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【番外編】クロバイとの日々 ライVer.

12☆ 最終回

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___儀式当日___

あれからママと姉さんに連れられ、精霊の森でピッカピカにされた……文字通り…
実家への挨拶はクロバイが本来の姿となってキチンと挨拶を済ませた。

あとは…

『あなたが身体1つでクロバイに嫁ぐことよね♪』

「……ママ…ホント、シオンの記憶に毒されたよね……」

『あら?そう?』
『あ、そろそろみんな待ってるわよ。』

今日の結びの儀式はお世話になってるカイエやエンジュは参加しているが、精霊も多く集まるので精霊を知っている身内だけでの式となる。
両親は結局呼ばなかった。

ベールを被り、ママと姉さんに手を引かれて精霊の樹の前に行くと、既にみんなが待っていた。

『クロバイ、お待たせ。』
『ピッカピカにしたわよ♪』

2人に背中を押され、クロバイの前に立った。
今日のクロバイは白のスーツに白のローブで、それぞれに金の刺繍が施されている。

……どうしよう……ドキドキする……

「ライ…手を…」

クロバイに手を差し伸べられ、俺は手を伸ばした。

___ライ おめでと~ ライ これ あげる♪___

精霊達が俺のベールに花を飾り、1本1本色々な花を渡してくれて、沢山集まった所でクロバイが魔法でブーケにしてくれた。
そして、ママの前で俺達はお互い向き合い……儀式が始まる。


「「私達2人は…本日皆様の前で儀式を行える事を感謝し…ここに、結びの誓いを致します。」」

「私…精霊王クロバイは死を分かつとも…この愛しいライを……永遠に愛する事をここに誓う。お前には…沢山の事を私に教えてくれた。これからも……沢山のことを私に教えて欲しい。」

「私…ライラックは…愛しい精霊王クロバイを永遠に愛する事をここに誓う。」

駄目だ……気持ちが溢れてしまう……

「……前に貴方がシオンに嫉妬すると言ったけど…」

「え?!俺⁉」
「え⁉クロバイッ?!」
「え゛?!お前っ!!」

そばにいたシオン・カヤ・オークがそれぞれの反応を示すが、そんな事はどうでも良い。

「…俺は……幼馴染に嫉妬してた……」

「ライ…」

「でも…俺は幼馴染に負けないくらい貴方を愛してる。クロバイ、幼馴染に嫉妬されるくらい、幸せになろ?」

「…フッ……そうだな。」

『では、誓いのキスを。』

ママに言われ、俺が軽くしゃがむとクロバイが俺のベールを少し上げた。

「…その顔を…みんなに見せるのは少し嫌だな…」

「……バカ……」

こそっと言われ、思わず顔が赤くなる。
そしてみんなが見えないようにほんの少しだけしか上げなかった俺のベールに潜るように、クロバイは俺にキスをした。


___パァアアアアンッ!!!___


光と共に沢山の花びらが空を舞う。
あぁ……俺は……今度こそ、大好きな人と共に生きていけるんだ。


********


「……ここが新居?」

「そうだ。」

精霊の森のすぐそばで、普通の人には見えない。
しばらくローズウッド家で執事の仕事をカヤに引き継いだら、ゆっくりと余生を過ごしたいらしい。
俺もクロバイと離れたくないから、クロバイが辞めるまでアッシュ様の助手として手伝う事にした。

2人で住むには少し広くて………子どもが増えて丁度良い広さの家……


……そして……


___カチャ___


「ライ!砂糖貸して~。」

「うん、今日はどうしたの?」

「おぉ!今日は桃と品種改良して食べられる薔薇を収穫したから、桃と薔薇のジャムと…薔薇の紅茶を作りたいんだよね。そしたら砂糖が足りなくて。」

勝手知ったる…で、俺とライは徒歩圏内の家を出入りしている。
……そう、シオンは断罪されなかったけどオークが断罪?されたのだ。
断罪先はなんと我が家の近く。
王宮からしたら僻地だけど、調査の後にクロバイが俺の為に一生懸命開拓してくれた土地に3人がやって来た。

精霊も森からすぐ近く。
なので、俺とクロバイがローズウッド家へ行くのはもちろん、シオンもこっそり行き来している。

3人が住んでいる家は、シオンが前世に住んだ家によく似ていた。
シオンが帰った後、明日の仕事に備えて下準備をする。
アッシュ様は自分の時の様にはさせまいと、よく休みをくれる。
ホワイト企業過ぎて申し訳ないんだけど…今度家で作ったハーブティ持っていこう。


___ライ___


精霊の光の玉が1つ、俺にクロバイの帰宅を知らせてくれる。
シオンにも懐いてる精霊がいたけど、俺にも最近懐いてくれる精霊が出来た。

「あ、ありがと。」

___ライ 今日何するの?___

「今日は……トマトもだけど、野菜が沢山熟してたし…ミネストローネかなぁ…」

___みねす……ろ…???___

「フフッ…トマトのスープだよ。」

___わたしも たべる~___

「?精霊も…食べれるのかな?」

「……食べられないと思うぞ……チュッ。」

「んっ…クロバ………んぅ…」

精霊の光の玉と話しながら食材をキッチンテーブルに揃えていたら、帰ってきたクロバイに抱き締められてそのまま顔を後ろへ向かされてキスをした。

「………ん………お…帰………ぅっ……」

「……ただい…ま………チュク…」

優しく舌が入り、俺の弱い上顎を丹念に擦られる。

「……ん…ごは………んんっ…」

「……それよりも……チュ……お前が……チュ……欲しい……チュウッ…」

「あっ…んっ……もぅっ………」

しょうがないなぁ………俺はクロバイの首に腕を回す。

「……腰…立たなくなちゃった……ベッド……連れてって…?」

「……フッ……喜んで……チュッ。」

クロバイが俺を横抱きにして額にキスをしてくれた。
フフッ…くすぐったい。

大きく口を開いて笑うわけではないのだけど、最近のクロバイはよく笑うようになった。
笑って共に過ごせるのは嬉しい……そして…夜は……

___ギシッ…ギッ……ギシッ!___

「ん……あっあっあっ……あぁっ!深っ…ぃっっ!!」

「……くっ…ラ…イッ!」

クロバイの全てを受け入れられる身体になって、俺は毎夜クロバイに抱かれて快感に翻弄されてる。
俺達はいつまで生きていけるのか分からない。
でも、それは妖精王の愛し子じゃないくても同じ事だ。

俺は……死を分かつとも……この人とずっと一緒にいられるのだから。

end.
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