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四章
オーク討伐依頼13/13(反撃の狼煙)
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「さてと」
休憩を終えた後、俺は敵本陣跡近くに転移陣を設置した。そしてダンジョンからスライムと蝙蝠とゴブリンを大勢呼び寄せる。
「お前たち、村にオークの軍勢が近づいた際には知らせるんだ。それと同時、敵の大将、もしくは転移陣らしきものを発見したらすぐに連絡を寄こしてくれ。仮に敵の大将や転移陣を見つけても、こちらからは決して手を出すなよ?」
「キィキィ(了解)」
「プルプル(了解)」
ダンジョンから大勢呼び寄せた蝙蝠とスライムの斥候部隊に命令を下す。
「タロウたち、部隊の総指揮と転移陣付近の守りは頼んだ。万が一にも敵がこの転移陣を通って俺たちのダンジョンに侵入しないように気をつけてくれ。何かあればすぐに連絡を寄こすように」
「かしこまりましたご主人様!」
ダンジョンから呼び寄せたゴブリン部隊にも命令を下す。
「それじゃ、俺たちは村に戻るか」
「ええそうですわね」
ダンジョンから呼び寄せた部隊への命令を終えた後、俺とエリザはみんなの所に戻った。
「ヨミトさん、心配しましたよ!」
「ホント、急にいなくなって驚いたわよぉん」
急にいなくなったことをパープルやガンドリィたちに怒られたものの、彼らは俺たちの無事を祝ってくれた。
レイラたち眷属は何も心配してなかったみたいだね。俺たちの力を信頼してくれてたみたいだ。
「敵はダンジョンマスターかもしれない、ですか。ヨミトさんのような力を持つ敵だとすると、それは恐ろしいですね」
「ああだから気をつけておいてくれ。村の中でも油断しないようにね」
「わかりました」
レイラたち眷属メンバーとはすぐに情報共有し、敵がダンジョンマスターであることを伝えておき、最大限の警戒をするように促しておいた。
「大丈夫か?」
「アンタ、回復魔法が使えるのか? すまねえな助かるぜ」
その後、怪我人の冒険者や村人たちに回復魔法をかけて回る。
「ヨミトさん、すみませんが広間に集まってくださいますか? 会合を開きたいので」
「ええ了解です村長」
村長が緊急の会合を開きたいとのことだったので、俺含めた冒険者チームの各リーダーが村長の家に集まることになった。
「このような事態になって、なんと言ったらよいか、皆様だけが頼りでございます。どうかこの通り」
村長はそう言って、冒険者たちの前で頭を下げる。
俺たち冒険者はこの村の防衛義務を負っているわけではない。まして今回の依頼は途中で降りてもペナルティがないという契約になっている。だから割に合わない仕事だと思った冒険者たちが続々と依頼を降りてもおかしくはない状況にあると言える。
そのような状況にあるので、村長は必死に頭を下げているわけだ。
「アタシたち鋼鉄の旅団は最後まで残るわよぉん。だから安心して村長さん」
「ありがとうございますガンドリィ殿」
ガンドリィが真っ先に残ると言い、それに伴い、何人かの他のチームのリーダーも頷く。無論、俺も頷いておく。
態度を保留にしている冒険者チームのリーダーもいるものの、ひとまず村に滞在する全てのチームが、当面はこの村に残ることにしたようだった。
全員が残ることにしたのは、村長を哀れに思ったとか、村人たちに同情したとか、そんな殊勝な理由ではないだろう。あれだけの大軍勢が森に潜んでいたということは、下手に村を出て森を抜けようとすれば、オークの軍勢に遭遇して殺されてしまうと考えたのだろう。
だから腹の中ではさっさと撤退したいと考えているチームも、当面はこの村に残ることにしたわけだ。援軍が来るまで待とうということらしい。
まあこの中で最も影響力がありそうなガンドリィ辺りがみんなで村を出ようと主張すれば、全チームが村を出て行きそうな雰囲気はあるけどね。村に残ってもオークの再襲撃のリスクがあるわけだし、さっさと村から出たいと考えているチームも多いだろう。
けれどもガンドリィが機先を制するように村に残ることを主張したので、全チームが残ることになったようだ。
話の流れを決めたのはガンドリィと言っても過言ではないだろう。ガンドリィのおかげで皆が残ることを決めたようなもんだ。村長はガンドリィに感謝してもしきれないだろう。
「この様子だと、夕刻に使いを出した村の者はオークにやられているやもしれません。念のため、村の秘宝をである魔道具を消費して、王都に緊急の救援要請を出しました」
「そう。なら王都にいるアタシたちのチームにも連絡がいっているはずね。動ける子が人をかき集めてなるべくすぐに来てくれるはずよ。これだけの被害なら国やギルドもすぐに応援を寄こしてくれるでしょう。今しばらくの辛抱ね」
「そうですね。オークを討伐してもその先の復旧のことを考えると頭が痛いですが……」
「村長、そう気を落さないで。何とかなるわよぉん。アタシたちも協力するわぁん」
村長は貴重な魔道具を消費してまで事態の収拾に動いているらしい。
危うく村が滅びる所だったのだからさもありなん。滅びずに済んだものの、この先のことを考えると頭が痛くてどうしようもないといった状況らしい。
そんな村長をガンドリィは必死に励ましていた。あの男が人に慕われている理由が少しわかった気がするな。ただの気色悪いトロールじゃなかったようだ。
「皆様のおかげで多くのオークを討つことができました。されどオークの首魁は未だ討てておりませぬ。すぐに再度襲来してくるとは思えませんが、何が起こるかわかりません。王都からの援軍が来るまで多大なるご負担をかけることになると思いますが、よろしくお願いいたします」
「ええ任せて頂戴」
当面の話をして、会合は終わった。
冒険者チームの代表たちは、各自割り当てられている宿へと帰っていく。俺とガンドリィは村長の家に滞在しているのでそのままだがな。
交代で夜警しながら休息をとる。夜が明けてから荒れた村の片付けを手伝うことになった。
全チームが村に残り、復旧作業に勤しむ。オークの死骸から魔石と装備品を剥ぎ、食料用の肉も確保する。
村の食料庫や畑にも被害があったようだが、オークの死骸が山ほど転がっているから、それでしばらくは食いつないでいけそうだ。冒険者が魔法の鞄で持ち込んだ食料もあるから、援軍が来るまでは余裕で持ちこたえられるだろう。
「エリザ、なるべく死骸から血を吸ってレベリングしておこう。死体の血は不味いけど我慢するぞ」
「ええかしこまりましたわ」
オークの死骸の片付け中、俺とエリザは烏に変身し、死体を貪るふりをして吸血に勤しんだ。敵がダンジョンマスターかもしれないので、少しでもレベリングして強くなっておこうと思ったのだ。
吸血の結果、大幅にステータス値が伸びた他、【大食】、【飢餓】、【消化】という三つのスキルを獲得できた。
大食:満腹感を感じてなお、胃袋に食べ物を詰めることができる。
飢餓:飢餓状況でも活動できる。
消化:消化液を出して瞬時に食べ物を消化できる。
いずれも食べ物に関するスキルだ。豚みたいに肥えた見た目のオークは、食い意地が張っているのか、食べ物系のスキルを覚えている場合が多かったらしい。
いずれも戦闘では役立たないが、あって困らないスキルであった。
特にゲットできて嬉しかったのは【大食】と【消化】だ。これらスキルのおかげで、前よりも無理して胃袋の限界以上に吸血できるようになった。それで大量のオークの血をほとんど余すことなく吸うことができた。
五百匹以上のオークの死骸から血液を貪ることで、一気にレベルが二十以上も上がった。吸血ボーナスの成長分を合わせると、かなりパワーアップできた。
強敵を前にして大幅レベリングできて嬉しいぞ。
「うぅ、不味い豚の血をこんなに飲んで気持ち悪いですわぁ」
「良く頑張ったなエリザ。頑張った甲斐あってお互いめっちゃ成長できたぞ」
オークの血を吸い終わった俺たちは、胃もたれからくる疲れた顔をしていた。それでガンドリィたちに一瞬怪訝な顔をされてしまったが、彼らはすぐに興味を失ったようだった。
こんな状況だから疲れが溜まっているとでも思ったらしい。まさか俺たちが作業中にオークの血を吸っていたなんて思うまい。
「皆様、あと数日の辛抱でございます。さすれば援軍がやって参りますので」
一日の仕事を終え、冒険者チームの代表が村長の家に集まる。会合を行いがてら食事会を行う。村長は自分の家の倉にあった酒を振舞って冒険者たちを激励していた。なんとか士気を保とうという配慮なのだろう。
「キィキィ」
「お、連絡か」
食事会を終えて寝所に向かおうとすると、一匹の蝙蝠が俺に近づいてきた。部隊の総指揮を任せているタロウからの連絡蝙蝠だった。
(緊急の連絡蝙蝠ではないから、何かよくない事態が起きたというわけではないようだな。むしろ良い方の知らせか)
その俺の予想通り、蝙蝠が携えていた紙には、吉報が記されていた。タロウたち斥候部隊が敵ダンジョンに繋がっていると思われる転移陣と思しきものを発見したとの報告だった。
「そうか。転移陣が見つかったか。やはり敵はダンジョンマスターの可能性が高いか。では敵が転移陣を閉じたり移動する前に動くとしようか。兵は神速を尊ぶと言うしな」
俺は寝所に向かおうとした足を止め、蝙蝠形態に変化すると、森の方へと飛んでいったのであった。
♦現在のヨミトのステータス♦
名前:ヨミト(lv.81) 種族:吸血鬼(ハイ)
HP:1208/1208 MP:1099/1099
【変化】【魅了】【吸血】【鬼語】【粗食】【獣の嗅覚】【獣の視覚】【獣の聴覚】【獣の味覚】
【剣術】【我慢】【起床】【睡眠】【威圧】【料理】【伐採】【裁縫】【農耕】【投擲】
【風刃】【天才】【火球】【洗脳】【狂化】【商人】【販売】【交渉】【売春】【性技】
【避妊】【癒光】【洗浄】【解体】【斧術】【槍術】【穴掘】【格闘】【毒牙】【硬化】
【舞踏】【鎚術】【怪力】【豚語】【咆哮】【免疫】【激励】【大食】【飢餓】【消化】
休憩を終えた後、俺は敵本陣跡近くに転移陣を設置した。そしてダンジョンからスライムと蝙蝠とゴブリンを大勢呼び寄せる。
「お前たち、村にオークの軍勢が近づいた際には知らせるんだ。それと同時、敵の大将、もしくは転移陣らしきものを発見したらすぐに連絡を寄こしてくれ。仮に敵の大将や転移陣を見つけても、こちらからは決して手を出すなよ?」
「キィキィ(了解)」
「プルプル(了解)」
ダンジョンから大勢呼び寄せた蝙蝠とスライムの斥候部隊に命令を下す。
「タロウたち、部隊の総指揮と転移陣付近の守りは頼んだ。万が一にも敵がこの転移陣を通って俺たちのダンジョンに侵入しないように気をつけてくれ。何かあればすぐに連絡を寄こすように」
「かしこまりましたご主人様!」
ダンジョンから呼び寄せたゴブリン部隊にも命令を下す。
「それじゃ、俺たちは村に戻るか」
「ええそうですわね」
ダンジョンから呼び寄せた部隊への命令を終えた後、俺とエリザはみんなの所に戻った。
「ヨミトさん、心配しましたよ!」
「ホント、急にいなくなって驚いたわよぉん」
急にいなくなったことをパープルやガンドリィたちに怒られたものの、彼らは俺たちの無事を祝ってくれた。
レイラたち眷属は何も心配してなかったみたいだね。俺たちの力を信頼してくれてたみたいだ。
「敵はダンジョンマスターかもしれない、ですか。ヨミトさんのような力を持つ敵だとすると、それは恐ろしいですね」
「ああだから気をつけておいてくれ。村の中でも油断しないようにね」
「わかりました」
レイラたち眷属メンバーとはすぐに情報共有し、敵がダンジョンマスターであることを伝えておき、最大限の警戒をするように促しておいた。
「大丈夫か?」
「アンタ、回復魔法が使えるのか? すまねえな助かるぜ」
その後、怪我人の冒険者や村人たちに回復魔法をかけて回る。
「ヨミトさん、すみませんが広間に集まってくださいますか? 会合を開きたいので」
「ええ了解です村長」
村長が緊急の会合を開きたいとのことだったので、俺含めた冒険者チームの各リーダーが村長の家に集まることになった。
「このような事態になって、なんと言ったらよいか、皆様だけが頼りでございます。どうかこの通り」
村長はそう言って、冒険者たちの前で頭を下げる。
俺たち冒険者はこの村の防衛義務を負っているわけではない。まして今回の依頼は途中で降りてもペナルティがないという契約になっている。だから割に合わない仕事だと思った冒険者たちが続々と依頼を降りてもおかしくはない状況にあると言える。
そのような状況にあるので、村長は必死に頭を下げているわけだ。
「アタシたち鋼鉄の旅団は最後まで残るわよぉん。だから安心して村長さん」
「ありがとうございますガンドリィ殿」
ガンドリィが真っ先に残ると言い、それに伴い、何人かの他のチームのリーダーも頷く。無論、俺も頷いておく。
態度を保留にしている冒険者チームのリーダーもいるものの、ひとまず村に滞在する全てのチームが、当面はこの村に残ることにしたようだった。
全員が残ることにしたのは、村長を哀れに思ったとか、村人たちに同情したとか、そんな殊勝な理由ではないだろう。あれだけの大軍勢が森に潜んでいたということは、下手に村を出て森を抜けようとすれば、オークの軍勢に遭遇して殺されてしまうと考えたのだろう。
だから腹の中ではさっさと撤退したいと考えているチームも、当面はこの村に残ることにしたわけだ。援軍が来るまで待とうということらしい。
まあこの中で最も影響力がありそうなガンドリィ辺りがみんなで村を出ようと主張すれば、全チームが村を出て行きそうな雰囲気はあるけどね。村に残ってもオークの再襲撃のリスクがあるわけだし、さっさと村から出たいと考えているチームも多いだろう。
けれどもガンドリィが機先を制するように村に残ることを主張したので、全チームが残ることになったようだ。
話の流れを決めたのはガンドリィと言っても過言ではないだろう。ガンドリィのおかげで皆が残ることを決めたようなもんだ。村長はガンドリィに感謝してもしきれないだろう。
「この様子だと、夕刻に使いを出した村の者はオークにやられているやもしれません。念のため、村の秘宝をである魔道具を消費して、王都に緊急の救援要請を出しました」
「そう。なら王都にいるアタシたちのチームにも連絡がいっているはずね。動ける子が人をかき集めてなるべくすぐに来てくれるはずよ。これだけの被害なら国やギルドもすぐに応援を寄こしてくれるでしょう。今しばらくの辛抱ね」
「そうですね。オークを討伐してもその先の復旧のことを考えると頭が痛いですが……」
「村長、そう気を落さないで。何とかなるわよぉん。アタシたちも協力するわぁん」
村長は貴重な魔道具を消費してまで事態の収拾に動いているらしい。
危うく村が滅びる所だったのだからさもありなん。滅びずに済んだものの、この先のことを考えると頭が痛くてどうしようもないといった状況らしい。
そんな村長をガンドリィは必死に励ましていた。あの男が人に慕われている理由が少しわかった気がするな。ただの気色悪いトロールじゃなかったようだ。
「皆様のおかげで多くのオークを討つことができました。されどオークの首魁は未だ討てておりませぬ。すぐに再度襲来してくるとは思えませんが、何が起こるかわかりません。王都からの援軍が来るまで多大なるご負担をかけることになると思いますが、よろしくお願いいたします」
「ええ任せて頂戴」
当面の話をして、会合は終わった。
冒険者チームの代表たちは、各自割り当てられている宿へと帰っていく。俺とガンドリィは村長の家に滞在しているのでそのままだがな。
交代で夜警しながら休息をとる。夜が明けてから荒れた村の片付けを手伝うことになった。
全チームが村に残り、復旧作業に勤しむ。オークの死骸から魔石と装備品を剥ぎ、食料用の肉も確保する。
村の食料庫や畑にも被害があったようだが、オークの死骸が山ほど転がっているから、それでしばらくは食いつないでいけそうだ。冒険者が魔法の鞄で持ち込んだ食料もあるから、援軍が来るまでは余裕で持ちこたえられるだろう。
「エリザ、なるべく死骸から血を吸ってレベリングしておこう。死体の血は不味いけど我慢するぞ」
「ええかしこまりましたわ」
オークの死骸の片付け中、俺とエリザは烏に変身し、死体を貪るふりをして吸血に勤しんだ。敵がダンジョンマスターかもしれないので、少しでもレベリングして強くなっておこうと思ったのだ。
吸血の結果、大幅にステータス値が伸びた他、【大食】、【飢餓】、【消化】という三つのスキルを獲得できた。
大食:満腹感を感じてなお、胃袋に食べ物を詰めることができる。
飢餓:飢餓状況でも活動できる。
消化:消化液を出して瞬時に食べ物を消化できる。
いずれも食べ物に関するスキルだ。豚みたいに肥えた見た目のオークは、食い意地が張っているのか、食べ物系のスキルを覚えている場合が多かったらしい。
いずれも戦闘では役立たないが、あって困らないスキルであった。
特にゲットできて嬉しかったのは【大食】と【消化】だ。これらスキルのおかげで、前よりも無理して胃袋の限界以上に吸血できるようになった。それで大量のオークの血をほとんど余すことなく吸うことができた。
五百匹以上のオークの死骸から血液を貪ることで、一気にレベルが二十以上も上がった。吸血ボーナスの成長分を合わせると、かなりパワーアップできた。
強敵を前にして大幅レベリングできて嬉しいぞ。
「うぅ、不味い豚の血をこんなに飲んで気持ち悪いですわぁ」
「良く頑張ったなエリザ。頑張った甲斐あってお互いめっちゃ成長できたぞ」
オークの血を吸い終わった俺たちは、胃もたれからくる疲れた顔をしていた。それでガンドリィたちに一瞬怪訝な顔をされてしまったが、彼らはすぐに興味を失ったようだった。
こんな状況だから疲れが溜まっているとでも思ったらしい。まさか俺たちが作業中にオークの血を吸っていたなんて思うまい。
「皆様、あと数日の辛抱でございます。さすれば援軍がやって参りますので」
一日の仕事を終え、冒険者チームの代表が村長の家に集まる。会合を行いがてら食事会を行う。村長は自分の家の倉にあった酒を振舞って冒険者たちを激励していた。なんとか士気を保とうという配慮なのだろう。
「キィキィ」
「お、連絡か」
食事会を終えて寝所に向かおうとすると、一匹の蝙蝠が俺に近づいてきた。部隊の総指揮を任せているタロウからの連絡蝙蝠だった。
(緊急の連絡蝙蝠ではないから、何かよくない事態が起きたというわけではないようだな。むしろ良い方の知らせか)
その俺の予想通り、蝙蝠が携えていた紙には、吉報が記されていた。タロウたち斥候部隊が敵ダンジョンに繋がっていると思われる転移陣と思しきものを発見したとの報告だった。
「そうか。転移陣が見つかったか。やはり敵はダンジョンマスターの可能性が高いか。では敵が転移陣を閉じたり移動する前に動くとしようか。兵は神速を尊ぶと言うしな」
俺は寝所に向かおうとした足を止め、蝙蝠形態に変化すると、森の方へと飛んでいったのであった。
♦現在のヨミトのステータス♦
名前:ヨミト(lv.81) 種族:吸血鬼(ハイ)
HP:1208/1208 MP:1099/1099
【変化】【魅了】【吸血】【鬼語】【粗食】【獣の嗅覚】【獣の視覚】【獣の聴覚】【獣の味覚】
【剣術】【我慢】【起床】【睡眠】【威圧】【料理】【伐採】【裁縫】【農耕】【投擲】
【風刃】【天才】【火球】【洗脳】【狂化】【商人】【販売】【交渉】【売春】【性技】
【避妊】【癒光】【洗浄】【解体】【斧術】【槍術】【穴掘】【格闘】【毒牙】【硬化】
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