ヤンチャな御曹司の恋愛事情

星野しずく

文字の大きさ
26 / 106

御曹司のやんごとなき恋愛事情.26

しおりを挟む
 俊介の社長代理二日目が始まった。

 何とか社員が出社してくる前に社長室に到着することが出来た。

 優子は今日のスケジュールを確認するため、スマホを手にした。



 その中に伊波からのメッセージを見つける。

『明日の夜は空いてる?評判のいい店見つけたんだ』とあった。

 しまった・・・、『今日は急用が入ったからマンションの見学には行けない』と日曜に連絡を入れたっきりだった。



 あまりに色々なことが立て続けに起こったせいで、伊波に詳しい状況を説明するのを忘れていた。

 優子は『社長が入院して今週いっぱい身動きが取れない』という内容のメッセージを送った。

 ほどなく届いたメッセージは、『大丈夫か?あんまり無理しないように』という優子の身体を気遣う内容だった。

 伊波の優しい言葉に、胸がチクリと痛む。

 一週間だけという期限付きの関係とはいえ、伊波を裏切っているのは事実だ。



「どうした?優子、まだ疲れてるのか?」

 俊介は浮かれた様子で優子の顔を覗き込んだ。

「い、いえ・・・、何でもありません。そんなことより、今日のスケジュールを確認してください」

「あ、ああ・・・」



 明らかに様子がおかしかったけれど、今は時間がない。

 俊介は今日も一日、ハードなスケジュールをこなさなければならないのだから。

 目の回るような忙しい一日を終え、俊介と優子はレストランで夕食をとっていた。

 優子のスマホに再び伊波からのメッセージが届いた。



 どうしよう・・・、一日中俊介坊ちゃんと一緒だから、伊波とゆっくり話す時間がない。

 優子が困り顔で画面を見つめていると、すかさず俊介がスマホを奪った。

「伊波の野郎か。優子は俺のものだって言ってやる」

 優子は、通話ボタンを押そうとする俊介の手から、慌ててスマホを奪い返した。



「そんなことおっしゃったら、困るのは取締役です!軽率な行動は慎んでください」

「チェッ・・・。優子は伊波のどこがいいんだよ。俺の方が絶対いい男じゃないか」

 自分に自信があるのはいいことだが、理由が子供じみているのが困ったところだ。



 せっかく昨日はあんなに熱い夜を過ごしたというのに、伊波の名前を聞いたとたん現実を突きつけられて不愉快だ。

 そんなことがあったせいで、俊介はその夜も手加減することなく、優子のことを抱きまくった。

 さすがに二日連続で家に帰れないのは嫌だと言われ、深夜であるにもかかわらず、俊介は優子のことをマンションに送り届けた。



 俊介と一緒に眠るのは幸せだ。

 しかし、一昨日のように死ぬほど疲れていない限り、俊介のことを意識してしまって、よく眠れないのだ。

 そんな訳で、優子は自宅マンションでようやく体を休めることが出来た。

 明日も忙しい一日が待っている。

 俊介に恥をかかせないよう、精一杯サポートしなければならない。



 社長代理三日目の夜、俊介は毎日新しいことの連続でさぞ疲れていると思いきや、本人は至って元気だ。

 むしろサポートする優子の方がなぜか疲れている。

 夕食をとりながら、今日の反省をしようとしても、俊介はすっかりプライベートモードに入っているため、まともに請け合ってくれない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

処理中です...