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第1章
第20話:仇討
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「中根十次郎の娘、姉の鶴」
仇の者達を前にして中根鶴が名乗りを上げる。
「妹の亀」
続いて妹の亀も緊張がにじむ声で名乗りを上げる。
「父十次郎、無念の最期より六年、涙を糧とし剣を学び、ただこの時を待ち続けた。
日本六十四州を歩き回り、仇を探し続けた。
御殿様のお陰で、ようやく仇を見定める事ができた。
天野弥九郎を始めとした悪臣共は、奸計にて我が父を貶め、命を奪い正しき武の道を汚したる仇なり!
今日この日、天が裁かずとも、我らの刃で裁く!
父の無念、今ここに晴らさずして何が武士の娘か、覚悟!」
江戸城一ツ橋御門の直ぐ前の三番火除地に、鶴亀姉妹の仇討口上が響く。
近隣の大名旗本屋敷からだけでなく、町民の観衆も数多く集まった。
それどころか濠を挟んだ御用屋敷には、徳川家基公までが見物にやって来た。
「おのれ汚い罠を仕掛けおって、卑怯はお前達も同じだ!
田沼や水野の後ろ盾があろうと構わん、返り討ちにしてくれる」
返り討ちにすれば無罪放免を約束された天野弥九郎が吼える。
「徒目付組頭、柘植甚左衛門が一子勝三郎、義によって助太刀する。
闇討ちと武略軍略の違いも判らぬ阿呆に申し聞かせる事はない」
勝三郎に続いて助太刀を申し出た指南役七人と弟子達三十八人が名乗りを上げる。
赤穂の四十七士にかけて、勝三郎配下の浪人密偵も一人加わっている。
水野家の江戸家老一派が誰一人逃げ出さないのは、返り討ちにすれば無罪放免になる約束が、老中田沼意次と若年寄水野出羽守から正式に言い渡されているからだ。
何よりの理由は、上は江戸家老の天野弥九郎から下は若党まで、六年前に召し抱えられた者を中心に、総勢百五十七人という三倍以上の人数だったからだ。
「やれ、返り討ちにして生き残るのだ!」
「「「「「おう!」」」」」
江戸家老一派が数を頼んで一斉に襲い掛かって来た。
だが、一流の剣客である指南役と弟子達は全く動じない。
四十七人の内七人が、指南役七人が鶴亀姉妹を守って後方に控えている。
「うりゃあああああ!」
普段物静かな勝三郎が大声を上げて、先駆けとなり江戸家老一派に斬り込む。
敵が委縮するように、鶴亀姉妹に向かわないように、自分の方に引き付ける。
それに付き従って二十人の剣客が同じように斬り込んでいく。
「柘植勝三郎一番槍!」
勝三郎が大身槍をぶんぶんと振り回すと、ひと振りごとに敵の首が飛ぶ。
斬り飛ばされた首の切り口から、心臓の拍動に合わせて血が吹き出す。
「「「「「ひぃ!」」」」」
横にいた江戸家老一派が血を浴びて怯む。
怯むどころか腰を抜かして火除地に座り込む者まで現れる。
ひと息で十数回大身槍を振るい、一気に十数人を斬り殺した。
「何だあの男は、とんでもない豪傑ではないか、何所の藩士だ、幕臣なのか?」
御用屋敷から遠眼鏡で仇討を見ていた徳川家基公が感嘆の声を上げる。
遠眼鏡で見なければいけないほど離れているので、名乗りが聞こえなかったのだ。
戦国の礼儀を弁えない観衆が、名乗りの時にまで声援を送ってしまったからだ。
主君である徳川家基に問われたのに、側にいる誰一人答えられない。
中奥小姓や近習小姓達の中に心利いた者がおらず、誰も答えられない。
本来なら事前に仇討に出る者達全員を調べておくべきなのに、誰も何も調べていなかいから、主君の問に答えられないという失態を犯す。
「誰かあの者を知らぬか?」
「恐れながら申しあげます、あの者とは多少の付き合いがあり、存じております」
徳川家基が小姓達以外に聞いたので、護衛についていた書院番士の一人が答える。
「そうか、あの者は幕臣なのか?」
「はい、生まれは南町奉行所で年番方与力をつとめる佐久間家の三男でございますが、類まれなる武勇により徒目付の柘植家に養子に入った者でございます」
「そうか、幕臣であったか、一度会ってみたい、呼び出せ」
「書院番士に過ぎない某には手に余る命にございます。
御老中に申されますように、伏してお願い申し上げます」
「余が会いたいと言っているのに駄目なのか?」
「柘植勝三郎は御目見え以下の部屋住みでございます。
御老中の許可なく登城して大納言様に謁見できる身分ではございません」
将軍家の世子である徳川家基に、御目見え以下の部屋住に過ぎない勝三郎を公式に会す事など、太平の世ではとても難しいのだ。
「何と不便な、豊後守に手配するように命じよ」
武蔵忍藩十万石の藩主阿部豊後守正允が、西之丸老中として家基に仕えていた。
「はっ!」
近習小姓の一人が御用屋敷から西之丸に駆けて行く。
その間も第三火除地の仇討は勝三郎の描いた絵図通りに進んでいた。
最初に四十人近くを斬って敵の勢いを削いだ勝三郎達は、一旦引いて勝三郎以外の剣客が後方に控えてい者達と入れ替わった。
「敵は恐れをなして逃げたぞ、追え、今が好機ぞ!」
後方の安全な場所にいる天野弥九郎が配下の者達に命じる。
勝三郎の鬼神の如き槍捌きに恐れをなしていた者達には、不可能な命令だった。
敵が居竦まる間に第二陣が斬り込んで縦横無尽に武器を振るう。
馬庭念流と直心影流と一刀流中西派の剣客達が刀を振るい、宝蔵院流と福沢流と冨田流の槍使いが突き払い薙倒し、起倒流は普通に剣を振るう。
起倒流の組討ちにするまでもなく、刀で仇の一味を斬り殺す。
「一旦引け」
「「「「「おう!」」」」」
仇の一味を散々斬っていた第二陣が、勝三郎に命令で鶴亀姉妹の近くにまで引く。
勝三郎達が引いた場所には、第一陣が斬った者達も合わせて、九十人近くの死体と負傷者が横たわっていた。
「何をしているのだ、あいつらを殺さないと生き残れないのだぞ!」
味方が半分以下になった天野弥九郎が声を裏返しにして叫ぶ。
だが、天野弥九郎と磯部宗次郎の所為でこんな事になったと思っている者達は、戦うのではなく逃げようとして、周りを囲む御先手組にすきがないか必死で探す。
「第三陣、行くぞ」
「「「「「おう!」」」」」
鶴亀姉妹を守っていた指南役達が第三陣として斬り込んでいく。
七つの道場で師範代をつとめる者が指南役に代わって鶴亀姉妹を守る。
今回の勝三郎は、先駆けを指南役達に任せて最後尾をついて行く。
「何故だ、何故柘植は戦わない?!」
勝三郎の槍捌きを見たかった徳川家基が、遠眼鏡から目を離さずに文句を言う。
「疲れたのではないでしょうか?」
「きっと一時しか戦えないのですよ」
「臆病風に吹かれたのではありませんか?」
旗本に生まれた家柄しか取り柄の無い小姓達が、徳川家基の歓心を買った勝三郎を妬み悪し様に言う、男の嫉妬ほど醜いものはない。
「そこな書院番士、そのほう柘植の知り合いだと申したな、柘植は何故戦わぬ」
「恐れながら申しあげます、柘植が大将の心映えを持っているからでございます」
「大将の心映えだと、何じゃそれは?」
「今回の仇討は、藩内の悪党を退治するために田沼様と水野様が勝三郎にやらせた事ではございますが、幕府の威信を傷つけないために浪人者同士の仇討にしています」
「うむ、それは余も聞いておる。
藩内の悪臣を炙りだすために、出羽守が罠を仕掛けたのであったな」
「その為に、仇討の助太刀も全員浪人者達でございます」
「それがどうしたと言うのだ?」
「皆仕官の機会を一日千秋の想いで待ち続けております」
「……それで……」
「助太刀をして大活躍をすれば、武芸が認められて仕官ができるかもしれません。
或いは男子の居ない家に婿入りできるかもしれません。
柘植はもう十分活躍したので、他の者達に功名の機会を与えているのです」
「それが、大将の心映えだと申すのか」
「四十六人を率いるとなれば、御先手組を率いるのと同じでございます。
己一人が武功を稼ぐのではなく、配下の者達に稼がせてこそ大将でございます」
「なるほど、道理である、御目見え以下とは思えぬ働きなのだな」
「御意」
中奥小姓や近習小姓達が妬みの目で見ているのを全く気にせず、長谷川平蔵が堂々と徳川家基に状況を教えた。
「おお、確かにそこもとの申す通りじゃ、大将らしく指揮をしておる。
逸って囲まれそうになった助太刀を助けておるではないか、見事じゃ!」
中奥小姓や近習小姓達の妬みが殺意にまで高まっているのも気付かず、遠眼鏡をつけたまま徳川家基が褒めちぎる。
「残りは二人か、あれが姉妹の怨敵なのだな。
おお、見事、見事じゃ、勝三郎が槍で敵の刀を叩き落としたぞ!
やった、やったぞ、姉妹が見事に敵討ちを成し遂げたぞ、天晴れじゃ!
まことに天晴れじゃ、あの姉妹にも会いたい、豊後守に手配りさせよ!」
仇の者達を前にして中根鶴が名乗りを上げる。
「妹の亀」
続いて妹の亀も緊張がにじむ声で名乗りを上げる。
「父十次郎、無念の最期より六年、涙を糧とし剣を学び、ただこの時を待ち続けた。
日本六十四州を歩き回り、仇を探し続けた。
御殿様のお陰で、ようやく仇を見定める事ができた。
天野弥九郎を始めとした悪臣共は、奸計にて我が父を貶め、命を奪い正しき武の道を汚したる仇なり!
今日この日、天が裁かずとも、我らの刃で裁く!
父の無念、今ここに晴らさずして何が武士の娘か、覚悟!」
江戸城一ツ橋御門の直ぐ前の三番火除地に、鶴亀姉妹の仇討口上が響く。
近隣の大名旗本屋敷からだけでなく、町民の観衆も数多く集まった。
それどころか濠を挟んだ御用屋敷には、徳川家基公までが見物にやって来た。
「おのれ汚い罠を仕掛けおって、卑怯はお前達も同じだ!
田沼や水野の後ろ盾があろうと構わん、返り討ちにしてくれる」
返り討ちにすれば無罪放免を約束された天野弥九郎が吼える。
「徒目付組頭、柘植甚左衛門が一子勝三郎、義によって助太刀する。
闇討ちと武略軍略の違いも判らぬ阿呆に申し聞かせる事はない」
勝三郎に続いて助太刀を申し出た指南役七人と弟子達三十八人が名乗りを上げる。
赤穂の四十七士にかけて、勝三郎配下の浪人密偵も一人加わっている。
水野家の江戸家老一派が誰一人逃げ出さないのは、返り討ちにすれば無罪放免になる約束が、老中田沼意次と若年寄水野出羽守から正式に言い渡されているからだ。
何よりの理由は、上は江戸家老の天野弥九郎から下は若党まで、六年前に召し抱えられた者を中心に、総勢百五十七人という三倍以上の人数だったからだ。
「やれ、返り討ちにして生き残るのだ!」
「「「「「おう!」」」」」
江戸家老一派が数を頼んで一斉に襲い掛かって来た。
だが、一流の剣客である指南役と弟子達は全く動じない。
四十七人の内七人が、指南役七人が鶴亀姉妹を守って後方に控えている。
「うりゃあああああ!」
普段物静かな勝三郎が大声を上げて、先駆けとなり江戸家老一派に斬り込む。
敵が委縮するように、鶴亀姉妹に向かわないように、自分の方に引き付ける。
それに付き従って二十人の剣客が同じように斬り込んでいく。
「柘植勝三郎一番槍!」
勝三郎が大身槍をぶんぶんと振り回すと、ひと振りごとに敵の首が飛ぶ。
斬り飛ばされた首の切り口から、心臓の拍動に合わせて血が吹き出す。
「「「「「ひぃ!」」」」」
横にいた江戸家老一派が血を浴びて怯む。
怯むどころか腰を抜かして火除地に座り込む者まで現れる。
ひと息で十数回大身槍を振るい、一気に十数人を斬り殺した。
「何だあの男は、とんでもない豪傑ではないか、何所の藩士だ、幕臣なのか?」
御用屋敷から遠眼鏡で仇討を見ていた徳川家基公が感嘆の声を上げる。
遠眼鏡で見なければいけないほど離れているので、名乗りが聞こえなかったのだ。
戦国の礼儀を弁えない観衆が、名乗りの時にまで声援を送ってしまったからだ。
主君である徳川家基に問われたのに、側にいる誰一人答えられない。
中奥小姓や近習小姓達の中に心利いた者がおらず、誰も答えられない。
本来なら事前に仇討に出る者達全員を調べておくべきなのに、誰も何も調べていなかいから、主君の問に答えられないという失態を犯す。
「誰かあの者を知らぬか?」
「恐れながら申しあげます、あの者とは多少の付き合いがあり、存じております」
徳川家基が小姓達以外に聞いたので、護衛についていた書院番士の一人が答える。
「そうか、あの者は幕臣なのか?」
「はい、生まれは南町奉行所で年番方与力をつとめる佐久間家の三男でございますが、類まれなる武勇により徒目付の柘植家に養子に入った者でございます」
「そうか、幕臣であったか、一度会ってみたい、呼び出せ」
「書院番士に過ぎない某には手に余る命にございます。
御老中に申されますように、伏してお願い申し上げます」
「余が会いたいと言っているのに駄目なのか?」
「柘植勝三郎は御目見え以下の部屋住みでございます。
御老中の許可なく登城して大納言様に謁見できる身分ではございません」
将軍家の世子である徳川家基に、御目見え以下の部屋住に過ぎない勝三郎を公式に会す事など、太平の世ではとても難しいのだ。
「何と不便な、豊後守に手配するように命じよ」
武蔵忍藩十万石の藩主阿部豊後守正允が、西之丸老中として家基に仕えていた。
「はっ!」
近習小姓の一人が御用屋敷から西之丸に駆けて行く。
その間も第三火除地の仇討は勝三郎の描いた絵図通りに進んでいた。
最初に四十人近くを斬って敵の勢いを削いだ勝三郎達は、一旦引いて勝三郎以外の剣客が後方に控えてい者達と入れ替わった。
「敵は恐れをなして逃げたぞ、追え、今が好機ぞ!」
後方の安全な場所にいる天野弥九郎が配下の者達に命じる。
勝三郎の鬼神の如き槍捌きに恐れをなしていた者達には、不可能な命令だった。
敵が居竦まる間に第二陣が斬り込んで縦横無尽に武器を振るう。
馬庭念流と直心影流と一刀流中西派の剣客達が刀を振るい、宝蔵院流と福沢流と冨田流の槍使いが突き払い薙倒し、起倒流は普通に剣を振るう。
起倒流の組討ちにするまでもなく、刀で仇の一味を斬り殺す。
「一旦引け」
「「「「「おう!」」」」」
仇の一味を散々斬っていた第二陣が、勝三郎に命令で鶴亀姉妹の近くにまで引く。
勝三郎達が引いた場所には、第一陣が斬った者達も合わせて、九十人近くの死体と負傷者が横たわっていた。
「何をしているのだ、あいつらを殺さないと生き残れないのだぞ!」
味方が半分以下になった天野弥九郎が声を裏返しにして叫ぶ。
だが、天野弥九郎と磯部宗次郎の所為でこんな事になったと思っている者達は、戦うのではなく逃げようとして、周りを囲む御先手組にすきがないか必死で探す。
「第三陣、行くぞ」
「「「「「おう!」」」」」
鶴亀姉妹を守っていた指南役達が第三陣として斬り込んでいく。
七つの道場で師範代をつとめる者が指南役に代わって鶴亀姉妹を守る。
今回の勝三郎は、先駆けを指南役達に任せて最後尾をついて行く。
「何故だ、何故柘植は戦わない?!」
勝三郎の槍捌きを見たかった徳川家基が、遠眼鏡から目を離さずに文句を言う。
「疲れたのではないでしょうか?」
「きっと一時しか戦えないのですよ」
「臆病風に吹かれたのではありませんか?」
旗本に生まれた家柄しか取り柄の無い小姓達が、徳川家基の歓心を買った勝三郎を妬み悪し様に言う、男の嫉妬ほど醜いものはない。
「そこな書院番士、そのほう柘植の知り合いだと申したな、柘植は何故戦わぬ」
「恐れながら申しあげます、柘植が大将の心映えを持っているからでございます」
「大将の心映えだと、何じゃそれは?」
「今回の仇討は、藩内の悪党を退治するために田沼様と水野様が勝三郎にやらせた事ではございますが、幕府の威信を傷つけないために浪人者同士の仇討にしています」
「うむ、それは余も聞いておる。
藩内の悪臣を炙りだすために、出羽守が罠を仕掛けたのであったな」
「その為に、仇討の助太刀も全員浪人者達でございます」
「それがどうしたと言うのだ?」
「皆仕官の機会を一日千秋の想いで待ち続けております」
「……それで……」
「助太刀をして大活躍をすれば、武芸が認められて仕官ができるかもしれません。
或いは男子の居ない家に婿入りできるかもしれません。
柘植はもう十分活躍したので、他の者達に功名の機会を与えているのです」
「それが、大将の心映えだと申すのか」
「四十六人を率いるとなれば、御先手組を率いるのと同じでございます。
己一人が武功を稼ぐのではなく、配下の者達に稼がせてこそ大将でございます」
「なるほど、道理である、御目見え以下とは思えぬ働きなのだな」
「御意」
中奥小姓や近習小姓達が妬みの目で見ているのを全く気にせず、長谷川平蔵が堂々と徳川家基に状況を教えた。
「おお、確かにそこもとの申す通りじゃ、大将らしく指揮をしておる。
逸って囲まれそうになった助太刀を助けておるではないか、見事じゃ!」
中奥小姓や近習小姓達の妬みが殺意にまで高まっているのも気付かず、遠眼鏡をつけたまま徳川家基が褒めちぎる。
「残りは二人か、あれが姉妹の怨敵なのだな。
おお、見事、見事じゃ、勝三郎が槍で敵の刀を叩き落としたぞ!
やった、やったぞ、姉妹が見事に敵討ちを成し遂げたぞ、天晴れじゃ!
まことに天晴れじゃ、あの姉妹にも会いたい、豊後守に手配りさせよ!」
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