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第二章「恋愛」
62話
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「幾らアシュラムの願いでも、火竜やドラゴニュートは滅ぼしたりはせんぞ」
「分かっております。
弱い人種を護って頂きたいだけでございます」
「この世界の理は弱肉強食だ。
人が弱ければ滅ぶだけだ」
「しかし人は精霊様と心通わす事も出来ます。
私のように、水龍様とさえ心通わす事も出来る種でございます」
アシュラムは必至で水龍様に願った。
その願いは水龍様を通して水精霊にも火竜シャーロットにも伝えられた。
いや、カチュア姫は勿論、人間にもドラゴニュートにも伝えられた。
「それはそうだが、だからと言って、ドラゴニュートを否定する事も出来ない。
精霊と心通わす事が出来るのは、人の中でも限られている。
ドラゴニュートの中に、精霊と心通わせる事が出来るモノが現れるかもしれん。
それは水精霊に限らない。
火精霊かもしれないし、土精霊かもしれない」
「ありがとうございます。
水龍様!」
火竜シャーロットは心から感謝した。
水龍様は、アシュラムに庇護を与えているにもかかわらず、火竜とドラゴニュートに対しても公平に接してくれたのだ。
「だがシャーロット。
交尾相手は選ぶのだ。
余りに頭が悪く、人や動物を食べ尽くすようでは、いずれ共喰いになってしまうぞ」
「御言葉もっともでございます。
交尾相手を厳選する事にします。
水龍様の申される通り、火精霊や土精霊と共存出来る子を産んで見せます。
もしアシュラムとの交尾を許して下さるのなら、水精霊と共存出来るドラゴニュートを産む事が出来るかもしれません」
「どうだ、アシュラム」
「……シャーロットとドラゴニュートが、人を襲わないと誓ってくれるのなら、交尾をしても構いません」
アシュラムとシャーロットは腹蔵なく話し合った。
後で揉め事が起こらないように、水龍様の見守る前で話し合った。
結果、安全地帯と弱肉強食地帯を設ける事になった。
火竜とドラゴニュートの為の安全地帯。
人間の為の安全地帯
そして互いに殺し合い喰らい合う、弱肉強食地帯。
火竜とドラゴニュートの安全地帯に関して、砂漠と荒野だけでは少な過ぎた。
だからと言って、東西の大国を弱肉強食地帯にするのも、アシュラムには辛かった。
そんな事になれば、東西二億の人間が喰い殺されることになる。
それは流石に心苦し過ぎた。
そこで水龍様が手助けしてくれることになった。
大荒野と大砂漠の地下に、大迷宮を築いてくれたのだ。
地下百層にも及ぶ、二億のドラゴニュートを養える大迷宮だった。
食糧も大迷宮に住める獣を集めた。
問題は人間牧場だったが、相手は全部犯罪者だ。
極悪非道な王太子や王侯貴族、犯罪者や侵略者だ。
人が山羊や羊を飼うのと同じと、アシュラム達は無理矢理納得した。
だが今後新たな人間を飼う事は止めると火竜は誓約した。
新しい時代が始まった。
アシュラムと夫婦となり、大きな視野を得て、水龍様の加護を受けるようになったカチュアが、元気な子供を八人も産み、サライダ王国の礎を築いた。
一方シャーロットも、アシュラムと間に多くの子を産み、水精霊の加護まで受けられるドラゴニュートに育て上げた。
水龍様には及ばないが、身体強化された人間よりも火竜よりも強い、ドラゴニュートの王族が誕生した。
サライダ王国の王族とドラゴニュートの王族は、アシュラムと言う共通の祖先をもつことになった。
いつの間にか、人間牧場はドラゴニュートの国でも廃止された。
まあ、犯罪者は全員喰い殺されたが。
ドラゴニュートと人間と争わないように、羊や山羊、牛や豚を飼う事にしたのだ。
人間とドラゴニュートは、長く共存共栄と切磋琢磨を繰り返した。
ドラゴニュート王国の物語はまた別の機会に。
「分かっております。
弱い人種を護って頂きたいだけでございます」
「この世界の理は弱肉強食だ。
人が弱ければ滅ぶだけだ」
「しかし人は精霊様と心通わす事も出来ます。
私のように、水龍様とさえ心通わす事も出来る種でございます」
アシュラムは必至で水龍様に願った。
その願いは水龍様を通して水精霊にも火竜シャーロットにも伝えられた。
いや、カチュア姫は勿論、人間にもドラゴニュートにも伝えられた。
「それはそうだが、だからと言って、ドラゴニュートを否定する事も出来ない。
精霊と心通わす事が出来るのは、人の中でも限られている。
ドラゴニュートの中に、精霊と心通わせる事が出来るモノが現れるかもしれん。
それは水精霊に限らない。
火精霊かもしれないし、土精霊かもしれない」
「ありがとうございます。
水龍様!」
火竜シャーロットは心から感謝した。
水龍様は、アシュラムに庇護を与えているにもかかわらず、火竜とドラゴニュートに対しても公平に接してくれたのだ。
「だがシャーロット。
交尾相手は選ぶのだ。
余りに頭が悪く、人や動物を食べ尽くすようでは、いずれ共喰いになってしまうぞ」
「御言葉もっともでございます。
交尾相手を厳選する事にします。
水龍様の申される通り、火精霊や土精霊と共存出来る子を産んで見せます。
もしアシュラムとの交尾を許して下さるのなら、水精霊と共存出来るドラゴニュートを産む事が出来るかもしれません」
「どうだ、アシュラム」
「……シャーロットとドラゴニュートが、人を襲わないと誓ってくれるのなら、交尾をしても構いません」
アシュラムとシャーロットは腹蔵なく話し合った。
後で揉め事が起こらないように、水龍様の見守る前で話し合った。
結果、安全地帯と弱肉強食地帯を設ける事になった。
火竜とドラゴニュートの為の安全地帯。
人間の為の安全地帯
そして互いに殺し合い喰らい合う、弱肉強食地帯。
火竜とドラゴニュートの安全地帯に関して、砂漠と荒野だけでは少な過ぎた。
だからと言って、東西の大国を弱肉強食地帯にするのも、アシュラムには辛かった。
そんな事になれば、東西二億の人間が喰い殺されることになる。
それは流石に心苦し過ぎた。
そこで水龍様が手助けしてくれることになった。
大荒野と大砂漠の地下に、大迷宮を築いてくれたのだ。
地下百層にも及ぶ、二億のドラゴニュートを養える大迷宮だった。
食糧も大迷宮に住める獣を集めた。
問題は人間牧場だったが、相手は全部犯罪者だ。
極悪非道な王太子や王侯貴族、犯罪者や侵略者だ。
人が山羊や羊を飼うのと同じと、アシュラム達は無理矢理納得した。
だが今後新たな人間を飼う事は止めると火竜は誓約した。
新しい時代が始まった。
アシュラムと夫婦となり、大きな視野を得て、水龍様の加護を受けるようになったカチュアが、元気な子供を八人も産み、サライダ王国の礎を築いた。
一方シャーロットも、アシュラムと間に多くの子を産み、水精霊の加護まで受けられるドラゴニュートに育て上げた。
水龍様には及ばないが、身体強化された人間よりも火竜よりも強い、ドラゴニュートの王族が誕生した。
サライダ王国の王族とドラゴニュートの王族は、アシュラムと言う共通の祖先をもつことになった。
いつの間にか、人間牧場はドラゴニュートの国でも廃止された。
まあ、犯罪者は全員喰い殺されたが。
ドラゴニュートと人間と争わないように、羊や山羊、牛や豚を飼う事にしたのだ。
人間とドラゴニュートは、長く共存共栄と切磋琢磨を繰り返した。
ドラゴニュート王国の物語はまた別の機会に。
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