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3章 炎王子と不可思議現象
9話 家族という名の上下関係
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フレイヤから受け取ったノートを見れば丸っこい文字で依頼内容が書かれている。これは父上が書いたのではない。
もしかしてこの文字はフレイヤが…?意外な文字の形だ。
『依頼主 国王様
ヒートヘイズとアイシクルの現状把握のために偵察を行い、以下の情報及びサンプル取ってくる。
1.国境付近の土(ヒートヘイズ領側)
2.国境の気温の記録
3.ヒートヘイズ領の植物採取 以下の植物……』
騎士達が言ってたことと同じ。しかしここにも何のためにというのは書かれてなかった。これはフレイヤに直接聞くしかないな。
「このサンプル達を何に使うのか知ってるかい?」
「国王様はヒートヘイズの自然の現状把握と仰っていました。城の学者達にこの後色々調べさせるようです」
「なるほど」
本当にそれだけだろうか。何故か僕は違和感を持ってしまう。ヒートヘイズの自然を守るのも国王の役目。
しかしわざわざ国境付近を選ぶ理由がわからない。相変わらずフレイヤは無表情でこちらを見ている。
鋭い視線が痛かった。僕は本を閉じてフレイヤに返せば近くのテーブルに置く。
「ありがとう」
「何か気になる点はありましたか?」
「もう大丈夫だ。自分の中で解決した」
嘘だけど。
「そうですか。なら良かったです」
「仕事を邪魔して悪かったな」
「良いんです。お力になれることがあればいつでも来てください」
「心強いよ」
そろそろセリフは言い終えただろうか。ヒダカをチラッと見ると特に何も訴えるような顔はしてない。僕立ち上がってフレイヤに挨拶をし、執務室から出ていく。
「この後はどうなさいますか?」
「自室へ戻る」
「かしこまりました」
ヒダカはもうわかっているのだろう。僕が色々と話したいことが。今の時間帯ならヒメナも手が空いているはずだ。
どうせなら3人で話し合いたい。この件はずっと胸に引っ掛かるような気がしたのだ。
ーーーーーー
自室に戻った俺達はテーブルを囲んでそれぞれの位置に座る。ちなみにヒメナとは途中で遭遇して何も言わさずに腕を掴んで連れてきた。
「レディを無理矢理部屋に連れ込むなんて……イグニ様のケダモノ!」
「ヒメナ」
「ご、ごめんて兄貴」
「本当にヒメナは面白いやつだな」
「でしょ?」
「調子に乗らないでください」
兄妹喧嘩もいつも通り。この部屋に3人でいると気が楽だ。雪女様の時の緊張も、フレイヤの時の気まずさも、父上の前で生まれる恐怖心も何もない。
是非とも氷の塔でこんな風に雪女様と賑やかな生活がしてみたいものだ。
「ムフフフ」
「イグニ様だってちょーし乗ってんじゃん」
「………」
なんか笑い声とため息が聞こえたけど気のせいだと思う。僕は1回咳払いをして、2人と向き合った。
「ヒメナのために説明すると、簡単に言えば父上が怪しい動きをしている予感が遮った気がした」
「気がするなんだ」
「まだ真実がわからないからな!」
「出た!イグニ様のドヤ顔!」
「いちいち茶化さなくて良いです…」
一言喋るたびにヒメナがツッコんで来るから話が中々進まない。これも僕達らしい。
「怪しい動きって国王様が陰謀を考えているの?」
「ヒメナ。言葉には気を付けなさい」
「ハハッ!ここでは素直に言ってくれて構わない。変に遠回しにされるよりは早く理解できる」
「さっすがイグニ様!それで?怪しい動きを具体的に」
僕は何も知らないヒメナにフレイヤと確認した執務室での事を喋った。すると深く頷いて両腕を組む。
「確かに国境付近ってのが怪しいですよね。…ってまさか見られたんですか!?氷の塔のアレを!」
「たぶん大丈夫だと思う。氷の塔からは少し離れた場所に派遣された騎士達はいた。それに僕が話しかけなければ存在に気付かなかったようだしな」
「むむぅ…怪しい香りがプンプンしますねぇ~」
「ヒメナ。貴方本当にわかってますか?」
「わかってるってば」
ヒメナが理解しているかも怪しいところだけど…僕までツッコミを入れたらヒダカの頭痛が酷くなってしまいそうだ。やめておこう。
「国王様には尋ねられないのですか?」
「それが出来たらもうしているよ…」
「国王様って怖いもんね」
「ヒメナ」
「はいはい慎みます」
1番手っ取り早いのは父上に直接聞くこと。しかし少し感じた違和感を問い詰めるために父上の時間を割く勇気は僕に無かった。
「ああ!もうやめだ、やめ!頭がおかしくなりそうだ。よし!今から雪女様を口説く作戦会議といこう!」
「結局そうなるんですか?イグニ様~」
「聞いてくれヒメナ。今日は我が国に伝わるおとぎ話、神獣についてお話しできたんだ。僕は憧れのフェニックス。雪女様はユニコーンに例えた。今頃氷の塔で僕が描いた本を見ながらその綺麗さと優雅さに浸っているはず…!」
「ああ、あの幼児絵ね」
「なんか言ったか?」
「何でも!それより次の作戦はどうするんですか?」
「そろそろネタが尽きてきた。2人の知恵を貸してくれ」
「りょーかい!」
脳が狂ってしまう前に現実逃避を選ぼう。それが絶対に良い。そうと決まればヒメナと共に雪女様を落とそう作戦を考え始める。
真面目なことしか言ってないヒダカは胃の辺りを優しく摩っていた。食あたりでもしたのだろうか?
「じゃあ、次は自作のポエムを送っては?イグニ様字が綺麗だし!」
「名案だな!」
「ポエムなんて痛いだけですよ……イグニ様」
もしかしてこの文字はフレイヤが…?意外な文字の形だ。
『依頼主 国王様
ヒートヘイズとアイシクルの現状把握のために偵察を行い、以下の情報及びサンプル取ってくる。
1.国境付近の土(ヒートヘイズ領側)
2.国境の気温の記録
3.ヒートヘイズ領の植物採取 以下の植物……』
騎士達が言ってたことと同じ。しかしここにも何のためにというのは書かれてなかった。これはフレイヤに直接聞くしかないな。
「このサンプル達を何に使うのか知ってるかい?」
「国王様はヒートヘイズの自然の現状把握と仰っていました。城の学者達にこの後色々調べさせるようです」
「なるほど」
本当にそれだけだろうか。何故か僕は違和感を持ってしまう。ヒートヘイズの自然を守るのも国王の役目。
しかしわざわざ国境付近を選ぶ理由がわからない。相変わらずフレイヤは無表情でこちらを見ている。
鋭い視線が痛かった。僕は本を閉じてフレイヤに返せば近くのテーブルに置く。
「ありがとう」
「何か気になる点はありましたか?」
「もう大丈夫だ。自分の中で解決した」
嘘だけど。
「そうですか。なら良かったです」
「仕事を邪魔して悪かったな」
「良いんです。お力になれることがあればいつでも来てください」
「心強いよ」
そろそろセリフは言い終えただろうか。ヒダカをチラッと見ると特に何も訴えるような顔はしてない。僕立ち上がってフレイヤに挨拶をし、執務室から出ていく。
「この後はどうなさいますか?」
「自室へ戻る」
「かしこまりました」
ヒダカはもうわかっているのだろう。僕が色々と話したいことが。今の時間帯ならヒメナも手が空いているはずだ。
どうせなら3人で話し合いたい。この件はずっと胸に引っ掛かるような気がしたのだ。
ーーーーーー
自室に戻った俺達はテーブルを囲んでそれぞれの位置に座る。ちなみにヒメナとは途中で遭遇して何も言わさずに腕を掴んで連れてきた。
「レディを無理矢理部屋に連れ込むなんて……イグニ様のケダモノ!」
「ヒメナ」
「ご、ごめんて兄貴」
「本当にヒメナは面白いやつだな」
「でしょ?」
「調子に乗らないでください」
兄妹喧嘩もいつも通り。この部屋に3人でいると気が楽だ。雪女様の時の緊張も、フレイヤの時の気まずさも、父上の前で生まれる恐怖心も何もない。
是非とも氷の塔でこんな風に雪女様と賑やかな生活がしてみたいものだ。
「ムフフフ」
「イグニ様だってちょーし乗ってんじゃん」
「………」
なんか笑い声とため息が聞こえたけど気のせいだと思う。僕は1回咳払いをして、2人と向き合った。
「ヒメナのために説明すると、簡単に言えば父上が怪しい動きをしている予感が遮った気がした」
「気がするなんだ」
「まだ真実がわからないからな!」
「出た!イグニ様のドヤ顔!」
「いちいち茶化さなくて良いです…」
一言喋るたびにヒメナがツッコんで来るから話が中々進まない。これも僕達らしい。
「怪しい動きって国王様が陰謀を考えているの?」
「ヒメナ。言葉には気を付けなさい」
「ハハッ!ここでは素直に言ってくれて構わない。変に遠回しにされるよりは早く理解できる」
「さっすがイグニ様!それで?怪しい動きを具体的に」
僕は何も知らないヒメナにフレイヤと確認した執務室での事を喋った。すると深く頷いて両腕を組む。
「確かに国境付近ってのが怪しいですよね。…ってまさか見られたんですか!?氷の塔のアレを!」
「たぶん大丈夫だと思う。氷の塔からは少し離れた場所に派遣された騎士達はいた。それに僕が話しかけなければ存在に気付かなかったようだしな」
「むむぅ…怪しい香りがプンプンしますねぇ~」
「ヒメナ。貴方本当にわかってますか?」
「わかってるってば」
ヒメナが理解しているかも怪しいところだけど…僕までツッコミを入れたらヒダカの頭痛が酷くなってしまいそうだ。やめておこう。
「国王様には尋ねられないのですか?」
「それが出来たらもうしているよ…」
「国王様って怖いもんね」
「ヒメナ」
「はいはい慎みます」
1番手っ取り早いのは父上に直接聞くこと。しかし少し感じた違和感を問い詰めるために父上の時間を割く勇気は僕に無かった。
「ああ!もうやめだ、やめ!頭がおかしくなりそうだ。よし!今から雪女様を口説く作戦会議といこう!」
「結局そうなるんですか?イグニ様~」
「聞いてくれヒメナ。今日は我が国に伝わるおとぎ話、神獣についてお話しできたんだ。僕は憧れのフェニックス。雪女様はユニコーンに例えた。今頃氷の塔で僕が描いた本を見ながらその綺麗さと優雅さに浸っているはず…!」
「ああ、あの幼児絵ね」
「なんか言ったか?」
「何でも!それより次の作戦はどうするんですか?」
「そろそろネタが尽きてきた。2人の知恵を貸してくれ」
「りょーかい!」
脳が狂ってしまう前に現実逃避を選ぼう。それが絶対に良い。そうと決まればヒメナと共に雪女様を落とそう作戦を考え始める。
真面目なことしか言ってないヒダカは胃の辺りを優しく摩っていた。食あたりでもしたのだろうか?
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