宝くじ当選を願って氏神様にお百度参りしていたら、異世界に行き来できるようになったので、交易してみた。

克全

文字の大きさ
21 / 63
第一章

第21話:販売と仕入れと追放

しおりを挟む
 全ての商品を異世界で売り、日本に帰ってから純金を買い取り業者に売ったが、その日の金1gの買い取り単価は6787円で、総額4452万2720円だった。
 前回の余剰金と合わせれば4722万円になる。
 お金のあるうちに異世界で売る商品を買っておきたかった。
 石姫皇女に強請られる前に仕入れておく必要があった。
 だが同時に、売れる商品に限りがあるとアルフィにも言われていた。

 25kgで1200円の塩を100袋12万円分買った。
 25kgで3870円の小麦粉を1000袋387万円分買った。

 小麦粉を大量に買ったのは「この食糧難の時期でしたら、贅沢品の胡椒よりも小麦粉の方が確実に売ることができます」とアルフィに言われたからだ。
 だから資金は幾らでもあるが、胡椒は前回と同じ量しか買わなかった。

 1kgで1978円の粒黒胡椒を100袋19万7800円分買った。
 1kgで2646円の粗挽き黒胡椒を100袋26万4600円分買った。
 1kgで2646円のグラインド黒胡椒を100袋26万4600円分買った。
 1kgで2646円のパウダー黒胡椒を100袋26万4600円分買った。
 1kgで893円のパウダー黒胡椒を100袋8万9300円分買った。
 1kgで1152円のパウダー白胡椒を100袋11万5200円分買った。

「鶏も余分に手に入るなら全部買います」とアルフィが言ったから、値段についても交渉してみたが、その値段なら堅実にもうかるのは確かだった。
 日本で廃鶏1500羽を3万円で購入して、異世界で売って純金24gにすれば、日本に戻れば10万円以上の利益になる。

 だから廃鶏1500羽を3万円で買った。

「女神様、配祀神様、廃鶏が増えすぎてこれ以上は餌が確保できません」と氏子総代の長老が言うので、廃鶏用の配合飼料を買った。

20kg成鶏配合飼料 2480円を100袋で24万8000円分買った。
20kg成鶏配合飼料 1330円を100袋で13万3000円分買った。

「女神様、配祀神様、砂糖を持って来てくだされば、今まで以上の利益をあげる事が可能でございます」とアルフィが言うので、砂糖も買った。

20kg上白糖4687円を100袋で46万8700円分買った
20kg上白糖4620円を100袋で46万2000円分買った。

「女神様、配祀神様、5円硬貨が高額のトークンとして使えます。
 どうか持ってこれるだけ持って来てください、お願い申し上げます」

 そうアルフィが言ったので、元の勤め先以外からも手に入れることができる限りの5円硬貨を手に入れた。
 その為に何度も日本と異世界を往復することになったが、その都度アルフィには嵩張る小麦粉や卵や廃鶏を売って純金を手に入れた。
 だが日本で純金を現金に換金する回数を減らしたかったので、純金がまとまった重さになるまでは換金を我慢した

 5円玉を200万枚両替して1000万円使った。

「山本さん、殺処分する雄のひよこですが、輸送費込みでいくらで売ってくれます」

 俺はいつも廃鶏を運んできてくれる知人を通して、異世界で繁殖させるための雄鶏を手に入れようとした。
 1羽2羽で買うのなら300円くらい必要で、1000羽単位で買うのなら輸送費込みで30円でいいと言われた。
 死着分として1割多めに渡してくれるという。
 それくらいならアルフィにおまけで雄鶏を運んでこさせた方はいいと判断して、日本でひよこを買うことは諦めた。

 結局今回の仕入れと両替のために、1652万7800円使った。
 4722万円の利益から1653円の仕入れを引いて、3069万円も残った。
 だがそんな損得よりも大きなことがあった。

「女神様、配祀神様、村に戻って来た者で結界の中に入ることができなかった者を、村外に新たに作る集落に住ませるのは、その通りにさせていただきます。
 ですが、元々村内に住んでいて、結界の中に入れないと分かった者は、どうかそのまま村内に住まわせてやってください。
 この通りでございます」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

【完結】うだつが上がらない底辺冒険者だったオッサンは命を燃やして強くなる

邪代夜叉(ヤシロヤシャ)
ファンタジー
まだ遅くない。 オッサンにだって、未来がある。 底辺から這い上がる冒険譚?! 辺鄙の小さな村に生まれた少年トーマは、幼い頃にゴブリン退治で村に訪れていた冒険者に憧れ、いつか自らも偉大な冒険者となることを誓い、十五歳で村を飛び出した。 しかし現実は厳しかった。 十数年の時は流れてオッサンとなり、その間、大きな成果を残せず“とんまのトーマ”と不名誉なあだ名を陰で囁かれ、やがて採取や配達といった雑用依頼ばかりこなす、うだつの上がらない底辺冒険者生活を続けていた。 そんなある日、荷車の護衛の依頼を受けたトーマは――

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

処理中です...