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神父 side
現在③
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こうして、ちょうど一年後。神父は約束どおりに落書きを消すため、再びやってきた。
そこで、何者かがベンチの前に佇んでいるのを目撃したのだった。
まもなくして、その若い男は急に飛び上がり、嬉しそうに街の中へと走り去ったのである。
「ぼくの言葉だって誰かに届くんだ!」と叫びながら。
わけのわからないまま神父はベンチに近付き、落書きを見下ろした。そして、以前書いてあった文字の脇に、〝わたしには届いたわ〟との返事が記されているのを確認したのだった。
落書きと走っていく男の後ろ姿を交互に見比べて、彼にはなんとなく事情が飲み込めた気がした。
そこで、何者かがベンチの前に佇んでいるのを目撃したのだった。
まもなくして、その若い男は急に飛び上がり、嬉しそうに街の中へと走り去ったのである。
「ぼくの言葉だって誰かに届くんだ!」と叫びながら。
わけのわからないまま神父はベンチに近付き、落書きを見下ろした。そして、以前書いてあった文字の脇に、〝わたしには届いたわ〟との返事が記されているのを確認したのだった。
落書きと走っていく男の後ろ姿を交互に見比べて、彼にはなんとなく事情が飲み込めた気がした。
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