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エロ.14
しおりを挟む「水着、大胆だね」
「そうかな?」
徳馬が言った様に、ただでさえエロい美世が白いビキニなんか身につけたら、もう高校生男子はイチコロだ。
いつも美世の裸を見ている高広でさえ、ヤバいと思うくらいなのだから。
「塗れたよ」
「ありがとう。楽しんできて」
「ああ」
美世に見送られ、高広はすでにびしょ濡れになってはしゃいでいる元貴と徳馬の所へかけていった。
「高広も来たことだし、三人であそこの岩まで競争しないか?」
泳ぎに自信のある元貴はさっそく闘いを挑んできた。
「お、いいねぇ!やろう、やろう!」
徳馬が泳ぎが得意なのかどうかは知らないが、嫌がらずに乗ってきているということは、自信があるのだろう。
「競争?」
そんな中、ひとり高広だけが難色を示した。
「いいじゃん、遊びなんだからさ。あ、でもビリだったらかき氷おごるってのはどう?」
「元貴、お前、勝つ気満々だな」
高広は本気で泳げばきっと自分が勝ってしまうだろうと思っている。
だけど、本気を出して実は泳ぎが得意であることがバレるのは何だか恥ずかしかった。
だからと言って負けるのも格好悪い。
どちらにしても勝負事はあまり乗り気じゃなかった。
元貴の言うように遊びなのだと思えばいいのに、つい本気になってしまう熱い部分がある自分の性格が嫌だった。
「ごちゃごちゃ言ってないで、早くやろうぜ」
徳馬はもう泳ぐ体勢に入っている。
「おい、俺はまだやるなんて言ってないぞ」
「じゃあ、高広の負けってことで、かき氷おごってもらうから」
早く泳ぎたい徳馬はそんな無茶なことを口走る。
「仕方ないな」
高広は観念して徳馬の隣に並んだ。
「よし、じゃあ、よーいスタート!」
元貴の掛け声とともに三人は海に飛び込んだ。
「やったぁ、俺が一番だ!」
そう叫んだ徳馬を、ゴールである岩の上から元貴と高広が見下ろしていた。
「嘘だろ?俺、中学の時水泳部だったんだぞ!」
元貴が差し伸べた手をつかみ、徳馬も岩に上ってきた。
「残念でした~」
元貴は勝ち誇った様子で徳馬に言い放つ。
「え、元貴が一番?」
「ううん、一番は高広だよ」
「ええっ!高広?なんでそんなに早いんだよ。お前、運動苦手なんじゃないのか」
てっきり自分が一番だと思っていた徳馬は、高広に詰め寄る。
「誰が運動苦手だって言ったんだよ」
「そ、それは・・・」
そう言われてみれば、高広が運動に興味がなさそうだと思っていただけで、運動が苦手かどうかはよく知らなかったことに徳馬は思い至る。
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