スライム従魔司というスキルが神与されたので、王太女との婚約は破棄され、実家からは追放され、刺客を放たれた。

克全

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第3章

第50話:スライム従魔クラン

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 俺はスライム従魔士クランをスライム従魔クランに改称した。
 士が入っているかいないかだけの違いだが、広く人材を求めたいから、士の一字を外すべきだと思ったのだ。

 今のところはスライム従魔司は俺だけだし、スライム従魔師もアルペーシュだけだが、これからもっと増えるかもしれない。

 総勢175名集まったスライム従魔士には、その能力差によって最適の仕事を考えて割り振った。

 全員レベルの低いスライムを1頭しか従魔にできないので、交代で薬屋か治療屋をやらせることにした。

 ポーションを作る事のできるスライムや、回復魔術を使えるスライムがいれば、安全な街の中なら十分稼ぐことができる。

 それは王都だけに限られず、大魔境などの魔境近くにある冒険者ギルドでも重宝され、十分な稼ぎを得ることができるだろう。

 この世界には幾千もの毒があるので、多くの毒に対応する解毒薬を創り出せる俺のスライムは、とても重宝されるのだ。

 普通の街でも人並みに暮らす程度の収入はある。
 生まれ育った街を出たくないスライム従魔士は、故郷に残ってもいいのだ。

 だが多くのスライム従魔士は、今までの不遇な生活を取り戻したいのか、冒険者として生きていきたい人間が多かった。

 回復魔術が使える上に、各種解毒薬と回復薬が作れて、もっている魔力の範囲内なら攻撃魔術まで使えるスライムが相棒なら、冒険者として生きていける。

 低レベルの魔獣なら単独で狩ってソロの冒険者になる事もできる。
 回復魔術が使えるのなら、パーティーに参加したいと望んでも引く手数多だ。
 今までの人生とは真逆の状態になれば、冒険者になりたくもなるだろう。

 ただ、多くのスライム従魔士は人間不信の傾向があった。
 何より、全ての冒険者がスライム従魔士に対する偏見を持ち続けている。

 スライム従魔士を使い捨ての道具のように扱う連中も多いだろう。
 だが、今のスライム従魔士には、公爵家の騎士が務まるくらいの武術がある。
 人として許されない態度をとった時は、残虐な死を迎えるだろう。

「リドワーン様、王宮に重大な知らせが入ったようです。
 私としては、直ぐに王宮に向かわれることをお勧めします」

 サクラが俺に勧めてくれたので、急いで王宮内に残しているスライムの見ているモノを俺も確認してみた。

 緊急連絡用に、王宮各所にスライムを残しているのだ。
 特にカチュア王太女殿下とティンド国王陛下の側には、常にスライムがいるようにして、刺客からの護衛や解毒役回復役にしている。

 ただ、カチュア王太女殿下が俺に着替えている姿を見せようとしたから、普段はサクラに見張ってもらうようにしているのだ。

「スライム従魔クラン」
従魔司:1名・リドワーン・シャルマン
従魔師:1名・アルペーシュ
従魔士:175名

「主なスライム」
レベル1キングスライム:1頭
レベル5ロードスライム:1頭
レベル4ロードスライム:1頭
レベル3ロードスライム:1頭
ヒュージスライム:11頭
ビッグスライム :47頭
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :367頭
マジックスライム :296頭
ポイズンスライム :4514頭
ポーションスライム:1337頭
ウッドスライム  :1613頭
ロックスライム  :1632頭
ブロンズスライム :39頭
アイアンスライム :88頭
シルバースライム :8頭
ゴールドスライム :6頭
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