな!」と元気に去っていくのが2日ほど続いた。東雲の匂いを嗅ぐと体は充分と喜ぶのに服を汚す度に心は虚脱していく。こんなことをしても東雲はぼくのじゃない、居て欲しい人は居ないとわかっていても東雲の服に手を伸ばすのはやめられない。
まるでドラッグのような東雲の匂いに少しでも触れたいとまだ綺麗な服に袖を通し全身で東雲の匂いに包まれる。そろそろ西村が来てくれる時間だと朦朧とする中で玄関の鍵を開けに行くが、数日続いたヒートに体力を持っていかれてまた意識を手放しそうになる。なんとか鍵をあけたものの、ガチャ、と開いた扉の音を最後にぷつんと意識が遠のいた。
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