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御曹司のやんごとなき恋愛事情.82
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「先日の件、副社長にお伝えしました」
「・・・そう」
「やはり、そちらのご希望には添えないということで、代わりに電話で話せないかとのことです」
「電話・・・」
「はい、佐竹さんはいつもお忙しいと思いますが、お電話でしたら、ほとんどお時間もかからないかと思います」
俊介の話がそう簡単に終わるとは思えないが・・・、これを断ってもまた他の提案がなされるだけの様な気がする。
この辺で手を打っておくのが得策かもしれない。
「分かったわ・・・。電話ならいいと伝えてください」
「ありがとうございます。それで・・・、いつがよろしいでしょうか」
「そうね・・・」
伊波と同棲している今、ひとりで落ち着いて話せる場所が思いつかない。
「・・・あの、差し出がましいようですが、よろしいですか?」
「ど、どうぞ・・・」
「佐竹さんのスケジュール、オフィスの壁のカレンダーで勝手に拝見させていただきました。すみません」
「別に構わないわ・・・」
「それで、明日から一泊二日で富山に出張の予定ですよね」
「そうだけど・・・」
「その、宿泊先のホテルでしたら、夜、お一人になれますよね」
「そ、そうね・・・」
一体、栗本はどこまで先を考えてこの話をしているのだろう。
そもそも、優子が電話で話すことをOKすることも、そして一人になる場所見つけるのが難しいことも、たった今分かったのではないのか。
俊介と同じく、優子も栗本の才覚に目を見張る。
「では、明日の夜、ホテルのお部屋からお電話していただくということでよろしいですか?」
「え、ええ・・・」
なんだか、あれよあれよという間に栗本の言うとおりになってしまった。
だが、どちらにしても、遠く離れた出張先で、しかも電話で話すだけなら、とくに問題は無いだろう。
優子は電話を切ると、伊波が待つ家へと急いだ。
「おはようございます!」
「お!栗本君、うまくいったのか!」
「はい、副社長!やりました」
「でかしたぞ~。本当なら実際に会って話したいところだが、もう贅沢は言ってられない」
俊介はほとんど望みはないと思っていたことが叶い、もはや細かいことは気にならない。
「いいえ、副社長・・・、贅沢言ってもいいですよ」
「なに?どういうことだ」
「明日、佐竹さんは富山に一泊二日で出張です」
「それがどうした?」
栗本の話が飛躍し過ぎていて、その真意が分からない。
「ですから、副社長も富山に行かれてはどうかと思うのですが、いかがですか」
「そうか!!」
これは、まさに少し前の海外視察で、俊介がドイツからフランスへ飛んだのと同じだ。
「佐竹さんには、お仕事が終わった後、ホテルのお部屋から副社長の電話にかけていただくようにお話してあります。念のため、同じホテルにお部屋は取ってありますので、いざという時はそちらをお使いください」
「いやあ、栗本君には本当に参るな~」
俊介はにやけが止まらない。
「では、今日のスケジュールはいつもよりタイトになりますがよろしいですか?」
「そんなもの、かまうはずないだろう」
「そうでございますね」
二人は視線を合わせると頷き合った。
その日、俊介は上機嫌でスケジュールをこなすと、ひとり富山行きの電車に飛び乗った。
「・・・そう」
「やはり、そちらのご希望には添えないということで、代わりに電話で話せないかとのことです」
「電話・・・」
「はい、佐竹さんはいつもお忙しいと思いますが、お電話でしたら、ほとんどお時間もかからないかと思います」
俊介の話がそう簡単に終わるとは思えないが・・・、これを断ってもまた他の提案がなされるだけの様な気がする。
この辺で手を打っておくのが得策かもしれない。
「分かったわ・・・。電話ならいいと伝えてください」
「ありがとうございます。それで・・・、いつがよろしいでしょうか」
「そうね・・・」
伊波と同棲している今、ひとりで落ち着いて話せる場所が思いつかない。
「・・・あの、差し出がましいようですが、よろしいですか?」
「ど、どうぞ・・・」
「佐竹さんのスケジュール、オフィスの壁のカレンダーで勝手に拝見させていただきました。すみません」
「別に構わないわ・・・」
「それで、明日から一泊二日で富山に出張の予定ですよね」
「そうだけど・・・」
「その、宿泊先のホテルでしたら、夜、お一人になれますよね」
「そ、そうね・・・」
一体、栗本はどこまで先を考えてこの話をしているのだろう。
そもそも、優子が電話で話すことをOKすることも、そして一人になる場所見つけるのが難しいことも、たった今分かったのではないのか。
俊介と同じく、優子も栗本の才覚に目を見張る。
「では、明日の夜、ホテルのお部屋からお電話していただくということでよろしいですか?」
「え、ええ・・・」
なんだか、あれよあれよという間に栗本の言うとおりになってしまった。
だが、どちらにしても、遠く離れた出張先で、しかも電話で話すだけなら、とくに問題は無いだろう。
優子は電話を切ると、伊波が待つ家へと急いだ。
「おはようございます!」
「お!栗本君、うまくいったのか!」
「はい、副社長!やりました」
「でかしたぞ~。本当なら実際に会って話したいところだが、もう贅沢は言ってられない」
俊介はほとんど望みはないと思っていたことが叶い、もはや細かいことは気にならない。
「いいえ、副社長・・・、贅沢言ってもいいですよ」
「なに?どういうことだ」
「明日、佐竹さんは富山に一泊二日で出張です」
「それがどうした?」
栗本の話が飛躍し過ぎていて、その真意が分からない。
「ですから、副社長も富山に行かれてはどうかと思うのですが、いかがですか」
「そうか!!」
これは、まさに少し前の海外視察で、俊介がドイツからフランスへ飛んだのと同じだ。
「佐竹さんには、お仕事が終わった後、ホテルのお部屋から副社長の電話にかけていただくようにお話してあります。念のため、同じホテルにお部屋は取ってありますので、いざという時はそちらをお使いください」
「いやあ、栗本君には本当に参るな~」
俊介はにやけが止まらない。
「では、今日のスケジュールはいつもよりタイトになりますがよろしいですか?」
「そんなもの、かまうはずないだろう」
「そうでございますね」
二人は視線を合わせると頷き合った。
その日、俊介は上機嫌でスケジュールをこなすと、ひとり富山行きの電車に飛び乗った。
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