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第五章
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しおりを挟む「ひーちゃん。あのさ、ちょうどいいから、今ここで宣言しとくよ」
「宣言?」
「うん。ひーちゃんの家、江戸時代から続いてる銀座の料亭じゃん? そんで、跡継ぎはひーちゃんと、ひーちゃんのお姉ちゃんしかいないのに、お姉ちゃんは公務員と付き合ってるじゃん?」
「ん? まぁ、そうだけど」
「てことは、ひーちゃんが『料亭・瀧川』の次期女将になる可能性大じゃん。だから俺、婿養子になるよ! 全力でサポートするって決めてるから! そのために、もう既にいろんな勉強してるんだぁ。俺の世界も人生もぜーんぶ、ひーちゃんを中心に回ってるから、何があっても安心してて!」
やや垂れ気味の大きな目がキラキラしてるのをとても可愛いなぁと眺めてたら、戦慄もののポジティブ宣言を聞かされた。
自分もポジティブなほうだが、凪のポジティブ脳は突き抜けてる。婿養子になる決意を固めてる高校一年生、全国に何人いるんだろう。
でも1ミリも病んではいない。ふんわり爽やかに純粋に、私を好きでいてくれてるだけ。
——瀧川ひかる、十八歳。
初めての恋で、婿養子を前提とした婚約者、兼、彼氏(兼、一生涯の鉄壁のボディーガード)ができました。
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