同居人は王子様。

mnkn

文字の大きさ
上 下
23 / 29
戸惑いのハッピーバースデー。

#23

しおりを挟む
何だか、あおいがソワソワしている。


そう感じたのは、あの仲直りから二週間後のことだった。



「レオン、あのさ、相談があるんだけど」

「....なんだ?」

「レオンは誕生日にもらって嬉しいものって、ある?」

なんてことを、顔を赤らませたあおいに聞かれた。



....こいつ、俺がもう少しで誕生日だってことを知ってるのか?

言った覚えは無いんだが......

まあいい。

「俺は、そうだな.....」

ふと考えてみたが一応可愛がられてはいないとはいえ、王家の人間だった俺は金とモノには不自由したことがなかった。

そんな物欲がほぼ無に等しい俺にとっては、非常にこの質問は難問だった。

.....だが、ひとつだけ。

モノでは無いが、ひとつだけ望みはある。

「.....お前が祝ってくれたら、それだけで充分だ」

そう言って、自分で照れ臭くなってバスルームへと逃げた。


これが、俺の誕生日のちょうど5日前の出来事だった。





「....いや、ちゃんと相談乗ってくれよ」

あおいはレオンがいなくなった部屋でポツリと呟いた。

あと6日後、来週の金曜日が目黒さんの誕生日だと本人から聞いた。

この前、朝のエレベーター前で目黒さんが言いかけたこと。

それは、誕生日に一緒に過ごしてほしいということだった。


人気者の目黒さんなら、きっと、もっとお祝いしてくれる人もいるはず......

だけど、一緒に過ごしてほしいって言われた.....

これって、2人きりって解釈で合ってるよね?

だとしたら、やっぱ、もしかしてもしかすると、両思い.....だったり.......?

あおいはほっぺたを両手で挟んだ。

「よし、牧瀬あおい。頑張って目黒さんと付き合うぞ!!!!!!」

あおいの目は、炎でメラメラと燃えている。


なんだかんだ言って、レオンってセンスいいからな。


明日は日曜だからレオンを引き連れてプレゼント選びに行こう!!!


そう、決意したあおいだった。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

サンタが街に男と女とB29

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:6

10年前のあなたへ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

昇れ! 非常階段 シュトルム・ウント・ドランク

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

最近の美少女はお金で俺を買うらしい

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

世界の中心は君だった

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

水底からみる夢は

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

プライド

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

処理中です...