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7話
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「ああ、難しい事を言うなぁ。
食糧は幾らでも作ってあげれるよ。
聖女が願い神々に祈ってくれるのなら、それこそ無尽蔵に創り出す事もできる。
だけど、さっきも言った通り、人間を聖域に入れる事はできないなぁ。
聖域が人間の穢れに侵されてしまって、精霊が魔獣や悪霊に変じてしまうからね。
それだけは無理だ、あきらめてよ」
「あの、だったら、食べ物は聖域で作って、人間の世界に運びだすのはどうですか?
食糧を聖域から運び出すのを手伝ってもらえますか?
私だけでは運びだす事ができません」
「う~ん、そうだねぇ。
できなくはないかなぁ。
少し難しい所はあるけれど、絶対不可能ではないかな。
まあ、聖女にはがんばってもらうことになっちゃうけどね」
「どうがんばればいいのですか?
教えて下さったらがんばります。
どうすればいいですか?」
「聖女の力で、動物を魅了するんだよ。
精霊はとても力が強いけれど、人間に穢されやすくて聖域から出られない。
獣には精霊のような力はないけれど、人間に穢されない強さがある。
精霊も獣も聖女に魅かれ、手助けしたいと思ってくれる。
だから役割を分担するのさ」
「でも、だけど、それは全部私が聖女だったらという話ですよね。
私にそんな力があるなんて信じられません」
「そうかもしれないね。
今まで一度も聖女に力を振るったことがないなら、信じられないよね。
だったらまずはやってみて、自信をつけてみようかぁ?
まずは想像してみてよ。
聖女が望む、たわわに作物が実った世界を」
私が望む作物がたわわに実った世界ですか?
私が覚えている、最も豊作だった年の小麦畑を思いだせばいいのでしょうか?
それともライ麦畑や大麦畑を思いだせばいいのでしょうか?
「ああ、とめてとめて。
精霊達たちが聖女の想いを現実に反映させえるまでは、一つだけ想像して。
色々な想いを混ぜちゃだめだよ」
一つの場面だけを思い続けるのですか?
結構難しいです。
ですがこれで本当に小麦やライ麦を手に入れる事ができるのなら、がんばらないといけません
ああ、ダメです。
集中するのです。
小麦やライ麦と考えてはいけません。
小麦だけを想うのです。
あの黄金色に実った小麦畑を思いだすのです。
「おお、いいよ、いいよ。
どんどん小麦畑が広がっているよ。
眼を開けてみてごらん。
今なら見ることで思いだすよりももっと正確に想像できるよ」
私は聖獣様のお言葉に従って、ゆっくりと目を開けてみました。
そこには一面の小麦畑が広がっていたのです!
食糧は幾らでも作ってあげれるよ。
聖女が願い神々に祈ってくれるのなら、それこそ無尽蔵に創り出す事もできる。
だけど、さっきも言った通り、人間を聖域に入れる事はできないなぁ。
聖域が人間の穢れに侵されてしまって、精霊が魔獣や悪霊に変じてしまうからね。
それだけは無理だ、あきらめてよ」
「あの、だったら、食べ物は聖域で作って、人間の世界に運びだすのはどうですか?
食糧を聖域から運び出すのを手伝ってもらえますか?
私だけでは運びだす事ができません」
「う~ん、そうだねぇ。
できなくはないかなぁ。
少し難しい所はあるけれど、絶対不可能ではないかな。
まあ、聖女にはがんばってもらうことになっちゃうけどね」
「どうがんばればいいのですか?
教えて下さったらがんばります。
どうすればいいですか?」
「聖女の力で、動物を魅了するんだよ。
精霊はとても力が強いけれど、人間に穢されやすくて聖域から出られない。
獣には精霊のような力はないけれど、人間に穢されない強さがある。
精霊も獣も聖女に魅かれ、手助けしたいと思ってくれる。
だから役割を分担するのさ」
「でも、だけど、それは全部私が聖女だったらという話ですよね。
私にそんな力があるなんて信じられません」
「そうかもしれないね。
今まで一度も聖女に力を振るったことがないなら、信じられないよね。
だったらまずはやってみて、自信をつけてみようかぁ?
まずは想像してみてよ。
聖女が望む、たわわに作物が実った世界を」
私が望む作物がたわわに実った世界ですか?
私が覚えている、最も豊作だった年の小麦畑を思いだせばいいのでしょうか?
それともライ麦畑や大麦畑を思いだせばいいのでしょうか?
「ああ、とめてとめて。
精霊達たちが聖女の想いを現実に反映させえるまでは、一つだけ想像して。
色々な想いを混ぜちゃだめだよ」
一つの場面だけを思い続けるのですか?
結構難しいです。
ですがこれで本当に小麦やライ麦を手に入れる事ができるのなら、がんばらないといけません
ああ、ダメです。
集中するのです。
小麦やライ麦と考えてはいけません。
小麦だけを想うのです。
あの黄金色に実った小麦畑を思いだすのです。
「おお、いいよ、いいよ。
どんどん小麦畑が広がっているよ。
眼を開けてみてごらん。
今なら見ることで思いだすよりももっと正確に想像できるよ」
私は聖獣様のお言葉に従って、ゆっくりと目を開けてみました。
そこには一面の小麦畑が広がっていたのです!
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