四代目 豊臣秀勝

克全

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第二章

堅守

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 秀吉の援軍が、毛利家と四国勢だけであったら、兵力不足で鶴賀城は苦しい戦いを強いられていただろう。
 大友宗麟の命令で肥前遠征していた利光宗魚が急ぎ戻り、討ち死にするような事になっていたかもしれない。
 だが今は、十万の豊臣兵が豊後を守りを固めていた。
 上原館には、三好秀次率いる四国勢を中心に四万の兵が籠っていた。
 丹生島城には、丹羽長重率いる丹羽軍を中核に三万の兵が籠っていた。
 そして肝心の鶴賀城には、宇喜多秀家率いる宇喜多軍を中核に三万の兵が籠っていた。
 だが島津家久は、鶴賀城に三万もの兵が籠っている事を知らなかった。
 家久軍が鶴賀城を攻撃しようとしたが、伏兵となっていた宇喜多軍が奇襲を仕掛けた。
 家久軍は侵攻中に八千の兵が増え、一万八千に兵力が増えていたが、急激に増えた兵を完全に統率出来ていなかった。
 一方宇喜多軍は、自軍一万五千兵だけで奇襲を仕掛けていたので、十分統率が取れていた。
 しかも奇襲を仕掛けた側と仕掛けられた側なので、圧倒的に宇喜多軍が有利だった。
 混乱する家久軍に対して、鶴賀城に隠れていた山陰山陽勢一万五千兵が城を討って出た。
 火の出るような山陰山陽勢の猛攻は、勇猛を謳われた島津軍を打ち負かした。
 宇喜多軍も手を緩めることなく攻め立て、遂に島津家久を捕虜にした。
 もし豊後に四国勢しかいなければ、仙石秀久が愚かな戦を仕掛けていたかもしれない。
 その犠牲となって、長宗我部信親と十河存保が討ち死にしていたかもしれない。
 愛息を失った長宗我部元親が乱心してしまったかもしれない。
 だが豊後には、三好秀次率いる十万の軍勢がおり、島津家久を捕虜とし、島津義弘を防ぎとめていた。
 この間に与一郎は肥前と筑後を調略し、一気に肥後にまで攻め込んだ。
 家久軍が破れ、肥前と筑後の国衆地侍が次々と寝返り、撤退路が塞がれることを恐れた島津義弘は、仕方なく後退することにした。
 だが三好秀次に付けられた黒田官兵衛が、みすみす島津義弘を見逃す訳がなく、丹羽勢三万に追撃をさせた。
 丹羽長重は十三歳と若かったが、叔父の丹羽秀重が後見し、歴戦の溝口秀勝・村上頼勝・坂井直政・江口正吉・太田牛一・戸田勝成などがいたため、戦場では後れを取るはずはなかった。
 だが残念な事に、若い長重に戦国を生き残った猛将達を御する力はなかった。
 叔父の秀重も力不足だった。
 先陣争いと手柄争いが起こってしまい、陣形が乱れに乱れてしまった。
 それを見逃す島津義弘ではなかった。
 侵攻後に増えた八千兵を切り捨て、薩摩兵が中核の一万兵で釣り野伏を仕掛け、散々に丹羽勢を討ち負かしたのだ。
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