14 / 36
第1章
第14話:裂帛
しおりを挟む
「強請集り、かどわかしの黒幕に名乗る安い名ではない、控えろ下郎!」
増上寺の権威を笠に賭場と岡場所を仕切って暴利を得ていたのだろうが、今日で年貢の納め時だ、神妙に縄につけ」
勝三郎が本気の殺気を香具師の元締めに放つ。
「「「「「ひっ!」」」」」
斬った張ったの死線を潜り抜けて元締めになった智傳院の化三郎が、思わず後退ってしまうくらいだ、手下の中には腰を抜かして小便をちびる者までいた。
「かどわかしどころか、強請集りの覚えもない!」
内心の恐怖を押し殺して智傳院の化三郎が必死で言い訳をする。
「下手人は全員そう言う、この者達を取り調べれば分かる事だ。
それとも、口封じのために私達共々殺すか?
これだけの者達の前で、火盗の与力を斬ってただですむとでも思っているのか?
増上寺の法主に賄賂を使えば揉み消せると思っているのなら大間違いだ。
千代田の御城を燃やす盗賊を匿っていたのだ、千両万両積んでも許されん」
「やっていない、火付けなどやっていない!」
「やっていないのなら、手下が取り調べられても問題ないだろう!
賄賂を渡して取り調べを止めさせようとしたのが、何よりの証拠だ!
お前達もだぞ、火付けを知って見逃したら、市中引き回しで火罪だぞ!」
「「「「「ひっ!」」」」」
通り掛かりの野次馬は他人事だが、増上寺門前町の地主や家主、商いをしている者は一味として罰せられるかもしれないと思い、恐怖に震え上がった。
ぴぃいいいいい、ぴぃいいいいい、ぴぃいいいいい。
亥之助が信用できる捕り方を集めるために呼子笛を吹き続ける。
追い詰められた智傳院の化三郎が寺侍に目配せした。
「ちぇすとぉお!」
大刀を蜻蛉に構えた寺侍が裂帛の勢いで勝三郎を斬ろうとする。
必殺を誓って駆け寄って来る寺侍の表情には鬼気迫るものがあった。
だが、勝三郎は悠々とした態度で迎え討つ。
必殺の剣を受ける事無く足捌きで躱しつつ槍を振るう。
刀の側金を叩いで軌道をそらし、蜻蛉の姿のような連撃ができないようにする。
「ぎゃ!」
勝三郎は、刀の側金を叩いた大身槍を縦横無尽に操って寺侍を叩き斬る。
強烈な斬撃が寺侍の脇腹を引き裂き両断する。
上半身が落ちて斬り口から血が吹き出し内臓が飛び出す。
「「「「「きゃあああああ」」」」」
「「「「「うげぇええええ」」」」」
余りにも凄惨な修羅場に野次馬達が悲鳴をあげ嘔吐する。
「お前が指示したな!」
返り血を浴びた勝三郎が修羅の表情で智傳院の化三郎を睨みつける。
「ひぃう」
香具師の元締めに成り上がるまでの情け容赦のない行いから、芝愛宕の化け物とまで言われた智傳院の化三郎が、その場で腰を抜かした。
腰を抜かしただけでなく、小便をちびってしまった。
こんな醜態を晒したら、香具師の元締めとしては終わりだ。
「動くな!」
元締めの醜態を見て、配下の破落戸や香具師が逃げようとしたのを止める。
勝三郎が裂帛の言葉を叩きつけると、逃げようとしていた連中が腰を抜かす。
「「「「「ひぃ」」」」」」
「逃げるな、逃げようとした者から斬って捨てる!
取り調べて罪が軽ければ、追放か敲ですむかもしれぬ。
だが逃げたら背中から斬る、神妙にせい!
亥之助、お園、小奴らの帯や志古貴を使って縛り上げろ」
「「はい」」
亥之助とお園は勝三郎に命じられた通り破落戸や香具師、僧も一緒に縛る。
「お待ちください、私は関係ありません、無実でございます」
魂が抜けた状態だった肥満僧が、正気を取り戻して言い訳を始めた。
「関係あるか無いかは役宅で聞く、火付けの疑いがある者は絶対に逃がさん!」
勝三郎に睨まれた僧は蛇に睨まれた蛙同然で、もう何も言わなくなった。
「どけ、どけ、どけ、火盗改めだ、どけ!」
五十人近い破落戸や香具師を全員縛り上げた直後、火付け盗賊改めの先触れをつとめる小者が野次馬を押しのけてやってきた。
「火付け盗賊改め方与力、佐久間陣十郎である、神妙にいたせ」
勝三郎が名前を借りた、次兄の義父が出張って来た。
勝三郎を密かに守っている影供が火盗役宅に知らせたのだ。
騎乗して右手に指揮十手を持った佐久間陣十郎は、通常の捕物出役の服装、火事羽織と野袴に陣笠を被り、更に胴丸までつけていた。
凶悪な盗賊が群れをなして襲ってきても、致命傷を受けないようにしていた。
佐久間には家臣の槍持ち、轡取、草履取、若党二人が付き従っている。
同心は普通の捕物出役よりも二人多い五人で、同心の小者が一人ずついる。
「これは義父上、わざわざの御出張り有難うございます」
勝三郎が次兄の振りをして片膝をついて挨拶する。
「火付け盗賊の疑いのある者を捕らえたと聞いたが、間違いないか?」
「間違いございません、増上寺門前町を取り仕切る香具師の元締めだけでなく、増上寺の僧や寺侍まで悪事に加担しておりました。
その証拠に、私の口を封じようとして寺侍が斬りかかって来ました」
「そうか、よくやった、全員を役宅に連れて行くから先導せよ」
「はっ、義父上、証人として、かどわかされそうになった女人を二人連れて行きたいのですが、宜しいでしょうか?」
「構わぬ、取り調べに必要だと思う者は全員連れて行く」
「でしたら、賄賂を渡そうとして捕らえた僧だけでなく、法主とまでは言いませんが、増上寺の役僧も同道させたいと思います。
誰であろうと必要なら捕らえて良いと、御老中から御許しを頂いております」
「分かった、増上寺には私が掛け合う」
「他にも、門前一帯の町名主も同道させて、これまでの経緯を聞きましょう」
「鈴木、周辺の町名主を全員連れて参れ、逆らうようなら縄を打って連れて来い」
「はっ」
佐久間陣十郎与力に命じられた若い同心が急いで駆けて行った。
捕物出役の服装である鎖帷子、鉢巻、小手脛当、白衣を陣ばしょりにして刃びきの刀を差し十手を持っているが、まだ様になっていない。
「啓次郎、私は増上寺に掛け合うから、その方は帰りの指揮をとれ」
「承りました、父上」
勝三郎は最後まで次兄の振りをして火付け盗賊改め方の役宅まで行った。
捕らえた全員を役宅の仮牢に放り込み、絶対に逃げられないようにした。
念のために、影供の密偵が呼び集めた手練れを、佐久間陣十郎の若党だと偽って、捕えた者達を見張らせて絶対に逃がさないようにした。
佐久間陣十郎が顔面蒼白な老僧と共に役宅に戻ったのは、勝三郎達が役宅に来てから半刻も経った頃だった。
佐久間陣十郎が戻るまでの間に、勝三郎は捕えた者達を激しく責めた。
とはいえ、特別な拷問をした訳ではない。
強い殺気を放って問い詰めただけで、全員が隠すことなく全て話した。
増上寺の支院や学寮を使っての賭場開帳だけでなく、門前町に岡場所を開いて増上寺の僧に女を抱かしていた事も白状した。
更にとんでもない悪事を自白した。
腕の立つ浪人を雇って殺人を請け負っていたのだ。
暗殺を請け負って多くの人間を殺していた事を自白した。
佐久間陣十郎は増上寺の老僧を同席させたうえで、再度同じ事を聞いた。
陣十郎の斜め後ろから勝三郎が殺気を放っているので、白状した事を翻す者は誰一人おらず、聞かされた老僧の顔色は青から真っ白になっていった。
「父上、私はこの二人を町奉行所に案内します」
重大な取り調べが終わった勝三郎が言う。
「一緒に家に戻らないのか?」
佐久間陣十郎が言外に、礼を言いたい、今後の打ち合わせがしたいと言う。
「申し訳ありません、この二人は江戸に出てきたばかりで、町奉行所に仇討の届をしたいそうなのです」
「仇持ちだったのか、分かった、仇討の届はできるだけ早い方が良い」
勝三郎が智傳院の化三郎達を取り調べている間に、亥之助とお園が女達から江戸に出て来た事情を聞いていたのだ。
「ありがとうございます、届け出が終わったら使いを送ります」
増上寺の権威を笠に賭場と岡場所を仕切って暴利を得ていたのだろうが、今日で年貢の納め時だ、神妙に縄につけ」
勝三郎が本気の殺気を香具師の元締めに放つ。
「「「「「ひっ!」」」」」
斬った張ったの死線を潜り抜けて元締めになった智傳院の化三郎が、思わず後退ってしまうくらいだ、手下の中には腰を抜かして小便をちびる者までいた。
「かどわかしどころか、強請集りの覚えもない!」
内心の恐怖を押し殺して智傳院の化三郎が必死で言い訳をする。
「下手人は全員そう言う、この者達を取り調べれば分かる事だ。
それとも、口封じのために私達共々殺すか?
これだけの者達の前で、火盗の与力を斬ってただですむとでも思っているのか?
増上寺の法主に賄賂を使えば揉み消せると思っているのなら大間違いだ。
千代田の御城を燃やす盗賊を匿っていたのだ、千両万両積んでも許されん」
「やっていない、火付けなどやっていない!」
「やっていないのなら、手下が取り調べられても問題ないだろう!
賄賂を渡して取り調べを止めさせようとしたのが、何よりの証拠だ!
お前達もだぞ、火付けを知って見逃したら、市中引き回しで火罪だぞ!」
「「「「「ひっ!」」」」」
通り掛かりの野次馬は他人事だが、増上寺門前町の地主や家主、商いをしている者は一味として罰せられるかもしれないと思い、恐怖に震え上がった。
ぴぃいいいいい、ぴぃいいいいい、ぴぃいいいいい。
亥之助が信用できる捕り方を集めるために呼子笛を吹き続ける。
追い詰められた智傳院の化三郎が寺侍に目配せした。
「ちぇすとぉお!」
大刀を蜻蛉に構えた寺侍が裂帛の勢いで勝三郎を斬ろうとする。
必殺を誓って駆け寄って来る寺侍の表情には鬼気迫るものがあった。
だが、勝三郎は悠々とした態度で迎え討つ。
必殺の剣を受ける事無く足捌きで躱しつつ槍を振るう。
刀の側金を叩いで軌道をそらし、蜻蛉の姿のような連撃ができないようにする。
「ぎゃ!」
勝三郎は、刀の側金を叩いた大身槍を縦横無尽に操って寺侍を叩き斬る。
強烈な斬撃が寺侍の脇腹を引き裂き両断する。
上半身が落ちて斬り口から血が吹き出し内臓が飛び出す。
「「「「「きゃあああああ」」」」」
「「「「「うげぇええええ」」」」」
余りにも凄惨な修羅場に野次馬達が悲鳴をあげ嘔吐する。
「お前が指示したな!」
返り血を浴びた勝三郎が修羅の表情で智傳院の化三郎を睨みつける。
「ひぃう」
香具師の元締めに成り上がるまでの情け容赦のない行いから、芝愛宕の化け物とまで言われた智傳院の化三郎が、その場で腰を抜かした。
腰を抜かしただけでなく、小便をちびってしまった。
こんな醜態を晒したら、香具師の元締めとしては終わりだ。
「動くな!」
元締めの醜態を見て、配下の破落戸や香具師が逃げようとしたのを止める。
勝三郎が裂帛の言葉を叩きつけると、逃げようとしていた連中が腰を抜かす。
「「「「「ひぃ」」」」」」
「逃げるな、逃げようとした者から斬って捨てる!
取り調べて罪が軽ければ、追放か敲ですむかもしれぬ。
だが逃げたら背中から斬る、神妙にせい!
亥之助、お園、小奴らの帯や志古貴を使って縛り上げろ」
「「はい」」
亥之助とお園は勝三郎に命じられた通り破落戸や香具師、僧も一緒に縛る。
「お待ちください、私は関係ありません、無実でございます」
魂が抜けた状態だった肥満僧が、正気を取り戻して言い訳を始めた。
「関係あるか無いかは役宅で聞く、火付けの疑いがある者は絶対に逃がさん!」
勝三郎に睨まれた僧は蛇に睨まれた蛙同然で、もう何も言わなくなった。
「どけ、どけ、どけ、火盗改めだ、どけ!」
五十人近い破落戸や香具師を全員縛り上げた直後、火付け盗賊改めの先触れをつとめる小者が野次馬を押しのけてやってきた。
「火付け盗賊改め方与力、佐久間陣十郎である、神妙にいたせ」
勝三郎が名前を借りた、次兄の義父が出張って来た。
勝三郎を密かに守っている影供が火盗役宅に知らせたのだ。
騎乗して右手に指揮十手を持った佐久間陣十郎は、通常の捕物出役の服装、火事羽織と野袴に陣笠を被り、更に胴丸までつけていた。
凶悪な盗賊が群れをなして襲ってきても、致命傷を受けないようにしていた。
佐久間には家臣の槍持ち、轡取、草履取、若党二人が付き従っている。
同心は普通の捕物出役よりも二人多い五人で、同心の小者が一人ずついる。
「これは義父上、わざわざの御出張り有難うございます」
勝三郎が次兄の振りをして片膝をついて挨拶する。
「火付け盗賊の疑いのある者を捕らえたと聞いたが、間違いないか?」
「間違いございません、増上寺門前町を取り仕切る香具師の元締めだけでなく、増上寺の僧や寺侍まで悪事に加担しておりました。
その証拠に、私の口を封じようとして寺侍が斬りかかって来ました」
「そうか、よくやった、全員を役宅に連れて行くから先導せよ」
「はっ、義父上、証人として、かどわかされそうになった女人を二人連れて行きたいのですが、宜しいでしょうか?」
「構わぬ、取り調べに必要だと思う者は全員連れて行く」
「でしたら、賄賂を渡そうとして捕らえた僧だけでなく、法主とまでは言いませんが、増上寺の役僧も同道させたいと思います。
誰であろうと必要なら捕らえて良いと、御老中から御許しを頂いております」
「分かった、増上寺には私が掛け合う」
「他にも、門前一帯の町名主も同道させて、これまでの経緯を聞きましょう」
「鈴木、周辺の町名主を全員連れて参れ、逆らうようなら縄を打って連れて来い」
「はっ」
佐久間陣十郎与力に命じられた若い同心が急いで駆けて行った。
捕物出役の服装である鎖帷子、鉢巻、小手脛当、白衣を陣ばしょりにして刃びきの刀を差し十手を持っているが、まだ様になっていない。
「啓次郎、私は増上寺に掛け合うから、その方は帰りの指揮をとれ」
「承りました、父上」
勝三郎は最後まで次兄の振りをして火付け盗賊改め方の役宅まで行った。
捕らえた全員を役宅の仮牢に放り込み、絶対に逃げられないようにした。
念のために、影供の密偵が呼び集めた手練れを、佐久間陣十郎の若党だと偽って、捕えた者達を見張らせて絶対に逃がさないようにした。
佐久間陣十郎が顔面蒼白な老僧と共に役宅に戻ったのは、勝三郎達が役宅に来てから半刻も経った頃だった。
佐久間陣十郎が戻るまでの間に、勝三郎は捕えた者達を激しく責めた。
とはいえ、特別な拷問をした訳ではない。
強い殺気を放って問い詰めただけで、全員が隠すことなく全て話した。
増上寺の支院や学寮を使っての賭場開帳だけでなく、門前町に岡場所を開いて増上寺の僧に女を抱かしていた事も白状した。
更にとんでもない悪事を自白した。
腕の立つ浪人を雇って殺人を請け負っていたのだ。
暗殺を請け負って多くの人間を殺していた事を自白した。
佐久間陣十郎は増上寺の老僧を同席させたうえで、再度同じ事を聞いた。
陣十郎の斜め後ろから勝三郎が殺気を放っているので、白状した事を翻す者は誰一人おらず、聞かされた老僧の顔色は青から真っ白になっていった。
「父上、私はこの二人を町奉行所に案内します」
重大な取り調べが終わった勝三郎が言う。
「一緒に家に戻らないのか?」
佐久間陣十郎が言外に、礼を言いたい、今後の打ち合わせがしたいと言う。
「申し訳ありません、この二人は江戸に出てきたばかりで、町奉行所に仇討の届をしたいそうなのです」
「仇持ちだったのか、分かった、仇討の届はできるだけ早い方が良い」
勝三郎が智傳院の化三郎達を取り調べている間に、亥之助とお園が女達から江戸に出て来た事情を聞いていたのだ。
「ありがとうございます、届け出が終わったら使いを送ります」
20
あなたにおすすめの小説
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『大人の恋の歩き方』
設楽理沙
現代文学
初回連載2018年3月1日~2018年6月29日
―――――――
予定外に家に帰ると同棲している相手が見知らぬ女性(おんな)と
合体しているところを見てしまい~の、web上で"Help Meィィ~"と
号泣する主人公。そんな彼女を混乱の中から助け出してくれたのは
☆---誰ぁれ?----★ そして 主人公を翻弄したCoolな同棲相手の
予想外に波乱万丈なその後は? *☆*――*☆*――*☆*――*☆*
☆.。.:*Have Fun!.。.:*☆
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる