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「誰だ?
私を殺しにきたのか?
だが私を殺せばこの国が亡ぶぞ。
その覚悟があっての事か?」
「いえ、単なる泥棒です」
「泥棒?
見え透いた嘘をついても無駄だ。
ここには盗む価値のあるモノなど何一つない。
そうか、分かったぞ。
逃げようとした私を墜落死させる心算だな。
墜落死させて笑い者にする心算であろう。
そのような罠には引っかからないぞ」
参りました。
物凄く疑い深くなっています。
弟と家臣に陥れられ、無実の罪で王太子座を奪われ、こんな塔に幽閉されているのですから、人間不信になるのも仕方ありません。
ありませんが、これでは助け出せません。
ここはおだてる事から始めましょう。
「イェルク様、ここには何物にも代えがたい宝物があります」
「なに?!
そんなはずはない!
私はここに一年も幽閉されているのだ。
そのような宝物があれば、いくら何でも見つけている」
「それはそうでしょう。
見つけようと思えば鏡が必要です。
とても大切な宝物は、イェルク様ご自身なのですから。
ご自身の事はよく分からないモノですよ」
「ば、ば、馬鹿を言え!
私の事をそんなに大切に思う者がいるなら、このようなザマにはなっていない。
私の大切さを知っているのは、私だけだ。
誰も私の事を分かっていないのだ……」
「そんな事はありませんよ。
イェルク様を大切に思っている方は間違いなくいます。
だからこそ、私に救出依頼が来たのです。
本当に心当たりはないのですか?
本当に誰ひとり、イェルク様を助けようとする者は、タダの一人もいないと思っているのですか?」
「……信頼していた家臣に裏切られたのだ。
血の繋がった弟に陥れられたのだ。
私は単に長男だから王太子に選ばれたのではないのだ。
この国を魔から守護する日嗣の王子として、神託で選ばれたのだ。
その私を裏切り陥れたのだぞ。
重臣達がよってたかって、国王陛下たる父上を、薬で生きた屍にしたのだぞ。
こんなザマで誰を信じろというのだ!」
血を吐くような魂の叫びです。
そのような裏事情があったなんて、全く知りませんでした。
私はアロン大公国の出身で、生まれてから今まで、ずっとアロン大公国で暮らしてきました。
隣国とはいえ、オーラン王国の事は全く知りませんでした。
捨てられず、実家で育てられてれば、周辺国の事情も勉強していたのでしょうが。
おっと、自分の過去を振り返っている場合ではないですね。
「イェルク様。
私はイェルク様を今も愛し慕っている方から、助けてくれと頼まれたのですよ。
ここまで言っても心当たりがありませんか?」
「まさか!
いくらなんでも、そんな……
あれは政略による婚約で……
だが、本当に、私の事を愛してくれていたのか?
まさかとは思うが、ユリア姫なのか?
アロン大公家のユリア姫が私を助けようとしてくれているのか?」
私を殺しにきたのか?
だが私を殺せばこの国が亡ぶぞ。
その覚悟があっての事か?」
「いえ、単なる泥棒です」
「泥棒?
見え透いた嘘をついても無駄だ。
ここには盗む価値のあるモノなど何一つない。
そうか、分かったぞ。
逃げようとした私を墜落死させる心算だな。
墜落死させて笑い者にする心算であろう。
そのような罠には引っかからないぞ」
参りました。
物凄く疑い深くなっています。
弟と家臣に陥れられ、無実の罪で王太子座を奪われ、こんな塔に幽閉されているのですから、人間不信になるのも仕方ありません。
ありませんが、これでは助け出せません。
ここはおだてる事から始めましょう。
「イェルク様、ここには何物にも代えがたい宝物があります」
「なに?!
そんなはずはない!
私はここに一年も幽閉されているのだ。
そのような宝物があれば、いくら何でも見つけている」
「それはそうでしょう。
見つけようと思えば鏡が必要です。
とても大切な宝物は、イェルク様ご自身なのですから。
ご自身の事はよく分からないモノですよ」
「ば、ば、馬鹿を言え!
私の事をそんなに大切に思う者がいるなら、このようなザマにはなっていない。
私の大切さを知っているのは、私だけだ。
誰も私の事を分かっていないのだ……」
「そんな事はありませんよ。
イェルク様を大切に思っている方は間違いなくいます。
だからこそ、私に救出依頼が来たのです。
本当に心当たりはないのですか?
本当に誰ひとり、イェルク様を助けようとする者は、タダの一人もいないと思っているのですか?」
「……信頼していた家臣に裏切られたのだ。
血の繋がった弟に陥れられたのだ。
私は単に長男だから王太子に選ばれたのではないのだ。
この国を魔から守護する日嗣の王子として、神託で選ばれたのだ。
その私を裏切り陥れたのだぞ。
重臣達がよってたかって、国王陛下たる父上を、薬で生きた屍にしたのだぞ。
こんなザマで誰を信じろというのだ!」
血を吐くような魂の叫びです。
そのような裏事情があったなんて、全く知りませんでした。
私はアロン大公国の出身で、生まれてから今まで、ずっとアロン大公国で暮らしてきました。
隣国とはいえ、オーラン王国の事は全く知りませんでした。
捨てられず、実家で育てられてれば、周辺国の事情も勉強していたのでしょうが。
おっと、自分の過去を振り返っている場合ではないですね。
「イェルク様。
私はイェルク様を今も愛し慕っている方から、助けてくれと頼まれたのですよ。
ここまで言っても心当たりがありませんか?」
「まさか!
いくらなんでも、そんな……
あれは政略による婚約で……
だが、本当に、私の事を愛してくれていたのか?
まさかとは思うが、ユリア姫なのか?
アロン大公家のユリア姫が私を助けようとしてくれているのか?」
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