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3章。魔王の領地奪還作戦
19話。聖堂騎士団を返り討ちにする
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2日後──
「ふぅ~っ。まさか、いきなり2個中隊も投入して、俺たちを襲いに来るなんてな。2週目の世界に行きたいのは、ヨハン個人じゃなくて……教皇か?」
「ひぃいいいいい! 殺さないで、殺さないでぇ!」
俺の目の前には、一網打尽にした聖堂騎士団が折り重なって倒れていた。
こいつらを誘うために野営したところ、300人規模で襲撃してきたのだ。
土下座して必死に命乞いしているのは、指揮官だった。利用価値があるため、あえてひとりだけ残しておいた。
「この数を、魔法を使わずに倒すのは骨が折れたのじゃ」
グリゼルダが、疲れた息を吐いていた。
グリゼルダとサーシャには魔法を使わず、なるべく敵の肉体を損壊させずに、全滅させるように頼んでいた。
俺が麻痺効果のある【黒雷(くろいかずち)】を放ち、グリゼルダたちが急所を貫くという戦法を取った。
「グリゼルダ、良くやってくれた。おかげで、グリゼルダの領地奪還に一歩近づいたぞ」
「なんと!? うれしいのじゃ!」
俺がねぎらうと、グリゼルダは飛び上がって喜んだ。
これであの魔法を試すことができる。
使うだけで、神への反逆とみなされる禁断の闇魔法だ。1周目の世界では決して使わなかった。
「最後に残った、この方はいかがしましょうか?」
「はぁひゃあああああッ!」
サーシャが男の首筋に、ナイフを突きつける。
せっかく新しい服を買ってあげたのだが、サーシャはメイド服を着ていた。ゴミ掃除をするなら、この服なのだそうだ。
「死にたくなかったら、俺の質問に答えるんだ。聖女コレットは、王城のどこに幽閉されている? お前は誰の指示で俺を襲ったんだ?」
「知りません、知りません! 私は単なる現場指揮官です! 命令は伝令を通して上から来たので、わかりません!」
男は必死に首を振った。
……そうだろうな。敗れた場合に、俺に情報を渡すような愚を聖教会は犯さないだろう。
「よし。準備ができたな、【ネクロマンス】発動!」
地面に描いた魔法陣に魔力が満ち、禁断の魔法が発動する。
死んだ300人の聖堂騎士が、緩慢な動作で起き上がった。
「ひぃいいいい!」
指揮官が縮み上がった。
「なんと、300人規模の死霊操作とは! さすがはわらわの魔王様なのじゃ。恐るべき闇の力!」
「なるほど。なるべく損壊の少ない死体を手に入れたかったのは、死者の軍団を組織するためだったのですね」
サーシャが感嘆の息を吐く。
「そうなんだ。俺が直接操る強力な軍団が欲しかったんだ」
一糸乱れぬ統率の取れた行動と、死を恐れない勇猛さ。その両方を兼ね備えたのが、このアンデッド軍団だ。
元となるのは、重武装した精鋭の聖堂騎士なので、戦力としてこれ以上無いものだった。
「こ、こここ、このようなこと、神はお許しにならんぞ! 邪悪な黒魔術師め!」
指揮官が俺を断罪する。
「神が許さない? クズのような人間に勇者や聖者のクラスを与える神なんて、俺の方こそ許さない」
「ひぃ!」
コレットのような心のやさしい人間が利用されて苦しみ、ヨハンのような下衆が高笑いしている。そんな状況を放置するどころか、あえて作り出した神など、俺は1ミリも信じていない。
それに聖堂騎士団は、コレットを奪い去った憎い敵だ。俺の目の前に現れたら、全員、地獄に落とすと決めていた。
「マスターよ。監視者を片付けてきたぞ」
アークデーモンが空を飛んで戻って来た。
俺たちを追跡、監視していた聖教会の手の者を、アークデーモンに命じて討ち取らせたのだ。
「ご苦労。これで、ここで起きたことは聖教会には伝わらないな」
俺が手勢を増やしたことは、誰にも知られたくなかった。
未知の戦力があればこそ、奇襲は成功する。
「はひぃ、じょ、上位悪魔……ッ!?」
アークデーモンを目の当たりにした指揮官は、声を震わせた。
「お前に選ばせてやる。こいつら同様、アンデッドになって俺の捨て駒にされるか。【魔王軍の幹部】の地位を得て、俺の元で栄華を極めるかだ。どうする? 5秒以内に選べ」
「……は、は、はひぃ! 忠誠を誓います! 魔王カイ様に忠誠を誓いますから、どうかアンデッドにはしないでくださぃいいいいッ!」
指揮官は号泣して叫んだ。
こいつは取るに足りない小物だが、指揮官クラスの者を寝返らせることができたのは大きい。
せいぜい、利用させてもらうとしよう。
俺はコレットの【時のミサンガ】を握り締めた。コレットを取り戻すためなら、俺はどんな手段でも取るつもりだ。
『聖堂騎士団300人を返り討ちにし、アンデッドの軍団にしました。おめでとうございます。最高の悪事です! 【イヴィル・ポイント】1200を獲得しました!』
「ふぅ~っ。まさか、いきなり2個中隊も投入して、俺たちを襲いに来るなんてな。2週目の世界に行きたいのは、ヨハン個人じゃなくて……教皇か?」
「ひぃいいいいい! 殺さないで、殺さないでぇ!」
俺の目の前には、一網打尽にした聖堂騎士団が折り重なって倒れていた。
こいつらを誘うために野営したところ、300人規模で襲撃してきたのだ。
土下座して必死に命乞いしているのは、指揮官だった。利用価値があるため、あえてひとりだけ残しておいた。
「この数を、魔法を使わずに倒すのは骨が折れたのじゃ」
グリゼルダが、疲れた息を吐いていた。
グリゼルダとサーシャには魔法を使わず、なるべく敵の肉体を損壊させずに、全滅させるように頼んでいた。
俺が麻痺効果のある【黒雷(くろいかずち)】を放ち、グリゼルダたちが急所を貫くという戦法を取った。
「グリゼルダ、良くやってくれた。おかげで、グリゼルダの領地奪還に一歩近づいたぞ」
「なんと!? うれしいのじゃ!」
俺がねぎらうと、グリゼルダは飛び上がって喜んだ。
これであの魔法を試すことができる。
使うだけで、神への反逆とみなされる禁断の闇魔法だ。1周目の世界では決して使わなかった。
「最後に残った、この方はいかがしましょうか?」
「はぁひゃあああああッ!」
サーシャが男の首筋に、ナイフを突きつける。
せっかく新しい服を買ってあげたのだが、サーシャはメイド服を着ていた。ゴミ掃除をするなら、この服なのだそうだ。
「死にたくなかったら、俺の質問に答えるんだ。聖女コレットは、王城のどこに幽閉されている? お前は誰の指示で俺を襲ったんだ?」
「知りません、知りません! 私は単なる現場指揮官です! 命令は伝令を通して上から来たので、わかりません!」
男は必死に首を振った。
……そうだろうな。敗れた場合に、俺に情報を渡すような愚を聖教会は犯さないだろう。
「よし。準備ができたな、【ネクロマンス】発動!」
地面に描いた魔法陣に魔力が満ち、禁断の魔法が発動する。
死んだ300人の聖堂騎士が、緩慢な動作で起き上がった。
「ひぃいいいい!」
指揮官が縮み上がった。
「なんと、300人規模の死霊操作とは! さすがはわらわの魔王様なのじゃ。恐るべき闇の力!」
「なるほど。なるべく損壊の少ない死体を手に入れたかったのは、死者の軍団を組織するためだったのですね」
サーシャが感嘆の息を吐く。
「そうなんだ。俺が直接操る強力な軍団が欲しかったんだ」
一糸乱れぬ統率の取れた行動と、死を恐れない勇猛さ。その両方を兼ね備えたのが、このアンデッド軍団だ。
元となるのは、重武装した精鋭の聖堂騎士なので、戦力としてこれ以上無いものだった。
「こ、こここ、このようなこと、神はお許しにならんぞ! 邪悪な黒魔術師め!」
指揮官が俺を断罪する。
「神が許さない? クズのような人間に勇者や聖者のクラスを与える神なんて、俺の方こそ許さない」
「ひぃ!」
コレットのような心のやさしい人間が利用されて苦しみ、ヨハンのような下衆が高笑いしている。そんな状況を放置するどころか、あえて作り出した神など、俺は1ミリも信じていない。
それに聖堂騎士団は、コレットを奪い去った憎い敵だ。俺の目の前に現れたら、全員、地獄に落とすと決めていた。
「マスターよ。監視者を片付けてきたぞ」
アークデーモンが空を飛んで戻って来た。
俺たちを追跡、監視していた聖教会の手の者を、アークデーモンに命じて討ち取らせたのだ。
「ご苦労。これで、ここで起きたことは聖教会には伝わらないな」
俺が手勢を増やしたことは、誰にも知られたくなかった。
未知の戦力があればこそ、奇襲は成功する。
「はひぃ、じょ、上位悪魔……ッ!?」
アークデーモンを目の当たりにした指揮官は、声を震わせた。
「お前に選ばせてやる。こいつら同様、アンデッドになって俺の捨て駒にされるか。【魔王軍の幹部】の地位を得て、俺の元で栄華を極めるかだ。どうする? 5秒以内に選べ」
「……は、は、はひぃ! 忠誠を誓います! 魔王カイ様に忠誠を誓いますから、どうかアンデッドにはしないでくださぃいいいいッ!」
指揮官は号泣して叫んだ。
こいつは取るに足りない小物だが、指揮官クラスの者を寝返らせることができたのは大きい。
せいぜい、利用させてもらうとしよう。
俺はコレットの【時のミサンガ】を握り締めた。コレットを取り戻すためなら、俺はどんな手段でも取るつもりだ。
『聖堂騎士団300人を返り討ちにし、アンデッドの軍団にしました。おめでとうございます。最高の悪事です! 【イヴィル・ポイント】1200を獲得しました!』
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