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第1章
第31話:上納金と手心
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「数々の御配慮を賜り御礼の言葉もございません。
これは上州博徒どもから押収した金品でございます。
御政道に使っていただければ幸いでございます」
徒目付組頭の義父と火付け盗賊改め方を駆使して、上州で激烈な取り締まりを行っていた勝三郎だが、一時的に江戸に戻って田沼意次に挨拶した。
「うむ、良くやってくれた、この二万両があれば幕府の勝手向きもひと息つく。
勝三郎は先に探索の費えをとったのか?」
「いえ、取り押さえた金品は、ここにある金品も含めて、全て幕府に納めさせていただいております」
「それでは勝三郎の配下の者達が十分に働けなくなる。
一割の二千両を費えとして受け取るが良い」
「費えの方は、探索の時に博打で勝った分がございます」
「それは勝三郎だから勝てたのであって、他の者なら負けていたかもしれぬ。
博打で負けた分までは補えぬが、普通に使った費えは補わねばならぬ。
そうしておかなければ、勝三郎の後任が困るであろう」
「有難き幸せでございます、遠慮なく受け取らせていただきます」
勘定や支配勘定は、役目で遠国に出張する時には手当てが出た。
日当や食費、消耗品費以外に物書料として関所内は十両、関所外は十五両支払われるのだが、勝三郎は何十人もの密偵を使っているので、とてもではないが足らない。
「この費えとは全く関係ないのだが、取り締まりに手心を加えてもらいたい」
「関東代官頭殿や旗本の方々の家臣でございますか?」
「うむ、伊奈家を含む旗本達が大納言様に泣きついたのだ」
「大納言様は何と言っておられるのですか?」
「最初は公に裁かねばならないと申しておられたのだが、御母堂に頼まれたのと、泣きついて来た旗本達があまりにも多いので、渋々認められた」
「大納言様は腹立たしい思いをされたのでしょうね」
「うむ、幕府を背負う立場に立つと、理想通りにやれぬと思われたようだ」
「御老中の思惑通りでございますか?」
「そうかもしれぬ、だが、大納言様を操ろうと思っている訳ではないぞ。
余を信じてくださっている上様の御代だけ、精一杯御奉公するだけだ」
「はい、微力ながらお手伝いさせていただきます。
それでも、伊奈家を始めとする賄賂を受け取っていた陪臣達は?」
「勝三郎が内々に斬ってくれて構わないが、表向きは主家である旗本が自ら捕らえて切腹させた事にする、よいか?」
「はい、そのようにさせていただきます」
「うむ、伊奈家を始めとした旗本家からは、盆暮れに挨拶があるだろう」
「鯛仙や鯛徳から切手を買って柘植家に贈ってくださるのですね?」
「そういう事だ、利をどのように分けるかは勝三郎が差配すればよい」
「有難き幸せでございます」
「話は戻るが、博徒どもから取り押さえた金品だが、これからも手に入るか?」
「上州は奇襲が成功したので、蓄えを隠させずに取り押さえられました。
博徒の力が他国よりも強く、二万両もの大金を蓄えておりました。
ですが他国では、一万両も取り押さえられないと思います。
千両から二千両、上手く行って五千両くらいかと思われます」
「そうか、盗人や博徒の金品を当てにはできないと言う事か」
「精一杯つとめさせていただきますが、御約束はできません」
「残る九ヶ国で十八万両取り押さえられたら、幕府の勝手向きも楽になるのだが、早々思い通りにはいかぬか、分かった、できるだけで構わぬ、頼んだぞ」
「承りました」
その後も老中田沼意次と多くの打ち合わせを行った勝三郎は、心身の疲れを取るために、安心できる船宿鯛仙に帰った。
ただ勝三郎は、鯛仙でぐうたらする訳ではない。
台所に入って好きな料理を思う存分作る事で心身の疲れを癒した。
「若旦那、旬の穴子がありますが、何か作られますか?」
「うむ、たくさんあるのか?」
「はい、出入りの漁師がたくさん持ち込んでくれました」
穴子は年中安定して獲れるのだが、梅雨から夏にかけてがもっとも美味しいと言われており、江戸っ子は梅雨穴子とか夏穴子とか呼んでいる。
江戸時代は脂の乗っている魚は下魚とされ、脂の少ないさっぱりとした白身魚が上魚とされることが多かった。
さっぱりとした強すぎない脂になり、ふっくらと身の厚みが増す梅雨時こそが、本当の穴子の味を楽しめる美味しい季節だと言われていた。
「蒲焼は鰻の方が好きだし、上州の行き返りで何度か食べている。
天婦羅に田楽、付け焼きに鉄砲和え、吸い物と茶碗蒸し、あんかけと寿司。
どう料理してやろうか?」
「天婦羅は手前に料理させてやってください。
若旦那には揚げたて熱々の天婦羅を食べていただきたいです」
「そうか、だったら金婦羅と銀婦羅の両方で揚げてくれるか?」
「はい、御任せ下さい、お前らも手伝え」
「「「「「はい!」」」」」
弟子の料理人達が一斉に下ごしらえを始める。
「だったら俺は、明日船宿で出しても喜ばれる煮穴子を作っておこう」
勝三郎はそう言うと穴子の頭と背鰭腹鰭を取り除くと、頭の付け根にある骨の下に包丁を入れて頭を切り落す。
開いた穴子の身を元の形に戻して、尾の先から背鰭のあった部分に沿って包丁で切り込みを入れ、背鰭のあった部分を指でつまんで斜め手前に引っ張り、包丁をそのまま頭の方向に切り進める。
見栄えと食べ応えを考えて穴子の身を切り揃える。
捌いた穴子の皮に熱湯をかけてから冷水にくぐらせて滑りをとる。
白く固まった滑りを包丁でこそげ落とし、水で洗って手拭いで水気を拭き取る。
穴子を煮る大鍋に水、日本酒、味醂、砂糖、醤油を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら穴子を入れる。
再び煮立て灰汁が出てきたら丁寧にすくい取る。
落とし蓋をして弱めの中火で少し煮たら、更に醤油を少量加えて煮る。
冷まして味を染み込ませてから食べるのが鯛仙流だった。
勝三郎が煮穴子を作っている間に、料理長が天婦羅の準備をする。
穴子だけでなく、勝三郎が好む魚も捌いていく。
他にも季節の野菜を天婦羅にできるようの下ごしらえする。
勝三郎が心から味を楽しめるように、金婦羅と銀婦羅の揚げ油に菜種油と椿油の両方を用意する。
「若旦那、用意できましたので、座っていただけますか?」
「ああ、ありがとう」
小麦粉に卵黄だけを加えたものを衣にして椿油で揚げたのが金婦羅。
小麦粉に卵白だけを加えたものを衣にして菜種油で揚げたのが銀婦羅。
銀婦羅の衣は作りやすいが金婦羅の衣は作り難い。
水と小麦粉と卵黄の量が微妙で、更に井戸水の温度によって量が変わる。
料理長は細心の注意を払って油の温度も調整しながら揚げていく。
「若旦那、食べ比べて頂けますか?」
「そんな緊張しなくてもいい、料理なんて好みあがるんだ、一番なんてないよ」
勝三郎はそう言いながら穴子の天婦羅を塩で食べる。
金婦羅と銀婦羅、具材の穴子は同じなのに、油の風味と旨味はもちろん、衣の口当たりも甘みも全く違っている。
「うん、美味い、両方ともそれぞれの美味しさがある。
お前達も食べさせてもらって勉強しろ」
弟子達が料理長の方を伺うように見る。
「若旦那がこう言ってくださっているんだ、感謝して勉強しろ」
「若旦那、料理長、ありがとうございます」
「若旦那、料理長、勉強させていただきます」
「「「勉強させていただきます」」」
二番手三番手だけでなく、小僧を含む全五人に金婦羅と銀婦羅を食べさせる。
幼いくらいの方が味覚に敏感で、美味しいものを食べた時の感動も大きい。
料理人の中には、人生で初めて食べたご馳走の味を求めて修行に励む者もいる。
「物凄く美味しいです、金婦羅と銀婦羅の違いがよくわかりました」
「あっしも金婦羅と銀婦羅の違いがよくわかりました」
「こんな天婦羅が作れるようになりたいです」
「頑張って同じ天婦羅を作れるようになります」
「こんな美味しい物、生まれて初めて食べました」
「穴子だけでは金婦羅と銀婦羅の本当の違いは分からないぞ。
他の魚と野菜を揚げた時の違いも覚えておけ。
料理長、下拵えした魚と野菜を全部揚げてくれ」
「はい、若旦那」
これは上州博徒どもから押収した金品でございます。
御政道に使っていただければ幸いでございます」
徒目付組頭の義父と火付け盗賊改め方を駆使して、上州で激烈な取り締まりを行っていた勝三郎だが、一時的に江戸に戻って田沼意次に挨拶した。
「うむ、良くやってくれた、この二万両があれば幕府の勝手向きもひと息つく。
勝三郎は先に探索の費えをとったのか?」
「いえ、取り押さえた金品は、ここにある金品も含めて、全て幕府に納めさせていただいております」
「それでは勝三郎の配下の者達が十分に働けなくなる。
一割の二千両を費えとして受け取るが良い」
「費えの方は、探索の時に博打で勝った分がございます」
「それは勝三郎だから勝てたのであって、他の者なら負けていたかもしれぬ。
博打で負けた分までは補えぬが、普通に使った費えは補わねばならぬ。
そうしておかなければ、勝三郎の後任が困るであろう」
「有難き幸せでございます、遠慮なく受け取らせていただきます」
勘定や支配勘定は、役目で遠国に出張する時には手当てが出た。
日当や食費、消耗品費以外に物書料として関所内は十両、関所外は十五両支払われるのだが、勝三郎は何十人もの密偵を使っているので、とてもではないが足らない。
「この費えとは全く関係ないのだが、取り締まりに手心を加えてもらいたい」
「関東代官頭殿や旗本の方々の家臣でございますか?」
「うむ、伊奈家を含む旗本達が大納言様に泣きついたのだ」
「大納言様は何と言っておられるのですか?」
「最初は公に裁かねばならないと申しておられたのだが、御母堂に頼まれたのと、泣きついて来た旗本達があまりにも多いので、渋々認められた」
「大納言様は腹立たしい思いをされたのでしょうね」
「うむ、幕府を背負う立場に立つと、理想通りにやれぬと思われたようだ」
「御老中の思惑通りでございますか?」
「そうかもしれぬ、だが、大納言様を操ろうと思っている訳ではないぞ。
余を信じてくださっている上様の御代だけ、精一杯御奉公するだけだ」
「はい、微力ながらお手伝いさせていただきます。
それでも、伊奈家を始めとする賄賂を受け取っていた陪臣達は?」
「勝三郎が内々に斬ってくれて構わないが、表向きは主家である旗本が自ら捕らえて切腹させた事にする、よいか?」
「はい、そのようにさせていただきます」
「うむ、伊奈家を始めとした旗本家からは、盆暮れに挨拶があるだろう」
「鯛仙や鯛徳から切手を買って柘植家に贈ってくださるのですね?」
「そういう事だ、利をどのように分けるかは勝三郎が差配すればよい」
「有難き幸せでございます」
「話は戻るが、博徒どもから取り押さえた金品だが、これからも手に入るか?」
「上州は奇襲が成功したので、蓄えを隠させずに取り押さえられました。
博徒の力が他国よりも強く、二万両もの大金を蓄えておりました。
ですが他国では、一万両も取り押さえられないと思います。
千両から二千両、上手く行って五千両くらいかと思われます」
「そうか、盗人や博徒の金品を当てにはできないと言う事か」
「精一杯つとめさせていただきますが、御約束はできません」
「残る九ヶ国で十八万両取り押さえられたら、幕府の勝手向きも楽になるのだが、早々思い通りにはいかぬか、分かった、できるだけで構わぬ、頼んだぞ」
「承りました」
その後も老中田沼意次と多くの打ち合わせを行った勝三郎は、心身の疲れを取るために、安心できる船宿鯛仙に帰った。
ただ勝三郎は、鯛仙でぐうたらする訳ではない。
台所に入って好きな料理を思う存分作る事で心身の疲れを癒した。
「若旦那、旬の穴子がありますが、何か作られますか?」
「うむ、たくさんあるのか?」
「はい、出入りの漁師がたくさん持ち込んでくれました」
穴子は年中安定して獲れるのだが、梅雨から夏にかけてがもっとも美味しいと言われており、江戸っ子は梅雨穴子とか夏穴子とか呼んでいる。
江戸時代は脂の乗っている魚は下魚とされ、脂の少ないさっぱりとした白身魚が上魚とされることが多かった。
さっぱりとした強すぎない脂になり、ふっくらと身の厚みが増す梅雨時こそが、本当の穴子の味を楽しめる美味しい季節だと言われていた。
「蒲焼は鰻の方が好きだし、上州の行き返りで何度か食べている。
天婦羅に田楽、付け焼きに鉄砲和え、吸い物と茶碗蒸し、あんかけと寿司。
どう料理してやろうか?」
「天婦羅は手前に料理させてやってください。
若旦那には揚げたて熱々の天婦羅を食べていただきたいです」
「そうか、だったら金婦羅と銀婦羅の両方で揚げてくれるか?」
「はい、御任せ下さい、お前らも手伝え」
「「「「「はい!」」」」」
弟子の料理人達が一斉に下ごしらえを始める。
「だったら俺は、明日船宿で出しても喜ばれる煮穴子を作っておこう」
勝三郎はそう言うと穴子の頭と背鰭腹鰭を取り除くと、頭の付け根にある骨の下に包丁を入れて頭を切り落す。
開いた穴子の身を元の形に戻して、尾の先から背鰭のあった部分に沿って包丁で切り込みを入れ、背鰭のあった部分を指でつまんで斜め手前に引っ張り、包丁をそのまま頭の方向に切り進める。
見栄えと食べ応えを考えて穴子の身を切り揃える。
捌いた穴子の皮に熱湯をかけてから冷水にくぐらせて滑りをとる。
白く固まった滑りを包丁でこそげ落とし、水で洗って手拭いで水気を拭き取る。
穴子を煮る大鍋に水、日本酒、味醂、砂糖、醤油を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら穴子を入れる。
再び煮立て灰汁が出てきたら丁寧にすくい取る。
落とし蓋をして弱めの中火で少し煮たら、更に醤油を少量加えて煮る。
冷まして味を染み込ませてから食べるのが鯛仙流だった。
勝三郎が煮穴子を作っている間に、料理長が天婦羅の準備をする。
穴子だけでなく、勝三郎が好む魚も捌いていく。
他にも季節の野菜を天婦羅にできるようの下ごしらえする。
勝三郎が心から味を楽しめるように、金婦羅と銀婦羅の揚げ油に菜種油と椿油の両方を用意する。
「若旦那、用意できましたので、座っていただけますか?」
「ああ、ありがとう」
小麦粉に卵黄だけを加えたものを衣にして椿油で揚げたのが金婦羅。
小麦粉に卵白だけを加えたものを衣にして菜種油で揚げたのが銀婦羅。
銀婦羅の衣は作りやすいが金婦羅の衣は作り難い。
水と小麦粉と卵黄の量が微妙で、更に井戸水の温度によって量が変わる。
料理長は細心の注意を払って油の温度も調整しながら揚げていく。
「若旦那、食べ比べて頂けますか?」
「そんな緊張しなくてもいい、料理なんて好みあがるんだ、一番なんてないよ」
勝三郎はそう言いながら穴子の天婦羅を塩で食べる。
金婦羅と銀婦羅、具材の穴子は同じなのに、油の風味と旨味はもちろん、衣の口当たりも甘みも全く違っている。
「うん、美味い、両方ともそれぞれの美味しさがある。
お前達も食べさせてもらって勉強しろ」
弟子達が料理長の方を伺うように見る。
「若旦那がこう言ってくださっているんだ、感謝して勉強しろ」
「若旦那、料理長、ありがとうございます」
「若旦那、料理長、勉強させていただきます」
「「「勉強させていただきます」」」
二番手三番手だけでなく、小僧を含む全五人に金婦羅と銀婦羅を食べさせる。
幼いくらいの方が味覚に敏感で、美味しいものを食べた時の感動も大きい。
料理人の中には、人生で初めて食べたご馳走の味を求めて修行に励む者もいる。
「物凄く美味しいです、金婦羅と銀婦羅の違いがよくわかりました」
「あっしも金婦羅と銀婦羅の違いがよくわかりました」
「こんな天婦羅が作れるようになりたいです」
「頑張って同じ天婦羅を作れるようになります」
「こんな美味しい物、生まれて初めて食べました」
「穴子だけでは金婦羅と銀婦羅の本当の違いは分からないぞ。
他の魚と野菜を揚げた時の違いも覚えておけ。
料理長、下拵えした魚と野菜を全部揚げてくれ」
「はい、若旦那」
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