元聖女、追跡中。

克全

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第2章

17話

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 オリビアは魔術巻物を一歩進化させた。
 なんと自力で魔晶石を創り出し、魔術書を完成させたのだ。
 これで魔術巻物のように魔獣紙を一度で消費しなくてすむようになった。
 魔力さえあれば、何度も使えるようになったのだ。
 最初に魔術書を作るには多くの素材が必要だが、それは狼と天馬と一角馬が集めてくれた。

 完治した病人が故郷を訪れたことで、オリビアの評判が未開地と領地を接する多くの国に広まった。
 元病人が売り出した魔獣肉の干肉と燻製肉は飛ぶように売れた。
 それでなくても滅多に狩れない魔獣の肉だ。
 それを不治だった病気が完治した者達が売るのだ。
 迷信が蔓延するこの時代では、治癒の力を持った肉だと信じられ、とても高い値段で売買されるようになった。

 多少の時間差はあったが、多くの病人が未開地にやってきた。
 彼らを迎える仕事が、キャスバルたち忍者に与えられた。
 一年で数が増えた天馬と一角馬に乗って、広大な未開地の周辺部を駆け回った。
 もっとも、一角馬に乗れるのは乙女だけなのだが。
 続々と病人が集まり、完治して帰って行った。
 だが中には、未開地の留まってオリビアに仕えたいという者が現れた。

 故郷に戻った者がオリビアたちの事を話す事で、不心得者が現れた。
 珍しく滅多に狩れず、狩れれば高価で売買できる天馬と一角馬を狙う、冒険者や犯罪者が現れたのだ。
 これにオリビアが激怒した。
 だがその激怒は、深く静かだが、とても大きなものだった。

「キャスバル。
 この事は絶対に許せません。
 事を起こした冒険者と犯罪者だけでなく、冒険者ギルドと犯罪者ギルドの幹部を皆殺しに出来ますか?」

「はい、お任せください。
 忍団の総力を結集して、皆殺しにしてみせます」

「それと、かかわった国の病人は追い返してください。
 他の国も、冒険者とその家族、犯罪者とその家族は、病人であっても追い返してください」

「申し訳ありません。
 確認のしようがありません」

「それは構いません。
 直接病人に聞いてください。
 それで分かる範囲で構いません。
 多少の抑止力になるでしょう」

「承りました」

「それと、噂を流してください。
 私の大切なモノを、私の聖道を妨げるモノは、神の怒りに触れてラムダフォード王国のように滅びるだろうと」

「承りました」

 キャスバルは勇躍殲滅作戦を断行した。
 オリビアからの勅命だ。
 張り切らない訳がない。
 瞬く間に冒険者ギルドと犯罪者ギルドの総本部が壊滅した。

 噂も多くの国に瞬く間に広まった。
 各国首脳部は恐怖に震えた。
 急ぎ未開地に特使を派遣したが、誰一人オリビアに会えなかった。
 同時に噂に尾鰭がつき、冒険者ギルドと犯罪者ギルドのある国は、オリビアに治療してもらえないという噂になった。
 恐ろしい暴動になった。
 民が冒険者と犯罪者を探し出して襲撃した。

 オリビアは情け容赦しなかった。
 こうなる事を予想して噂を流させたのだ。
 そして自分は聖女として教国の建国を宣言した。
 未開地と旧ラムダフォード王領を領地だと宣言した。
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感想 13

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みんなの感想(13件)

スパロボα
2020.05.11 スパロボα

オリビア様はまさに聖女様ですね。

2020.05.11 克全

感想ありがとうございます。

古いタイプのキリストや天使ですね。

人間に天罰を与える時には容赦なしです。

解除
ナッツー
2020.05.08 ナッツー

キャス兄さん…良かったですな(。•́ωก̀。)…

2020.05.08 克全

感想ありがとうございます。

想いが届けばいいのですが……

解除
みこと
2020.05.06 みこと

男たちは柴を集める
・・・・・・ 柴ってなんでしょ?薪のことですかね?

2020.05.06 克全

感想ありがとうございます。

柴は山野に生える小さな雑木のことですね。

それを手頃な大きさに切って薪にします。

解除

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