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第2章
38話
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テオが射った鏑矢は、見事ノアの背中を直撃した。
丁度腹の裏だ。
十人張二百キロの複合超強弓で放った矢だ。
殺傷能力が無い矢が、鎧の上から命中したと言っても、その衝撃は絶大だ。
いや、最初からその心算で放った鏑矢だ。
矢羽根によって回転した鏑矢の衝撃は、ノアの内臓をズタズタにした。
即死させる事なく、もがき苦しませるために、わざと鏑矢を使ったのだ。
ノアは矢が命中した衝撃で落馬した。
落馬した衝撃で左肩の腕が砕けた。
フルアーマープレートと自分の体重で、落馬の衝撃が強大になった。
ノアは痛みと傷で動けなくなった。
外様貴族はそれを見逃さなかった。
今回は傭兵団の眼もない。
斥候が探っている気配もない。
帝国の走狗を殺す好機だった。
特にむりやり動員された兵士の恨みが深かった。
直接重税を課しているのは貴族だ。
むりやり兵士にしたのも貴族だ。
だが、それをやらしているのが、帝国だと知っていた。
いや、貴族が積極的に広めていた。
外様貴族士族の苦肉の策だった。
帝国の無理無体で民を苦しめている。
だがその為に一揆が起これば、それを理由に家を潰されてしまう。
だから一揆を防ぐために、帝国が悪いと広めたのだ。
貴族と民が一体となり、帝国の対抗する策を取っていた。
一つの外様貴族がそういう政策を取れば、他の外様貴族も同じ政策を取る。
全ての外様貴族と士族が、君臣一体となって帝国に対抗していた。
貴族とその家臣も、領民と一緒に土にまみれて田畑を耕した。
質素倹約に励み、帝国の苦役に耐え忍んできた。
だがら、帝国の走狗に恨みを晴らす機会を見逃さなかった。
ノアを輸送用の駄馬で引かせた。
縄で縛り上げて駄馬を走らせて引かせたのだ。
俗に言う「引きずり回し」の刑だ。
内臓が破裂し骨折した身体で、馬に引きずり回されるのだ。
地面で皮や肉をすり下ろされる激痛が加わるのだ。
ノアは長時間馬で引きずり回されて息絶えた。
一方第二次討伐軍自体は、それほど損害を受けることなく壊走した。
損害は僅かとは言え、それでも領民が死傷したのは確かだ。
更に言えば、大量の物資を失った。
武具防具に加えて、兵糧を失ったのが大きかった。
二度も大量の兵糧を失えば、領民から大量の餓死者が出てしまう。
「爺。
ここは決断の時だ。
兵を挙げるぞ」
「ですが、若。
そんな事をすれば、帝国は我が領地に攻め込んできますぞ」
「だがこのままでは、大量の領民が餓死するぞ。
餓死するくらいならと、領民は家族を奴隷に売るぞ。
借金で食糧を買えば、借金返済が出来ずに家を乗っ取られるぞ。
家を保つには、一か八か立つしかないのだ」
丁度腹の裏だ。
十人張二百キロの複合超強弓で放った矢だ。
殺傷能力が無い矢が、鎧の上から命中したと言っても、その衝撃は絶大だ。
いや、最初からその心算で放った鏑矢だ。
矢羽根によって回転した鏑矢の衝撃は、ノアの内臓をズタズタにした。
即死させる事なく、もがき苦しませるために、わざと鏑矢を使ったのだ。
ノアは矢が命中した衝撃で落馬した。
落馬した衝撃で左肩の腕が砕けた。
フルアーマープレートと自分の体重で、落馬の衝撃が強大になった。
ノアは痛みと傷で動けなくなった。
外様貴族はそれを見逃さなかった。
今回は傭兵団の眼もない。
斥候が探っている気配もない。
帝国の走狗を殺す好機だった。
特にむりやり動員された兵士の恨みが深かった。
直接重税を課しているのは貴族だ。
むりやり兵士にしたのも貴族だ。
だが、それをやらしているのが、帝国だと知っていた。
いや、貴族が積極的に広めていた。
外様貴族士族の苦肉の策だった。
帝国の無理無体で民を苦しめている。
だがその為に一揆が起これば、それを理由に家を潰されてしまう。
だから一揆を防ぐために、帝国が悪いと広めたのだ。
貴族と民が一体となり、帝国の対抗する策を取っていた。
一つの外様貴族がそういう政策を取れば、他の外様貴族も同じ政策を取る。
全ての外様貴族と士族が、君臣一体となって帝国に対抗していた。
貴族とその家臣も、領民と一緒に土にまみれて田畑を耕した。
質素倹約に励み、帝国の苦役に耐え忍んできた。
だがら、帝国の走狗に恨みを晴らす機会を見逃さなかった。
ノアを輸送用の駄馬で引かせた。
縄で縛り上げて駄馬を走らせて引かせたのだ。
俗に言う「引きずり回し」の刑だ。
内臓が破裂し骨折した身体で、馬に引きずり回されるのだ。
地面で皮や肉をすり下ろされる激痛が加わるのだ。
ノアは長時間馬で引きずり回されて息絶えた。
一方第二次討伐軍自体は、それほど損害を受けることなく壊走した。
損害は僅かとは言え、それでも領民が死傷したのは確かだ。
更に言えば、大量の物資を失った。
武具防具に加えて、兵糧を失ったのが大きかった。
二度も大量の兵糧を失えば、領民から大量の餓死者が出てしまう。
「爺。
ここは決断の時だ。
兵を挙げるぞ」
「ですが、若。
そんな事をすれば、帝国は我が領地に攻め込んできますぞ」
「だがこのままでは、大量の領民が餓死するぞ。
餓死するくらいならと、領民は家族を奴隷に売るぞ。
借金で食糧を買えば、借金返済が出来ずに家を乗っ取られるぞ。
家を保つには、一か八か立つしかないのだ」
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