婚約破棄追放された聖女はダンジョンコアを魅了して農園ダンジョンを作ります。

克全

文字の大きさ
4 / 9
第一章

第4話:貧民救済

しおりを挟む
「影龍、王都は以前からこんなに酷いことになっていたの?」

(はい、聖女ルイーズ、王侯貴族は民の事など全くかんがえていない)

「影龍の力で助ける事はできる?」

(王侯貴族や大商人が蓄えている食糧を奪って配ることはできるが、そうすると表立った戦いになる。
 絶対に勝てるが、そんな争いは聖女ルイーズの望みではないだろう。
 大量に狩って備蓄してある食料を配って与える事は可能だから、それが一番争いにならないだろう)

「だったらそれでお願いするわ」

 影龍は聖女ルイーズの命を受けて直ぐに動いた。
 聖女ルイーズを慕って集まった影達にも伝え、王都にいる貧民に聖女ルイーズが炊き出しをすると人間に伝えさせた。
 寝たきりの者達や死にかけた者達は、影達に憑依させて食べ物のある場所まで移動させて、喰い力を与えることにした。

「聖女ルイーズ様、料理は私達がやらさせて頂きます」

 集まった貧民の中で動ける者が率先して料理を始めた。
 料理に使える道具も燃料もほとんどないなかで、何とか工夫して料理をした。
 乏しい燃料に聖女ルイーズが魔力を加えて、長時間火力として使えるようにした。
 その火を使って魔獣の肉を焼いたり煮たりした。
 影龍達が集めた食材なので、どうしても魔獣肉になってしまう。
 影龍が狩った魔獣肉は強大過ぎて、とてもこんな所に出せる魔獣ではない。
 だが比較的弱い影が集めた魔獣なら、何とかここでも使えた。

「聖女ルイーズ様、ありがとうございます。
 久し振りに肉を食べる事ができました」

 比較的元気な貧民が、オークの焼肉を貪り食っていた。
 そこら辺から集めてきた鍋やフライパンを熱して、そこに切り分けたオーク肉を乗せて焼いたり、オーク肉の塊に木を刺して焼いたりした。
 ごみ箱に捨てられていた石のように固くなったライ麦パンを、オーク肉と一緒の鍋に入れ水を加えて肉入りパン粥にした物は、弱った貧民に与えられた。
 
「お前らこんな所でなにをしておる、うっ」

 警備の兵士が炊き出しを発見して取り締まろうとしたが、影が直ぐに気絶させた。
 影が人を殺す事はなかったが、情け容赦なく叩きのめした。
 警備兵が帰ってこない事で、徐々に待機兵も調査に現れたが全員気絶させられた。
 聖女ルイーズも影龍も大事にしたくはなかったが、飢え死にしかけている難民を食べさせる事を優先させたので、警備兵を気絶させるしかなかった。
 だがそのお陰で、朝までかかったが、貧民全員にお腹一杯食べさせる事ができたし、死にかけていた貧民を普通に歩ける程度には回復させる事ができた。

「私と一緒に王都から出ていきたい人はいますか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...