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第二章
第36話:閑話・傀儡
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転移56日目:マイルズ・ダニエルズ辺境伯視点
「大魔術師殿に会いに来た、取り次いでくれ」
大魔術師ミーツ殿の館に入るのは命懸けだ。
俺以外の人間は誰1人敷地に入ろうとしない。
以前は盗みに入ろうとした者もいたが、全員見るも無残な死を迎えた。
いや、明らかな悪意を持っている者だけではない。
人間なら誰もが持っている、些細な悪心、出来心も許してくれない。
香辛料や香料を運ぼうと敷地に入った日雇いが、真っ黒な血を吐いて死んだ。
流石に許せなくて、大魔術師殿につめ寄ったのだが、盗もうとしたと言うのだ。
実際にやっていなくても、少しなら盗んでも大丈夫と思って城門を潜った時点で、城壁や空壕、城門に仕掛けてある結界や防御魔術が反応すると言うのだ。
『実際に盗む前に殺すのはやり過ぎだ』と抗議したのだが……
『まだ殺していないからと言って、俺や寡婦や孤児たちを殺す気で城壁を越えてきた者を、素通りさせれば良いと言ってるのか?!
寡婦や孤児達が殺されてから、手遅れになってから処罰しろと言うのか?』
そう、底冷えする声色と殺意の籠った目で言われたら、謝るしかなかった。
大魔術師殿の性格だと、後1度でも意に反する事を口にしたら、見捨てられる。
私の命など、大魔術師殿には何の価値もないのだ。
多くの平民を見殺しにした、卑怯で憶病な貴族の坊ちゃんだと思われている。
私は、大魔術師殿が助けた寡婦や孤児達よりも価値が低い。
多くの平民が虐殺されるのを見て見ぬ振りし続けた、卑怯で下劣な憶病者。
寡婦や孤児達を住まわせる場が必要だから、見逃してもらっているだけだ。
虫けらのように思われているのは私だけではない。
辺境伯となった私の権力を使って、金儲けしようとした平民達も同じだ。
表面的には通いの使用人として雇ってくれたが、実際には日雇いにすぎず、何の情も持っていないのが明らかになった。
寡婦や孤児達は安全な館に匿っているのに、俺の権力を使った連中は、宰相の人質にされるかもしれないのに、これまで通り働かせている。
人質にされたとしても、殺されたとしても、大魔術師殿の心は痛まないのだ。
「こちらの控室でお待ちください」
考え事をしていたら、いつの間にか館の中に入っていた。
結界や防御魔術に殺されなかったと分かっても、何の慰めにもならない。
俺は大魔術師殿達への悪意がないだけで、愚かで身勝手な性格なのだ。
「御主人様が会われそうです、応接間まで案内させていただきます」
店の責任者だったアビゲイルが案内に来てくれた。
大魔術師殿の使用人の中で1番信頼されている者だ。
アビゲイルを案内に寄こしてくれるなら、まだ見捨てられていないのだろう。
「この応接間でお待ちください」
そう言われて直ぐにドアをたたく音がした。
『入ってください』と言うと、 大魔術師殿がネイと言う名の女の子を連れて応接間に入って来た。
「待たせたな、今日の販売量は昨日と同じで良いのか?」
凄くにこやかな笑顔だが、騙されない、相当怒っている。
僅かな付き合いだが、大魔術師殿は腹を立てるほどにこやかになると学んだ。
「鳥と猛獣はいつも通りでお願いします。
香辛料と香料は、できましたら倍、いえ、3倍売っていただきたいのです。
値段は1割増し、いえ、2割増しで買わせていただきます」
「分かった、2割増しで3倍売ろう。
私が直々に正門に行くから、ついてきなさい」
血の気が一気にひいて、抑えようとしても足の震えが収まらない。
オースティン伯爵家を滅ぼしてからは、大魔術師殿が私以外の他人に姿を見せる事はなかった。
店を寡婦達にやらせている時も、香辛料や香料は寡婦達に運ばせていた。
私の無理を聞いて、古くからの商人を通いの使用人にしてくれたが、どう見ても嫌々で、信用していないのが丸分かりだった。
それどころか、虫けらを見るような目つきをしていた。
寡婦や孤児達が店をしなくなり、通いの使用人と私が新たに雇った者が店をやるようになったが、必要な食材や香辛料は館の正門で引き渡されるようになった。
それも、私が代金を払って、私が正門の外まで運んでいるのだ。
仮にも辺境伯となった大貴族が、頭の悪い荷運びのような仕事をさせられている。
だがそれも仕方がない事だ、誰だって死にたくないのだ。
盗みに入ろうとした者が、見るも無残な死を迎えたのは、この都市に住んでいる者なら赤子でも知っている、この館には絶対に近づくなと言い聞かされている。
大魔術師殿は、寡婦や孤児達を冷遇した、都市の人々を憎んでいる。
その怒りをぶちまけないように、私以外の人間と会わないようにしている。
この都市に住む人たちは、そんな噂を心から信じている。
そんな大魔術師殿が、荷運びをすると言うのだ。
私が連れてきた人間の無礼を咎めて、殺す気なのかもしれない。
私が卑怯で下劣な人間だと、側に置いている者達を見て、確認する気なのだ。
確認したら、今度こそ問答無用で殺される。
楽に殺してもらえるはずもなく、痛みに泣き叫ぶまで嬲られる。
そう思ってしまったら、足が震えて歩けなくなってしまった。
「何をしている、さっさと来い!」
大魔術師殿に厳しく言われて、ようやく足の震えが治まった。
慌てて大魔術師殿の後を追ったが、まだうまく足が動かず、その場で派手に転倒してしまうという、辺境伯とは思えない大失敗をしてしまった。
「今だ、やれ、2人とも殺してしまえ!」
大魔術師殿の館正門の近くでたむろしていた、冒険者や猟師が一斉に襲って来た。
他領から集まって来た、大魔術師殿の噂を知らない愚か者達だ。
ロアノークに住む者達なら、決して大魔術師殿に手出ししない。
「「「「「ギャッ!」」」」」
一斉に襲い掛かって来た冒険者と猟師が、正門を越えた途端、体力と魔力、生命力まで奪われ、ミイラのようになって絶命した。
「何だこれは、こんな話聞いてないぞ!」
少し遅れていた冒険者と猟師が、真っ青になって文句を言っている。
私と大魔術師殿を狙う他領の者、普通に考えて宰相が送り込んだ刺客だ。
宰相を務めるほどの大貴族が、恥知らずにもほどがある!
貴族ならばもっと正々堂々と戦え、一騎討ならいつでも受けてやる!
……いや、こんな考えだから大魔術師殿に馬鹿にされるのだ。
相手によっては、どのような手段を使ってでも領民を守らないといけない。
「スリープ」
大魔術師殿が逃げようとしていた冒険者や猟師を一瞬で眠らせた。
「さっさと捕らえろ、それでも辺境伯家に仕える護衛か?!」
大魔術師殿が外で待っていた私の家臣に厳しく命じた。
私を殺そうとした冒険者や猟師がいるのに、大魔術師殿の結界や防御魔術に殺されたのに驚いて、その場に突っ立っているのだから情けなさ過ぎる。
「はい、直ぐに!」
私の護衛たちが一斉に動き出した。
その場で寝ている敵を捕らえるだけだから、子供にでもできる簡単な役目だ。
領内の腕利きを集めたはずなのに、実戦では全く使えない。
「「「「「ファイア・アロー」」」」」
「「「「「ウィンド・アロー」」」」」
「「「「「ウォーター・アロー」」」」」
私が大魔術師殿の館正門を出たとたん、多数の攻撃魔術が放たれた。
刺客に第二陣がいたのだ! 初級魔術に過ぎないが、その分使い手も多い。
1人2人が相手なら、初級魔術くらい剣で斬り払って見せるが……
「マジックデリート」
大魔術師殿が呪文を唱えたとたん、四方八方から絶妙な時間差で放たれた、初級魔術の奔流が一斉に消え去った。
「お前らそれでも辺境伯の家臣か!
護衛を務める家臣なら、体を張ってでも辺境伯を守れ!」
大魔術師殿に厳しく叱責された家臣達が一斉に動き出した。
私を守ろうと全方位に散らばって盾になった。
練習は重ねていたのに、いざ実戦になると思うように動けない。
「ありがとう、頼んだぞ」
「申し訳ございません、次は命じられる前にやって見せます」
「大魔術師殿に会いに来た、取り次いでくれ」
大魔術師ミーツ殿の館に入るのは命懸けだ。
俺以外の人間は誰1人敷地に入ろうとしない。
以前は盗みに入ろうとした者もいたが、全員見るも無残な死を迎えた。
いや、明らかな悪意を持っている者だけではない。
人間なら誰もが持っている、些細な悪心、出来心も許してくれない。
香辛料や香料を運ぼうと敷地に入った日雇いが、真っ黒な血を吐いて死んだ。
流石に許せなくて、大魔術師殿につめ寄ったのだが、盗もうとしたと言うのだ。
実際にやっていなくても、少しなら盗んでも大丈夫と思って城門を潜った時点で、城壁や空壕、城門に仕掛けてある結界や防御魔術が反応すると言うのだ。
『実際に盗む前に殺すのはやり過ぎだ』と抗議したのだが……
『まだ殺していないからと言って、俺や寡婦や孤児たちを殺す気で城壁を越えてきた者を、素通りさせれば良いと言ってるのか?!
寡婦や孤児達が殺されてから、手遅れになってから処罰しろと言うのか?』
そう、底冷えする声色と殺意の籠った目で言われたら、謝るしかなかった。
大魔術師殿の性格だと、後1度でも意に反する事を口にしたら、見捨てられる。
私の命など、大魔術師殿には何の価値もないのだ。
多くの平民を見殺しにした、卑怯で憶病な貴族の坊ちゃんだと思われている。
私は、大魔術師殿が助けた寡婦や孤児達よりも価値が低い。
多くの平民が虐殺されるのを見て見ぬ振りし続けた、卑怯で下劣な憶病者。
寡婦や孤児達を住まわせる場が必要だから、見逃してもらっているだけだ。
虫けらのように思われているのは私だけではない。
辺境伯となった私の権力を使って、金儲けしようとした平民達も同じだ。
表面的には通いの使用人として雇ってくれたが、実際には日雇いにすぎず、何の情も持っていないのが明らかになった。
寡婦や孤児達は安全な館に匿っているのに、俺の権力を使った連中は、宰相の人質にされるかもしれないのに、これまで通り働かせている。
人質にされたとしても、殺されたとしても、大魔術師殿の心は痛まないのだ。
「こちらの控室でお待ちください」
考え事をしていたら、いつの間にか館の中に入っていた。
結界や防御魔術に殺されなかったと分かっても、何の慰めにもならない。
俺は大魔術師殿達への悪意がないだけで、愚かで身勝手な性格なのだ。
「御主人様が会われそうです、応接間まで案内させていただきます」
店の責任者だったアビゲイルが案内に来てくれた。
大魔術師殿の使用人の中で1番信頼されている者だ。
アビゲイルを案内に寄こしてくれるなら、まだ見捨てられていないのだろう。
「この応接間でお待ちください」
そう言われて直ぐにドアをたたく音がした。
『入ってください』と言うと、 大魔術師殿がネイと言う名の女の子を連れて応接間に入って来た。
「待たせたな、今日の販売量は昨日と同じで良いのか?」
凄くにこやかな笑顔だが、騙されない、相当怒っている。
僅かな付き合いだが、大魔術師殿は腹を立てるほどにこやかになると学んだ。
「鳥と猛獣はいつも通りでお願いします。
香辛料と香料は、できましたら倍、いえ、3倍売っていただきたいのです。
値段は1割増し、いえ、2割増しで買わせていただきます」
「分かった、2割増しで3倍売ろう。
私が直々に正門に行くから、ついてきなさい」
血の気が一気にひいて、抑えようとしても足の震えが収まらない。
オースティン伯爵家を滅ぼしてからは、大魔術師殿が私以外の他人に姿を見せる事はなかった。
店を寡婦達にやらせている時も、香辛料や香料は寡婦達に運ばせていた。
私の無理を聞いて、古くからの商人を通いの使用人にしてくれたが、どう見ても嫌々で、信用していないのが丸分かりだった。
それどころか、虫けらを見るような目つきをしていた。
寡婦や孤児達が店をしなくなり、通いの使用人と私が新たに雇った者が店をやるようになったが、必要な食材や香辛料は館の正門で引き渡されるようになった。
それも、私が代金を払って、私が正門の外まで運んでいるのだ。
仮にも辺境伯となった大貴族が、頭の悪い荷運びのような仕事をさせられている。
だがそれも仕方がない事だ、誰だって死にたくないのだ。
盗みに入ろうとした者が、見るも無残な死を迎えたのは、この都市に住んでいる者なら赤子でも知っている、この館には絶対に近づくなと言い聞かされている。
大魔術師殿は、寡婦や孤児達を冷遇した、都市の人々を憎んでいる。
その怒りをぶちまけないように、私以外の人間と会わないようにしている。
この都市に住む人たちは、そんな噂を心から信じている。
そんな大魔術師殿が、荷運びをすると言うのだ。
私が連れてきた人間の無礼を咎めて、殺す気なのかもしれない。
私が卑怯で下劣な人間だと、側に置いている者達を見て、確認する気なのだ。
確認したら、今度こそ問答無用で殺される。
楽に殺してもらえるはずもなく、痛みに泣き叫ぶまで嬲られる。
そう思ってしまったら、足が震えて歩けなくなってしまった。
「何をしている、さっさと来い!」
大魔術師殿に厳しく言われて、ようやく足の震えが治まった。
慌てて大魔術師殿の後を追ったが、まだうまく足が動かず、その場で派手に転倒してしまうという、辺境伯とは思えない大失敗をしてしまった。
「今だ、やれ、2人とも殺してしまえ!」
大魔術師殿の館正門の近くでたむろしていた、冒険者や猟師が一斉に襲って来た。
他領から集まって来た、大魔術師殿の噂を知らない愚か者達だ。
ロアノークに住む者達なら、決して大魔術師殿に手出ししない。
「「「「「ギャッ!」」」」」
一斉に襲い掛かって来た冒険者と猟師が、正門を越えた途端、体力と魔力、生命力まで奪われ、ミイラのようになって絶命した。
「何だこれは、こんな話聞いてないぞ!」
少し遅れていた冒険者と猟師が、真っ青になって文句を言っている。
私と大魔術師殿を狙う他領の者、普通に考えて宰相が送り込んだ刺客だ。
宰相を務めるほどの大貴族が、恥知らずにもほどがある!
貴族ならばもっと正々堂々と戦え、一騎討ならいつでも受けてやる!
……いや、こんな考えだから大魔術師殿に馬鹿にされるのだ。
相手によっては、どのような手段を使ってでも領民を守らないといけない。
「スリープ」
大魔術師殿が逃げようとしていた冒険者や猟師を一瞬で眠らせた。
「さっさと捕らえろ、それでも辺境伯家に仕える護衛か?!」
大魔術師殿が外で待っていた私の家臣に厳しく命じた。
私を殺そうとした冒険者や猟師がいるのに、大魔術師殿の結界や防御魔術に殺されたのに驚いて、その場に突っ立っているのだから情けなさ過ぎる。
「はい、直ぐに!」
私の護衛たちが一斉に動き出した。
その場で寝ている敵を捕らえるだけだから、子供にでもできる簡単な役目だ。
領内の腕利きを集めたはずなのに、実戦では全く使えない。
「「「「「ファイア・アロー」」」」」
「「「「「ウィンド・アロー」」」」」
「「「「「ウォーター・アロー」」」」」
私が大魔術師殿の館正門を出たとたん、多数の攻撃魔術が放たれた。
刺客に第二陣がいたのだ! 初級魔術に過ぎないが、その分使い手も多い。
1人2人が相手なら、初級魔術くらい剣で斬り払って見せるが……
「マジックデリート」
大魔術師殿が呪文を唱えたとたん、四方八方から絶妙な時間差で放たれた、初級魔術の奔流が一斉に消え去った。
「お前らそれでも辺境伯の家臣か!
護衛を務める家臣なら、体を張ってでも辺境伯を守れ!」
大魔術師殿に厳しく叱責された家臣達が一斉に動き出した。
私を守ろうと全方位に散らばって盾になった。
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「ありがとう、頼んだぞ」
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