どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

病み始めた心

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そんな事もう考えられないよ。
考えられる程温い愛情じゃないんだ。
多分これは愛情とはほど遠いなにかなんだと思う。
だって、本で見た恋愛はこんなドロドロしたものじゃなかった。
でも僕は、この感情が正しいと思うんだ。
だから先輩の元へと向かっていた。
すると、腕を掴まれた。
あぁ、またか。
誰だと思って振り返る。
そこには、赤い瞳と青い瞳を持つ姿だけは先輩に似た人魚がいた。
なんだ、こいつか。
きっと、両親が僕と結婚させようとした人魚。
そんなのは何となく理解した。
ここに来たのは何が目的なのだろうか。
婚約を破棄すると僕は言ったけど、あの両親がそんな事伝えると思わない。
自分達の利益を何よりも優先するあの人達がそんな事をしたら。
きっと明日世界は終わるだろう。
それくらいあり得ないことなのだ。
だから僕が自ら断りの手紙を出そうと思っていた。
まだだしていないのに、どうしてこいつはここにいるんだろう?
「ナナと申します。颯太様でしょうか。もし違うのならば、颯太様がどこにいらっしゃるのか教えていただきたいです」
「...、僕が颯太ですけど。何ですか?人魚の国のお姫様ですよね?こんな所まで何の御用があって来たんですか」
そう言うと、目を伏せてから、おずおずと言った感じで言った。
弱々しいその感じ。
一般的に言えば庇護欲をそそる、なんて言うのだろうそれは。
とてもイラついた。
そう言うのを醜い時に散々見せつけられたからだろう。
僕に嫌がらせをするのは兄達だけではなかった。
召使いも僕の敵だった。
料理に毒が混入しているなんてよくある話だし、酷いときには針が入っていた。
毒には全然気づかなかった。
アテネの呪いのお陰である程度は自浄作用があったらしい。
召使いが独自に入手出来る毒なんてものは異物を混入したものや、自生している毒物くらいしかなかった。
そりゃあ、自分で毒を作れる召使いなんて雇う訳が無い。
そんなの雇って毒を盛られたりしたら大変だ。
毒殺なんて、王族ではよくある話なんだから。
銀を使用すると毒かどうか判定出来る。
その話を聞いて、自分で銀を作る事にした。
魔法を使って作った銀は、料理に毒が入っていると証明してくれた。
僕はその事実を知った瞬間、急いで家族と召使いを呼んだ。
そして毒が入っていたことを訴えた。
当然僕を担当していた召使いが疑われた。
しかし、そいつは泣き始め、弱々しく、庇護欲をそそるように。
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