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第六章
第196話 彼氏にアナルを見られて恥ずかしい・島本悠里の場合
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自宅で恋人に衣装を見せたいと思っていたのは、櫻だけではない。
衣装作り担当の一人である島本悠里は本日の部活後、恋人の佐藤孝弘を自宅に呼んで衣装合わせをしていた。
自分のメイド姿を真っ先に彼に見せたかったのと、彼の執事姿を真っ先に自分が見たかったのだ。
「ごめんね、私の我儘に付き合ってもらって」
「何も謝ることないよ。俺にとっても嬉しいことだし」
「じゃあ、これ……」
「うん、じゃあ廊下で着替えてくるから」
申し訳なさそうに手渡された執事服を持って、孝弘は一旦部屋から出た。今この家にいるのは自分達だけとはいえ、平気で廊下で着替えられる辺りは流石体育会系男子である。
孝弘の部屋に残された悠里は、自分もメイド服に着替え始めた。彼氏の部屋で一人服を脱ぐという状況に、ちょっといやらしげな気持ちにさせられる。
程なくして、コンコンとノックする音。
「あ、待って。まだ着替え中だから」
もう既にそれどころじゃないとこまで見られてはいるのだが、そうであってもやはり着替え途中の姿を見られるのは恥ずかしいのである。
悠里のその気持ちを汲んでか、孝弘は素直に廊下で待ってくれている。そういうところに、ついキュンとしてしまうのだ。
「お待たせ。入っていいよ」
「じゃ、お言葉に甘えて。おー……可愛い。流石悠里はこういうの似合うなぁ」
扉を開けて、ぱったりと目が合う。素直な感想を口にする執事姿の孝弘であったが、対して悠里はお上品なロングスカートのメイド服を身に纏い、孝弘を見上げ丸くした目を輝かせ口元に手を当て言葉を失っていた。
「悠里?」
「えっ?」
我に返った悠里は瞼をパチパチさせると、焦って挙動不審な手ぶりをした。
自分がアレンジした衣装を着てくれた彼氏。上背があって脚が長いので、これがまた実にハマっている。つい見蕩れてしまうのも無理はなかった。
「あっ、えっと……ありがとう、孝弘君もかっこいいよ!」
「どういたしまして。この衣装も凄くよくできてて、本当悠里は凄いなって思ったよ。悠里の衣装も凄くいいな。本物のメイドさんみたいだ」
「もう、褒め過ぎだよー」
嬉しいことを爽やかに言ってくれて、悠里は心がほわほわして幸せに包まれる。
だけどもその影で、一つの後ろめたさも。
(いいのかな、私だけこんないい思いして。何だか凛華に悪い気がする)
凛華の彼氏である川澄龍之介は、コスプレ接客しない組であった。本人曰く「俺は執事服似合わない側の男子だから」とのことで、凛華は大変残念がっていたのである。
手芸部の部活中、悠里は凛華から「せっかく男子全員執事服着る流れだったのに、比嘉君が余計なこと言うからー!」という愚痴を聞かされていた。
それに対して手芸部員の一人が「だったら内緒で勝手に彼氏の分の執事服作っちゃえば?」と提案することもあったが、凛華は「本人が着たくないと言ってるんだから無理強いはしない」と拒否。
あくまで怒りの矛先はそれが似合う一部の男子しか執事服を着ない提案をした比嘉健吾の方に向け、龍之介には責めることも騙すこともしないのである。
「どうかしたの悠里? 俺何か着方とか間違ってた?」
「あっ、ううん? そういうわけじゃないけど……」
悠里の浮かない顔に気付いた孝弘が声をかけると、悠里は慌てて誤魔化す。
「あ、じゃあちょっと直すね」
元々廊下で鏡も見ずに着替えていたこともあって、孝弘の執事服は細部が多少歪んでいるところが有り。悠里は孝弘の胸元に手を持っていき、アクセサリーの付け方等をピシッとした形に直した。
あくまで身だしなみを直してもらっているだけではあるが、悠里の方から身体に触れてきてくれるのは孝弘的には胸が高鳴るシチュエーションである。
「できた」
「ありがと。せっかくだから、写真撮ろっか」
悠里が頷くと孝弘はスマホを取り出し、カメラを自分達に向けてパシャリ。
文化祭本番に先駆けて、コスチュームを纏ってのツーショット。なかなか嬉しい思い出ができたと、内心はしゃいでいた。
「うん、いいな。流石悠里だ」
「孝弘君に喜んでもらえてよかった」
微笑む悠里を見下ろす孝弘は身を屈め目線を悠里に近づけると、そっと悠里の頬を撫でる。
触れただけで少し熱を増す頬。愛おしく可愛らしいメイドさんに、孝弘の我慢ははち切れそう。
「……今からしても、いい?」
穏やかな声で尋ねてくる孝弘に、悠里は小さく頷いた。
今日はそういうつもりで来たわけではないけど、彼の家で二人きりになる以上そういうことを求められることは想定していた。
別に期待していたわけではないけど少なくとも心の準備はしており、今回こそはちゃんと彼の期待に応えられるようにしたいと意気込んでいた。
悠里の了承を得た孝弘は照明を消して部屋をカーテン越しの明かりだけにすると、柔らかな唇を食み流れるように舌を入れる。大人のキスもだんだんと手慣れてきていた。悠里はもうこれだけで大分虜にさせられてしまう。
「えーと……これどうやって脱がせば」
が、その後にこの一言。ムードブレイクな発言になってしまうが、大事な衣装に下手なことして壊すわけにもいかないので致し方なし。
悠里はベッドに移動すると、自分からメイド服を脱ぎ始めた。衣装を汚すわけにもいかないので、同じく孝弘も執事服を脱ぎ始める。
これまでの二度の挑戦では、いずれも悠里は孝弘に服を脱がせてもらっていた。こうして自分から脱ぐというのには、どうにも気恥ずかしさを感じてしまう。それこそ自分達が互いの想いを打ち明けて付き合うきっかけとなった、あの脱衣ゲームを思い起こさせてしまうから尚更だ。
悠里が恥じらいにもたつきながら服を脱いでいる間に、孝弘はとっくにパン一になっていた。鍛え上げられた男らしい肉体の色気もさることながら、黒のボクサーパンツを突き破らんとする下腹部の隆起が悠里の情緒を乱す。
とても直視はできないので脱ぐのに集中する素振りをしながら目線を逸らすも、ついつい本能的に気になってしまう感情を必死に抑えた。
とりあえずブラとショーツだけになったらベッドに寝転がって天井を見上げたままぎゅっと目をつぶり、色気のありすぎる彼氏の裸体を見ないように努めた。
今日の悠里は花柄刺繍の水色下着。奇しくもあの脱衣ゲームの時と同じものだった。
孝弘の指先がブラを擦る。先っぽに触れられる度エッチな声が出そうになり、悠里は口元を両手で押さえて我慢した。
この家には他に誰もいないのだから喘ぎ声くらい出してもいいのにと孝弘は思っているのだが、本人がそれを恥ずかしがっているので指摘はしない。
悠里は乳首が敏感なのだろうということは、これまでの二回で何となく理解していた。
だけどもやっぱり今一番の課題は下の方をしっかり触らせて貰えるようになること。乳首いじりは一旦置いておき、孝弘の手はショーツに伸びる。
「ん、じゃあそろそろパンツを……」
(下から脱がすの!?)
いつも孝弘はブラから脱がせていたので、いつもと違う流れに悠里の心中は穏やかではない。
とりあえず流れに従って腰を浮かし脱がせるのを補助するも、激しく脈打つ鼓動が焦りを示す。うわーんと叫びたい気持ちだ。
(ブラだけしてて下裸って……素っ裸より恥ずかしい気がする……)
両の太腿をぴったりくっつけた上で両手を重ねて陰毛の上に置き、全力ガードの姿勢。
悠里の手は小さい方だが、陰毛の手入れを欠かさず綺麗な逆三角形に形を整えているのでそれでも十分に隠せた。
だけどもそれが孝弘のリビドーをかえって刺激した。隠されれば隠されるほど見たくなるのが男心というものだ。
孝弘はぴったり閉じた悠里の太腿とベッドの間に親指を入れ、掌で抱え込むようにしてぐいっと太腿を起こしたのだ。
一転して露となる仄かに湿った割れ目に、つるんと滑らかでマシュマロのようなお尻。Iラインの毛は薄く目立たず、殆ど生えていないに近い。孝弘にとってこれを拝むのは三度目であるが、何度見ても綺麗だと感じる。
つい舐めたいと思ってしまうが、まだ手でするのでさえままならないのに口でするのはまだ早いと自制する。
そしてそれに代わるように、孝弘の好奇心は悠里のお尻に向いた。指先と掌が幸せになるような触り心地のお尻を左右に開き、一番恥ずかしい乙女の菊の花をその眼前に晒した。
瞬間、悠里の声にならない叫び声が孝弘の耳の奥を激しく揺さぶった。ばたつく脚が孝弘の肩を蹴るが、身体の頑丈な孝弘にはさしてダメージは無い。
「あっ、ごめん痛かった!?」
とはいえ心情的には相当焦った。いやらしい気持ちも引っ込んで、悠里に怪我をさせてしまったのではとおろおろしだす。
「そ、そういうわけじゃないんだけど……」
お尻の穴が空気に触れる感触を感じ取った時、孝弘に見られていると理解して羞恥心が爆発した。
掌を孝弘の前に出して、ストップを求めるジェスチャー。
「ご、ごめん今日はここまでにして! あうう……」
「あ、うん。わかった。こちらこそごめん」
耳まで真っ赤になった顔を枕にうずめる悠里に孝弘は一礼した後、パン一のまま一旦トイレに向かった。
部屋に残された悠里は衝動的に顔をうずめた枕に残る孝弘の匂いに情緒を乱されていたものの、はっと我に返り濡れた陰部をティッシュで拭った。
(またやっちゃった……孝弘君、がっかりしてただろうな……)
孝弘が戻ってくる前にと素早くパンツを穿いて、メイド服ではなく制服を着直す。
(……前の穴はエッチで使うものだから見られるのは仕方がないにしても、後ろの穴は……そんな人体で一番恥ずかしい所、好きな人にお見せできるものでは……)
制服を着ながら思い出してみたら、また全身が熱くなってきた。大好きな彼氏にアナルを見られた。その事実が、強烈に悠里の羞恥心を刺激する。
好きな人には、自分の綺麗なとこだけを見せたい。完璧にそれを貫くのは無理だとしても、できる限りはそうしたいのが乙女心というものだ。
勿論お尻の穴も普段から常に清潔にしてはいるが、人様ましてや好きな人にお見せすべきでない不浄のものという認識は強い。
(でも彼の前で裸になる以上、自然と見られちゃったりするものではあるんだよね……体位によっては、完全に丸見えになっちゃったりも……)
バックでする光景を想像してしまい、またボッと体が熱くなる。そんなところを常に見られながらされるなんて、頭がどうにかなりそうだ。
(何度もしてる間に自然と慣れるようになるのかな? みんなはどうしてるんだろう。こういうこと相談できるのって誰? 倉掛さん? それとも恋咲さんとか……)
悠里が悶々と煮え切らない考えを頭の中で渦巻かせていると、一発抜いてスッキリした孝弘が部屋に戻ってきた。
「あっ、お、お帰りなさい……」
「ただいま。お茶あるよ」
孝弘が何をしに部屋を出て行ったのか言葉にせずとも概ね想像はできているので、この状況で声をかけるのは少々気まずい。
というかそれ以前に、初H失敗後のこの時間は毎度毎度気まずい。
孝弘はトイレを出た後一旦台所に寄って冷たいお茶を持ってきてくれたので、それを口にしていれば無理に何か言わなくてもいいのは救いだった。
「あー……さっきの、何か気に障った? 嫌だと思ったことがあるなら、改善するよう努めるよ」
「えっ? あっ、それは……」
孝弘が箪笥から取り出した私服を着ながら悠里に尋ねると、悠里は言い淀む。とても恥ずかしい話なので、致し方なし。
「孝弘君のすることが嫌だったわけじゃないの。ただ、私が恥ずかしかっただけで……」
その後聞こえるか聞こえないかくらいのごにょごにょした声で「後ろの穴を見られるのが……」と呟き、それだけでも耐えられず顔を掌で覆った。
孝弘は一瞬キョトンとしたが、理解した途端不覚にも興奮を覚え、にやけた口元を掌で隠した。
普段は隙が無くきっちりかっちりしてるのに、性的なことになるとどうしてこうもポンコツ化するのか。そこがまた可愛らしくて、男心の躍動が止められない。
「ああ、いや、ごめん。馬鹿にするつもりじゃないんだ。なんかその、可愛い理由だったから。でもすごく綺麗だったよ、悠里の」
先程の孝弘は、それで抜いたに等しい。
掌に隠れた悠里の顔が、ボッと沸騰したかのように赤くなった。体温の上昇が孝弘にも伝わってきた。
「きっ、汚いよ!」
「悠里に汚いとこなんて無いよ」
そんなことを真顔で言われた悠里は、ちょっと嬉しい気持ちになりつつも更なる羞恥に耐えかねてうーうー唸り出した。その姿は、さながら小動物のようだ。
実際悠里のアナルは窄まりの形やほんのりピンクがかった色味も大変美しい。
しかも悠里はOゾーンの毛が殆ど生えてこない体質である。見栄えの良いVゾーンにだけ適度に生えている、リリムが綺麗な陰毛ナンバーワンに挙げるのも頷ける陰毛の持ち主だ。
「あー、悠里、本当にごめん。そんなに恥ずかしかったんだ」
孝弘が尋ねると顔を覆ったまま、こくんと頷く悠里。孝弘は居ても立ってもいられず、気付いた時にはそっと両腕で優しく抱きしめていた。
腕の中で悠里はぴくんと身を強張らせるが、やがて信頼を示すように身を寄せ胸板に額を当ててくる。
「私の方こそ、ごめんなさい。また途中で止めちゃって……それとさっき足が当たったのも」
「大丈夫。全然痛くなかったから。どっちのことも気にしないで。悠里が嫌なら俺は無理にはしないし、ちゃんと二人で一緒に気持ち良くなりたいから」
顔を上げた悠里の瞳が揺れる。頬を赤く濡らし恥じらいの中に嬉しさが堪えきれず口元が緩んだ表情が、孝弘の胸を打った。
「私、ちょっとずつだけど頑張るから……」
「うん、ありがとう。俺も悠里のして欲しいこと、沢山するからさ。とりあえず、今日はここらで家まで送るよ」
孝弘は艶やかな黒髪をそっと撫でると、抱擁を解いて小首を傾げながら笑顔で言った。
格好つけてはいるがその実、胸がキュンとしたのも束の間ついさっき抜いたばかりなのにまた下半身に血が集まってくるのを感じて、固くなってきたそれが悠里の身に触れる前にさっと悠里を引き剥がしたのだ。
この二人が櫻と千里のようになれるのは、まだまだ時間がかかるだろう。
だけども着実に、少しずつでも前に進んでいた。
衣装作り担当の一人である島本悠里は本日の部活後、恋人の佐藤孝弘を自宅に呼んで衣装合わせをしていた。
自分のメイド姿を真っ先に彼に見せたかったのと、彼の執事姿を真っ先に自分が見たかったのだ。
「ごめんね、私の我儘に付き合ってもらって」
「何も謝ることないよ。俺にとっても嬉しいことだし」
「じゃあ、これ……」
「うん、じゃあ廊下で着替えてくるから」
申し訳なさそうに手渡された執事服を持って、孝弘は一旦部屋から出た。今この家にいるのは自分達だけとはいえ、平気で廊下で着替えられる辺りは流石体育会系男子である。
孝弘の部屋に残された悠里は、自分もメイド服に着替え始めた。彼氏の部屋で一人服を脱ぐという状況に、ちょっといやらしげな気持ちにさせられる。
程なくして、コンコンとノックする音。
「あ、待って。まだ着替え中だから」
もう既にそれどころじゃないとこまで見られてはいるのだが、そうであってもやはり着替え途中の姿を見られるのは恥ずかしいのである。
悠里のその気持ちを汲んでか、孝弘は素直に廊下で待ってくれている。そういうところに、ついキュンとしてしまうのだ。
「お待たせ。入っていいよ」
「じゃ、お言葉に甘えて。おー……可愛い。流石悠里はこういうの似合うなぁ」
扉を開けて、ぱったりと目が合う。素直な感想を口にする執事姿の孝弘であったが、対して悠里はお上品なロングスカートのメイド服を身に纏い、孝弘を見上げ丸くした目を輝かせ口元に手を当て言葉を失っていた。
「悠里?」
「えっ?」
我に返った悠里は瞼をパチパチさせると、焦って挙動不審な手ぶりをした。
自分がアレンジした衣装を着てくれた彼氏。上背があって脚が長いので、これがまた実にハマっている。つい見蕩れてしまうのも無理はなかった。
「あっ、えっと……ありがとう、孝弘君もかっこいいよ!」
「どういたしまして。この衣装も凄くよくできてて、本当悠里は凄いなって思ったよ。悠里の衣装も凄くいいな。本物のメイドさんみたいだ」
「もう、褒め過ぎだよー」
嬉しいことを爽やかに言ってくれて、悠里は心がほわほわして幸せに包まれる。
だけどもその影で、一つの後ろめたさも。
(いいのかな、私だけこんないい思いして。何だか凛華に悪い気がする)
凛華の彼氏である川澄龍之介は、コスプレ接客しない組であった。本人曰く「俺は執事服似合わない側の男子だから」とのことで、凛華は大変残念がっていたのである。
手芸部の部活中、悠里は凛華から「せっかく男子全員執事服着る流れだったのに、比嘉君が余計なこと言うからー!」という愚痴を聞かされていた。
それに対して手芸部員の一人が「だったら内緒で勝手に彼氏の分の執事服作っちゃえば?」と提案することもあったが、凛華は「本人が着たくないと言ってるんだから無理強いはしない」と拒否。
あくまで怒りの矛先はそれが似合う一部の男子しか執事服を着ない提案をした比嘉健吾の方に向け、龍之介には責めることも騙すこともしないのである。
「どうかしたの悠里? 俺何か着方とか間違ってた?」
「あっ、ううん? そういうわけじゃないけど……」
悠里の浮かない顔に気付いた孝弘が声をかけると、悠里は慌てて誤魔化す。
「あ、じゃあちょっと直すね」
元々廊下で鏡も見ずに着替えていたこともあって、孝弘の執事服は細部が多少歪んでいるところが有り。悠里は孝弘の胸元に手を持っていき、アクセサリーの付け方等をピシッとした形に直した。
あくまで身だしなみを直してもらっているだけではあるが、悠里の方から身体に触れてきてくれるのは孝弘的には胸が高鳴るシチュエーションである。
「できた」
「ありがと。せっかくだから、写真撮ろっか」
悠里が頷くと孝弘はスマホを取り出し、カメラを自分達に向けてパシャリ。
文化祭本番に先駆けて、コスチュームを纏ってのツーショット。なかなか嬉しい思い出ができたと、内心はしゃいでいた。
「うん、いいな。流石悠里だ」
「孝弘君に喜んでもらえてよかった」
微笑む悠里を見下ろす孝弘は身を屈め目線を悠里に近づけると、そっと悠里の頬を撫でる。
触れただけで少し熱を増す頬。愛おしく可愛らしいメイドさんに、孝弘の我慢ははち切れそう。
「……今からしても、いい?」
穏やかな声で尋ねてくる孝弘に、悠里は小さく頷いた。
今日はそういうつもりで来たわけではないけど、彼の家で二人きりになる以上そういうことを求められることは想定していた。
別に期待していたわけではないけど少なくとも心の準備はしており、今回こそはちゃんと彼の期待に応えられるようにしたいと意気込んでいた。
悠里の了承を得た孝弘は照明を消して部屋をカーテン越しの明かりだけにすると、柔らかな唇を食み流れるように舌を入れる。大人のキスもだんだんと手慣れてきていた。悠里はもうこれだけで大分虜にさせられてしまう。
「えーと……これどうやって脱がせば」
が、その後にこの一言。ムードブレイクな発言になってしまうが、大事な衣装に下手なことして壊すわけにもいかないので致し方なし。
悠里はベッドに移動すると、自分からメイド服を脱ぎ始めた。衣装を汚すわけにもいかないので、同じく孝弘も執事服を脱ぎ始める。
これまでの二度の挑戦では、いずれも悠里は孝弘に服を脱がせてもらっていた。こうして自分から脱ぐというのには、どうにも気恥ずかしさを感じてしまう。それこそ自分達が互いの想いを打ち明けて付き合うきっかけとなった、あの脱衣ゲームを思い起こさせてしまうから尚更だ。
悠里が恥じらいにもたつきながら服を脱いでいる間に、孝弘はとっくにパン一になっていた。鍛え上げられた男らしい肉体の色気もさることながら、黒のボクサーパンツを突き破らんとする下腹部の隆起が悠里の情緒を乱す。
とても直視はできないので脱ぐのに集中する素振りをしながら目線を逸らすも、ついつい本能的に気になってしまう感情を必死に抑えた。
とりあえずブラとショーツだけになったらベッドに寝転がって天井を見上げたままぎゅっと目をつぶり、色気のありすぎる彼氏の裸体を見ないように努めた。
今日の悠里は花柄刺繍の水色下着。奇しくもあの脱衣ゲームの時と同じものだった。
孝弘の指先がブラを擦る。先っぽに触れられる度エッチな声が出そうになり、悠里は口元を両手で押さえて我慢した。
この家には他に誰もいないのだから喘ぎ声くらい出してもいいのにと孝弘は思っているのだが、本人がそれを恥ずかしがっているので指摘はしない。
悠里は乳首が敏感なのだろうということは、これまでの二回で何となく理解していた。
だけどもやっぱり今一番の課題は下の方をしっかり触らせて貰えるようになること。乳首いじりは一旦置いておき、孝弘の手はショーツに伸びる。
「ん、じゃあそろそろパンツを……」
(下から脱がすの!?)
いつも孝弘はブラから脱がせていたので、いつもと違う流れに悠里の心中は穏やかではない。
とりあえず流れに従って腰を浮かし脱がせるのを補助するも、激しく脈打つ鼓動が焦りを示す。うわーんと叫びたい気持ちだ。
(ブラだけしてて下裸って……素っ裸より恥ずかしい気がする……)
両の太腿をぴったりくっつけた上で両手を重ねて陰毛の上に置き、全力ガードの姿勢。
悠里の手は小さい方だが、陰毛の手入れを欠かさず綺麗な逆三角形に形を整えているのでそれでも十分に隠せた。
だけどもそれが孝弘のリビドーをかえって刺激した。隠されれば隠されるほど見たくなるのが男心というものだ。
孝弘はぴったり閉じた悠里の太腿とベッドの間に親指を入れ、掌で抱え込むようにしてぐいっと太腿を起こしたのだ。
一転して露となる仄かに湿った割れ目に、つるんと滑らかでマシュマロのようなお尻。Iラインの毛は薄く目立たず、殆ど生えていないに近い。孝弘にとってこれを拝むのは三度目であるが、何度見ても綺麗だと感じる。
つい舐めたいと思ってしまうが、まだ手でするのでさえままならないのに口でするのはまだ早いと自制する。
そしてそれに代わるように、孝弘の好奇心は悠里のお尻に向いた。指先と掌が幸せになるような触り心地のお尻を左右に開き、一番恥ずかしい乙女の菊の花をその眼前に晒した。
瞬間、悠里の声にならない叫び声が孝弘の耳の奥を激しく揺さぶった。ばたつく脚が孝弘の肩を蹴るが、身体の頑丈な孝弘にはさしてダメージは無い。
「あっ、ごめん痛かった!?」
とはいえ心情的には相当焦った。いやらしい気持ちも引っ込んで、悠里に怪我をさせてしまったのではとおろおろしだす。
「そ、そういうわけじゃないんだけど……」
お尻の穴が空気に触れる感触を感じ取った時、孝弘に見られていると理解して羞恥心が爆発した。
掌を孝弘の前に出して、ストップを求めるジェスチャー。
「ご、ごめん今日はここまでにして! あうう……」
「あ、うん。わかった。こちらこそごめん」
耳まで真っ赤になった顔を枕にうずめる悠里に孝弘は一礼した後、パン一のまま一旦トイレに向かった。
部屋に残された悠里は衝動的に顔をうずめた枕に残る孝弘の匂いに情緒を乱されていたものの、はっと我に返り濡れた陰部をティッシュで拭った。
(またやっちゃった……孝弘君、がっかりしてただろうな……)
孝弘が戻ってくる前にと素早くパンツを穿いて、メイド服ではなく制服を着直す。
(……前の穴はエッチで使うものだから見られるのは仕方がないにしても、後ろの穴は……そんな人体で一番恥ずかしい所、好きな人にお見せできるものでは……)
制服を着ながら思い出してみたら、また全身が熱くなってきた。大好きな彼氏にアナルを見られた。その事実が、強烈に悠里の羞恥心を刺激する。
好きな人には、自分の綺麗なとこだけを見せたい。完璧にそれを貫くのは無理だとしても、できる限りはそうしたいのが乙女心というものだ。
勿論お尻の穴も普段から常に清潔にしてはいるが、人様ましてや好きな人にお見せすべきでない不浄のものという認識は強い。
(でも彼の前で裸になる以上、自然と見られちゃったりするものではあるんだよね……体位によっては、完全に丸見えになっちゃったりも……)
バックでする光景を想像してしまい、またボッと体が熱くなる。そんなところを常に見られながらされるなんて、頭がどうにかなりそうだ。
(何度もしてる間に自然と慣れるようになるのかな? みんなはどうしてるんだろう。こういうこと相談できるのって誰? 倉掛さん? それとも恋咲さんとか……)
悠里が悶々と煮え切らない考えを頭の中で渦巻かせていると、一発抜いてスッキリした孝弘が部屋に戻ってきた。
「あっ、お、お帰りなさい……」
「ただいま。お茶あるよ」
孝弘が何をしに部屋を出て行ったのか言葉にせずとも概ね想像はできているので、この状況で声をかけるのは少々気まずい。
というかそれ以前に、初H失敗後のこの時間は毎度毎度気まずい。
孝弘はトイレを出た後一旦台所に寄って冷たいお茶を持ってきてくれたので、それを口にしていれば無理に何か言わなくてもいいのは救いだった。
「あー……さっきの、何か気に障った? 嫌だと思ったことがあるなら、改善するよう努めるよ」
「えっ? あっ、それは……」
孝弘が箪笥から取り出した私服を着ながら悠里に尋ねると、悠里は言い淀む。とても恥ずかしい話なので、致し方なし。
「孝弘君のすることが嫌だったわけじゃないの。ただ、私が恥ずかしかっただけで……」
その後聞こえるか聞こえないかくらいのごにょごにょした声で「後ろの穴を見られるのが……」と呟き、それだけでも耐えられず顔を掌で覆った。
孝弘は一瞬キョトンとしたが、理解した途端不覚にも興奮を覚え、にやけた口元を掌で隠した。
普段は隙が無くきっちりかっちりしてるのに、性的なことになるとどうしてこうもポンコツ化するのか。そこがまた可愛らしくて、男心の躍動が止められない。
「ああ、いや、ごめん。馬鹿にするつもりじゃないんだ。なんかその、可愛い理由だったから。でもすごく綺麗だったよ、悠里の」
先程の孝弘は、それで抜いたに等しい。
掌に隠れた悠里の顔が、ボッと沸騰したかのように赤くなった。体温の上昇が孝弘にも伝わってきた。
「きっ、汚いよ!」
「悠里に汚いとこなんて無いよ」
そんなことを真顔で言われた悠里は、ちょっと嬉しい気持ちになりつつも更なる羞恥に耐えかねてうーうー唸り出した。その姿は、さながら小動物のようだ。
実際悠里のアナルは窄まりの形やほんのりピンクがかった色味も大変美しい。
しかも悠里はOゾーンの毛が殆ど生えてこない体質である。見栄えの良いVゾーンにだけ適度に生えている、リリムが綺麗な陰毛ナンバーワンに挙げるのも頷ける陰毛の持ち主だ。
「あー、悠里、本当にごめん。そんなに恥ずかしかったんだ」
孝弘が尋ねると顔を覆ったまま、こくんと頷く悠里。孝弘は居ても立ってもいられず、気付いた時にはそっと両腕で優しく抱きしめていた。
腕の中で悠里はぴくんと身を強張らせるが、やがて信頼を示すように身を寄せ胸板に額を当ててくる。
「私の方こそ、ごめんなさい。また途中で止めちゃって……それとさっき足が当たったのも」
「大丈夫。全然痛くなかったから。どっちのことも気にしないで。悠里が嫌なら俺は無理にはしないし、ちゃんと二人で一緒に気持ち良くなりたいから」
顔を上げた悠里の瞳が揺れる。頬を赤く濡らし恥じらいの中に嬉しさが堪えきれず口元が緩んだ表情が、孝弘の胸を打った。
「私、ちょっとずつだけど頑張るから……」
「うん、ありがとう。俺も悠里のして欲しいこと、沢山するからさ。とりあえず、今日はここらで家まで送るよ」
孝弘は艶やかな黒髪をそっと撫でると、抱擁を解いて小首を傾げながら笑顔で言った。
格好つけてはいるがその実、胸がキュンとしたのも束の間ついさっき抜いたばかりなのにまた下半身に血が集まってくるのを感じて、固くなってきたそれが悠里の身に触れる前にさっと悠里を引き剥がしたのだ。
この二人が櫻と千里のようになれるのは、まだまだ時間がかかるだろう。
だけども着実に、少しずつでも前に進んでいた。
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