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第五章
ふたりの愛情と、輝く未来【1】
しおりを挟む俺、その頃、いい感じに枯れたおっさんじゃね? それまで保てるかな。理性。
輝ける未来への道のりの長さに、一瞬、気が遠くなりかけた壱琉だったが、その袖が、くいっと引っ張られた。
「いっちゃん? まるっとゴックンはダメだけど、ちゃんとモグモグするならチカがアーンしたげる。はーい、チョコですよー。お口あけて?」
「……アーン」
理性は保てているが、天使のピュアな誘惑には抗えない。一秒でアーンの誘惑に乗る。ついでに、アーンがしやすいように小さな肢体を向かい合わせで膝に乗せた。
「おいしい?」
「うめぇ」
掴んだ二の腕の細さを知り尽くしているから力加減を間違えようもないのだが、たまに加減なしで思いっきり抱きしめてみたい衝動にかられ、その眩暈を逃がすために目を閉じて「旨い」と答えた。
『歩くフェロモン』と噂されている男の口元には、ただひとりに向けられる微笑が惜しみなくひらめいている。
「ふふっ。あのね、いっちゃん? チカね、いっちゃんが欠点だらけの人だってこと、知ってるよ」
「あ? なんだ、いきなり。喧嘩売ってんのか」
「ほら、そういうとこだよぅ。お顔はとってもキレイなのに、口が悪くて自分かってで、性格がゆがんでるとこー。でも、仲良しになった人には親切だし、だれよりも心があったかいこともチカは知ってるの」
「……」
「チカ、いっちゃんといると、いつもポカポカするの。それで、ほわーってなるの。そういうの、リラックスって言うんだって。いっちゃんにだっこされてるとうれしいし、どんなにぶすっとしてても大好き」
「チカ……」
「だけど、チカのお友だちにこわいお兄さんって思われるのはイヤだなぁ。きょうあくなお顔しててもチカの大好きはぜんぜん減らないし、ずっとずっといっちゃんのこと大好きだけど、昨日みたいなことはもうやめてね」
「わかった。お前も今言ったこと、ぜってー忘れんなよ」
「うん。じゃあ、指切りげんまんのかわりに、ふたりで同時にチョコをアーンするのはどう?」
「乗った。ほら、アーン」
「いっちゃんもアーン……きゃあっ! いっちゃん! なんでチカの指、なめるのっ?」
「旨そうだったから」
「あっ、またなめた! バカバカ! チカはチョコじゃないよ。もう、しんけんなやくそくだったのに、いつもからかうんだから! いっちゃんなんか知らない!」
マジで旨そうだったから正直に答えただけだ。
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久しぶりに始めてみました
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