元聖女、追跡中。

克全

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第2章

15話

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「今から癒しの魔法を使います。
 上手くいけば病が癒え、元の身体に戻れるでしょう。
 失敗すればこのままですが、それで諦めたりはしません。
 私の知る限りの魔術を組み合わせます。
 手に入る限りの素材を試します。
 期待を裏切り落胆させることが多くあるでしょう。
 それでも実験に付き合ってくれますか?」

「「「「「はい!」」」」」

「私たちのために実験してくださるのです。
 どれほど苦しい実験でも参加させていただきます」

「天罰だと殴られ蹴られ、何度も死にかけました。
 それを病だといって受け入れてくださったのは、オリビア様だけです。
 どれほど痛い実験でも参加させていただきます」

 みなが異口同音に参加を願いでた。
 それは幼い子供も年老いた者も同じだった。
 それを見ていたキャスバルたち忍者は、思わず涙を流していた。
 だがオリビアは苦笑して言った。

「痛い思いなど絶対にさせませんよ。
 でも心の痛み、落胆は、身体の痛み以上に辛いでしょう。
 それを我慢してくださる方だけが参加してくださいね」

「「「「「はい!」」」」」

 オリビアの心配はまったくの杞憂だった。
 治療がただの一度で成功したのだ。
 いや、手順的には二度の魔法が必要だった。
 病を癒す魔法と、身体を元に戻す魔法だ。
 現在進行形で、徐々に身体を蝕む病を、まず最初に退治になければならない。
 完全に病を退治してから、醜く変形した身体を元に戻さなければいけない。

 オリビアは最初に失敗する可能性を説明して謝っていたが、事前準備は完璧にすませて、できる限り病人の心を傷つけないように配慮していたのだ。
 それでなくても、発病して以来心を傷つけられ続けているのだ。
 治療のためとはいえ、さらに傷つける気はオリビアにはないのだ。
 だがどれほど準備した自信の治癒魔法でも、実際に人の使うのは初めてだ。
 絶対はないから、失敗の可能性を謝ったのだ。

「わあああああい!
 なおった!
 なおったよ!
 オリビア様!
 ありがとうございます!」

「大丈夫ですか?
 どこもいたくありませんか?」

「はい、どこもいたくありません!」

「キャスバル殿。
 しばらく経過を見てやってください」

「はい!
 お任せくださいオリビア様!」

「坊主、こっちにおいで。
 しばらくは集会所で様子を見るから」

「はい、キャスバル様」

 キャスバルは指名で役目をもらって、勇躍して子供を連れて行った。
 子供もよろこんでついていった。
 あとは魔鹿皮紙を使いきるまで治療するだけだった。
 比較的軽症なというか、身体の変形の少ない者から治療された。
 二十三枚の魔鹿皮紙で完治まで持っていけるのは十一人だけ。
 誰一人失敗することなく十一人の治療が終わった。
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