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第1章 カウントダウン
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はっ、と息をついて翔は目を覚ました。咄嗟に確認をするのは、腕の中の存在。
眠った時のまま、花音の寝顔を確認して、ふっと肩の力が抜けた。
夢ともつかない、曖昧ななにかを見ていた。昔のこと。子どもの頃のこと。
物心がついた時にはもう、今の仕事をしていた。決して売れていたわけではない。ただ、そのための習い事は詰め込まれていて、同じ年頃の子と当たり前に遊んだ記憶はない。
親は結婚もせずに自分たち兄弟を産んでいて、だから、戸籍の父親に名前がない兄弟もいる。いや、その言い方は違う。父親の名前は、自分にしか載っていない。そんないい加減な親が厭わしかった。厭わしい原因は、それだけではない。自分のことには過干渉とも思えるくらいに口を出し、習い事を詰め込み、そして弟妹を放置した。弟妹の面倒を小さい頃から見ながら、そんな親が分からなかった。習い事で自分の時間も持てない合間に弟妹のおむつだって、替えていた。
同じ年頃の子と関わらないからか、その家庭環境ゆえか、それとも両方か。笑い方がわからなかった。笑う演技は苦手だった。ただ、学んでいくから、演技として笑うことはできるようになるけれど、本心から笑うことが尚更わからなくなった。
自分といる時に、弟妹たちは楽しそうに笑うのに。
自分が面倒を見ない代わりに、シッターが定期的に様子を見てくれていた。その人が、小学生の時に、誘ってくれたのだ。今度遊びに来ない?と。
異例のことではあるけれど、多分、彼女は、心配してくれていたのだ。そんな生活をしている子どもを。子どものいない彼女は自分たち夫婦の家に1泊で泊まりに来ることを提案し、その時に、やはり面倒を見ている子のお家と遊びに行こうと言った。その子のお姉ちゃんが、ちょうど同じ年だからと。
別に、同じ年頃の子に興味はなかった。周りはいつも大人ばかりで、仕事場で会う子は、同じような環境の子が多く、むしろそうではない子どもとの接し方なんて分からなかった。
演技の勉強。そのくらいのつもりで、行くと言った。「両親」が家にいるような環境が、シッター夫婦の家に泊まれば体験できるかもしれない。同じ年頃の子と遊びに、家族ぐるみで出かけることも。
そこで、花音に会った。
寝直そうと、もう一度丁寧に花音を抱き寄せようとして、花音を挟んだ向こう側の気配にようやく気付いた。当たり前のような顔で、飼い犬のレンが眠っている。
こいつがベッドに上がってきたのも気づかずに熟睡していたのかと思うと、なんだか笑えてきた。
親との関係は最悪で、それでも「和解」のようなことができたのはごく最近だ。親が病気と分かり、そのままにして後味の悪さをずっと持ち続けるのなんてばからしいと、歩み寄った程度だけれど。シッターだった彼女に、手紙でそのことを報告だけした。我が家の親子関係を心配し、自宅に招いてくれたほどの人だから。いや、花音の消息を聞けるかという打算もあった。
まだ、彼女が時折きていた頃に花音の家族の様子を話すのを楽しみにしていたのが、多分彼女にはばれていたのだろう。手紙のやり取りでも、触れてくれていた。
ただ、ある時から触れられなくなり、向こうも交流がなくなり分からないのかと思ったが、もしかしたら、隼人のことなどがあり、花音のプライベートの変化で書かなくなったのかもしれない。確かに、本人の了承もなく書けることではないだろう。
だから、彼女の方から訪ねてきた時には驚いた。もちろん、その話の内容にもだけれど、たった一度会っただけの自分を覚えていたことに。
隼人の実の父親の家族と会うのは、某テーマパークになった。せっかくの休みにみんなで出かけるなら大人の事情に関係なく、隼人が楽しめる場所がいい。そして、隼人は行ったことがないと言うから、花音を通して提案をしてもらえば向こうからも快諾された。
「土師っ!」
明るい声で呼んで花音が手を振ると、入り口前に立っていた青年が手を振り返す。駐車場に着いたところで連絡していたようだから、待ってくれていたのだろうけれど。
「彼は?」
「ひろくん」
手をつないでいる隼人が教えてくれる。
歩み寄れば、花音よりも先に翔の方に目を向け、測るように目を細めた。
「はじめまして。隼人の叔父の尋人です」
差し出された手を握り返しながら翔も挨拶をするのを、花音は複雑な顔で眺めている。ここまでのことは求めていなかったのにとずっと口にしているから、そのせいだろう。
「両親は先に中に入ってもらって、座れるところを取ってもらってるから」
「えっ」
驚いた顔をする花音に、尋人と名乗った青年はにやっと笑ってみせた。
「人混み嫌いだからここに来たことずっとないだろ。並ばないとお茶もできないぞ?」
「うるさいよ、土師」
軽く睨まれてもどこ吹く風の青年を横目に見ながら、翔は花音を不思議そうに眺める。義理の兄弟と言うには随分と気安い様子で。
「名字で呼ぶの?」
とりあえず、どう聞いたものかと思いながら口にすれば、花音が答える前に尋人が笑った。
「兄貴のことも結局最後まで土師さん呼ばわりだったもんな」
「よけいなこと、言わないでよ」
「もう、それがあだ名みたいなもんなんだろうなあって、兄貴笑ってたもんな」
ふくれてそっぽを向いた子どもっぽい仕草を眺めながら、翔は苦笑いになる。自分の呼び方も全然なおらないのと重なって。
「おれは大学のサークルの後輩なんです。偶然ですけどね。だから、あの扱い」
「先輩に対する扱いにも見えないと思うけど」
しっかり言い返す花音を見ながら、まあ、そうだな、と頷く。それほどに親しげな様子は、本当の兄弟でも通じるほど。花音が親しい人と一緒にいる姿を見るのは初めてで、その様子がなんだか微笑ましい。
その距離感を羨ましく思いながら、隼人と手をつないだまま翔はテーマパークに入園した。
尋人が言った通り、座れる場所、カフェレストランの席を確保していた土師の両親のところに行くと、隼人が嬉しそうに駆け寄り、それを抱きとめながらこちらに向けられた視線の柔らかさに、翔は自然と頭を下げていた。花音の横でそうする姿を少し長め、向こうも綺麗にお辞儀をする。困り顔の花音が、やはり頭を下げていた。
一度腰を落ち着けてそれぞれに好きなものを飲みながら花音が一通り紹介をした後、それじゃあ早速と、土師の母が小さな紙を2枚、花音に渡す。
「これ、尋人に聞いてとっておいたから、これを使って隼人と乗ってきて?」
え、という顔をする花音に、土師の父がいたずらっぽく笑った。
「君がいると聞きにくいことも聞くから、しばらく席を外して隼人と遊んできなさい」
やんわりと言われれば、花音も苦笑いになる。せっかく来たのだから、大人の事情に関係なく隼人を遊ばせてやりたいと言う気遣いもそこにはある。
「お母さんと二人で?」
みんな一緒じゃないのかと怪訝な顔になる隼人に、尋人が笑いながら立ち上がろうとする。
「じゃあおれも行くか」
「あなたはここにいなさい」
きっぱりと母親に言われてすごすごと腰を下ろし直す様子を見て、楽しそうに隼人が笑い、花音も笑う。
優しい家族の様子に、翔は気を引き締め直した。
眠った時のまま、花音の寝顔を確認して、ふっと肩の力が抜けた。
夢ともつかない、曖昧ななにかを見ていた。昔のこと。子どもの頃のこと。
物心がついた時にはもう、今の仕事をしていた。決して売れていたわけではない。ただ、そのための習い事は詰め込まれていて、同じ年頃の子と当たり前に遊んだ記憶はない。
親は結婚もせずに自分たち兄弟を産んでいて、だから、戸籍の父親に名前がない兄弟もいる。いや、その言い方は違う。父親の名前は、自分にしか載っていない。そんないい加減な親が厭わしかった。厭わしい原因は、それだけではない。自分のことには過干渉とも思えるくらいに口を出し、習い事を詰め込み、そして弟妹を放置した。弟妹の面倒を小さい頃から見ながら、そんな親が分からなかった。習い事で自分の時間も持てない合間に弟妹のおむつだって、替えていた。
同じ年頃の子と関わらないからか、その家庭環境ゆえか、それとも両方か。笑い方がわからなかった。笑う演技は苦手だった。ただ、学んでいくから、演技として笑うことはできるようになるけれど、本心から笑うことが尚更わからなくなった。
自分といる時に、弟妹たちは楽しそうに笑うのに。
自分が面倒を見ない代わりに、シッターが定期的に様子を見てくれていた。その人が、小学生の時に、誘ってくれたのだ。今度遊びに来ない?と。
異例のことではあるけれど、多分、彼女は、心配してくれていたのだ。そんな生活をしている子どもを。子どものいない彼女は自分たち夫婦の家に1泊で泊まりに来ることを提案し、その時に、やはり面倒を見ている子のお家と遊びに行こうと言った。その子のお姉ちゃんが、ちょうど同じ年だからと。
別に、同じ年頃の子に興味はなかった。周りはいつも大人ばかりで、仕事場で会う子は、同じような環境の子が多く、むしろそうではない子どもとの接し方なんて分からなかった。
演技の勉強。そのくらいのつもりで、行くと言った。「両親」が家にいるような環境が、シッター夫婦の家に泊まれば体験できるかもしれない。同じ年頃の子と遊びに、家族ぐるみで出かけることも。
そこで、花音に会った。
寝直そうと、もう一度丁寧に花音を抱き寄せようとして、花音を挟んだ向こう側の気配にようやく気付いた。当たり前のような顔で、飼い犬のレンが眠っている。
こいつがベッドに上がってきたのも気づかずに熟睡していたのかと思うと、なんだか笑えてきた。
親との関係は最悪で、それでも「和解」のようなことができたのはごく最近だ。親が病気と分かり、そのままにして後味の悪さをずっと持ち続けるのなんてばからしいと、歩み寄った程度だけれど。シッターだった彼女に、手紙でそのことを報告だけした。我が家の親子関係を心配し、自宅に招いてくれたほどの人だから。いや、花音の消息を聞けるかという打算もあった。
まだ、彼女が時折きていた頃に花音の家族の様子を話すのを楽しみにしていたのが、多分彼女にはばれていたのだろう。手紙のやり取りでも、触れてくれていた。
ただ、ある時から触れられなくなり、向こうも交流がなくなり分からないのかと思ったが、もしかしたら、隼人のことなどがあり、花音のプライベートの変化で書かなくなったのかもしれない。確かに、本人の了承もなく書けることではないだろう。
だから、彼女の方から訪ねてきた時には驚いた。もちろん、その話の内容にもだけれど、たった一度会っただけの自分を覚えていたことに。
隼人の実の父親の家族と会うのは、某テーマパークになった。せっかくの休みにみんなで出かけるなら大人の事情に関係なく、隼人が楽しめる場所がいい。そして、隼人は行ったことがないと言うから、花音を通して提案をしてもらえば向こうからも快諾された。
「土師っ!」
明るい声で呼んで花音が手を振ると、入り口前に立っていた青年が手を振り返す。駐車場に着いたところで連絡していたようだから、待ってくれていたのだろうけれど。
「彼は?」
「ひろくん」
手をつないでいる隼人が教えてくれる。
歩み寄れば、花音よりも先に翔の方に目を向け、測るように目を細めた。
「はじめまして。隼人の叔父の尋人です」
差し出された手を握り返しながら翔も挨拶をするのを、花音は複雑な顔で眺めている。ここまでのことは求めていなかったのにとずっと口にしているから、そのせいだろう。
「両親は先に中に入ってもらって、座れるところを取ってもらってるから」
「えっ」
驚いた顔をする花音に、尋人と名乗った青年はにやっと笑ってみせた。
「人混み嫌いだからここに来たことずっとないだろ。並ばないとお茶もできないぞ?」
「うるさいよ、土師」
軽く睨まれてもどこ吹く風の青年を横目に見ながら、翔は花音を不思議そうに眺める。義理の兄弟と言うには随分と気安い様子で。
「名字で呼ぶの?」
とりあえず、どう聞いたものかと思いながら口にすれば、花音が答える前に尋人が笑った。
「兄貴のことも結局最後まで土師さん呼ばわりだったもんな」
「よけいなこと、言わないでよ」
「もう、それがあだ名みたいなもんなんだろうなあって、兄貴笑ってたもんな」
ふくれてそっぽを向いた子どもっぽい仕草を眺めながら、翔は苦笑いになる。自分の呼び方も全然なおらないのと重なって。
「おれは大学のサークルの後輩なんです。偶然ですけどね。だから、あの扱い」
「先輩に対する扱いにも見えないと思うけど」
しっかり言い返す花音を見ながら、まあ、そうだな、と頷く。それほどに親しげな様子は、本当の兄弟でも通じるほど。花音が親しい人と一緒にいる姿を見るのは初めてで、その様子がなんだか微笑ましい。
その距離感を羨ましく思いながら、隼人と手をつないだまま翔はテーマパークに入園した。
尋人が言った通り、座れる場所、カフェレストランの席を確保していた土師の両親のところに行くと、隼人が嬉しそうに駆け寄り、それを抱きとめながらこちらに向けられた視線の柔らかさに、翔は自然と頭を下げていた。花音の横でそうする姿を少し長め、向こうも綺麗にお辞儀をする。困り顔の花音が、やはり頭を下げていた。
一度腰を落ち着けてそれぞれに好きなものを飲みながら花音が一通り紹介をした後、それじゃあ早速と、土師の母が小さな紙を2枚、花音に渡す。
「これ、尋人に聞いてとっておいたから、これを使って隼人と乗ってきて?」
え、という顔をする花音に、土師の父がいたずらっぽく笑った。
「君がいると聞きにくいことも聞くから、しばらく席を外して隼人と遊んできなさい」
やんわりと言われれば、花音も苦笑いになる。せっかく来たのだから、大人の事情に関係なく隼人を遊ばせてやりたいと言う気遣いもそこにはある。
「お母さんと二人で?」
みんな一緒じゃないのかと怪訝な顔になる隼人に、尋人が笑いながら立ち上がろうとする。
「じゃあおれも行くか」
「あなたはここにいなさい」
きっぱりと母親に言われてすごすごと腰を下ろし直す様子を見て、楽しそうに隼人が笑い、花音も笑う。
優しい家族の様子に、翔は気を引き締め直した。
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