どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

ミカエルとの別れ

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美空は目を伏せる。
その動作ひとつひとつが僕を追い詰めていく気がして。
汗が一筋伝って落ちていく。
「...、俺はですね。もう昔の俺には戻れないんですよ。戻るには変わり過ぎてしまったんです」
それに、凪先輩、昔の俺を語る時苦しそうな顔するじゃないですか、なんて付け足す。
そんなことないよ。
なんて言葉は一瞬で消えていった。
そんなこと言えやしないよ。
だって、それが本心だから。
「凪先輩にとってあの頃は凄く苦しかった。それを知ってる俺は、その事を利用した愛なんて、凪先輩を壊すみたいで嫌ですよ」
「そんな事ないっ!!僕は美空を!!」
幼い自分が嘘つきと囁く。
本当は誰でもよかったくせに。
縋れれば誰でもよかったんじゃん。
でも、違う。
この思いは。
そう叫ぶ僕の口に人差し指をそっと当てる。
「それなら、あのことの好きなんてなくても、今の俺も好きになって?何度でも俺に恋してくださいよ」
それに、俺なら忘れたって何度でも好きになりますよ?なんて悪戯っぽく笑う。
綺麗だよ、狡いよ。
そうやって僕の言葉を封印してさ。
本当にずるい。
僕の扱いが上手だよ。
「...、美空はずるいよ。そう言うこと言われたらもう一回好きになるしかないじゃん」
美空が僕の頭を優しく撫でてくれる。
ミカエルはそんな僕らを見て、
「本当さぁ...、凪は美空大好きじゃん。もう良いよ。俺のことは好きにして」
なんて呆れた様子で言った。
でも、その目はどこかスッキリしていて。
どことなく微笑んでいて。
「でもさぁ、本当結ばれなくちゃだめだからね?俺の事消すんだからさ」
なんて言って笑う。
心から僕らの幸せを願ってくれるミカエルに、思わずありがとう、何て言葉が漏れる。ミカエルが少し目を開いてから、僕に笑いかける。
「ありがとうなんて言わないでよ。未練残っちゃうじゃん。地縛霊になったらどうすんの」
「ごめんね」
「ごめんじゃないよ。俺、本気で凪の事大好きなの。ずっと一緒にいたいよ。いつまでも傍にいたいよ。凪の中に残っていたいよ。...、でもさぁ...それって本当の幸せじゃない事なんて分かってるんだよ...っ!!」
ミカエルの瞳からじわじわと溢れていた涙が、ついに決壊して流れ出す。
「本当は傍にいたい!自分の欲求を優先したい!それがだめじゃないならさぁ!壊さないってわかるなら!でも...それじゃあだめなんだ。俺らはもう大人になりすぎたんだ。この世界に俺はいれないんだよ」
頬を一筋の涙が伝う。
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