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3章。魔王の領地奪還作戦
26話。勇者アレス、詐欺と下着ドロボーで指名手配される
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【勇者アレス視点】
「まさか勇者様に、お会いできるとは思ってもおりませんでしたわ!」
「ブヒャヒャヒャ! いや、まったく九死に一生だったぜ!」
俺様はご馳走を頬張りながら、笑い声を上げた。
ここは聖王都にある貴族屋敷だ。目の前に座っているのは、胸の大きな貴族のお嬢様だ。
森に捨てられて、あわや魔物の餌になりかけた俺様は、偶然通り掛かったこの娘に拾われた。
なんでも、旅行帰りだったらしい。
そのため、この娘は俺様が実家から追放されたことなど知らなかった。
両親に先立たれたというこの娘は、俺様の【光の紋章】を見て、俺様を勇者として崇め奉っていた。
おかげで、うまい飯にありつけている。
ブヒャヒャヒャ! これぞ勇者の特権だぜ。
「今夜はゆっくりお休みになってください。わたくしは、叔父様のところに顔を出してきますわ」
「へぇ? 帰ってきてそうそう屋敷を留守にするのかよ」
「はい。叔父様がわたくしの後見人になってくださっていますので。アレス様をお泊めしていることをご報告しないと。見知らぬ殿方がこの屋敷にいると突然知ったら、きっと叔父様はびっくり仰天してしまいますわ」
お嬢様は優雅に微笑んだ。
くはっ! なかなか俺様好みのかわいい娘だ。特に揺れる巨乳がイイ。
今夜は、この娘に夜這いをかけちまおうかな。
俺様は舌なめずりした。
「ああ、いいぜぇ、行ってきな。俺様はその間、勇者としての務めを果たす」
「はい! がんばってください、アレス様!」
お嬢様は瞳を尊敬に輝かせた。
まったくチョロい娘だぜ。
彼女を見送って、俺様は人心地つく。
それから、さっそく行動を開始した。
「おい! この屋敷の有り金を、全部差し出せ! 勇者である俺様の軍資金にする!」
「は、はい……?」
俺様に命令されたメイド長が、目を白黒させた。
「グスグスするな! 俺様の偉大な冒険を邪魔する気か!? 勇者に協力しないようなヤツは、魔王の手先だ! ぶっ殺してやるぞぉおおおッ!」
「なっ!? お待ち下さい勇者様! そのようなご無体を、お嬢様の留守中に申されては!?」
「うるさい黙れ! そのお嬢様の許可は得ているんだぞ! 勇者のお務め、がんばってくださいってな、ブヒャヒャヒャ!」
「りゃ、略奪が勇者のお務め……?」
「人聞きの悪いことを抜かすな! これは勇者特権だ。正義を成すために必要なことなんだぞ!」
「ひ、ひぃいいい!?」
メイド長を小突いてやると、無様な悲鳴を上げた。
ふぅ~。腹がいっぱいになって、ようやく調子が戻って来たぜ。
俺様の右手には勇者の証である【光の紋章】が輝いている。
へへっ、よくわからねぇが、兄貴にかけられた呪いは、もう効果が無くなったみてぇだな。
「やっぱり俺様は勇者! 何をしても許されるんだぁ! おい、1時間以内に金を用意しろ! ああっ、あとメイドの中でもきれいどころを集めるんだ。かわいがってやる!」
俺様はそのまま我が物顔で、屋敷を闊歩する。
この屋敷内のすべては、お嬢様も含めて俺様のモノだ。
そう思うと実に気分が良かった。最高だ。
すると、お嬢様の私室と思わしき部屋に出くわした。
「あひゃッ! 勇者になったら、ぜひやってみたいことがあったんだよな」
俺様は部屋のドアを蹴破って、中に入る。
タンスをごそごそ漁ると、お嬢様の下着が入っていた。
おおっ、コレコレ。
「クンカクンカ! スーハースーハー! ひゃああああッ、いい匂いだなぁ~」
このブラジャーがお嬢様の巨乳を包んでいたと思うと、妄想がはかどるぜ。
芳しい少女の香りに、俺様はうっとりした。
「ゆ、勇者様、なにぉおお……?」
やってきたメイドたちがドン引きした様子で、俺様を見ていた。メイド長は言われた通り、美しい娘を集めたようだ。
「あっ? 勇者特権の行使だよ、行使! 勇者になったら、かわいい女の子のタンスを漁る! これぞ、男のロマンだろう?」
いくら女が手に入る立場になってもロマンを忘れない。これぞ、真の男。これぞ、勇者だぜぇええ。
「こっ、ここここんな男が勇者様のハズがありません! 衛兵に連絡を!」
「ヒャッハー! バカめ。俺様は勇者だぞ! 誰も俺様を裁くことはできねぇ。この栄光なる【光の紋章】が目に入らねぇか!? お前ら、これから俺様の夜の相手を…」
なに……?
俺様は【光の紋章】が【暗黒の紋章】に変わっていることに気づいて、愕然とした。
その場の空気が凍りつく。
まだ、兄貴にかけられた呪いが解けた訳じゃなかったのか!?
「忘れ物をしたので、取りに戻りましたわ! って、アレス様、な、なにを……?」
その時、お嬢様が小走りにやってきて、俺様を凝視した。
俺様の手には、お嬢様の下着が握られている。
「きゃああああああ!? 変質者ぁああ!?」
「お嬢様、どうされましたか!?」
お嬢様の護衛の騎士も駆け付けてきて、俺様を睨み付けた。
「こ、こいつ、闇属性クラスだったのか!?」
「何が勇者だ!? 俺たちを騙していたんだな、変態め!」
「叩きのめせ!」
騎士たちが剣を抜いて、猛然と襲いかかってきた。
「ちょ!? なんで、また【暗黒の紋章】に変わってやがるんだよ!?」
「嫌! 嫌っ! 衛兵を呼んでぇええ!?」
お嬢様が喚き散らす。
マズイ。このままだと、俺様は犯罪者として逮捕されちまうぞ。
騎士たちを殴り飛ばして、なんとか逃げようとする。
「追えぇええ! 報いを受けさせてやる!」
「ちくしょおおお! 俺様は勇者だぞ! この世で1番偉い俺様が、なんでこんな目にぃいいいい!?」
必死に走って、門から飛び出す。
すると、そこには聖王都を警備する衛兵が集まって来ていた。
慌てていた俺様は、止まろうとして転んでしまう。
「あぎゃあああッ!?」
「取り押さえろ! 勇者を名乗る変質者だぁ!」
衛兵が群がってきた。
俺様は訳がわからないほどに、ボコボコに殴られる。
傷だらけになりながらも、なんとか包囲を突破したが……
勇者である俺様は、詐欺と下着ドロボーで聖王都中に指名手配されることになった。
「まさか勇者様に、お会いできるとは思ってもおりませんでしたわ!」
「ブヒャヒャヒャ! いや、まったく九死に一生だったぜ!」
俺様はご馳走を頬張りながら、笑い声を上げた。
ここは聖王都にある貴族屋敷だ。目の前に座っているのは、胸の大きな貴族のお嬢様だ。
森に捨てられて、あわや魔物の餌になりかけた俺様は、偶然通り掛かったこの娘に拾われた。
なんでも、旅行帰りだったらしい。
そのため、この娘は俺様が実家から追放されたことなど知らなかった。
両親に先立たれたというこの娘は、俺様の【光の紋章】を見て、俺様を勇者として崇め奉っていた。
おかげで、うまい飯にありつけている。
ブヒャヒャヒャ! これぞ勇者の特権だぜ。
「今夜はゆっくりお休みになってください。わたくしは、叔父様のところに顔を出してきますわ」
「へぇ? 帰ってきてそうそう屋敷を留守にするのかよ」
「はい。叔父様がわたくしの後見人になってくださっていますので。アレス様をお泊めしていることをご報告しないと。見知らぬ殿方がこの屋敷にいると突然知ったら、きっと叔父様はびっくり仰天してしまいますわ」
お嬢様は優雅に微笑んだ。
くはっ! なかなか俺様好みのかわいい娘だ。特に揺れる巨乳がイイ。
今夜は、この娘に夜這いをかけちまおうかな。
俺様は舌なめずりした。
「ああ、いいぜぇ、行ってきな。俺様はその間、勇者としての務めを果たす」
「はい! がんばってください、アレス様!」
お嬢様は瞳を尊敬に輝かせた。
まったくチョロい娘だぜ。
彼女を見送って、俺様は人心地つく。
それから、さっそく行動を開始した。
「おい! この屋敷の有り金を、全部差し出せ! 勇者である俺様の軍資金にする!」
「は、はい……?」
俺様に命令されたメイド長が、目を白黒させた。
「グスグスするな! 俺様の偉大な冒険を邪魔する気か!? 勇者に協力しないようなヤツは、魔王の手先だ! ぶっ殺してやるぞぉおおおッ!」
「なっ!? お待ち下さい勇者様! そのようなご無体を、お嬢様の留守中に申されては!?」
「うるさい黙れ! そのお嬢様の許可は得ているんだぞ! 勇者のお務め、がんばってくださいってな、ブヒャヒャヒャ!」
「りゃ、略奪が勇者のお務め……?」
「人聞きの悪いことを抜かすな! これは勇者特権だ。正義を成すために必要なことなんだぞ!」
「ひ、ひぃいいい!?」
メイド長を小突いてやると、無様な悲鳴を上げた。
ふぅ~。腹がいっぱいになって、ようやく調子が戻って来たぜ。
俺様の右手には勇者の証である【光の紋章】が輝いている。
へへっ、よくわからねぇが、兄貴にかけられた呪いは、もう効果が無くなったみてぇだな。
「やっぱり俺様は勇者! 何をしても許されるんだぁ! おい、1時間以内に金を用意しろ! ああっ、あとメイドの中でもきれいどころを集めるんだ。かわいがってやる!」
俺様はそのまま我が物顔で、屋敷を闊歩する。
この屋敷内のすべては、お嬢様も含めて俺様のモノだ。
そう思うと実に気分が良かった。最高だ。
すると、お嬢様の私室と思わしき部屋に出くわした。
「あひゃッ! 勇者になったら、ぜひやってみたいことがあったんだよな」
俺様は部屋のドアを蹴破って、中に入る。
タンスをごそごそ漁ると、お嬢様の下着が入っていた。
おおっ、コレコレ。
「クンカクンカ! スーハースーハー! ひゃああああッ、いい匂いだなぁ~」
このブラジャーがお嬢様の巨乳を包んでいたと思うと、妄想がはかどるぜ。
芳しい少女の香りに、俺様はうっとりした。
「ゆ、勇者様、なにぉおお……?」
やってきたメイドたちがドン引きした様子で、俺様を見ていた。メイド長は言われた通り、美しい娘を集めたようだ。
「あっ? 勇者特権の行使だよ、行使! 勇者になったら、かわいい女の子のタンスを漁る! これぞ、男のロマンだろう?」
いくら女が手に入る立場になってもロマンを忘れない。これぞ、真の男。これぞ、勇者だぜぇええ。
「こっ、ここここんな男が勇者様のハズがありません! 衛兵に連絡を!」
「ヒャッハー! バカめ。俺様は勇者だぞ! 誰も俺様を裁くことはできねぇ。この栄光なる【光の紋章】が目に入らねぇか!? お前ら、これから俺様の夜の相手を…」
なに……?
俺様は【光の紋章】が【暗黒の紋章】に変わっていることに気づいて、愕然とした。
その場の空気が凍りつく。
まだ、兄貴にかけられた呪いが解けた訳じゃなかったのか!?
「忘れ物をしたので、取りに戻りましたわ! って、アレス様、な、なにを……?」
その時、お嬢様が小走りにやってきて、俺様を凝視した。
俺様の手には、お嬢様の下着が握られている。
「きゃああああああ!? 変質者ぁああ!?」
「お嬢様、どうされましたか!?」
お嬢様の護衛の騎士も駆け付けてきて、俺様を睨み付けた。
「こ、こいつ、闇属性クラスだったのか!?」
「何が勇者だ!? 俺たちを騙していたんだな、変態め!」
「叩きのめせ!」
騎士たちが剣を抜いて、猛然と襲いかかってきた。
「ちょ!? なんで、また【暗黒の紋章】に変わってやがるんだよ!?」
「嫌! 嫌っ! 衛兵を呼んでぇええ!?」
お嬢様が喚き散らす。
マズイ。このままだと、俺様は犯罪者として逮捕されちまうぞ。
騎士たちを殴り飛ばして、なんとか逃げようとする。
「追えぇええ! 報いを受けさせてやる!」
「ちくしょおおお! 俺様は勇者だぞ! この世で1番偉い俺様が、なんでこんな目にぃいいいい!?」
必死に走って、門から飛び出す。
すると、そこには聖王都を警備する衛兵が集まって来ていた。
慌てていた俺様は、止まろうとして転んでしまう。
「あぎゃあああッ!?」
「取り押さえろ! 勇者を名乗る変質者だぁ!」
衛兵が群がってきた。
俺様は訳がわからないほどに、ボコボコに殴られる。
傷だらけになりながらも、なんとか包囲を突破したが……
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