拝啓お嬢様。専属魔法使いの執事より☆☆こめて

サイケ ミカ

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先輩にも、いろいろいらっしゃる

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『少し付き合いたまえ。聴きたい
   事がある。マキャルナ君は、
   まだ入学して2日で探検に出た。
   それだけアカデミーの情報を
   早く掴んで行動力がある。
   たとえ、学生の暇潰しな、
   七不思議であってもだ。』

モーリス様が
シルクハットを
ブラブラと振り回して
わたくし達に
徐々に詰めよってこられるので
ございます。

『情報を掴むのはバトラーとして
   必要な技術です。から?』

マキャルナも
モーリス様の様子に
何かを悟ったので
ございましょうが、
モーリス様は

お構い無しでございます。

『マキャルナ君は、七不思議を
   いくつ知っているのかな?』

ずいっと
マキャルナにマスカレードを
寄せて
圧を込めた声を掛けて
こられます。

『えっと、、、21ですね。』

マキャルナ、、
って、
その答えは何故でしょう?
思わず
わたくしは声にして
しまいました。

『マキャルナ!それおかしよ。
  どうして7つしかない不思議が
  21もあるんだい?それにもし
  かして、今夜21全部確かめる
  つもりだったの!無茶苦茶だ』

お嬢様!
梟の刻からじゃ、
なんて無謀な計画なのでしょう!

『うん?あれ本当だな。21も
   あるぞ?何故だろ?あれー?』

マキャルナは
ジャケットポケットから
メモを取り出して
数え直してございます。 

マキャルナのバトラーメモは
きっと授業メモでは
ございませんね。

『答えは簡単だ。七不思議が年々
   増えているからだろう。では、
   マキャルナ、聞いた七不思議で
   聞いた相手が全部知っている
   ものは省いてくれ、そして
   ごく少数の学生だけが、教えて
   くれた七不思議を私に教えて
   欲しいんだよ。どうだね?』

ん?モーリス様?

てっきり咎められると
思ってました七不思議探検。
モーリス様の目的は
まさに七不思議なのでしょうか。

『え?!面倒だなー、ですね。』

マキャルナが
巻き毛をグシャとします。
それを、見て
わたくしは
有ることに気が付きました。

『あ、ウジュルマは『妖精王子の
  ピアノ』は知っているけど、
  この悲恋の幽霊は知らないって
  言ってたよ。そうか、ウジュルマ
  には元アカデミー卒業のお兄さん  
  がいてるから、昔の七不思議を
  知っているってことなんだ。』

ウジュルマの家系は
代々執事を司る貴族にございます

『あー、そーゆー感じって事か。
  なら最近聞くようになった
  七不思議を言えばって、ですね』

『モーリス様は、もしかして
   OBなのにわざわざ新しい七不思   
   議を探しにきたのですか?』

『そんな所かな。しかし、
   悲恋の幽霊だって
   言われているのかい、私が。
   なるほど。興味深いなそれは』

一瞬
マキャルナが微妙な顔をして
モーリス様を見て、
またメモに視線を落としました
が、
お嬢様 何故でしょうか?

モーリス様を見ても
今度は
含みのある笑顔を
返されてしまうだけ。

わたくしが思うのは
モーリス様の話に
『悲恋の幽霊』らしさが
1つもないという事。

何故だろう
でございます。


『わかった!ホールの悲恋の幽
   霊!図書館の倒れる本棚!書斎
   室で飛び回る羽ペン!と、
   隠し部屋のゴーレムは
   まちがいなく最近の不思議だ!
   あ、ですっ!モーリス先輩!』

とうとうマキャルナが
応えを探し
ホールに響く声を上げました。

『やはり現役学生の噂は、
   アカデミー内からでなければ
   わからないものだな。よし、
   どれも怪しい。2人とも、
   早速その3つを確認しに行こう』

なんですと!!
わたくしはジャケットから
懐中時計を出します。

お嬢様、たった3つと
思われるかもしれませんが
クーロイアカデミーはとても
広い古城なのでございます。

『本気で不思議探検に行くのです
   か?今日だけでは確認できるか
   わかりません。何日かに分けて
   いきませんか、モーリス様?』

もちろん転移魔法を使えば
楽でごさいましょうが、
お屋敷などと同じで
クーロイアカデミーの古城は、
結界魔法が厳重にかけられて
おります。

そうでなければ、
今夜のように
モーリス様も忍び込む真似など
しなくても簡単な事。

それが叶わないのは
転移魔法が
このクーロイアカデミーでは
使えないからでございます。

たとえ明け方まで掛けても
発生する時間も

未知の不思議。

このままでは、わたくし
リドランスも
マキャルナも
宿舎抜け出しで停学決定に
なってしまいます!!

お嬢様!!なのに!

『悪いが、あまり時間がないのだ
   実は、、仕方ない。話せばな、
   私の大切な人の意識体が、
   このクーロイアカデミーに
   囚われている可能性がある。
   もう何年もだ。お陰で、本体
   の体力が衰退して、もう
   もたないのだ。一刻を争う』

モーリス様が
とても悲壮な雰囲気を
マスカレードの、奥に
漂わせるのでございます。

『え、あのモーリス様?』

わたくしは、
その余りの落胆な様子と、
話された内容に
驚いてしまうのですが、

『キター!!悲恋の恋人!
   モーリス様の彼氏っすよね!』

マキャルナは
ウキウキした顔を突然し始め
たのでございます。

あれ?それに

『彼なの?マキャルナ。』

モーリス様と、マキャルナを
交互に見ます。

『要らぬ口は、これか!!
  マキャルナ君、この先執事として
  働きたいなら、慎め!!』

よくわかりませんが、
モーリス様は
マキャルナの両方の目尻を
左右に握った拳で挟みこんで
グリグリと力を込めて
おられます。

『ギャッ!やめろ!オッサン!』

『マキャルナ、言い方。』

『やめて下さい!先輩!』

マキャルナは、
すぐに不遜な言い方をして
しまうのでございます。

そこがまた、
親しく感じられるのでは
ございますが。

『あー痛てー。』

マキャルナは涙目ですが、
モーリス様は意気揚々とホールを
出て行かれます。

後ろからわたくし達は
仕方なく付いて行く事に
しますが、

お嬢様!!
わたくしリドランス!
1つ閃きました。

『モーリス様!お探しの方は
  意識体なのでございますよね?』

モーリス様が
怪訝な目をしてこられ
マキャルナも
わたくしを隣から
覗きます。

『他の意識体の方々に聞いて 
   みてはいかがでしょうか?
   闇雲に当たるよりは、何か
  情報が得られるかもです。』

わたくしは
大舞踏会ホールを指さし
ました。

そう、あの方々に聞いて
みましょう。

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