上 下
14 / 63
第一章

第14話:入金と仕入れ

しおりを挟む
 俺は急いで日本に戻って金を売ろうとした。
 近頃はやりの買取業者や貴金属業者に連絡して、一番高値の店で売った。
 現物を直接持ち込んだのがよかったのだろう、相場通りの価格だった。
 盗品などと疑われる事もなく、208万2300円で買い取ってもらえた。
 だが、同じことを何十何百も繰り返すのは難しいかもしれない。
 盗品だと疑われて警察に通報されてしまう可能性もある。
 最悪を想定して、異世界に逃げて移住する事も考えておこう。

「生ケーキとアイスクリームケーキと料理を寄こすのだ」

 住宅ローンの口座に1年分100万円を入金し、終身共済の引き落とし口座に50万円入金して何とか今年は乗り越えられると思う。
 だが来年以降のためにも、異世界との交易を頑張らなければいけない。
 警察に眼をつけられる前に十分な資金を貯めておく必要がある。
 その為に商品の仕入れを行った。

 25kgで1200円の塩を20袋2万4000円分買った。
 25kgで3870円の小麦粉を20袋7万7400円分買った。
 30kgで8700円の玄米を20袋17万4000円分買った。
 1kgで1978円の粒黒胡椒を10袋1万9780円分買った。
 1kgで2646円の粗挽き黒胡椒を10袋2万6460円分買った。
 1kgで2646円のグラインド黒胡椒を10袋2万6460円分買った。
 1kgで2646円のパウダー黒胡椒を10袋2万6460円分買った。
 別会社の1kgで893円のパウダー黒胡椒を10袋8930円分買った。
 1kgで1152円のパウダー白胡椒を10袋1万1520円分買った。
 廃鶏1500羽を3万円で買った。
 試しに1kgの銅インゴットを6980円で買った。
 5円硬貨と10円硬貨がいくらに評価されるのかも試してみた。

 仕入れに総額43万1990円もかかってしまった。
 サフランも調べたのだが、胡椒に比べて仕入れ価格が高いので止めた。
 いくら販売価格が高くても、利益率の悪い物を仕入れる気にはならない。
 それなら塩や胡椒をもっと多く仕入れるべきだと思った。
 胡椒を色々と調べたのは、一番利益率のいいモノを調べるためだ。
 まずは儲かるモノに限られて資金を投入すべきだ。

「売り物はどうでもいいが、私が食べるためのカレー粉やサフラン、醤油や味噌を忘れるでないぞ、これだけ儲けられたのは私のお陰なのだからな」

 石姫皇女が話しかけてきたが、正直イラっとする。
 確かにその通りなのだが、そもそも宝くじの当たりを教えてくれればいいのだ。
 そうすればここまでお金に苦労しなくてすむのだ。
 そう思っている事は伝わっているだろうが、口に出すのだけは我慢した。
 知られていても口に出さない事が大切だと思う。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

殿下、それは私の妹です~間違えたと言われても困ります~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:9,757pt お気に入り:5,289

妻が遺した三つの手紙

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7,050pt お気に入り:49

運命の番を見つけることがわかっている婚約者に尽くした結果

恋愛 / 完結 24h.ポイント:26,158pt お気に入り:282

片思いの相手に偽装彼女を頼まれまして

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,947pt お気に入り:19

冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,946pt お気に入り:180

ロリコンな俺の記憶

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:6,759pt お気に入り:16

真面目系眼鏡女子は、軽薄騎士の求愛から逃げ出したい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,025pt お気に入り:247

【完】ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:311

処理中です...